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2012年12月に読んだ本

2013年01月01日 01時21分36秒 | 本と雑誌
2012年12月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:4641ページ
ナイス数:106ナイス

双月高校、クイズ日和双月高校、クイズ日和感想
高校部活もので、クイズ同好会が舞台。設定は好みだし、内容も悪くはないが、ストーリーやエピソードが予定調和的というか、驚きの要素が乏しい。小さくまとまってしまったなあという印象。これを読むと『ナナマルサンバツ』の出来の良さが際立つというか(笑)(☆☆☆)
読了日:12月4日 著者:青柳 碧人
穴らしきものに入る (角川ホラー文庫)穴らしきものに入る (角川ホラー文庫)感想
ホラーというより、式貴士や筒井康隆の初期短編に近い感覚。不条理SFあたり。落ちがもう少し尖がっていればって気もするが、味わい自体は独特のものなので、質を落とさずに持続するのは難しそうだけど頑張って欲しいね。(☆☆☆☆)
読了日:12月7日 著者:国広 正人
江戸っ子は虫歯しらず?<江戸文化絵解き帳>江戸っ子は虫歯しらず?<江戸文化絵解き帳>感想
著者が蒐集した江戸期の出版物に挿入された多数の絵から、当時の人々の習慣を読み解いたもの。斬新な内容ではないが、図絵が多く親しみやすい。江戸礼賛が過ぎると感じられた面もあるが、江戸文化の良さを知るには最適の本だろう。(☆☆☆☆)
読了日:12月7日 著者:石川 英輔
虚像の道化師 ガリレオ 7虚像の道化師 ガリレオ 7感想
「幻惑す」はネタはともかく構成が見事。「偽装う」は湯川がかっこよすぎ(笑)。「演技る」の「芸術家のやること」という区分、本来湯川もあっち側の人間だったはずなのにと思ってしまったが、シリーズが続く中でずいぶんと人間臭くなったよなあと感じた。(☆☆☆☆☆)
読了日:12月11日 著者:東野 圭吾
理由(わけ)あって冬に出る (創元推理文庫)理由(わけ)あって冬に出る (創元推理文庫)感想
素晴らしい。怪談の謎解きは日常の謎の定番だが、畳み掛ける展開と際立つキャラクター性にぐいぐいと引き込まれた。欠点がないわけではないが、新人とは思えない練度を感じる作品だった(ちょうど「タレーラン」と並行して読んでいたため、より強く感じたのかもしれないが)。(☆☆☆☆☆☆☆)
読了日:12月13日 著者:似鳥 鶏
珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
人間関係の距離感は会話で表現されるものだけど、いきなり「図星」はどうかと。これに限らず、話の運びなどでも些細だけれど引っかかる点が多く、プロの小慣れた作品にない素人くささが気になった。ミステリとしては工夫を凝らしている印象で好感を持つことができたが、そのために作られたキャラクター造型という感じが色濃く、楽しめる出来とは言い難い。(☆☆☆)
読了日:12月14日 著者:岡崎 琢磨
ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈3〉動乱編ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈3〉動乱編感想
1冊ごとに質は向上し、厚みは増して、面白くはなっているんだけど、そのせいか余計に著者の浅薄な主張を振りかざす場面がうっとおしく感じられる。ストーリー展開は、この手の作品の王道という感じで、目新しさに欠ける。キャラクターもそれほど突出した存在がいない。結局は、自衛隊ツエー!を楽しむだけになってるね。(☆☆☆)
読了日:12月17日 著者:柳内 たくみ
スリジエセンター1991スリジエセンター1991感想
「負け戦」となることが分かっていても、ぐいぐいと惹きつける魅力はさすが。桜宮サーガのキャラクターの若かりし姿が描かれている点も良いが、臆面なく理想を語らせられる最後の時代であったのかもしれない。「ケルベロス」はもうひとつだったが、こちらは秀逸。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:12月20日 著者:海堂 尊
左京区恋月橋渡ル左京区恋月橋渡ル感想
「あきらめたら、うまくいくものもうまくいかなくなっちゃうもん。やれること全部、やりつくさなきゃだめだと思う」という花の言葉は至言で、だからこそラストの清々しさに繋がるんだけど、恋愛ごとに限らず、分かっていてもできないのが人とも言えるわけで。ストーリーは山根の主観のみで突っ走っているので、ヒロインをあまり描かない手法は悪くないと感じた。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:12月21日 著者:瀧羽 麻子
さよならの次にくる <卒業式編> (創元推理文庫)さよならの次にくる <卒業式編> (創元推理文庫)感想
「理由あって冬に出る」と比べると物足りなさが強く感じられた。「日常の謎」の連作短編の場合、どれだけ日常性を丹念に描けるかで作品の魅力が増すと思う。本作は謎を描くのに汲々として、日常性の部分に厚みを感じなかった。キャラクター的にも伊神先輩頼みが強すぎる印象。それでも、ところどころに良さがあり、水準以上の出来だとは思う。(☆☆☆☆)
読了日:12月22日 著者:似鳥 鶏
ある男ある男感想
素晴らしい。木内作品はユーモアのある作風の方が好みではあるが、この短編集は凄味が感じられて鳥肌が立つほど。特に後半の作品は秀逸で、読み応えがあった。「フレーヘードル」のラストには絶句。歴史もので悲劇的な作品は世にあまたあるけれど、突き抜けて境地に達したような作品がいくつかあったことを喜びたい。(☆☆☆☆☆☆☆)
読了日:12月27日 著者:木内 昇
遺伝子はダメなあなたを愛してる遺伝子はダメなあなたを愛してる感想
「遺伝子は産めよ増やせよといっているのではなく、むしろ自由であれ、といっているのだと私は思うのです」というあとがきの言葉には同感。生物学にはあまり興味はないけれど、だからこそ目新しい話題に感心させられた。(☆☆☆☆)
読了日:12月27日 著者:福岡伸一
さよならの次にくる<新学期編> (創元推理文庫)さよならの次にくる<新学期編> (創元推理文庫)感想
葉山君をめぐって、伊神さんと希ちゃんの三角関係勃発!・・・という話かどうかはさておき、伏線が次々と回収される終盤の畳み掛ける展開は見事。ただミステリの部分の弱さや伏線の張り方などには物足りなさも。日常の描写ももう少し膨らました方が好み。あと、柳瀬さん無双すぎるw(☆☆☆☆☆)
読了日:12月28日 著者:似鳥 鶏
屍者の帝国屍者の帝国感想
読み終わった直後の感想であり、のちに全面的に評価が変わる可能性もあるが、エンターテイメントとしては読みづらく、SFとしては物足りないといったところ。プロローグを読んだ時のワクワク感が本編であまり感じられなかった。テーマ、描写、演出どれもがあと一歩足りない印象が残った。そして、何より、物語を突き破るものではなかったことが残念だった。(☆☆☆☆)
読了日:12月31日 著者:伊藤 計劃,円城 塔

