一言、キモイ！「黒い家」

９９年森田芳光監督作「黒い家」

原作はホラー作家の売れっ子、貴志祐介の同名小説。

これは母がテレビ放映時にビデオ録画したものを借りて見ました。母は重ね撮りの鬼なので、テープが・・かなり画像がすごい・・これも関係したのか、この「黒い家」はかなり気持ち悪い作品でした。

原作を読んだ方からすると、かなり主人公たちのイメージにズレがあるようで、酷評ですね。

保険金殺人を繰り返し行う一種の殺人鬼に大竹しのぶが扮している。
夫は西村雅彦。どちらもとにかく不気味なキャラだ。

保険会社に勤める内野聖陽が担当する契約者に大竹しのぶ、西村雅彦がいる。
この内野って人が、ひっじょ～～～にセリフが聞きとりづらいのよ！！怒り！！

怖い映画を作るのに、音って重要なんだけど、セリフが聞き取れないとめちゃくちゃイライラする。字幕スーパーをつけてほしかったくらいだ。

彼が初めて夫婦の家を訪れたとき、何と息子の首吊り死体の目撃者にさせられてしまう。息子が自殺したっていう証拠にしたかったわけだ。

そして保険金のことで会社に訪ねてくる大竹しのぶ。私は原作を読んでいないので、この彼女の感じで判断せざる得ないんだけど、やっぱりこの人は只者ではない。
椅子に座った後姿、少しくたびれた体型、ブラが少しくいこんでいたり、座り方が少しだらしなかったり・・瞬間的にこの女の精神状態を「おかしいぞ」と感じさせる演技はすごい。それも、ほんのちょっとした崩れから表現する。

でも、この映画はラスト近くで破綻しちゃう。大竹しのぶと内野君の戦いシーンがね～～

何か大竹しのぶがジェイソンになっちゃうし、途中自分のバストをぺロっと出して「しゃぶれ！」みたいなこと叫ぶし・・なんだかね～～

サイコ・ホラーって作りやすいかもしれないけど、結構難しい。だって現実の社会の方がずっとすごいやつを生み出しているからね。
「羊たちの沈黙」のような上質のコニャックのような、どこか高貴な感じすら抱かせるようなサイコ・ホラー、また出来ないかな？どなたか、これはおすすめってのはありますか？