杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

キング・オブ・トロール 勇者と山の巨神

2018年12月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年8月1日公開 ノルウェー 104分

19世紀半ばのノルウェー。貧しい家庭で生まれ育った17歳のエスペン(ヴェービョルン・エンゲル)は、いたずらばかりしていつも兄たちを困らせていた。一方、王国の宮殿では勝ち気で聡明なキリステン王女(エイリ・ハーボー)が、悪賢いシグール王子と政略結婚させられそうになっていた。ある日、宮殿から抜け出した王女は、森の中でエスペンと出会い、互いに惹かれ合うが、キリステンは「マウンテン・キング」と呼ばれるトロールに連れ去られてしまう。王はキリステンを救った者に黄金を与えると国中にお触れを出す。エスペンやシグール王子はキリステンを助け出すべく、トロールのもとへと向かうが……。(映画.comより)

 

ノルウェーで古くから語り継がれてきた森の妖精トロールの伝説を映画化したファンタジーアドベンチャーです。

お伽噺によくあるパターンは三人の息子が登場する場合、末っ子が賢く、上の二人は狡いかトロいと相場が決まってますが、このお話では兄弟仲が良いんです。もちろん喧嘩はするのだけれど、憎み合ったり嫌ったりというのとは違って、本当は互いを愛しているんですね。この違いはけっこう新鮮です。ついでに兄弟のお父さんも息子たちを心底愛してることが伝わってきました。

エスペンはいたずら者というより、少し足りないのでは?と思うような行動をします。最初は失火で家を全焼させたり、とんでもないバカ者に見えたのですが、王女を救う旅に出てからは、優しさと勇気と「何かに使えるかも」と拾い集めたがらくたが後でとても役に立つ道具に変わるなど、生活能力のある若者に見えてくるから不思議

一方シグール王子は典型的な傲慢タイプとして描かれます。王女と結婚したいのは王国を手に入れたいからという魂胆が見え見えの男尊女卑の嫌な奴で、トロールに捕まりそうになると平気で忠臣も切り捨ててしまう冷酷な男です。

老婆の魔女にたぶらかされた二人の兄をエスペンが救ったことで、兄たちも弟を認めるようになります。魔女は若い美女に見える幻影で惑わすのですが、後のシグールの運命にも彼女たちが・・因果応報、ざまーみろ!な結末に胸がスッとします

結婚が嫌で城を抜け出した王女はトロールに捕まって閉じ込められてしまいますが、エスペンたちに助け出されます。ディズニー映画なら二人は結婚してめでたしというところですが、エスペンは身分をわきまえ、家を再建するだけのお金しか要求しません。なかなか現実的?と思ったらラストでは王女が自ら赴くという・・・このあたりにも女性の意志が尊重される現代風な味付けが加えられているのかしらん。


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