silly ski squadronスキー雑記

バカなスキー集団。スキーならなんでもやります京都方面本部。
突撃我ニ続ケ!!

ターン切り替え時のポイント(山回りから谷回りへ)

2006年03月01日 12時05分03秒 | スキーテクニック編
今日は、中級者が一番悩ましい、ターンの切り替えについて。

スキーの本や雑誌では、上図はよく見かけるシェーマだと思います。
ターンの切り替え時のイメージですね。
左の図は身体の動き、右の図はターンの軌跡を表わします。
スキーヤーは、向こうからこちらへ滑ってきています。と、いうことは左ターン(右足が最終的に外足となる)に入ろうとしているところです。
お分かりでしょうが、一応説明しておきます。
四角い部分が胴体部、太めの2本の線が脚部、三角はスキーを正面からみたところ。で、下の斜めの線は雪面ですね。斜度は30度に設定しました。
左右の番号は対応しています。

1:外向傾が見られます。下肢は山側へ(図では左)傾き、上体は谷側(図では右)を向いています。ターン後半の山回り部分。
こんな簡素な絵では表わし切れないのですが、この時、上体や下肢の捩れが発生しているのですが今日はとにかくそれは無視して、全体の重心の流れを掴んでください。左足の母指球側と右足の小指側でエッジング。

2:右ターンが終わって、左ターンに入ろうとする、ちょうどターンの切り替え部分。エッジは雪面に対してフラット。

3:ターン前半部の谷回り部分。左足の小指側と右足の母指球側でエッジング。

さて、これだけでは何の問題もないのです。それでは何が難しいのでしょうか?
連続した動きを、断面的に見るとこのように簡単です。
だので問題は、敢えて極端に言うと1~2そして、2~3の間の動きにあるのです。
2~3は、2の体勢がとれると比較的簡単なのですが、問題は1~2への移行です。そして中級者が一番難しいのがこの部分なのです。
当ブログでは先週、テールジャンプ(リュアード)の話ばかりしていました。
1から2へ移行するのに最も端的に分かりやすいのがテールジャンプなのです。
ある人は、思いきり斜面に飛び込むようにジャンプすると表現し、ある人はヤケクソで(笑)、前下へ身体を持っていったら成功した、と言います。
さように、表現法の難しい過程なのです。

2の部分は、昔からスキー教程で、やいのやいの議論されていた個所です。
古い有名な理論では「平踏み先落とし」です。ほらまた、スキー業界用語だ!(笑)
何だと思います?
要するに平踏み=スキーのソールを雪面に対して平行にして、スキーのトップを谷側に落としてターンのキッカケにするというものです。
なんのこっちゃ!?
非常に意味が分かりにくいでしょう?それはスキーの板の動きに焦点を合わせて表現するからそうなるのです。
しかも、この「平踏み先落とし」では、スキーのソールさえ雪面に平行に置けば、勝手に曲がるように書いてある。
でも曲がらない。
そりゃそうですよね。そのまま板が下にずり落ちるだけです。で、頭から転倒、と(笑)。

これは実は、身体の動きから説明していけば簡単なのです。1で外向傾をとり、しっかり足場をつくって、重心(体全体と言ってもいい)をターン進行方向の谷側(図左では、右下)に投げ出せば(プロジェクシオン・アバン)、勝手に板は平踏み状態になります。

あとは3の図ですが、ここはまあもうちょっと上級者になってからクリアすればいいのですが、今のうちに覚えておいて損はない。
このターン前半部分で、スキーに圧を加えられるかどうか(踏む、とも表現する)で、ターンの質が上等になってきます。左図3を見ると、単に右側に倒れているだけじゃん、と思われるかもしれませんが、右の3を見れば、ああ、遠心力が働いているので、それに対抗してこうなるのだなと理解出来るでしょう。
そして、ここをしっかり踏むことによって、ブランコを漕ぐように加速も出来ますし、スピードを抑えたい時は、ここで深回ししたりずらすなりします。
まあ正確に1~3の動作が出来てくるようになれば、勝手にこの部分は出来てきますよ。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

何故うまくなったのか?

2006年03月01日 01時16分31秒 | スキーテクニック編
スキーヤーがうまくなるパターンには色々あります。
このスキーヤー(Uりそ)に関しては、モーグル好きで大会にも出ていますが、去年までは勢いで板をコブに叩き付ける運動しかありませんでした。
典型的なコブ馴れだけしているタイプです。コブは滑れるんだけれど整地では中級者というところでした。
つまり、回し込み要素がないので、見ていて非常に身体の動きが暴れており、実際は見た目ほどスピードが出ていませんでした。
ところが今シーズンは目を疑うような進歩。
写真のように、中速で、見事にトップを落とし込んでスキー板をコントロールしています(あきらかなリュアード=テールジャンプが2コマ目に見られますね)。

実はこの滑りが出来るまでには、オフシーズンを挟んで4日のインターバルしかありません。
彼は一体何をしたのでしょう?

答え:基礎スキーのレッスンを受けていました。徹底的に回し込む練習をさせられていたのです。コブだけでなく、整地の練習も多く取り入れたレッスンで、大きな曲げ伸ばしを主体としたレッスンでした。
それによって、硬直した下肢を柔らかく使えるようになったというわけです。

元々は上体の突っ込みなどは素晴らしいものがあったので、膝下、足首を柔軟に使えるようになったら、掲載の写真のような速くて丁寧な滑りを身に付けることが出来たのです。

※ポイント

テールジャンプで、スキー板のトップを落とし込んで、まるく回すことはスピードが遅いということではありません。
むしろ、どすんどすんと落ちてくるターン(ターンとも言えない)よりスピードは速く、しかも安定します。
モーグルの上手い選手は空を飛んでいるように見えますが、よく見ると必ずそこには、「回し込み」の要素が認められます。
今回のトリノオリンピックでは、斜後ろから選手を撮り降ろすアングルがありました。録画した方は是非見直して下さい。中間セクション部分です。
結局滑るラインが直線的なだけで、基本は「回し込む」ところにあるのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする