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永久に見つからない遺体

2022-06-22 14:01:35 | 日記
東日本大震災から11年 新たに3人の遺体の身元特定 現在も2523人が行方不明(2022年3月9日)


東日本大震災から既に11年が経ちました。
しかし、未だに見つからない方が2500余人います。
それは本当に悲しい事です。







あの時逃げ遅れ、眼前に迫る黒い大波を目にした時、
自分の死を直感した人は大勢いたと思います。
そして、迫り来る死を感じながら、自分は遺体すら発見して貰えないかと、
観念した人も大勢いたと私は思います。
しかし、いくら死ぬにしても、せめて遺体くらいは発見され、
家族たちに自分の死を見て欲しい、別離の言葉をかけて貰いたいと、
そう思った人も沢山いたと思うのです。
それが今まで生きてきた人、人間としての心だと思うのです。





この4月に発生した知床遊覧船沈没事故。
26名中、現在も10名だったかの人は、まだ遺体すら発見されていません。
あの事故が起こった時、
私は遺体すら永久に見つからない悲劇だけは、何とか避けてほしい。
死んだにしてもそれだけは勘弁してほしいと祈りました。
ですが、相手は広すぎる太平洋。
もうダメなのかもしれない、本当にやり切れません。







第二次大戦中には、各国沢山の潜水艦が太平洋、大西洋にと出撃していました。
陸地で戦争していれば、死んだにしても大体の死に場所は分かりますが、
潜水艦は全てが隠密行動ですから軍にしても、
彼等が何処で失われたかも把握できない事が多いのです。
ただ潜水艦〇〇号は西太平洋方面に出撃、以後消息不明といった具合に。
陸地で死んだのと違って、数千メートルの深海だったりすれば、
それは永久に発見される事は無いし、遺体の回収などあり得ません。
彼等は誰にも知られる事もなく永久にその死は葬られてしまうのです。
それは、あまりにも悲しすぎる。





2001年9月に発生したニューヨークテロ。
あのビルに突入した飛行機に乗っていた人は、
鉄骨さえ溶かしてしまう高熱に焼かれ、
人骨さえも燃え尽くし粉になってしまい、
挙句の果てにはビル崩壊により、人骨まみれの粉さえ瓦礫にまみれ、
何の痕跡も無いまま、記憶の中だけの人間になってしまいました。
人間が物体である以上、物理的な結末があったにしてもどうにもなりませんが、
でも遺族にすれば、せめて遺体くらいはと思います。
それが、何にも無い、ただ思い出だけしか残らなかったというのは、
あまりにも無慈悲で、狂わしく切ない。
それはないだろ。それだけはあまりにもやるせない。

衝撃の激しさに見るも無残で、まともに見られない遺体。
それでも、遺体は残った方がいいのか?

でも、その瞬間だけは気が狂いそうになろうが、
その人は死んでしまった、もう居ないのだという現実がある。
しかし、見たくても見られない、
掴みたくても掴めない、抱き締めたくても腕は空を切るばかり。
どっちにせよ、もう存在しないという事は理解できても、
やはり、逝ってしまった事実を確認したいと、私は思います。


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