杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

娼年

2018年12月22日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年4月6日公開 119分 R18+

主人公の森中領(松坂桃李)は東京の名門大学生。日々の生活や女性との関係に退屈し、バーでのバイトに明け暮れる無気力な生活を送っている。ある日、美しい女性がバーに現れた。女性の名前は御堂静香(真飛聖)。「女なんてつまんないよ」という領に静香は"情熱の試験"を受けさせる。それは、静香が手がける会員制ボーイズクラブ、「Le Club Passion」に入るための試験であった。 入店を決意した領は、翌日から娼夫・リョウとして仕事を始める。最初こそ戸惑ったが、娼夫として仕事をしていくなかで、女性ひとりひとりの中に隠されている欲望の不思議さや奥深さに気づき、心惹かれ、やりがいを見つけていく(公式HPより)


「娼夫」として生きる男を主人公に性の極限を描いた石田衣良の同名小説を、2015年に上演した舞台版が大きな反響を呼んだ監督・三浦大輔×主演・松坂桃李のコンビで映画化したのだそうです。桃李君主演という一点に惹かれた作品ですが、さすがに劇場で観るのは抵抗がありDVD発売まで待ちました 

リョウと女性たちが織りなす物語は、単なる性表現ではない"人と人との本質的なコミュニケーション"を描き出す。リョウは女性たちと体を重ねながら、彼女たちの心の奥に隠された欲望や心の傷を優しく癒やし、自らも人間として成長していく。と公式さんでは

娼夫になったきっかけは、ホストクラブで働く中学の同級生シンヤがバイト先のバーに連れてきた御堂静香との出会い。恋愛や女性に興味がないというリョウでしたが、彼女との出会いが彼の運命を大きく変えていきます。しかし「情熱の試験」って・・それって「あり」かよ!!叙情的に描かれていても、自分の娘にそんな相手をさせるなんて普通の感覚じゃありえないでしょそもそも、この商売自体がいわゆる「普通」じゃないのだから、そういうことを割り切って観ないと始まらない作品でもあるのですが

彼の「客」として登場する女性たちにも様々な事情があります。彼女たちの欲望を引き出し解放するのと同時に彼自身の心も解放されていくようすが表情から伝わってくるあたりはさすが、俳優・松坂君です。しかしよくこの仕事引き受けたな~~!セックスシーンはもちろん見所の一つではありますが、厭らしさはなく、何かの儀式のようにさえ映ります。でもこれを誰かと一緒に観るのは無理だ~~

仕事仲間の、自傷行為にしか喜びを見出せない男性のエピは哀しかったです。

シンヤや大学の女友達(彼女はリョウに好意を抱いてますが、後に彼とは棲む世界が違うことに気付かされるエピも切なかった)に非難されても、その頃にはリョウはこの「仕事」に誇りすら持ち始めています。いやいや、それ、違法だし・・とか思ってしまう時点でこの作品に共感はできないかな。リョウの母親が静香と同じく元娼婦だったというのもなんだかな~~。

ラストでは、おそらくはエイズを患っていた静香は亡くなっている設定のようで、彼女の娘とリョウが仕事を引き継いでいます。個人的には、こういう「癒し方」もあるのだと思うことはできるけど、許容は出来かねるというのが本音かな 所詮金銭が絡むだけにそこに本当の愛はない!と思うから


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