月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

この瞬間をどう捉えるかで見え方は変わる

2020-05-31 23:57:25 | コロナ禍日記 2020

 5月2日(土曜日)

 

 朝7時に起きて、白湯にヤマザクラのハチミツを加えたものを飲む。読書。

 

 午前中、原稿を書くも、頭の中で見ている映像がうまく言葉にできずに、はがゆい。出口を求めて出掛かっているのにわからなくて、自分がつい、使いつけている安易な表現で体裁を整えて、その場をまとめてしまおうとしている。いやだな、そういうのは。待って、根気よく考えて最も心に近い言葉を探りたい。

 

 12時をまわってもずっと仕事場から出てこないので、お昼はパパさんが高菜ラーメンをこしらえてくれた。(1食でも作ってくれると本当に助かる)

 

 午後。Nがこれは絶対に見なきゃあといいながら BS「美の壺」日本の避暑地スペシャルをかけて、「早く来て」と呼ぶ。

 長野県の「上高地帝国ホテル」からスタート。帝国ホテルのロビーラウンジには、巨大なマルトルピースがどーん!と鎮座。昨年宿泊した星野リゾート奥入瀬渓流ホテルをふと彷彿させてため息。熟年夫婦の旅はいい。若い頃のように話さなくていい。年齢を経て、共に旅をできるのが理想である。

 青森は、新緑のいまが最高の季節のはず、画面を見ながら心は緑の中にすっぽり包まれた気分に浸る。

 



(写真は、昨年5月の奥入瀬渓流ホテル)
 

 「高原の食卓に異国の味わい」で紹介されたオーベルジュ「ル・トン」(静岡県伊東市)。軽井沢の朝食シリーズ「キャボットコーヴ」で紹介されたルバーブのジャムも赤がきれいで香りもよさそう、目が画面に釘付けに。

 洋館の避暑地の良さは、湖・森・海と羨望のよいことが条件なのである。よいなーーと羨ましがっているところに、パパさん

「わが家も、リビングに居てこれだけ高い山並みが、座った目線で見えているのだから、まぁ毎日避暑地みたいなのだよ」と。

 なるほど。いまある目の前をどう捉えるかで、見え方は変わるのだな、と思うに至る。

 

 ティータイムには、プリンを器に盛り🍮飾ってみた。ガラスの器がいまひとつで、フルーツも柑橘類ばかりだがアイスクリームには、ハーゲンダッツのいちごと白熊があったので添える、ま、これもプリンアラモードだと見えなくもない。お茶はダージリンをポットに2杯。いいじゃないか。おうちリゾート、結構なこと。

 幸せも不幸もない。自分の心が不幸と思うか、幸せと思うか決める。それだけと、いつか読んだ本の言葉を思い出した。

 

 夕方。一昨日と同じ場所までウォーキングして、4つ葉のクローバーの採取にいそしむ。前回の経験から私も少し慣れてきて、3本アッという間に見つかった。集中力を養うのには、よいリハビリだといえそうである。

 わたしはこのまま持ち帰って本に挟むがNはクローバー探し🍀をよくするのかきちんと洗って、きれいに4つの葉を整えてから押し花にする。




出来上がったのがこのとおりだ。




 夕食は、神戸牛すき焼き。小鉢モノで大根おろしとちりめんじゃこあえ、いんげんのごまあえ。生野菜サラダ。わかめの味噌汁。


 夜。Nが東京から持参していた、なわとびで二重跳びを披露してくれた。

 お風呂上がりに、男の子がやるような腹筋が割れそうな「筋トレ」も。

 


早口言葉ゲーム「炙り、カルビ」

2020-05-29 23:41:00 | コロナ禍日記 2020

 

5月1日(金曜日)

 

 朝8時に起きて、ビゴのフランスパン「パリジャン」にクリームチーズ×文旦ジャム、クリームチーズ×甘夏ジャムを交互につけて食べる。紅茶はダージリンで。

 

 9時。テレビ会議がはじまったので、早々に仕事部屋から退散、お風呂で本を読もうと駆け込むと、東からの朝日がそそぐ、居心地のよさそうなポイントをみつけた。洗面所から浴室につづく東側の通路で、引き戸を引くと、3帖ほどのミニベランダに出られる。

 母や祖母からジャガイモやタマネギなどの野菜が届いた際には、段ボールにいれてこのスペースで保存したり。Nが、幼い頃に家の合鍵を忘れて家の中に入れなかった時など、外階段から樋まで小さな手をのばして飛んで、腹筋を使って体を持ち上げ、このベランダまで侵入し、お風呂場の窓からわが家に入ったこともあるらしい。

 小さな空スペースに椅子を持ち込んで、それからお風呂の中で、森瑤子さんの「情事」をラストまで読む。(先日クローゼットの断捨離で見つけた)初めて読んだのは高校の時。父が営む海のみえるホテルの食堂に座って、打ち寄せる波音を聴きながら一心に読み耽り、ものすごく衝撃をうけた作品だ。

 主人公ヨーコの、内臓の奥まで魅せられた女としての美学。自立した女の孤独な愛し方を知った。

 いま、一体、何時なのか、さっぱりわからない。完全に紙の中に入り込んでいた。時計をみたら11時半。2時間近くここにいたことになる。

 



 

 お昼ごはんは、ほうれん草と玉子入りの特製チャーハン。丹波篠山「岩茶房ことり」の中華まんで。

 

 午後からは、2時半と5時〜。再び、パパさんのテレビ会議である。

 仕事がしたい、原稿に戻りたい気持ちを募らせながら、寝室クローゼットの洋服の整理をする。Nが手伝ってくれて、「カーディガン、ブラウス、ショール、スカート!」 と、声を出しながら次々と洋服の雨を降らせるので、それらをベッドの上に並べてモノの気を休ませてから。処分、クリーニング、洗濯機と仕分けした。(整理下手なので見た目の変化は少ないが)

 

 15時。アンリシャルンパンティエのケーキでティータイム。

 17〜19時。耳にノイズキャンセリングをして朝の原稿の続きを書いた。

 夕方の遅い時間に。Nを伴って散歩に出る。完全に陽が落ちていたので、ミニバラの花壇広場と杉やケヤキの森を抜ける最中に、ふと枝葉がみえないほどの暗闇があって、山の獣がこちらをのぞき見しているかのような、ぞわっぞわっとするものを感じた。昔一帯は山だったのだ。

 

 夜ごはんには、ヒラメの刺身と菜の花でちらし寿司をつくる。(盛り付けはNが担当)。舌平目のムニエル。トマトとグリーンサラダ。しじみの味噌汁も。きょうはアルコールはなし。

 



 夜。なわとびトレーニングを15分くらいした。肌にあたる夜風が爽快。心地よく疲れたところで、お風呂へ。Nが途中から入ってきて、ふたりでだじゃれを言って笑い合う。

 N、腰に手をやりながら、お尻を横に突き出して、手首をまわしながら焼肉を箸で炙る格好をし、「炙り、カルビ」「炙り、カブリ」「炙り、カブリ」と10回いって!と即す。

 「炙り、カルビ、炙りカブリ、あぶりカルビ、あるびカルビ」「あ!間違えた!ダメね」

 「じゃ、今度はN」。絶対にラストまでいえない。ジャスミンの香りのシャンプー剤を髪や頭皮に塗りたくりながら、「あぶり、カルビ」。濛々と立ちこめる焼き肉の匂いと煙! カルビを炙るN。独特のゼスチャー付きが〝ミソ〟である。

 さらに難易度をあげて「赤炙りカルビ 青炙りカルビ 黄炙りカルビ」なんて早口言葉もあるそう。お風呂の中で声が響くから面白い。

 お風呂からあがって、シロクマアイスを食べて、少し本を読み1時40分に就寝。

 


スモーキーなジントニックで夕食を

2020-05-28 01:01:55 | コロナ禍日記 2020

 

4月30日(木)

 

 7時。パパさんと同時に起きた。「奈良のさくら香」の線香を焚いて、10分瞑想。パソコンをあけて原稿を書き出した。

 

 Nは夢の中なので、パパさんとふたりで朝食。木村屋の、あんぱん(けし、さくら、うぐいす)とクリームパン。グリーンサラダ。私はカフェオレ、パパさんはブラックコーヒー。柑橘類のはるみ、を食べた。

 

 9時。テレビ会議がはじまった。寝室へ逃げ込み、本をひらくも、集中できずにInstagramを投稿。昨年から投稿しようと思ってもできていない。あのときの、想いがつまった写真が山のように積み重なっている。

 例えば、昨年の今頃は若葉が躍る「青森奥入瀬渓谷」を旅していたのだ。

 その時、心が動いた! が大切なのに。瞬間をつかまえ、リアルを伝え続けることはなかなか難しい。なぜなら、いまはすでに新しいリアルと対峙しているので人は常に過去を書くことになるのだ。

 写真をたどるより日記をみるほうが、ありありと瞬間が回想できる。時代を知り、自分を知る材料になるには日記が一番だと思う。

 但し詳細をこまかに観察する目を持たなければ。

 

 Nが起きたので、朝食を準備。すぐに昼食へと移動する。

 昨日に常備菜として残しておいたものを使って「ツナのパスタ」(ダニエラオージックさんのレシピからアレンジ)をつくろう。たっぷりのオリーブオイルに、細かく刻んだにんにく、赤とうがらしをいれて香りをだし、ツナ缶を一滴残らず投入。この時、塩、こしょうを少々。ニラや、みょうが、ネギ、香草の葉を数種いれて、アンチョビを加えたら完成だ。

 

 午後3時。食料の買い出しのために、芦屋まで出る。

 逆瀬川から六甲山道を通って、ぐんぐん分け入ると、新緑の風。車道の両端に、ケヤキのトンネルができており、気分よしの五月晴れ。車窓をあければ、いきものたちの匂いがする。

 芦屋のイカリスーパーから、阪神芦屋まで下がって、ティーハウスムジカにて、アッサム、ヌワラエリア、ダージリン、ディンブラを入手。

 アンリシャルンパンティエで、ショートケーキを買い、ビゴのフランスパン(パリジャン)で〆。

 

