日本バプテスト大阪教会へようこそ!

教会設立73年 都会と下町とが交差する大阪のどまん中にある天王寺のキリスト教会 ぜひお立ち寄りください!

祈りの賜物

2022-06-26 15:31:57 | メッセージ
主日礼拝宣教(神学校週間) コロサイ4章2-6節

本日から来週7月3日迄、西南学院大神学部をはじめ、九州、東京の各バプテスト神学校とそこで学んでおられる献身者を覚えて、祈り、ささげていく神学校週間を迎えました。
私は22歳の時でしたが、この大阪教会から推薦を戴いて西南の神学校で貴重な学びの機会が与えられました。それは又、自分の信仰を見つめ直す時でもありました。神学部の寮に入って共同生活では、同じ釜の飯を食べ、共に礼拝を捧げ、祈り合い、時には熱い議論になってぶつかり合ったした経験は、今思えば貴重な学びの時でありました。神学生は学びや奉仕を兼ねて教会に通うわけですが、一年目は西南の神学校に行く決心をするきっかけを与えて下さった吉田晃児牧師が当時牧会されていた久留米教会、二年目と三年目は私がバプテスマを受けたシオン山教会、四年目は糟屋教会篠栗伝道所、後に牧師としても招聘して下さった教会ですが。三つの教会でお世話になり、豊かな出会いと交わり、又教会学校の教師、少年少女会や青年会の顧問、礼拝の説教など、教会の実践的な学びをさせて頂きました。
大阪基督教短大神学科での二年を併せると六年間で与えられたた出会い、学び、体験は、その後牧師として立てられていくうえで貴重な時となりました。特に主の働き人とされるようにと祈ってくださった兄弟姉妹の存在にどれほど支えられたことかと、ただ感謝であります。それは牧師とされてからも同様であります。

先ほど、本日の聖書の箇所でありますコロサイの信徒への手紙4章2-6節が読まれましたが。神が御言葉の門を開けてくださり、キリストの福音が語られるように。又、教会の務めが御心にあって有意義なものであるようにといつも祈り、祈られているその関係性を与えられたことに感謝しています。
今現在、神学校で学んでおられる方がた、そして神学校の働きが主の守りの中で祝されますように。それが又、諸教会の未来へとつながって生きますように祈ります。

さて、本日は神さまの「祈りの賜物」と題して御言葉を聞いていきたいと思います。
まず、パウロはコロサイの信徒たちに、2節「目を覚まして感謝を込め、ひたすら祈りなさい」と勧めます。「目を覚まし」とは、偽りの教えや悪い働きから信仰を守って、やがて来るべきキリストを迎えいれる備えをするということであります。ひとたびキリストを信じて救われても、信仰の目が閉じて主の御救いから離れてしまうとしたら、それは心痛むことです。日々主の救いの確信と、そこから湧きあふれる感謝をもって、ひたすら神との対話、願いととりなし、祈り続けなさい、との勧めであります。
以前にも増して困難な時代に思えますが、主イエスが「あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている」(ヨハネ16:33)と仰せになったその御言葉に信頼して、「目を覚まして感謝を込め、ひたすら祈り」続ける私たちでありたいと願います。

さらに、パウロは3節「同時にわたしのためにも祈ってください」とコロサイの信徒たちにとりなしの祈りを頼みます。パウロ一人ではどうすることのできない事もたくさんあったのです。
パウロは、とりなしの祈りによる神の力のお働きを確信していました。
大阪教会の主にある兄弟姉妹方は、私を神学校に送り出し、ずっと祈り支えてくださいました。、そして18年後には不思議なる主の導きによって、大阪教会の牧師に招聘されお用い頂いています。

さて、ここでのパウロのとりなしの祈りの要請は、「神が御言葉のために門を開いてくださり、キリストの秘められた計画を語ることができるように」なるためでありました。
囚われの身であったパウロでしたから、彼が牢から出られるように主にとりなし祈ってください、と普通そう頼むのではないだろうかと思いますが。
けれどもパウロの祈りの要請は、牢の門が開かれて解放されることではなく、御言葉の門が開かれて、福音の奥義を語る機会が与えられることにあったのです。たとえ牢屋にあったとしても、様々な方法や仕方で御言葉の奥義を最大限に語る機会をもつことができることに、パウロはこのうえない喜び、恵み、平安をその状況下で感じとることができたのです。
コロナ危機になった当初私も何だか閉じ込められたようで先が見えず悩みました。そういう中で主にある兄弟姉妹方と主とその福音にあって励まし合い、祈りを共にする時が与えられました。それはどんなにありがたいものであったでしょうか。

