天文・宇宙探査ニュース:画像を中心とした「新しい宇宙探査情報」のページです。

NASA、ESAを始め主に外国の宇宙探査情報を
ハッブルから宇宙ステーションまで、幅広く、毎日
提供しています。

5月15日:複合波長の蟹星雲

2017年05月15日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

蟹星雲は、C・メシエの有名なリストの最初のオブジェクト M1 としてカタログ化されている。この蟹は、今、超新星の残骸であることが知られ、大規模な星の死の爆発からの破片を膨張させ、西暦1054年に地球で目撃された。この新しいイメージは、可視光線波長を越えた画像データを発表することによって、蟹星雲の21世紀の視界を提供している。宇宙から、チャンドラ(X線)、XMMニュートン(紫外線)、ハッブル(可視光線)、スピッツア(赤外線)からのデータが、紫、青、緑、黄色で示されている。地上からはVLA電波波長からのデータが赤で示されている。現代の天文学者達に知られている最もエキゾチックなオブジェクトの一つ、カニ・パルサーは、1秒に30回転している写真の中央の近くの明るい中性子星である。この星のコアの崩壊した残骸は、電磁スペクトルを横断して蟹の放射にパワーを供給している。約12光年に及ぶ蟹星雲は牡牛座の 6,500 光年にある。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: イメージをクリック

<ひとこと>: ハッブルの解説は こちら(ホームページ) から。

コメント

5月14日:ベーリング海

2017年05月14日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

コペルニクス・センチネル3A衛星は、3月26日に、アラスカ半島の北ベーリング海に我々を連れて行った。季節の海氷がイメージの上部を占有している。氷は海の生態系で重要な役割を演ずる。成長する藻は氷の下に取り付いている。春になって氷が溶けるとき、それは藻が生長する栄養豊富な淡水域の層を残す。生物は、食物連鎖の上でより高く、続いて藻を食べる。右上隅にアラスカ本土の一部が雪で覆われているのを見ることができる。イメージの中心には、プリビロフ諸島の一部である、聖パウロとセント・ジョージ島がある。毎年約200万羽の海鳥がこれらの島で巣をつくる。イメージの右側の渦巻く雲はフォン・カルマン渦通りとして知られている気象現象の成果である。

<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」

<大判>: イメージをクリック

コメント

5月13日:夜のヨーロッパ

2017年05月13日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ヨーロッパ宇宙機関宇宙飛行士トーマス・ペスケはソーシャルメディアでこのイメージを共有し、「晴天の下での夜のヨーロッパは灯の絨毯のよう」とコメントした。トーマスのプロキシマ・ミッションは、ヨーロッパ宇宙機関の宇宙飛行士の9回目の長期ミッションである。それは太陽に最も近い星の名をとった、星達と星座に因んでフランスの宇宙飛行士達のミッションに名付けられた伝統である。プロキシマの間、トーマスはヨーロッパ宇宙機関とフランス宇宙機関の約50の科学実験を行なうとともに、他の多数の調査活動を行うだろう。このミッションは、宇宙船を使うヨーロッパ宇宙機関の視力の一部でもある。

<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」

<大判>: イメージをクリック

コメント

5月12日:動く200万の星達/お知らせ

2017年05月12日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

100万年の間夜空を見ることができたらどのように変化するだろう? ヨーロッパ宇宙機関の地球軌道を周っている今は存在しないヒッパルコス(Hipparcos)と現行のガイア(Gaia)衛星によって、長年にわたってとられた200万の星達の先例のない正確さの位置データを結合して、星の動きの将来の推定が何百万年を超えて行われた。ビデオが示すように、多くの星達は小さな角度の調整だけで済むが、一般的には近くのいくつかの星達は空を横断して進むだろう。親しい星座と星群は認識できなくなるだろう。消え去った多くのローカルな星雲は示されず、新しい星雲が異なる場所にできるだろう。幸運なことに将来の地球住民は、まだ、我々のミルキーウェイ銀河の中央の帯を認めることができるだろう。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<動画>: イメージをクリックして Youtube から。

<お知らせ>: 今日、国際宇宙ステーションでは午後9時から船外活動が行われます。中継放送時刻等は「ホームページ」の 「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。

 

コメント

5月11日:NASAの衛星艦隊、地上に目を保つ/お知らせ

2017年05月11日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

我々が実際に暮らす惑星より良く調査されたものはない。航空機、船、地上観測によってサポートされた、宇宙の18の地球科学ミッションのNASAの艦隊が、世界中のすべての人の生命に影響する環境面を測定している。それらは、我々が呼吸する空気から、農業やコミュニティに水を提供する雨や雪、干ばつや洪水などの自然災害、地表の70パーセントをカバーし世界中の多くの人々に食物を提供する海に至るまで、全てを調査している。衛星と国際宇宙ステーションの機器は全世界を周り、人々の生活と、訪ねるのは困難な、砂漠、山脈、広大な海の、それらの遠い地域を見ている。宇宙の装置によって、科学者達は、他の何処からも得ることができない全世界のための詳細なデータを得ることができる。この図は、低地球軌道から160万キロメートルの視界をとる DSCOVR 衛星に至るまでの、2017年のNASAの艦隊を示している。

<出典>: 「地球(Earth)」

<大判>: イメージをクリック

<お知らせ>: 国際宇宙ステーションでは、日本時間明日午後9時(放送開始午後7時半)から6時間半予定の船外活動が行われます。中継放送は「ホームページ」の「ウェブNASAテレビ放送予定」から。