 帰宅後。すぐ夕ごはんの準備をする。

 きょうは、山形牛のローストビーフをメーンに、鮎の塩焼き、ジャーマンポテトサラダ、グリーンサラダ&トマトの酢漬け、ニラともやしのスープ。

 食事にあわせて、ジントニックを作った。 

 スコットランド原産地のおいしいいものをみつけ、トニックウォーターとレモンですっきりと割る。サマーホール蒸留所でつくられたジンは、インドのムンバイから1940年代に伝わった“ボンベイレシピ”に基づいているそう。飲み口はやや甘くシトラスフレーバーの奥に、ほのかなウイスキー感とハーブのような薬草っぽい風味がある。

  Nがぜひ、と選んだ本格派だ。いきなり初夏の食卓となった。あまりにローストビーフとよく合いすぎて、3杯もおかわりしたら、テレビをみながらすでにうとうと。

 よい気分で12時半に就寝。

 

 

 


よつ葉のクローバーを探して

2020-05-25 22:24:22 | コロナ禍日記 2020

4月29日(水曜日)

 

 すっきりと目覚める、きょうは8時まで寝た。

 白湯にNが殺菌作用だという、ヤマザクラのはちみつ(ハチたちの仕事、抗生物質使用しない)をいれて、数回にわけて飲んだ。15分、本を読む。

 

 瞑想。20分。

 誰も起きてこない、朝の時間は素敵だ。孤独ではないし、自由に思考を遊ばせることができる、余白がある。誰かがそばにいると途端にかりたてられる。一家の主婦としての、こまごまとした雑務に、仕事しなきゃあという焦りにも。

 「天才たちの日課」(女性編)を少しずつ読んでいる。そのまま、仕事部屋にこもった。

 

 11時。家族が揃ったので、コーヒーをいれ、サラダと、はるみ、清見と2種の柑橘類、銀座の木村屋5種のあんぱん、クリームパンを食卓に並べた。

 お昼は、中華粥(ささみのほぐし身、ネギ、みょうが、山菜、赤とうがらし、しょうが入り)、水餃子。

 



 岩茶房丹波ことりさんの、鉄羅漢を10煎くらい炒れて。そのままの流れで飲茶へ。たこせんべい、エビせんべいを追加し、台湾の干菓子も出してきて20分くらいおしゃべりをしながら飲茶タイムをした。

 

 夕方。Nと散歩に出た。途中、外周道路を歩き、最近建ったばかりの住宅地を歩くうちに、住宅の裏をずっと下がったところにクローバーの楽園をみつけてしまった。

 










 

 白詰草は、つんつんした白い花が清楚で、活発な感じがかわいい。昔、蔓にして編み、Nのまっすぐで素直な髪に王冠をつくってあげたのを思い出した。Nは3歳児の頃と変わらず、手でクローバーの葉を上手により分けて、4つ葉探しに夢中だ。

 「みつかる時は、すぐにみつけちゃうのよ。わたし天才的にすごいの」

 と、みるみる手に5本くらいの4つ葉をギュッと握りしめている。

 遠くの山の風景を眺めていた私も、負けないように探しはじめた。根気がなくてなかなか収穫できない。最初にみつけたのは5つ葉。次いで4つ葉を2本みつけた。

「5つ葉はダメよ。悪魔があなたの中に潜むといわれているからね。気をつけてね」

「え!うそ……!」(笑)

「あ、いま調べたところによると財運に恵まれるんだって。財に恵まれるからには、心を清くもちなさいということなのね」とNはいう。

 新芽が出たばかりの青緑の松の枝葉、黄色いミニバラ、白いハナミズキ、ピンクのハナミズキ、白藤……たくさんの花や植物と出会う。いつもより遠回りして90分くらい散歩した。

 



 

 帰宅後。Nは4つ葉を1本ずつきれいに洗い、江國香織の厚めの本を取り出して押し花をしていた。

 



 

 夕ご飯は、こごみ、こしあぶら、しいたけのかき揚げ天ぷら。鶏の照り焼き。長芋とししとうの素焼き(付け合わせ)。京都のおぼろ豆腐。みそ汁。



 

 

 窓の近くの絨毯の上に座って、家族そろってテレビをみる。おしゃべりながら、お菓子をつまみながら、くっつきながらのテレビ。

 

 12時。お風呂をNと入るも、「息がくるしい。もう上がるわ」と早々に彼女は上がる。昔なら1時間半も秘密の打ち明け話をした関係性であったのに。母を一人の女として観察し始めたのではないか、などと思い巡らして、慌てて本に目をやる。

 深夜1時半就寝。

 

 

 


3カ月ぶりのN嬢の帰省

2020-05-24 00:11:00 | コロナ禍日記 2020


 

 4月28日(火曜日)

 

 朝7時に起きる。昨日は一日中、歯がきしきし痛み、不毛な一日を過ごしていた(夕ご飯を食べたあたりから、だいぶやわらいでいる)。瞑想のあと、白湯を飲む。パパさんが起きだしてきたので、マグナムコーヒーをいれて、篠山の朝採りいちご、オーガニックシリアル、アボカドで朝食。

 