パウロは4節で「わたしがしかるべく語って、この計画を明らかにできるように祈ってください」と言っています。
それは、この「キリストの秘められた計画」、すなわち主の救いに始まり、主の来臨の希望に至る福音がさらに証しされ、宣べ伝えられるように祈ってほしい、と語っているのです。
それは又、コロサイの信徒たちがその思いを共にして、さらに「キリストの救い」「福音の証し」が立てられていくことをパウロは願っていたのです。
私たちの教会も又、閉塞感を覚えるような、又急速に悪い方向に変わっていこうとするような時代にあっても、変わることのない福音の奥義、キリストの救いを語り合い、祈り合う教会でありたいと願います。

そのために5節以降でパウロはまず、「時をよく用い、外部の人に対して賢くふるまいなさい」と勧めます。
ここで言う「時をよく用い」とは、原文では「時を買え」という意味だそうです。この時とは単なる時間ではなく、キリストによってもたらされた神の時、さらには、やがてキリストが来臨される折に完成される神の国の時を意味するのです。キリストがその神の時を買い取ってくださった。正確には贖い取ってくださった。だから、私たちも又そのキリストの来臨と神の国の完成の希望を抱きつつ、時を生かして用いなさいと、勧められているのです。
さらに、興味深いのは、外部の人に向けて「そうしなさい」と言っていることです。
この「外部の人」とは、岩波訳聖書の解説には、コロサイの教会の信徒以外の人、未信者、さらには、キリストの教えと相いれないような「異端者」を指しているとありました。そうした「外部の人」に対して、パウロは6節「いつも、塩で味付けされた快い言葉で語りなさい」と教えていることです。
異教的なコロサイの地において、悪意をもってコロサイの信徒を迫害してくるような勢力もあったことでしょう。けれどもパウロは、悪の働きに対して同様の力でもって対抗するのではなく、岩波訳には「あなたがたの語る言葉はいつも快く、塩で味付けされたものであるように」と勧めています。その「快い言葉」とは、エフェソ4章29節にあるとおり、「その人を造り上げるのに役立つ言葉」だと言うことであります。
それを塩味で表現しているのはとてもイメージしやすいです。塩は料理にほんの僅か足すと美味しくなるものです。塩は塩だけではしょっぱくて食べられるものではありません。私はぜんざいが大好きなのですが。小豆とお砂糖だけではなんとも物足りません。そこに僅かなお塩を入れますとかえって甘味が引立ちます。塩加減を間違えるとぜんざいは台無しになってしまいます。そのお塩の加減ってほんとうに大事なんですね。
同様に、相手に対してただ非難するようなしょっぱい言葉を投げかけても、かえって相手の神経を逆撫でするようなものです。ほどよい塩加減で気づきが得られるような、その人を造り上げるのに役立つ言葉で語ることが、神の時に与ったキリスト者に期待されているということであります。

さて、ようやくコロナ下も落ち着きを見せているようですが。
キリスト教や教会について、あるいは社会の問題や悩み事と幅広い課題について最近教会に電話をかけて来られる方が少しずつ増えています。教会のHPやブログを御覧になられた方。又、ネットの検索から知った方など、いろいろですが。電話をおかけになるくらいですから、なにがしかの思いを抱えておられる方もおられるでしょう。
そういったお電話、あるいはまたメールをしてくださる方に対して、できるかぎり丁寧に、又誠実にお話を伺うようにしておりますが。すべてに勝る神とその福音に出会って頂きたいと願うものです。
使徒パウロが6節で、「いつも、塩で味付けされた快い言葉で語りなさい。そうすれば、一人一人にどう答えるべきか分るでしょう」と教えているように、神さまが御言葉の門、救いの門を開いてくださるよう、とりなしのお祈りをお願いいたします。

本日は「祈りの賜物」と題し、御言葉を聞いてきました。
祈りと言えば、主イエスがこのように祈りなさいと弟子たちにお示しになった「主の祈り」を思い起こしますが。私たちはそれを礼拝の中で、又祈祷会の締めくくりに祈るようにしています。
この主の祈りの特徴は「我ら」「私たち」という言葉が繰り返されている祈りにあります。
「神の御名が崇められますように。地上に神の国の訪れが告げ広められますように。御心こそがなりますように」と、神と地上とをつなぐように祈り、さらに「私たち」が生きる上での必要としての日毎の糧、ゆるしと和解、神の御前における正しさを求めてとりなし祈るのです。
このコロサイの信徒への手紙を通して知らされたのは、私たちがキリストの平和を身におびて、いのちの御言葉がさらにすべての人に届き、宿るように祈り、とりなしていくようにと招かれているということであります。
今週も又、福音の門、いのちの御言葉の門が大きく開かれますよう、祈りとりなし続けてまいりましょう。
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