酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

福田さん、お辞めなさい

2008-06-12 04:47:35 | Weblog
 11日の参院本会議で民主党などが提出した福田首相問責決議案が可決された。首相に対する問責決議が可決されたのは史上初めての「怪挙」である。

 ところが、与野党とも予定調和的に動いており緊迫感がまるでない。永田町界隈ではベタ凪と評する向きもあるようだ。でも、事はそう簡単には運ぶまい。本会議場で決議が可決されたときの引きつった表情、マイクを突きつけられて「非常に重く受け止めています」と述べた口ぶりから察すると、福田さんはかなりショックを受けているのではないか。「やってらんねーや」。官邸で当り散らしているかもしれない。

 考えても見よう。福田氏は最悪のタイミングで首相を引き受けてしまった。自民党への支持は下降の一途、景気もピークアウトに達しており後は下がるだけ。テロ新法をはじめ年金やら医療費改革やら懸案は目白押しになっていた。しかも、参院は野党に握られている。よほどの豪胆さとビジョンがなければ乗り切れるものではない。

 官房長官時代の福田氏は記者を小馬鹿にするようなとぼけた味を出していた。おそらく実像に近いだろう。プライドが高く、感情を隠せないタイプに違いない。

 内閣支持率は20%しかない。かなり気に病んでいるはずだ。長官のとき散々尻拭いをさせられた森喜朗が「福田さんは支持率を気にすることはない。私はもっと低かったが、どうってことないと思っていた」などと慰めているが、逆効果だ。

 これ以上惨めな姿をさらしたくない。福田氏は心の奥でそう思っているはずだ。第一、自民党内が「福田はもう駄目だ。でも解散はさせない」で固まってしまっている。福田氏を本気で支えようなどという人物はどれほどいるのか(このところ首相へのヨイショが目立つ朝日新聞は別格だが)。

 麻生太郎をはじめ中川秀直、町村信孝、与謝野馨、谷垣禎一らポスト福田の面々が走り出している。

 自民党を離れた平沼氏が、問責可決後民主党議員と懇談し「福田さんはサミットを花道に退くかもしれない」と語っている。この政局観に賛成したい。「かわいそうなくらい苦労しています」。四月の党首討論のせりふを思い出す。小沢一郎との大連立構想が潰えたとき、「これはだめだ」と腹をくくった可能性もある。

 民主党の腰の決まらなさもひどい。去年の秋から「問責、問責」とうるさかったが、会期末、それもぎりぎりになってやっと出す有様だ。長期の審議拒否は世論に受け入れられない。そんなことばかり考えているから、自民党とまともに戦えないのだ。野党に失うものなどない。そう覚悟を決めて攻め立てなければ、得るものも得られない。政策に整合性を持たせて、長期展望を示すべきだ。

 与野党のその場しのぎの甘言が国民を堕落させている。子どもたちにこらえ性がなくなっているのは、政治の影響もある-それぐらいの自覚をもってほしい。

 福田さんが歴史に名を残すには、洞爺湖サミットでアメリカに譲らず厳しい温暖化対策をまとめ上げ、それを成果に「ではこれまで」と官邸を去ることだ。

 上州の啖呵に期待している。
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