 リビングで10分くらい本を読んだ。最近は、本がゆっくり読めない。少しページをめくるも、次々と用事を思い出し、台所へたったり、片づけモノをしたり。仕事の案件を思い出したり。 

 9時。大急ぎで、定期刊行物の次号の企画構成案を仕上げる。

「いい特集アイデアを思いつきましたので速効で企画書にします。明日。朝までにお送りしておきますので、ぜひ検討してみてください」

 前日。代理店の人と打ち合わせをしていて、自分から高らかに宣言したからには、守らないといけない。昨日は、歯痛でほぼ仕事をせず。のらりくらりとしていたのだから。

 

 

 企画のアイデアは、すでにシャワー中に頭の中で描けていたので、それらを膨らませてプランニングを練るだけだ。こういう時は集中できるのだな。ズームで騒々しいリビングだろうと、パパさんの電話の声が浪々と響きわたっていたとしても、集中して、ぐぐぐっと、できあがってしまうのか。深くもぐって、自分の内側に入り込んで書いていくようなものが、むずかしいのだな。完成してすぐ提出。デザイン担当Aが、感想をメールにのせて返してくれたのをみて、一部修正して再提出する。

 

 きょうの、パパさんはといえば、10時、13時、15時と3本のズーム会議。

 それにあわせて、効率よく食事やお茶を供するナント甲斐甲斐しい、私。2ヶ月ほど前から、わが家の飯炊き女になった。人間は食べたものからつくられている。だからこそ、一食たりとも、妙なものを食べたり、食べさせたりしてはいけない。よい素材。よい調味料。よい鍋。あとは、一心不乱においしくなることだけを考えて、おいしい完成品を妄想。愛情を注ぐのみである。

 

 お昼ごはんは、北海道ほっけのフライ。にらともやし炒めに目玉焼きのせ。にんじんスープ。

 午後にはNが帰省してくるので掃除をして、迎える準備を整えた。

 

 5時。車の中から、道行く人をのぞきこんでいたら、むこうからよく知っているような、見知らぬようでもある若いお姉さんが首を孔雀のように伸ばし、お尻をふりふりしながら歩いてきた。おぉー!あの人は、どんどん、職業に見合った女性になるなぁと、感心しながらNが車に乗り込むまで観察をしていた。

 

 阪急百貨店の催事コーナーで、銀座木村屋のクリームパンとあんパンを買う。

 テイクアウトの台湾スイーツ、ミックス豆花、仙草ゼリー入りのタピオカドリンク(砂糖少なめ)を買う。







 帰宅後。器に盛りつけてから、たのしく食べた。台湾の九份を恋しく思い出す。熱くて湿気が多く、途中で降り出す雨に打たれながら食べた名物の「頼阿婆芋圓」だ。

 我が家が、新しい季節を迎えたように活気が漲ってきた。普段とは3トーンくらい明るい。まず、私が信じられないほど陽気になる。始終、Nと顔を見合わせてジョークを連発しては笑っている。笑いのツボを自ら掘って、掘って生きるようになるのだ。

 

 夕ご飯は、ヒレカツ盛り合わせ。ブロッコリーのにんにく炒め、新芽のグリーンサラダトマト入り、おぼろ豆腐、タマネギとわかめの味噌汁、昨晩のすきやき風肉じゃがを温めたもの。

 

 

 


自分流儀のペースで

2020-05-22 23:09:00 | コロナ禍日記 2020

 4月24日(金曜日)晴れ

 

 朝5時半に起きる。

  昨晩、多めにこしらえたルイボスティーを飲み、近所の緑が多いところを選んで散歩。帰ってすぐに瞑想をしていたら、アイデアが途中までわきあがってきて、そこから先へ進まず(喉元まできているのに、トンネルが狭くなってわからない状態)。朝食をつくると(パンとカフェオレ、サラダ)、お風呂にノートを持ち込んで、妄想のなか、遠いかなたのものに会いにいく。

 

 お昼。キャベツたっぷりの餃子と、ニラと卵のスープ。ショウガとホウレンソウ、卵のチャーハン。

 午後。リビングがリモート会議で使われていたので、ベッドの部屋に昨晩の読みかけの本を勇んで持っていくが、すぐにうとうと。原稿の構成案をつくる。このところ、日・曜日・時間の境がわからない日々を過ごしている。

 

 40分寝て、家のまわりを散歩した。いつもの道も歩くとなにかしら新しいものが目に飛び込んでくる。この日は森の近くの遊歩道に、突如、白いツツジが開いていた。昨日まで気付かなかったのか。忽然と咲いたのか。

 フレッシュな白。水分をふくんだ元気な白、希望の白。歩きながらずっと感じていた。

 

 夕食は、カレーうどん。長芋の短冊を酢醤油で。

 お昆布と鰹でだしをつくり、しょうゆ、みりん、少し塩、日本酒。冷蔵庫に残っていた余りものカレーライスを入れて、ネギ、お揚げを加える。片栗粉を水で溶いてとろみをだして出来上がり。

 ブロッコリーとカリフラワーのサラダ。

 

 外をあけてゆったり夜のお風呂。昨晩の本を持ち込んで読み、あまりに面白かったので、ベッドの中でも読み耽って、12時半に就寝。

 