コメント

5月10日:カッシーニ、土星から外を見る

2017年05月10日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASAは、先週初めて、カッシーニ宇宙船に、土星とそのリングの間を降下するように指示した。ダイビングの間、ロボット宇宙船は、土星の大気の構造に関する先例のない詳細を示す何百ものイメージをとった。宇宙船は、また、外を振り返って印象的な眺望をも捕えることができた。最接近の数時間前にとられたこのイメージに、土星の北極を囲む風変わりな北の「六角形」が見られる。土星のBリングが最も近くに見え、暗いカッシーニの間隙が外側のAリングとBリングを隔てている。詳しい調査では、最も遠いリング、Fリングを見守る二つの小さな月を発見するだろう。
この生のイメージは、確認され調整されて、後日公式に公開されるだろう。カッシーニは、9月15日に土星の大気に飛び込むことによってそのミッションを終えるまで、予定のまま残るだろう。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: イメージをクリック

<ひとこと>: 大判イメージでもFリング近くの二つの小さな月を確認することはできません。右上のイメージは強い処理を加えて位置を確認し花柄でその位置を示したものです。

コメント

5月9日:土星と最も近いリングの間は空(から)?

2017年05月09日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

以下はオリジナルの解説です。

1997年10月に打上げられ、7年間、35億キロメートルの旅の後、2004年7月に土星に着いたカッシーニは、その20年間の活動の結果、その燃料も間もなく尽きるであろうことが確認された。太陽から遠い土星では太陽電池パネルでの電力の収集は難しく、カッシーニでは原子力によるエネルギー供給が行われている。カッシーニはこれまで土星周辺の氷や岩などの粒との衝突を避け、遠い距離から調査を行ってきたが、最終章(グランドフィナーレ)に当たって土星とそれに最も近いリングの間に飛び込み、その間の氷や岩などの粒を観察する計画が立てられた(4月28日の記事参照)。その第一回が4月末に行われたが、驚いたことに、その間には何もない、空(から)であるらしいことが確認された。研究者達は、2016年12月18日に収取された、別のリングの間の間隙の通過の際のデータと比較する、“音”による表現を編集した。「ホームページ」の解説付き記事 から音のよる探査の結果をお聞きください。

<出典>: 「オリジナル」

<音を聞く>: イメージをクリックして「ホームページ」の「土星探査宇宙船カッシーニ(Cassini)、科学の音:カッシーニリング横断の比較」から。

コメント

5月8日: Abell 370:フロンティア・フィールドの終わり

2017年05月08日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

約50億光年にある遠くの銀河集団 Abell 370 の最終的な観測でフロンティア・フィールド計画は終了した。Abell 370 は、天文学者達が重力レンズ現象を観測した最初の銀河集団の一つである。ここでは、背景の銀河達の引き伸ばされたイメージが、写真の中の弧と筋として現れている。(以下 略)

<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」

<大判>: イメージをクリック

<ひとこと>: この関連記事はヨーロッパ宇宙機関とNASAとが同日に発表しました。ここではヨーロッパ宇宙機関の解説の冒頭部分の一部を引用しています。詳細なNASAの記事は「ホームページ」の 「ハッブル宇宙望遠鏡:多くの銀河達、ハッブルの視界での監視を要する」を参照。このイメージは重力レンズ効果の典型として、今後も継続して研究される素材です。
なお、こちらでは敢えて縦横比を大きく変換してあり、「弧」の形が よりはっきりと見て取れます。

コメント

5月2日:ハッブル27周年の二つの渦巻銀河/お休みのお知らせ

2017年05月02日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ハッブル宇宙望遠鏡がスペースシャトルディスカバリで打上げられた1990年4月24日には、天文学者達は、彼らが見るかもしれないものを夢見るだけかもしれなかった。今、27年と100万を超える観測の後、この望遠鏡は、今度は、我々のミルキーウェイに非常によく似た渦巻銀河の印象的なペアの、更に壮大なもう一つの視界を届けている。約 5,500 万光年にあるこれらの星達の島の都市は、我々の銀河を外から見たときに見えるもののアイデアを天文学者達に与えている。このエッジオンの銀河は NGC 4302 と呼ばれ(左)、傾いた銀河は NGC 4298 と呼ばれる(右:ほぼフェースオン)。この回転花火(pinwheel)銀河は、それらが空の異なる位置と角度にあるので全く異なって見える。これらは、構造と内容については、実際には非常に類似している。

<出典>: 「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)」

<大判>: イメージをクリック


<お知らせ>: 5月3日(水)から5月7日(日)の情報提供は休みます。

 

コメント

5月1日:渦巻銀河 NGC 2403

2017年05月01日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

きりん座方向、およそ980万光年の距離にある渦巻銀河NGC 2403の姿です。夜空では、天の北極に比較的近く、おおぐま座の熊の頭上付近に位置する銀河です。多くの渦巻銀河には、中心部に明るく特徴的な突出部“バルジ”が存在しますが、この銀河のバルジはあまり目立たず、まるい形ではなくやや伸びた形にも見えます。このバルジが細長く棒状になっている銀河を「棒渦巻銀河」と呼びますが、NGC 2403は「渦巻銀河」と「棒渦巻銀河」の中間タイプとして分類されています。
 大量の水素ガスを抱く銀河: 円盤の中ではたくさんの赤い色の星雲(水素電離領域)が目立ち、また、渦巻きの腕には青く輝く若い星が数多く見られることから、渦巻きの円盤の中で星形成が活発におこなわれていることが分かります。また、腕に沿って星間塵(じん)が作る暗黒帯も多く見られ、星を作る材料となる中性水素ガスが大量に存在することが考えられます。すばる望遠鏡の主焦点カメラSuprime-Cam(シュプリーム・カム)で捉えたNGC 2403の全容からは、このような銀河の特徴の詳細が浮かび上がってきます。

<出典>: 「国立天文台:今週の一枚」

<大判>: イメージをクリック

コメント