読書メーター




14冊。これで2012年は90冊となった。最低でも120冊が目標だったので、かなり不甲斐ない数字。5月から8月にかけてが酷くて、4ヶ月で14冊とかもう目も当てられない。
2013年は改善していかないとと強く心に誓う……が、果たしてどうなるだろう。

今月は楽しく読めたもの、期待外れだったものと別れたが、全体としては満足のいく読書ができた感じだ。
『ある男』と『屍者の帝国』は個別に記事を立てて感想を書いたのでここでは割愛する。

似鳥鶏の「にわか高校生探偵団の事件簿シリーズ」は日常の謎系ミステリ。デビュー作にあたる『理由あって冬に出る』は非常に良い出来だった。日常の謎の場合、キャラクター性が重要なので、その点が優れている。また、畳み掛ける展開に関しては絶賛に値する。一方で、ミステリ的な面は弱い。普通にラノベ向きな作家と言えるかもしれないw

『双月高校、クイズ日和』の青柳碧人はラノベも書いている。代表作は数学ミステリの『浜村渚の計算ノートシリーズ』で、現在図書館から借りているので、近いうちに読む予定。

『左京区恋月橋渡ル』は理系男子を扱った恋愛青春小説の第2弾。1作目ほどではないが、正統派の恋愛小説もたまに読むと楽しいものだ。ヘタレ男子に比べて、女子の恋愛偏差値の高さばかりが目に付くけれどw

『スリジエセンター1991』は2012年に読んだ海堂尊作品の中では最も出来が良かった。(他は『玉村警部補の災難』『ケルベロスの肖像』)
いくつかシリーズが完結しても、桜宮サーガ自体は完結していないようなので、あまり終わった感じはしない。まだ何冊か読んでいない作品があるので、読みたいと思っている。

『穴らしきものに入る』はこれがホラー?って感じ。昔なら間違いなくSFだけど、今はSFとしては出せないって感じだしね。

『虚像の道化師』で2012年の東野圭吾作品は6冊目。当たり外れがないわけではないが、日本のエンターテイメントの到達点をキープしている作家のひとりなので、コンスタントに読み続けていきたい。

2013年は2012年同様150冊を目標にしたい。読み残している作品も少なくないし、特に物語シリーズなどライトノベル系で読みたい作品が多いので、それをどうにかクリアしたいものだ。

2012年11月に読んだ本
2012年10月に読んだ本
2012年9月に読んだ本
2012年8月に読んだ本
2012年7月に読んだ本
2012年6月に読んだ本
2012年5月に読んだ本
2012年4月に読んだ本
2012年3月に読んだ本
2012年2月に読んだ本
2012年1月に読んだ本
2011年に読んだ本




2012年12月に読んだコミック

『くすりのマジョラム』2-3巻(鈴城 芹)
『森田さんは無口』5巻(佐野 妙)
『大砲とスタンプ』1巻(速水 螺旋人)
『ダイヤのA』34巻(寺嶋 裕二)
『ひだまりスケッチ』7巻(蒼樹 うめ)
『げんしけん 二代目の四』13巻(木尾 士目)

計7冊。小説読むペースが上がると、コミックを読むペースは落ちる。仕方ないところ。これで年間274冊となった。300冊を狙っていたが……。

読んだ作品はどれも水準以上。特に『げんしけん』は面白いねw


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