酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

岩手・宮城内陸地震

2008-06-15 11:18:04 | Weblog
 14日午前、東北地方で発生した強い地震は、これまでの大地震とはかなり趣が違うようだ。

 震源の深さが8キロ程度と極めて浅い。にもかかわらず、地震波の伝播範囲はかなり広域にわたっている。

 犠牲者は6人と伝えられるが土木作業中の人や土砂崩れに巻き込まれた人が大半で、倒壊した建物の下敷きになって亡くなった人はいない模様だ。行方不明の人も崩れた土砂に埋まっているものとみられる。

 建物被害は全壊5棟、半壊約50棟を含む150棟前後と報告されている。地盤被害が多そうなので、被害家屋はまだまだ増えると思われるが、直下型でM7・2としては家屋被害は極めて少ない。

 山間部でそもそも人家が少なかったのだろう。今回の地震の特徴は山崩れの多さと規模の大きさにあるといえそうだ。現地はまだ入梅前である。空梅雨気味の年はえてして末期に集中豪雨に見舞われる。山がぐさぐさになっている状態では、そんなに強い雨でなくても土石流や土砂崩れが起きる。要警戒だ。

 未確認の活断層が動いたらしい。東北の脊梁山脈に沿っては「ひずみ集中帯」が延びているともいう。「ひずみ集中帯」は4年前の中越地震、昨年の中越沖地震を機にメディアに登場してきた言葉だ。学会では知られていたそうだが、地域には知らされていない。

 いたずらに不安を煽るのは感心しないが、適切な注意喚起を行うのが学問的良心というものではないか。地震が起きてから「実は…」などと言われても困ってしまう。ダムや道路などの建設時にもアドバイスがあってしかるべきだ。

 メディアのいくつかが、緊急地震速報のあり方について触れていた。ミスリードが目立つ。震源近くではシステムは機能しない。これは前提である。ところが「速報から数秒足らずでは何もできない」などというコメントを取り上げている。

 P波とS波の速度差は秒速2・5ないし6㌔とされる。震源との距離が20㌔以内では即達状態と考えた方がいい。こうした特性をよく理解し、今後の利用に資する報道が必要なのではないか。

 世界の地震活動が活発化しているように感じる。断層型の地震の多発はプレート境界型地震に全く影響を与えないものなのだろうか。

 超高層化し大深度地下の利用が進む東京の地震対策が気に掛かる。オリンピック誘致などと悠長なことを言っている場合ではなさそうだ。
 
コメント
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