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2014年4月に読んだ本

2014年05月01日 23時03分54秒 | 本と雑誌
2014年4月の読書メーター
読んだ本の数:38冊
読んだページ数:12636ページ
ナイス数:130ナイス

大日本サムライガール 7 (星海社FICTIONS)大日本サムライガール 7 (星海社FICTIONS)感想
これまで順風満帆だったが、大詰め間近となりいよいよ試練のときに。姿の見えない敵とどう戦うかというのは面白そうだけど、それをどう描くのか。早く続きが読みたいね。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月1日 著者:至道流星,まごまご
福家警部補の報告 (創元クライム・クラブ)福家警部補の報告 (創元クライム・クラブ)感想
福家の初めてとも言える大きなミスや宿敵になりそうな存在の登場と、シリーズならではの展開が目立つ一冊。いくつかグッとくるような福家のセリフもあるのだが、内面を描写できない作劇上キャラクターの魅力が十分に描けているかというと物足りなさがある。どうしてもスーパーマンになっちゃうんだよね。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月4日 著者:大倉崇裕
魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)感想
アニメ放送前に駆け込みで。文章、キャラクター、設定、ストーリー、どれも取り立てて際立っているようには感じない。いかにも、”俺TUEEEE”だし。ただ巧いとまでは言わないが、読者の興味をうまく引っ張る術があって、ライトノベルには珍しい印象を受けた。とりあえず上巻だけ読むつもりが一気に下巻まで読んでしまった(笑)。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月5日 著者:佐島勤
魔法科高校の劣等生〈2〉入学編(下) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生〈2〉入学編(下) (電撃文庫)感想
”俺TUEEEE”主人公の「謎」でストーリーを牽引する形式は小池一夫的。主人公だけでなく周りまで強いことには辟易する部分もあるけれど、願望充足系エンターテイメントにいろいろツッコミ入れても仕方ないか。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月5日 著者:佐島勤
世界に通用する セレッソ大阪の「育て勝つ」流儀世界に通用する セレッソ大阪の「育て勝つ」流儀感想
『セレッソ・アイデンティティ』より、より現場に近い立場からのセレッソ本。目先の結果ではなくクラブ哲学を貫き通すことを掲げ、その成果が実を結ぼうとしている。Jリーグを盛り上げるためにもセレッソは強くならなければならないと改めて感じた。レヴィー・クルピとのエピソードなど著者しか描けない内容も多く、セレッソファンには必読の書と言えるだろう。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月6日 著者:梶野智
ノーゲーム・ノーライフ1 ゲーマー兄妹がファンタジー世界を征服するそうです (MF文庫J)ノーゲーム・ノーライフ1 ゲーマー兄妹がファンタジー世界を征服するそうです (MF文庫J)感想
ゲーム系ファンタジー世界観と俺TUEEEE系主人公という組み合わせはよくあるスタイルで、もはや一ジャンルになっている感じ。バトル部分の面白さがウリになるのかと思っていたが、正直微妙。ただキャラクターや設定のシンプルさは悪くはない感じで、もう少し読んでみたいかな。(☆☆☆)
読了日:4月7日 著者:榎宮祐
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか4 小冊子付き限定版 (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか4 小冊子付き限定版 (GA文庫)感想
いまいちばん続きが読みたくなる作品。この4巻は踊り場的だったが、熱さは相変わらず。チートな成長速度だけど、この主人公なら許せるってキャラ造型だしね。短編も広がりがあっていい感じ。(☆☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月8日 著者:大森藤ノ
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア 小冊子付き限定版 (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア 小冊子付き限定版 (GA文庫)感想
本編が白兎の成長奇譚であるのに対して、こちらはダンジョンの謎の解明に進むのかな?という感じ。強すぎるアイズだけど、周りのキャラクターとの絡みが良く描かれていて楽しく読める。本編ともども早く続きが読みたいね!(☆☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月9日 著者:大森藤ノ
魔法科高校の劣等生〈3〉九校戦編(上) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生〈3〉九校戦編(上) (電撃文庫)感想
俺TUEEEEの限界に挑むって感じの「大物」ぶりはある意味すがすがしいくらい(笑)。魔法理論とかちょっと薄い感じだけど、ラノベだとこれくらいになっちゃうのかな。手を広げすぎて薄さが目立つのが気になるけど、ノリでなんとか読ませているって印象。そのノリが持続できればエンターテイメントとしては十分なんだけど。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月10日 著者:佐島勤
魔法科高校の劣等生〈4〉九校戦編(下) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生〈4〉九校戦編(下) (電撃文庫)感想
12章は事後にそれとなく匂わせるような書き方がいいかなと思ったが、主人公のダークさをより印象付ける効果を狙ったのかな。何かあってから動くよりも起きる前に動くのが当然なんだけど、それだと物語にならないしねー(笑)。目立ちすぎる点といい、主人公の性格によって行動が決まるのではなく、物語の要請によって決まっているのが目に付くけど、あんまり細かなツッコミは野暮か。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月10日 著者:佐島勤
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (1) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (1) (電撃文庫)感想
最近のライトノベルっぽくないファンタジー。怠惰な主人公像は掃いて捨てるほどいるし、どうしてもヤン・ウェンリーと重なる面が多い。ただラストで提示された目的はなかなかユニークで興味深いものだった。このラノで推されるほどとは思わないが、続きを読みたいとは思わせる内容。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月11日 著者:宇野朴人
魔法科高校の劣等生〈5〉夏休み編+1 (電撃文庫)魔法科高校の劣等生〈5〉夏休み編+1 (電撃文庫)感想
なんというか、まあラノベらしいというか。キャラ造型が浅くて学芸会っぽくなっちゃうのは仕方ない。むしろそれでも読ませるものがあると評価すべきなのかも(笑)。最強の兄妹のイチャイチャを楽しむ作品だしね。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月12日 著者:佐島勤
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (2) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (2) (電撃文庫)感想
「引き」は良かったけど、他は至ってフツー。王道とも言えるが、ありきたりな感じは否めない。1巻に比べても他の作品との差別化に成功しているように思えなかった。優秀すぎる3人にプレッシャーを受けるマシューの存在がこの作品の特徴だけど、引き立て役にしかなってなかったしね。(☆☆☆☆)
読了日:4月12日 著者:宇野朴人
魔法科高校の劣等生〈6〉横浜騒乱編(上) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生〈6〉横浜騒乱編(上) (電撃文庫)感想
嵐の前の静けさとまでは言わないが、手強かったのは少女の頑なさくらいという。ボスキャラ的な登場だった呂がぜんぜん強く見えないとか、パワーバランスがどうだろうって感じだけど、魔法設定以外は細かいことを気にしたら負けなんだろうね(笑)。(☆☆☆☆)
読了日:4月13日 著者:佐島勤
魔法科高校の劣等生(7) 横浜騒乱編(下) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生(7) 横浜騒乱編(下) (電撃文庫)感想
主人公を窮地に陥れ、読み手にストレスを与え、それを解決することでカタルシスを感じさせる手法は今の時代に適さないと思っているが、ここまで主人公のみならず仲間たちまで強いと、それはそれでなんだかなあという気がしてしまう。アニメならこれでもいいかもしれない。どう描かれるか楽しみにしておこう。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月13日 著者:佐島勤
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (3) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (3) (電撃文庫)感想
なるほど、銀英伝(笑)。引き立て役っぽさがちょっと強いけど。1巻まるまる戦闘だけど、ナナとの交渉を除けば主人公の面目躍如と言えるものは感じず。無双なら無双で不満を感じるわけだから、文句ばっかり言ってもと思うが、絶妙なさじ加減を期待してしまうわけで・・・。銀英伝っぽいから余計にね。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月13日 著者:宇野朴人
艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! (ファミ通文庫)艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! (ファミ通文庫)感想
奇をてらわないケミストリー系のストーリー。キャラも生き生きと描かれて楽しく読めた。提督を絡めずに、艦娘同士のやり取りがメイン。その点もわたし好みだった。ゲーム自体は3ヶ月ほど放置中だったけれど、再開するきっかけになるかも(笑)(☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月14日 著者:築地俊彦
艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! 2 (ファミ通文庫)艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! 2 (ファミ通文庫)感想
駆逐艦であっても夜戦ならボス相手に十分戦えるのが艦これというゲームなんだよね。その前提があるからこそ成立するストーリー。1巻からのキャラの成長もうまく描かれている。細かいところは気にせず、ノリで楽しむ作品だね。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月14日 著者:築地俊彦
はたらく魔王さま! (電撃文庫)はたらく魔王さま! (電撃文庫)感想
アニメ見たので新鮮さはないが、”出落ち”としてはやはり良くできてる。ここからの膨らませ方はアニメではもうひとつに感じたが、原作はどうか。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月15日 著者:和ヶ原聡司
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (4) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (4) (電撃文庫)感想
マシューの活躍は良かった。ただ、第一章は必要?って感じ。だんだんと世界観がストーリーのために侵食されてきてるしね。精霊なんてどこいった?(☆☆☆☆☆)
読了日:4月15日 著者:宇野朴人
魔法科高校の劣等生(8) 追憶編 (電撃文庫)魔法科高校の劣等生(8) 追憶編 (電撃文庫)感想
過去のエピソードを描いた長編というのが好きではない。構成もわずらわしい。まともな大人が出てこない、というより描けないのは、この作品に限らずラノベ・コミックで数多く見られることだけど、より際立っている印象を受けた。俺TUEEEEもここまで来ると、引くとしか(苦笑)。(☆☆☆☆)
読了日:4月15日 著者:佐島勤
戦争の日本中世史: 「下剋上」は本当にあったのか (新潮選書)戦争の日本中世史: 「下剋上」は本当にあったのか (新潮選書)感想
文章や論理展開が新書っぽい感じだが、読み応えはあった。鎌倉後期から応仁の乱までが対象であり、これまであまり興味を持たなかった時代だったので新鮮に感じた。歴史学は、理論の裏付けに史料を用いる姿勢に陥りがちな傾向がある。また、理論の形成に時代の思想的な影響は受けがちだ。そうした点への批判は面白いが、本書への批判も見てみたいと思った。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月16日 著者:呉座勇一
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (5) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (5) (電撃文庫)感想
ジャンはすっかりネタキャラに。もはやライバルに見えない・・・。それはさておき、風雲急を告げる展開で、少し急ぎすぎにも感じるが、エンターテイメントにとって速度は非常に魅力的なもの。この速度を維持できれば楽しみだ。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月17日 著者:宇野朴人
はなとゆめ (単行本)はなとゆめ (単行本)感想
予習として『暴れん坊少納言』を再読。『天地明察』『光圀伝』よりも構成やまとまりは良かったと思うが、主人公の魅力という点では物足りなさも感じた。中宮定子という華をいかに描くか。それができていないとは言わないが、歴史小説の限界を感じないでもない。『暴れん坊少納言』のあえて歴史的事実を歪曲してでもキャラクターを生き生きと描いた後では、特に。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月18日 著者:冲方丁
はたらく魔王さま!〈2〉 (電撃文庫)はたらく魔王さま!〈2〉 (電撃文庫)感想
和装美人が知り合って間もない貧乏暮らしの男所帯の世話を焼いたっていいじゃないかっ!って、

