102歳のロビンソン・クルーソー 鈴木 信,渡久地 政滝 マキノ出版 詳細を見る |
97歳で一人暮らしをはじめ、野菜を売って自活する沖縄の渡久地 政瀧さんの毎日の生活ぶり、生活信条を記したのが「102歳のロビンソンクルーソー」です。
「人生まだまだこれから」「老いるのは怖くない」と励まされる本です。
「テーゲーにしてればナンクルナイサー」
-大概(適当)にしていればどうということもない(問題ない)
と渡久地さんは話されています。
しかしそれは心もちだけのこと。
毎日決まった時間に起き、体操、畑仕事(年金生活者ですが畑で育てた野菜を売って収入を得てもいる)、料理(野菜たっぷりの献立)、後片付け、掃除。就寝前には自家製の薬用酒をさかづき一杯。さんしん(三味線のような沖縄の楽器)の手習い。裁縫をし、日記も欠かさず。
火事にならぬよう、料理の際にはガス栓の開け閉めもそのつど行い、ご自身の年齢を客観視し、能力が落ちてくる分をさまざまな工夫で補っています。
生活者として自立していることがすばらしいです。それだからこそ100歳を越えても周囲に感謝し、気遣いをする頭が働き、心の余裕もあるのでしょう。
あと、感銘を受けたのは「足りるを知る」「今の環境を楽しむ」姿勢です。
渡久地さんは、毎晩寝る前に「明日何をしよう」と考えながら楽しみに次の朝を迎えるそうです。一人でさびしくないかと人から聞かれるが、自分にはやりたいことがたくさんあるから特段そう思わないとも言っておられます。
人はとかく「□□だから○○できない」「△△してもらえない」と、不満の種を探してしまいがちですが、現状のなかでどう生きるか、という視点を持っていたいものだと思いました。
★「120歳まで待っててね」と天国の奥さまに語りかけていた渡久地さんですが、2005 年、104歳で大往生を遂げられました。同年5月に入院し、10月に死去されたとのこと。これは運もあるとは思いますが、闘病期間が短かったのも、日ごろの生活ぶりに負うところも少しはあるのかもしれません。こうありたいものです。
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