シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

日生劇場にて

2012-09-07 08:24:27 | Weblog

70年代のある日、私は日生劇場にいた。(つまり高校時代)

前から5番目くらいの席に座っていた私は場内を振り返って観察してみる。

観客の9割は女性、ざわざわと主役の登場を待っている。

満員だ~

そりゃそうだ、最もチケットをとるのが難しいとされていたコンサートだもんな。

場内暗くなる。

緞帳が上がる。

そこに待っていたのは

越路吹雪

日生劇場ロングリサイタル

しかしね、この画像のコーちゃんは微笑んでいるけど、

幕が上がって私たちを待っていたのは、ひざまづき、両手を広げ、観客を歓迎するも、笑顔はなく。

まるでこれから戦いでも挑もうとするかのような表情だった。

その瞬間の映像は30年近くたった今も鮮烈で、全身アワだったのを覚えている。

コーちゃんは歌唱力というよりも演技力で聴かせる人だったのではと思う。

今となっては、「人生は過ぎ行く」の歌詞のようなオンナのマインドには寄り添うことはできないけど(しつこいのが嫌い)、恐ろしい女の執着と絶望を歌い上げるコーちゃんはすごい。

確か高校1年くらいでのコーちゃん体験だったけど、

行って良かった。

なぜなら、ほどなくして彼女は逝ってしまったからね。

 

 

 


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お名前だけは (アゲハ)
2012-09-07 10:15:34
知ってる!
宝塚出身のひとでしたよね。

最近だけど(と言いつつ既に二年はたつかな)落語をパソで聞く(とゆーか見る)ようになってんだけど、ほら、あれ、コアサ、春風亭小朝さんの落語で越路吹雪さんを取り上げてるのをたまたま聞いてたのね。
で、ふーむ、たいした人だったんだぁ~って印象。

凄いストレスだったでしょうね。

オネェタマは高校生(の分際)で御覧になりましたの?
それもスゴいわ。
返信する
アゲハちゃん (anupam)
2012-09-07 10:28:42
そうそう高校生の分際でご覧になったの。

母がすげえファンで、ロングリサイタルに毎回行ってましてね、子供だけど「いいもの見ろよ」ってなことで連れていかれた次第です。

コーちゃんはすごく神経質で怖がりだったらしく、毎回相当なストレスと戦いながらコンサートをしていたらしいよ。

年下の旦那さん、内藤さんがバックのピアノをやっていらしてね、超仲良しって感じでした。
そんな内藤さんもコーちゃんの後を追うように早く亡くなってしまったんだ。
返信する
Unknown (Bill McCreary)
2012-09-20 23:57:06
anupamさんて越路吹雪が好きだったの? それは意外。

>そりゃそうだ、最もチケットをとるのが難しいとされていたコンサートだもんな。

そういうのも今では考えにくいですね。なかなか彼女のような歌手が人気が出る時代じゃありませんからね。

私にとっては彼女は、昔そんな歌手がいた、くらいの存在ですが、今度アルバムでも聞いてみたいと思います。
返信する
Billさん (anupam)
2012-09-21 08:18:09
母がね、超好きだったんでね。
つきあいで行った感がありますが、その迫力はすごかった。

コーちゃんは、自身のエッセイ集の中で、ぬかづけもつけている、そしてその中に「ビオフェルミン」を入れていると書いていた記憶があるの。

マジか??と今になると思うね。

彼女はアルバムで聴くより、動画で見た方がいい歌手だと思うのでyoutubeで検索して見てみるといいかも。
返信する

コメントを投稿