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4 コメント

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意外なほど星が多くて驚きましたw>劣等生 (名無し)
2014-05-02 09:16:56
いやまあ、中盤以降も、というのもありますけど。

>物語の起伏
これは作者の資質にも左右されると思いますが、ベテラン作家が意図的に作風を変えてることからも、流行によって変化する部分はあるみたいですね。
80年代~90年代のそれが主人公を一度突き落としてから、その反動で逆転させる、と言うのが大きかったですし。
ゼロ年代以降はキャラクターに焦点が当たるようになって、「キャライメージを損ねる」それがなくなったのもあるかなと(あとキャラ同士のやり取りが重要で成長とかは別に、というのも)。
禁書なんかもこれじゃないかと思います。
俺TUEEEEと言うほどの願望充足とは違いますけど、「空の境界」なんかもそうですしね。
あれは主人公とヒロインの内面を巡る物語であって、物語の運動にはそれほどに焦点が当たらないので。

エンタメとしての構造より「ライトノベルらしさ」として選択された構造がキャラへの焦点化だとしたら、今のライトノベルと言うのはそうした専門化で成り立ってるのかなという。

まあ、それ自体は傾向の変化であって、良くなったとか悪くなったとかではないのですけど。

銀英伝モノで俺TUEEEEEは、まあ、言われるとどんなのだろうなあと思うのですけど、例えば主人公がラインハルトとヤンを足したような視点を持ってたらこれつえーですよねw
というのはまああの作品の思想とは違うでしょうけど、まあ冷戦期の空気が影響されてそうな(日本での、ですが)あちらに比べると、今はもっと違う感じになるでしょうか。
どんなジャンルでも(今回も何気に感想中で言われてますが)「ジャンル的に、作中では無敵」の存在は今好けど、それに加えて展開との相互作用が「つえー」として表現されるのかなと言いますか。
基本的には願望充足かな、という気配が出てきたら「つえー」なので、主人公をヨイショするかのような展開が条件、ということかもしれませんけれど(これも多かれ少なかれ大抵のジャンルにあるので、程度の問題でしょうかね)。

たぶん、もう「俺TUEEEEE」って、度合いの問題になってきてるんでしょうね。
ツッコミ所ではあるけど、それが過剰でないなら読ませる為の手法なのだというか。
まあ、劣等性に関しては流石に願望充足だと思いましたけど、そうでない範囲の俺TUEEEEとかしょっちゅう見ますしw

