これは昨年12月24日の「Express」紙
これも同じく12月24日の「USA Today」紙
そしてこちらが12月26日の「The Washington Post」紙です。
アンジェリーナ・ジョリーがメガホンを取った映画「UNBROKEN」の粗筋については、昨日の前篇でお伝えしました。
上にあげた3紙に書かれていることで興味深かったのは
拷問を受けるザンペリーニの姿をキリストの受難に重ねる解釈
あるいは彼を聖人視する見方があったことでした。
アメリカ人の捕虜たち、とりわけザンペリーニを苛酷な拷問で苦しませ続ける
日本人指揮官については、こんな記述が見られます。
「a sadistic prison commander—played with creepy, almost psychotic intensity by Japanese rock star “Miyavi”」
(日本のロックスター“Miyavi”が演じる、ほとんど精神的に病んでいるとも言える身の毛もよだつ指揮官)
そして、製作者のアンジェリーナ・ジョリーについては「アンジーが女優からディレクターへと足場を固めた。」と書かれています。
これについてアンジーことアンジェリーナ・ジョリーは、こう答えています。
「I ‘m shy to call myself a director still. I do love directing. I much prefer it to acting.」
(私はまだ自分のことを『ディレクター』と呼ぶにはためらいがありますが、演じるよりは監督業の方が好きです。)
さて、日本人としては複雑な思いに駆られるこの映画ですが、上述の12月24日の「USA Today」では、記事の真ん中に口をとがらした日本の男性の写真を据えて、「この映画が日本のナショナリストたちの怒りを買っている。」という見出しをつけています。
そして写真の主、竹内睦泰さんの下のようなメッセージを伝えています。
「Mutsuhiro Takeuchi, a nationalit-learning educator and Shinto priest, said Jolie is free to make whatever movie she wants, but he urged her to study history.」
(ジョリーがどんな映画を作ろうが自由だが、きちんと歴史を勉強してほしい。)
また、日本の反対派グループがこの映画を「事実のねつ造」「反日プロパガンダ」であるとして、日本での映画公開のとりやめと、アンジーの日本入国を拒否する運動を起こし、9500人が署名をしたとも書かれています。
9500人のうちの何人がこの映画を見たのだろうと思いながら、公開のとりやめもひとつの策であると同時に、もしかしたら見ることもまた必要なのかもしれない、と複雑な心境に揺れています。
映画の最後のシーンも、別の意味で深く記憶に残ります。
戦後53年、長野オリンピックが開催された1998年に、ザンペリーニ本人が、人々の歓声と拍手の中でかつて捕虜として収容されていた町を聖火を掲げて笑顔と共に走る映像です。
そんな場面に大きく「Forgive」という言葉がかぶさります。
許す、、、、、、それは誰が誰を、どちらがどちらを許すということなのでしょうか。
いずれにしても、重い重い映画であったことだけは事実です。
読んでくださってありがとうございました。
どうぞ良い一日をお過ごしくださいね。
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