4月25日(土)

 朝、6時に起きる。

 午前中から2時まで原稿書き。

 週1の買い出しには今週も丹波篠山方面へ出かけた。空は青く遅咲きの八重桜が風にゆられ、初夏の始まりをつげていた。








 篠山のJA味土里館、清明堂、篠山市内で大福堂本店と立ち寄り、岩茶房丹波ことりで肉まんと水餃子、岩茶「金柳条」を購入する。

 

 夜ごはんは、愛媛の鯛の造り。ししとうと椎茸の煮浸し。篠山牛とかつお菜のオイスターソース炒め。あおさと玉子でのりすい。いかなごのくぎ煮。蒸しブロッコリーほか。

 

4月26日(日)

 

 6時に目覚める。窓からみえる新緑がきょうは昨日より緑が明るく萌えでている。

 ベッドで思いついたことを、ポメラに記憶させる。中国武夷山の岩茶・鉄羅漢をいれて、篠山の清明堂さんの栗饅頭を食べた。(草餅は売り切れ)

 餡の中に栗がゴロッと入っている。誰もいない朝。おいしくて、気持ちよくて、7煎も鉄羅漢を飲む。




 お昼ごはんには昨日購入した丹波ことりの中華まん2つ。タマネギ、豚肉の中に八角が隠し味。手作りの皮は甘くやわらかくて、満足度が高い。

 山菜チャーハン(ごま油にたまご2個を溶く。自家製の干したショウガ、2種の塩(フランスのゲランドの塩と石垣の塩のミックス。こごみ、菜の花など数種の山菜を混ぜる。蒸しじゃがいも(エシレバター入り)、トマトの酢漬け。





 5時。昨晩あたりから怪しかったが、いよいよ下側の左奥歯の一本手前の歯がズキズキと痛い。我慢していたが、治る様子はなく、徐々に痛みが増してくる。心臓の鼓動にあわせて痛点も同じ感覚で波うつように痛い。

 全くもって食欲はない。一人暮らしではないのでご飯づくりに奮起した。鯖のみそ煮、ほうれん草とニンニクのソテー。ネギとニラの味噌汁。(以上!) 

 わが家の飯炊き係の体調が思わしくないと、食事の内容がアッという間に質素になるのだ。

  夜。さらに歯痛が疼いてきたので、5分だけ肩もみをしてもらったら一瞬だけ緩和されたようだが、少し経てば、辛い痛みが神経に響いて頭が重い。

 年始「ぼたん鍋の会」で、コピーライターの同僚Kが、頭痛で顔がほてり出し、ふらふらなのをS嬢が指圧をした結果、5分で治してしまったことを思い出す。

 それで歯痛のツボを探して自分で指圧を試みる。

 まず、手だ。「合谷(ごうこく)」といって、さまざまな症状に効く万能ツボ。

 

  • 手のひらを出し、親指と人差し指の間、やや下をぐいぐい押さえる。(親指の骨と、人差し指の骨が合流するところからやや下のあたり)。

 

  • 続いて、中指と薬指の間もぐいぐいと押す。(痛みや刺激を感じるところを探して指圧する)

 大迎(だいげい)のツボ

  • 顔に手をもってきて、耳の下へ。人差し指から薬指4本分下のあたりに置く。口を大きく開き、へこんだところを指圧するとよいらしい。目をつぶってひたすらぐいぐいやる。
 ま、少しはマシになっただろうか。

 夜は、風呂も入らず、本も読まずに、11時に就寝。

 

 


妄想の森でクマに出くわす

2020-05-20 20:23:00 | コロナ禍日記 2020

4月23日(木曜日)晴れ


 朝7時に起きる。お香を焚いて瞑想。

 今日も11時と13時半〜。パパさんのテレビ会議があった。

 あいかわらず声が大きく、エコーが効いたようによくとおる声だ。前月のようにいらつくことはなく、BOSEノイズキャンセリングをしながら、依頼原稿のための資料読みをした。テレワーク生活にいよいよ慣れてきた証拠!(^ν^)

 午後からは仕事。

 夕方7時。自宅を中心に家から20分くらいの距離を8の字に歩く。

 頬にあたる風が2月のように冷たい。キーンとした冷気、背筋がブルッとするほの寒さを、いま、思いっきり味わっておこうと思いながら歩く。

 途中、階段を5段おりて、さらに10段おりて、もう一度3段おりたところを少しいくと、シロヤマザクラ、栗、どんぐりの木がざくざく植わった雑木林が出現する。ずんずん歩くと、未開の沼とも森とも、渓谷ともいえる、原生林がひろがった人の手をいれない場所がある。


 鉄製の柵で囲まれ、誰も入れないようになっているのだが森の深さ・濃さは感じられる。密集した緑の中にいろいろな生物が潜んでいそうな雰囲気なのだ。

 (段々畑と山だった場所。一駅分はある距離まで続く)

 原稿に時間がかかり、陽も落ちて、あたりが暗くなり始めていたので、さらに怪しい感じだった。ふと、冬眠からめざめた小グマにでも出くわしたらどうしょうかという妄想がひろがる。一旦そう思ってしまえば、クマの丸まった背中と、心細そうな足取りでよだれを垂らした赤い舌が浮かんできた。


