酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

NHKと地方紙

2008-06-07 17:44:24 | Weblog
 NHK松本支局の30代記者が信濃毎日新聞の記事を「拝借」して放送原稿を作っていたという。取材をせずに他の媒体の記事を引き写して原稿を仕上げるなど言語道断だ。盗用と言われても弁解の余地はあるまい。

 ここまでは一般論である。

 NHK地方局の記者が、地元紙や在京紙県版に掲載されている記事をそのまま朝のニュースに載せるのは、実はよくあることらしい。

 そこには一定の仁義があって、①ソースに「○○新聞に載っているのは間違いないか」と確認する②当該の新聞社からも確認を取る-などとされる。

 飛ばしの多い社や仲の悪い社の記事は使わない、などという内規? もあるらしい。

 NHK地方局の当直は、起きるとまず各紙を点検し、大事なニュースで漏れているのがないかどうかを確認する。落ちていたら、上記の作業に入るというわけだ。

 長野の記事は「中信版」という面に掲載されていたという。地方紙のさらにローカルな話題が載るページだ。こんなものを慌てて追いかける必然性はさらさらない。35歳にもなった中堅記者はそのへん勘所は分かっているはずだ。なにを血迷って丸々引き写すようなことをしたのか。

 ニュース送稿がノルマ化されていたのではないかと考えられる。割り当ての一本がない。面倒だからこれをパクッちゃえ。大方こんなところだろう。当該のニュースは記事を話し言葉に代えただけとみられる。盗用の手口としては稚拙極まりない。

 大手紙にも、県庁などに電話して「某紙のとおりで間違いないか」などと確認して記事にする横着なのがいるらしい。もっとも記事にする際はオリジナルを装っているとか。

 出来上がった新聞やテレビニュースの表面だけを見て「盗用だ」などと言い募っても仕方あるまい。経験を積めば、元の記事の痕跡が残らないように書き改めるぐらいわけもないだろう。

 問われているのは記者としての魂だろう。紙面を見る限り、毎日>読売>朝日か。個々によって大きく異なるのはいうまでもないが…。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする