酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

これも一種のドーピングだ

2008-06-06 22:26:06 | Weblog
 競泳用の水着レーザー・レーサーの速さが実証されたようだ。

 北京五輪壮行会を兼ねたジャパンオープンで日本新記録が続出している。初日の6日は100平の北島、200バタの松田ら5人がスピードのレーザー・レーサーを着用して日本新記録を打ち立てた。

 日本水泳連盟は10日に、北京五輪でどのメーカーの水着を着用するかの結論を出すが、オフィシャルサプライヤー3社以外の水着も着られる可能性が限りなく高まったといえる。

 記録を出した選手は複雑な気持ちだろう。泳ぎ自体のことより「レーザー・レーサーの着心地はどう」などと聞かれれば面白いわけがない。

 「速いなという感じはありました」「悔いのない選択と準備をしたい」。まるで水着のテスターだ。およそスポーツとは呼べない。メディアがそのあたりに疑問を感じていないとしたら、末期症状である。

 明らかにレーザーと他の水着では速さが違うというなら、全員がレーザーを着用して争うべきだ。競泳は水着の性能を競うのではなく、人間が泳ぐ速さを競う競技だからだ。

 以前にも書いたが、日本水連とメディアのはしゃぎぶりは目に余る。こういう騒ぎが結果としてスポーツを貶めていることに気づかねばならない。「本当に強いやつが勝つんです」。こう言っていた北島がレーザーで記録を更新してしまった。ミズノを着るには勇気がいる。余計な気遣いがまた増えたことになる。

 柴田亜衣が長距離でよかった。レーザーが記録を出しているのは200㍍まで。体を異常に締め付けているから、持久力を要する種目では耐えられないのだろう。レーザーがかなり特殊な水着だということを表している。

 国際水泳連盟はこの際、400メートル以下の競泳はレーザーを着用すること、とでもお触れを出したらどうか。それとも、古代オリンピックのように素っ裸で戦ってもらうか。

 用具がメインでスイマーは補助員、こんなオリンピックでは困る。

 
  

コメント
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