反面、作者の技量によるのかもしれませんが、戦闘はもう経過だけでいいやってなることもありますw
あまり凝った駆け引きとか密度の高い文章を込められても、そんな興奮しないや、と。

>ゼロ年代主人公と変化
やれやれ→諦観→その後、だと、何をやっても世界は変わらないけど、変わらない中で他の人間も生きてるんだし、生きよう、があの空気だと思いますが、それに自己陶酔ブーストが掛かるかどうかで仰るところの「ウザさ」があるように思いますw
まあ、周囲がそれを全肯定してしまうことから生まれるウザさと言ってもいいのでしょうけど。
前述のように、ゼロ年代以降は物語の起伏に頼らない構造が多いので、結果的にそれも増幅されていたように思いますし。
コメディの演出にしてもラブコメの演出にしても、「早い」のが特徴だと思います。
掛け合いという「ボケたら返す」も、ハーレム的な「すぐにラブコメ」も、じわじわと進行するような展開ではなく。

>ゲーム系ファンタジー
なるほど、と思いました。
マンガで言えば「スカウター物」に近い感じなんでしょうね。
パラメータ「的」な設定が指標化されていて、それに応じて物語が構成されていくような。
禁書で言えば能力者のランクとか、所属はまあ違うにしても、アイテムなんかがそうでしょうしね。

劣等生で言えばこれはやはり能力のクラスでしょうし。

ドラクエ的~はパロディ系、メタな作品として共通のリテラシの上に作品を構成する方法で、三つ目はもうおなじみ、と言う感じですねw

最初の一つは基本、「異能バトル」としてジャンル化されてる気がしてたので別カテゴリだと考えてましたけど、そもそものライトノベルの始まりが、キャラの強調、設定の強調だったことからするとこれも自然でしょうか。

受け入れやすさに関しては、MMORPGを知らない人がSAOを読めるように、「なんとなく」のリテラシが既に共通して存在してる印象は受けます。
ドラクエ的世界観にしても、ゲームそのものではなくても、マンガや別メディアからの印象で読める人って多いなと思いますし。
パロディのパロディ、って、これはもうどこかで散々言われてそうですけどw
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>魔法科高校の劣等生 (奇天)
2014-05-02 23:50:38
ライトノベルの平均水準よりは上と思いますし、俺TUEEEEによって物語を破壊するという新しい局面がおもしろいと感じています。
普通なら妹の深雪が弱点として機能させるはずなのですが、それをしないあたりがいいですね。

ライトノベルに限りませんが、書き手には物語化への呪縛があり、よほど自覚的な作家以外はおのずとそれが現れます。あずまきよひこくらいですかね、例外は。
劣等生でも物語性が強く出るとげんなりしてしまいますが、今のところ「仮想的な物語」といった感じで、強くは縛られていないように思います。

例えば、『はたらく魔王さま!』の場合、出オチとしての設定や主人公が働く場面での描写は素晴らしいですが、それ以外はかなり不必要な感じがしてしまいます。設定やストーリーをいろいろと頑張って作り上げようとしていますが、まさしくその努力が要らないと思ってしまうわけです。

>カタルシス

耐えて耐えて一発逆転という手法はもう受け入れられない時代なんだと思います。流行といったレベルではなく、受け手側の耐性の問題だと思っています。

RPGがどんどんと簡単になり、「レベル上げ」という作業をしないでも進めていけないともうプレイしてもらえない。
池井戸潤が受けているのもそのスピード感があるからかなと思いますし。

そもそもストーリー性で引っ張れる作品自体が少ないですしね。キャラクター性重視のほうがヒットしやすいのは間違いないです。

>ゲーム系ファンタジー

シンプルに分かりやすいことが求められていますね。スタートから2周目的な感覚のRPGでいいじゃんみたいな。やり込み要素もすべてお膳立てしてもらって、何も考えずにプレイできる、それで十分。
課金で俺TUEEEEできれば満足みたいなノリ。『ノーゲーム・ノーライフ』なんかはそれに近い感じでしょうか。

SAOもアインクラッド編はバランスが取れてましたが、以降は俺TUEEEEがマイナスに作用してますね。劣等生のように突き抜けて、周りのキャラを生かせれば違った楽しみ方があるのですが・・・。

