外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

ニューヨーク滞在3 日目(その2)

2008-08-13 13:33:19 | 音楽
Smokeの次に、長い歴史を誇るJazz Spot「バードランド」に行きました。
Birdland(写真)
315 W 44th St

バードランドは、日本が世界に誇るジャズ・ピアニスト秋吉敏子さんが、ご主人のルー・タバキンと共にビッグバンドを組んでいた時に、毎週レギュラー出演していたジャズ・スポット。
私も秋吉さんの演奏をバードランドで二回ほど聴いたことがあります。


秋吉さんは、第二次大戦後に進駐軍のキャンプで腕を磨いた後、日本人として初めてバークリー音楽院に留学された方。
留学後もアメリカに軸足を置いて、幅広く演奏活動を展開されてきました。

アメリカにいるとはいっても、雅楽のようなサウンドを巧みにジャズのアレンジに織り込むなど、常に日本人であることを意識してジャズと向かい合い、アメリカでも尊敬を集めている偉大な方です。

残念ながら4年ほど前に秋吉さんのバンドは解散し、現在、バードランドの出演者リストに秋吉さんの名前はありません。
もう、かなりご高齢におなりのはずですが、最近はどうされているのでしょうか。

かつて地元ニューヨークのメディア、あるいは日本からのクルーが秋吉さんを取材に来ていましたなあと思い出していたら、今夜も、日本から歌手の高橋真梨子さんと取材陣が来ました。
何の番組かは知りませんが、9月10日放送予定だとクルーがミュージシャンたちに説明していました。


さて、今夜のバードランドは、The Music of Duke Ellington & More と題してデビッド・レジャーというリーダーのフルバンドが出演。
ニューヨークで活動するミュージシャンならではの抜群の技量と洗練されたアレンジで、エリントンの名曲を中心にホットな演奏を聴かせてくれました。
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニューヨーク滞在3 日目 (その1)

2008-08-13 13:32:22 | 音楽
ニューヨーク滞在三日目。

今夜は、まず比較的に新しいJazz Spot「スモーク」に行きました。
Smoke;(写真)
2751 Broadway between 105th and 106th Streets

タバコの煙はJazzの風景と切っても切れない関係にあります。
例えば、スタンダード曲では「Smoke gets in your eyes」(邦題:煙が目にしみる)。
アルバム・タイトルでも「Smokin' at the Half Note」(Wes Montgomery)、「Smoking in the Pit」(Steps)などがあります。

狭いジャズ・バーにたちこめるタバコの煙とお酒の匂い。
そんな空間こそ、いかにもJazzを演奏するのに相応しいと長い間考えられてきました。
ジャズという音楽の性質上、それらしい雰囲気が即興演奏にプラスに働く部分も否定できません。

でも、時代は変わりました。
スモークは、名前に反して、何と常に全面禁煙!(笑)
他のジャズバーも大半が禁煙であり、禁煙の流れも、ここまで来たかという感じです。

タバコを止めて23年目の私は大歓迎ですが、「何か、ジャズ・バーっぽくないなあ。」という矛盾する気持ちも少しあったりして。

さて、今夜の演奏はMike LeDonne Quartet
Mike LeDonne (B-3 organ)・ Joe Farnsworth (drums)・Peter Bernstein (guitar)

リーダーのマイク・ルドーンはB3ハモンド・オルガンの名手の一人。

日本ではB3を弾くプレーヤーは一般的ではありませんが、ニューヨークではブルース、モダン・ジャズ、フュージョンなど、様々なタイプの音楽にB3が頻繁に用いられます。

こちらのオルガン・プレーヤー達は、巧みなフレーズ、変幻自在の音色の設定、ギターなどとの役割分担や絡み方など、実に洗練されています。

B3は、鍵盤に触れるだけで音が出るエレクトーンとは異なり、B3は鍵盤を深く押し込まないと音が出ないという機能面での特徴があります。
そしてオルガン奏者自身が足と左手を使い分けてベース・パートも演奏するので、ベース奏者無しというバンド編成が一般的。

ニューヨークの第一線でB3を格好よく弾きこなすことは、並大抵の技量ではできません。

そして、オルガン走者の後方にあって写真では判りませんが、木箱の中でスピーカー自体をモーターで回転させて独特のうねった音を出すレズリー・スピーカー。
これも一度聴いたら病みつきになります。

そんなわけで、ニューヨークに来るとき、私は必ず一度はB3オルガンによるジャズを聴きに行くことにしています。

念のためにウェブで予約していったのですが、大正解。
バー・カウンターも早々に満席となり、飛び込み客が何名も入店を断られていました。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする