外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

暑い夏の、もう一つの熱い戦い

2010-06-23 19:33:10 | 大学野球
今年の夏は、雨が多いように思います。

降水量を具体的に調べたわけではないのですが、私の住む神奈川県の巨大な水がめである宮ケ瀬ダムの貯水率は100%。
たびたび深刻な水不足に見舞われる、香川県の早明浦(さめうら)ダムの貯水率も92%を超えているので、今年の夏に水不足で苦しむ地域はなさそうです。

例年ならば、これで農業や畜産を営む方々も安心だということになるのですが、今年はそうはいきません。
口蹄疫。
牛や豚の口と蹄(ひづめ)の周囲に症状が現れることから、英語でFoot-and-Mouse Disease (FMD)と名付けられ、口蹄疫と日本語に直訳されている伝染病です。

宮崎と海を挾んだ愛媛県宇和島でさえ、万一に備えて伝統の闘牛大会が中止されている恐ろしい病気であります。
まして、渦中の宮崎県内では、人や車の移動も厳しく制限されていて、第一次産業にとどまらず、第二次・第三次産業まで深刻な影響を受けています。

そして、高校野球でさえも、練習試合が人の移動が伴うために次々に中止されるという状況のようです。

今年の野球部の一年生に、畜産の町・都城からやってきた冨永くんがいます。

冨永くんは、主将として都城商業を甲子園でベスト8に導いた男。
そして「宮崎の牛肉は日本一です」と、笑顔で話してくれる、郷里の宮崎に誇りを抱く男です。

しかし、早稲田に来てからはヒザの故障に苦しみ抜きました。
その結果、彼はスコアラー兼トレーナーとして、自身の新たな野球人生を切り拓こうとしています。

冨永くんに限らず、野球部の学生トレーナーは、日付が変わる時間までチームメイトの体をケアするという、とてつもなく大変な役目を担います。

特に、今年の一年生は人数が多いとはいえないので、例年以上に練習や作業の負担が重いようです。

早稲田にやってきて最初の夏を、冨永くんは特別な思いと熱い決意を抱いて、過ごしています。

一日も早く宮崎の口蹄疫が終息すること、
そして、冨永くんの献身的なケアに応えて秋季リーグ戦でメンバーたちが結果を出してくれること。
みんなの思いが一つに結実するのは、それしかありません。

がんばれ 冨永くん、そして学生トレーナーの皆さん!
私たちがついていますよ
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はじめての夏 (zukaki)
2010-06-25 12:48:42
子供を早大野球部に送り出し、親として経験する「初めての夏」がもうすぐそこに来ています。

かつて親子で体験した中学・高校野球の夏は、いわば最上級生にとって総決算の夏であり、特に高校野球では甲子園はもちろんのこと、選手権大会県予選でも地方メディアに多く取り上げられるため、いわば「ハレの季節」。

それが先日のブログにもあったとおり、大学野球では秋のシーズン前における鍛錬の季節、試練の夏。

プレーヤーである息子に「どんな夏だと思う?」と聞いていませんが、まぎれもなく今まで経験したことのない「初めての夏」になることは確か。
どうか、一年生みんなにとって「いい夏」になりますように。もちろん上級生も。
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