 4月末の珍しい寒さが、クマを想像させるとは……我ながらユニークな散歩になった。先日、漁師が野生のヒグマを追い払う密着ドキュメンタリーをパパさんと並んで見入っていたので、そんなことを思ったのだろうと気づいた。

 「ヒグマと老漁師 世界遺産 知床を生きる」というNHK番組である。極寒な知床で共生していきる老人とクマ。鯨が打ち上げられていたら食糧として流されないように手助けをしてやっていた老漁師の姿があった。

 

 晩ごはんは、骨付きラムチャップ、タマネギと椎茸、ジャガイモのソティ。トマトとラデッシュのサラダ。海苔とキノコの佃煮。コーンクリームスープ。イタリアの赤ワインを2杯飲む。




 あまりにもワインが軽く、おいしかったので、食事後に、ゴルゴンゾーラチーズをデザートにした。

  10時半になったのでお風呂の中で読書をする。

 有馬グランドホテルのエステサロン「CAAZE Organic SPA」のバスソルトをいれて浸かると、柑橘類とジャスミンの香りでリラックス。普段なら風呂蓋の上に本を置いて読むのに、この日は香りのよさにやられてしまい、アッとおもったら手から滑り落ちて思いっきりダイビングした。あぁ。髪を乾かすより先に文庫本を乾かす始末に。

 12時半に就寝。

 


春の皿には苦味を盛れ

2020-05-18 22:33:00 | コロナ禍日記 2020

 ふと。夏蜜柑の白皮をむきながら、苦酸っぱくてうまいなぁと、と思わず口に出た。この時期にはどうしても「清見オレンジ」や「はるか」などではどこかもの足りない。

 そういえば、今年は、山菜をたくさん食べた。普段なら京都のおばんざい屋か、カウンター割烹のような場所で山菜の天ぷらなどを味わいたくなるのだが、今年はさすがにそうもいかない。自分の手でつくらないと口には入らないのである。

 

 雪の下、たら、こごみ、せり、菜の花、こしあぶら……と山菜の天ぷらを4回ほど食卓に並べた。

 

 各種の山菜に干しエビ、ごぼう、コーンなどもいれて、かき揚げも。これがなんと外でたべるより、肩がこらずおいしく感じたのはなぜか。おそらく、自分の家の食卓でのんびり、食べたのがよかったのだろうか。(揚げたてを供するのはスピード勝負だったが)





 一昨晩には、山ぶきをたくさん炊いてみた。包丁で長さを揃えて、2分ほど先にゆでるのだが、この時の山っぽい香りったら。


 あく取りをした後、改めて味見をしてみたらとても苦かった。ギョッとし、あら味がたらなかったかとお出汁に醤油と砂糖などを足したが、翌朝には、時間時計がよい仕事をしてくれちょうどよくなっていた。

 それほど意識はしていなかったけれど、春の味がいいなぁと思うのには苦味があったのだ。

 「春の皿には苦味を盛れ」とは日本らしい諺だなぁ。

 山菜には、ポリフェノールやミネラル分が豊かで細胞を活発にしている効果があるのだとか。冬に蓄えた脂肪分を、春の体に戻すためにデトックスをする〝食養生〟。季節の食べ物には、新しい変化にうまく対応するためにも率先して取り入れたほうがいいらしい。

 冬眠から目覚めた熊が最初に食べるのが、やっぱり山菜というのも面白い。冬のうちに蓄えた脂肪分を、苦味で排出するらしい。わたし達も野生動物と同じ。理にかなった苦味なのだ。

 

※この頃はあとで書こうとしてご飯のメモくらいしか、してなかった。

 

4月20日(月曜日)

 

 6時起床。ヨガ、瞑想10分。

午前中までにTSUTAYAへ、DVDを返却したあと。 宝塚の小さなカフェ「subako(スバコ)」さんへ。

 おやつに、イチゴのタルト。文旦のジャムを買う。

「文旦のジャムは、クリームチーズの上にのせて食べられると、おいしいですよ。キリでも十分!」とオーナー。

 さっそく、ランチで試してみた。

 「なりとぱん」さんのフランスパンにクリームチーズと文旦ジャム。フランス産のカマンベールチーズに、ヤマザクラのはちみつをたっぷりつけて。

 噛みしめるごとに小麦の風味が鼻孔に届く。素材のおいしさに、文旦や夏蜜柑ジャムの苦味。少し優雅なおうちカフェ気分に。

 

 午後からは、深夜まで仕事をした。テープ起こしに4時間かかり、7時からようやく原稿にかかる。 

 夜ごはんは、淡路島のすずきムニエル、しいためのバターソテー、粉吹き芋添え。海草サラダ、ローストビーフ(ローストビーフは阪急デパートの惣菜コーナーで購入)

 

4月21日(火曜日)

 

 お昼ごはんには、すき焼き(神戸牛薄切り肉、こんにゃく、しいたけ、笹掻きごぼう、たまねぎ、ネギ入り)卵につけて食べる

 