ダンまちのように最後は正統派ストーリーものが強いのかとも思ってしまいますが^^;
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>つえー (名無し)
2014-05-03 01:05:13
主人公つえーだと、弱点を外部に設定しますしね。
その点での割り切りで言うと、「そういう場面を楽しむ」ことのルール化なんだと思います。
というか、ゲームの強化したキャラで敵を倒してく感じですね。
ただまあ、これの弱点は「それ」以外の目的にあまり向いてないことだとは思うのですけれどw
必然的に他の構造と言うか、例えばテーマと隣接した社会を書く(その面白さを、と言うべきですが)ことができなくなることもありますし。

物語性そのものは個人的に「あってもいい」と思うので、これについては媒体の選択も関係してる気もします。
小説と言う媒体で物語から逃れるのは難しいし、長期的な変化を見込むと「一時的な物語の否定」にしかならない気がしてしまって。

とはいえ、「はたらく」の例で言われてる通り、ライトノベルの「面白さ」として上げられる、物語とは別のガジェットの動かし方、ディティールそのものの楽しみ方というのは独特なもので、それの追求と見ると、これは独自の進化を遂げるべきなのかなとも思います。
ライトノベルに持ち込まれた漫画的な反復性というか、「その場面が楽しい」ことが重要なのであって、その部分が全体と密接に繋がってる必要がない、と言う割り切りがあるのが今のラノベだという気はします。
元からラノベが持っていた要素の拡張、と言えるのでしょうけど(ある意味、かつてのライトノベルがそれすら「物語」の中に回収していたことからすると潔いのかも)。
一般エンタメになると「全ての場面に意味のある繋がりを」という求め方があるし、掛け合い風味があっても、なんだかんだで物語の中にそれが回収されますしね。
コージー系ミステリのキャラエンタメでもそうですし。

ただ、俺つえーに関してはそれが難しい気もしてしまうんですが(苦笑)。
というか、バトル物はテンプレのためのテンプレになってしまうのがこう感じてしまう原因なんだとは思います(否応なく世界や設定を語るので)。
ネタっぽいガジェットで引いていく作品はそれなりに表面の部分で差異化がされてますから。

というか、平均水準がどのあたりの作品なのか自分でも分からなくなってきた気がしてますw

西尾維新とかは抜けてるなーと読んでて分かるのですけど。

>カタルシス
あ、それは同感です。
前述のコメントとほぼ同じなんですが、初期のステータスでどう環境を動かすのか、みたいな感じですね。
全体像があって、そこからどうアプローチするかみたいな。
艦これで艦娘と仲良くならないとロクに動いてもらえないみたいな作品だったらあれはウケたかどうか分からない……とか言うのはまた違う話でしょうかねw
RPGの、「やり込める要素とは別にテンポよく話は進むべき」みたいなノリがそれだとは思うのですけど(P3、P4が明らかに初期ペルソナとは違う、というのとか)。

ハーレムの話でも出ましたけど、結果までのアプローチの簡略化が前提化されて、その結果でどう感じたいのか、というのが焦点になってるのかなというか。
と言うか、今まで(既存の作品)の結果が既に「前提」になってるような気はします。

ヤングアダルト系のエンタメなんかにも同じことが言えますしね(あちらはキャラ性よりもシチュエーション重視ですが)。

>ゲーム系ファンタジー
ゲーム作品のパロディ的なノリになりやすいというか、そもそも最初から用意された能力、の時点で自然にパロディになってる感じですね。
長文タイトル系なんかが顕著ですけど、「こういう前提がある話だから」と予め説明するノリがあるように感じます。
能力の指標化はこれと相性が良かったんじゃないかなと思いますし。
最後まで読み切れませんでしたが、カンピオーネなんかもこれでしょうか。

劣等生は……周りのキャラを活かしてると見るべきなんでしょうかね。

俺TUEEEに限らず、ではあるのでしょうけど、その前提を取った瞬間に取り続けるしかない話の構造が出来上がるので、どうジャンルの幅を拡張できるのか、と言うのは重要な点だとは思います。

といっても、空気系でもそんなに派生型が生まれなかったので、こればっかりは構造の限界もあるんじゃないかとは思いますけどw

新しい形での「正統派」が生まれてくるのは面白そうなんですけどね。
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あ、あと、フルメタの番外(?)編を今読んでるん... (名無し)
2014-05-03 03:40:29
この作品は俺TUEEEと言うには弱いかもしれませんが、ゲーム的と言える部分も(あるには)あり、今回の例だとどの辺りになるかな、というのは考えてみてます。

艦を跨ぐ展開や後半の焦らせ方などは明らかに「今風のカタルシス」とは違うのだとは思いますが……(というか以前に出した新城カズマ先生との対談でこれについてはモロに語ってましたねw)。
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