酔眼独語 

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グリーン・ピース逮捕

2008-06-21 05:01:57 | Weblog
 環境保護団体「グリーンピース・ジャパン」が、調査捕鯨船の乗組員が自宅に送った鯨肉を無断で持ち出した事件で、青森県警と警視庁の合同捜査本部は 20日、窃盗と建造物侵入容疑で、団体の海洋生態系問題担当部長佐藤潤一容疑者(31)=東京都八王子市みなみ野=ら2人を逮捕した。東京都新宿区の団体事務所など6カ所を捜索した。

 団体側は持ち出しについて「鯨肉横領疑惑の証拠入手のため」と正当性を強調していたが、県警は「否認とも受け取れ、証拠隠滅の恐れや、集団で実行した悪質な面もある」と判断。反捕鯨活動で有名な国際的団体をめぐる刑事事件に発展した。

 ほかに逮捕されたのは、自称団体メンバー鈴木徹容疑者(41)=横浜市金沢区野島町。2人は20日朝、都内で身柄を確保され、午後に青森署に移送される。

 グリーンピース側は不当逮捕と反発。佐藤担当部長は5月、持ち出した鯨肉を持って自ら会見、違法性を否定していた。《日経電子版=共同》



 調査捕鯨船が捕った鯨肉の一部を乗組員が無断で持ち出したとして、環境NGOグリーンピース・ジャパンが業務上横領容疑で告発していた問題で、東京地検は20日、共同船舶(本社・東京)所有の調査捕鯨船「日新丸」の乗組員12人について、同容疑の嫌疑なしとして不起訴処分にした。

 東京地検の説明によると、鯨肉の所有者である共同船舶は、乗組員が土産などの名目で鯨肉を持ち帰ることを承諾しており、同容疑にはあたらないと判断したという。また、これらの鯨肉は、土産用や、商品加工できずに海上に投棄する分、乗船中の食料分だったという。《朝日電子版》

 どうしてこうもタイミングがいいんだろうと笑ってしまう。GPメンバーを起訴する前に、彼らに告発されている乗組員の処分を決めておきたい、とまあこういうことなのか。

 GPの行為は窃盗に当たる。これは間違いなかろう。GP自らそう認めている。これなら任意捜査で立件できるのではないか。警視庁と青森県警が合同捜査本部まで設置して取り組むような大事件とは思えない。

 県警での「本部事件」は、年にそういくつもあるものではない。わざわざ本部の看板を掲げたからには、別な狙いがあると見たほうがいい。

 このことを示唆しているのが読売新聞の社説(電子版)である。いわく、

 捕鯨以外でも、サミットなどの国際会議のたびに、環境保護団体が過激な妨害行動に出る例が相次いでいる。グリーンピースは2000年の沖縄サミットでも、活動家が首脳会議場近くの浜辺に上陸しようとする騒ぎを起こした。

 7月7日からの北海道洞爺湖サミットでは、多くの活動家が来日し、激しい抗議活動を繰り広げる事態が懸念されている。サミット会場の周辺を、怒号と混乱の場にしてはならない。


 サミット警備のための資料収集が今回の逮捕の本当の目的なのだろう。刑事部ではなく公安部主導の事件といえそうだ。


 乗組員不起訴の決定には疑問が残る。朝日の記事では詳しい内容が分からないが、共同船舶の言い分をそのまま東京地検が述べているように見える。そもそも、鯨肉の所有者は共同船舶なのか。同社は日本鯨類研究所の販売を代行しているに過ぎない。本当の所有者は鯨研とも思われる。


 


 

 
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