 夜ごはんは、豚肉うすぎり、もやし、ニラ、キムチを塩、こしょう、酒で炒める。天狗納豆に大根おろしをかけたもの、みそ汁(油揚げ、わかめ、たまねぎ、にんじん)、いかなごの釘煮、昨晩の海藻サラダ

 おうちシネマ、マダムのおかしな晩餐会を鑑賞。

 ラストは泣ける。ハッピーな気持ちになれるお洒落なコメディだ。

 

4月22日(水曜日)

 

 朝 ピロシキ。トマトとブロッコリーの甘酢漬け。清見オレンジ、コーヒー

 

 昼 クレソン、あおさ、にんにく、しょうが、卵をいれたチャーハン。大根とおあげの味噌汁

 

 晩ごはんは、ポークチャップ。にんじんのグラッセ、キャベツの千切り。トマトとたまごのスープ。高野豆腐煮。めかぶの酢の物。

 

 


ありふれた日の余韻をすくう

2020-05-16 12:33:00 | コロナ禍日記 2020

4月19日(日曜日)

 

 6時に起きて1時間半お風呂。バスタブの中でBlogを書き、本を読む。

 朝食をふたりで食べ、すぐに部屋にこもって隣室からこぼれ出るテレビの音を聞きながら、しばしネットをみて、続きの本を読もうとする。が、ことばがバラバラになって理解に苦しむ。昨日、原稿を手放した(提出)ので急ぎの仕事はない。こんな時だからこそ、書いてみたいテーマを綴ろうとするがうまくいかない。

 

 午後。篠山まで食材を買いにいこう! と誘われ、原稿が気になりながら外出した。

 鬱々した気持ちのままで車の助手席にのったものの、郊外はすっかり新緑が始まっていて、山の峰々がまぶしい。黄緑、黄色、萌葱色、薄緑に色めきはじめている。山と山の間、渓流の谷間をぬけて、ドライブ。川西から能勢、丹波篠山への1時間15分の道のりである。

 丹波篠山の福生町は、「歴地的美観地区」に指定されているという。狭い道路の両脇には古民家が続き、郵便局や、ぽつりぽつりとイタリアンカフェ、そして「マグナムコーヒー」がある。先週水曜日には、店内で過ごすことができなかったので、今日は1時間近くいた。

 道路の向こう側には、散り際の八重桜だろうか、濃淡のある緑とピンクの木々を眺めながら、カウンター沿いに陣取って、コーヒー、ホットチリドッグをぼーーっと齧る。わたしはこの日、シナモン入りのフレンチトースト、マグナムブレンドをカフェラテにしてもらっていた。

 




 豆は深炒りで余韻は長く、ブラジル産特有のコクがありながら、ナチュラルで飲みやすいオーガニックコーヒーだ。山と山の狭間にある丹波篠山の隠れ家だから、こんな贅沢でのんびりとした気持ちになれるのだろうか。まさに止まり木、という言葉。そのものだ。

 



 

 帰り際。「なりとぱん」とひらがなで書かれている、パン屋さんをみつけた。オーガニック小麦粉を使用した無添加のパンを供しているという。

 バゲット、クロワッサン、めんたいこブレッドほか、5種のパンを購入。結構な値段だったが、国産のしかもオーガニック小麦を使用ということなら致し方ない。むしろ、口に入れられることを喜ぼう。

 素朴でやさしい粉。まるでおばあちゃんが仕立てたみたいな懐かしいパンだった、

 

 夜ごはんは、少し疲れたので、コーンビーフと薄切りタマネギを炒めて東京・銀座デリーの「カレー」を温めてサッとインドカレー。作家・森瑶子さんが忙しい日につくったレシピ。ゆで卵とグリーンサラダを添えて。サッポロクラシックでささやかに乾杯!

 

 9時〜おうちシネマ「アマンダと僕」を観た。

 



 

 24歳の青年ダヴィッドは、穏やかな日々を暮らしていたが、ある日突然の悲劇に見舞われた。姉のサンドリーヌが帰らぬ人になってしまったのだ。取り残されたのは7歳の娘アマンダ。いわゆる、かわい子ちゃんではない、小憎らしい娘(笑)。ダヴィッドは唯一の肉親としてアマンダの面倒みることになる。

 共に深い哀しみを抱える2人に、やがて絆が生まれていく。暗いテーマを扱いながら、現実を直視して淡々と生きることで苦悩を乗り越えていく姿をみる。

 

 


自分を信じられる人はつよい

2020-05-14 20:20:40 | コロナ禍日記 2020

 

4月18日(土曜日)

 6時50分に起きる。

 土日は句読点。電話がなく、家の中が静かでいい。

 今朝は、篠山の岩茶房「ことり」さんの岩茶も、ディンブラのミルクティーもやめにして、マグナムコーヒー(篠山)のオリジナルブレンを、カフェオレにしてみた。

 カフェオレは、冷蔵庫からのミルクを加えたり、牛乳にミルクをいれてチンするのではなく、ミルクパンにいれてガス火でわかしたものを沸騰する直前に止め、高い位置から細くどうどうと注ぐと、コーヒーの香りがたつと思っている。

 

