私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

増続山井四季之詞

2010-05-03 09:43:39 | Weblog
 今日は、5月3日「憲法記念日」です。
 朝から五月晴れの好天気です。そうです。「さつき」なのです。でも、ちょっと考えて見ると、どうして5月がさつきなのでしょうか。一帯さつきとは何でしょうか?? 

 そこで、私の持っている江戸の文化年間にでた高井蘭山の「増続山井四季之詞」をひも解いてみました。

 それによると、〈五月は「さつき」「月見ず月」「たちばな月」「仲夏」「皐月」と呼ばれ、「早苗月」といふを略して「さつき」といへり〉
 と書いています。
 
 この「五月」と言う文字が、日本で一番初めに出てくるのは「日本書紀・神代紀」です。
 それによると、高皇産霊尊(たかみむすびのみこと)が、八十神たちにみことのりをした時に、葦原の中国(なかつくに)の様子を、
 「夜は業火の乱れ立つが如く喧響であり、昼は五月蠅なす沸騰(わきたつ)がごと騒ぎ立って居る」
 と仰せられたとあります。この五月蠅を「さばえ」と読ましています。ご参考までに。
 
 さて、この本に書いてあるように、「早苗月」が「さつき」になったと言う説に対して、次のような反対する意見もあるらしいのです。
 
 それによると、五月には早苗だけでなく晩稲(おくて)も植える時期だから、何も早苗だけ離してこの月を「さなえつき」とするには、いささか合点がいかない。むしろ「小苗取る月」として考える方がよい等と、この五月についても、本居宣長が言うように、今まで色々な意見が出てきています。

 でも、何はともあれ五月ーさつきです。緑の風に代表される爽やかな季節であることには間違いありません。

 遠くに鯉幟が、その五月の風に、はためいているのに出会うと“甍の波と雲の波・・”と何だか心まで華やいだ気分になり、幸福な気分になったように思えるではありませんか。

 5月って本当に心を幸せにしてくれる月です。幸い月ですね。これこそ本当の「さつき」ではないでしょうか?????