 今朝は気分がよく、古典を読んでみようと思った。


「雨月物語」を読みたいが、自分にはハードルが高いと思い、まずは「徒然草」(新潮日本古典集成)を原本で。わからない言葉については古語辞典をひいたり、注釈をみたりで、すごく時間がかかる(努力が必要だ)。が、日本語のよさや風土にふれるなら、古典がいいのだろうと思い込んで、友人に教えてもらった新潮の本をこうやって開く。

 仕事前。友人のブログをよんでいたら、「自分を信じられる人は最後の最後は、強い。自分を信じられない人は、崩れていく」とあり、なるほどなぁと唸る。さっそくパパさんに

「自分を信じられてる?」と聞いてみた。

「そうじゃあなきゃあ仕事はできんで。朝起きれないとかは別ね」とのこと。どうだろうか私は。

 

 午後。NHKプラスのサービスで、見逃し配信を(1週間)知り、「世界はほしいモノにあふれている」(ドイツ、ウィーンの文房具特集)と「365日の献立日記」(沢村貞子さん)をみた。

 テレビでみるより、仕事机の上でパソコンを開いてみるほうが、積極的にみにいっていると思えるのか、自分の中にしみわたってくるようにみられた。よい内容。時代は変わるね。(テレビをどこでも視聴できるのか)

 夕方。Nが、「東京にはマスクがあったよ」とLINEで報告してくれ、黒、白の2セットを買っておいてくれたという。2ヶ月ぶりにみるマスク!わが家の備蓄は、残り20枚ぽっち。

ありがたい、うれしい。

 

 夜ごはん。きょうは気持ちがむしゃくしゃして作りたくない。

原稿が進んでいないから、だ。気持ちが乗らない、集中できない、なんて。言い訳である。自分の原稿がつまらない、と思い込んでしまったら。ムシャクシャして、落胆、続きを書く気持ちになれないのだ。まあ、いい。明日はきっと状況は変わる。

 こんな日は短時間料理に限る。

 春キャベツをたっぷり使い、釜揚げちりめんと、にんにく・赤唐辛子をいれたペペロンチーノにした。グリーンサラダをたっぷり。

 気持ちが塞いでいたので、ぐびぐびとビールをのんでやる。今日は、いつものサッポロ黒ラベルではなく、キリンの一番搾りにした。なんとなく、だ。口当たりが柔らかく、軽く、おいしいビール。キリンさんはたいしたものだ。飲料の作り方が半端なくうまい。一番搾りもどんどんフレッシュな味わいになる。

 

 9時から映画 「バジュランギおじさんと、小さな迷子」を観た。

 



 

 これは大ヒットした理由がわかる。信仰心が強く、正直者でお人よし、おまけに愛情深い男パワン(主人公)と、声を出せないパキスタンから来た少女が、国や宗教を超えて織り成す壮大なロードムービー。

 インドと、パキスタン両国の宗教間の違いや、習慣、思想の相違、検察の悪、人の暖かさなどが絡み合い、派手なダンスで笑いとばし、群衆で踊る。言葉では語り得ない、とてもよい映画だった。


 インドの自然は素晴らしいし、「きたかぜとたいよう」の絵本を思い出す。

強い志をもつ太陽の力は凄い!オススメ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ソトの景色ウチの壺

2020-05-12 19:56:00 | コロナ禍日記 2020






4月16日(木)

 6時に起きる。

 きょうは、色つきの、それも立体的な夢をみた。大学の友人が参上し、議論を交わし合う。誰がどんな内容を話していたのか忘れてしまったのだけど、夢のなかでも、満ち足りていた。

 よい内容の議論で、何より心が弾んでいた。


 議論をかわしたあと、なぜか黄色く塗られたヨーロッパの宮殿のような場所に移動し、登場人物とともにお茶をのみ、それからダンスをしている人波をわけいって、誰かを捜していた。

 夢が立体的で、背景などもあれほど色濃く描けたことに、起きてしばらく感動した。おー! 人生を変えた! と思えるほど、うれしい朝になった。

 

 午前中から3時まで、事務的な作業をこなして、約1カ月ぶりの打ち合わせ。西宮市内へ。

 

 新型コロナウイルス感染防止に対する不要不急の自粛など、どこふく風だ。

 

 夕方4・5時の電車の中は、1両に3・4人。そこそこ余裕もあって、密な混みようではなかったが。駅前から打ち合わせ場所までは、普段とさほど変わらない。飲食店の半分以上が営業しており、牛丼屋さんで、ファミリーレストランで、中年の婦人や若者たちが窓に近い席に座って飲食している姿が目立つ。


 駅前の交差点では、普段の8割の人出。

 打ち合わせのビル。一室では、制服姿のOLからサラリーマンから、談笑し、冗談をいいあっている姿を目撃した。

「これを持っていってシュッシュッ!と頻繁にやりなさい」

 と、出がけにパパさんから渡された携帯用のアルコール消毒液を持参していたわたしは、途中、3度、手にふきかける。

  帰り。夕方の通勤ラッシュということもあり、座れなくて立つ人が、3割くらい。最寄り駅では普段の雑踏の中で人に押されながら階段を上がった。

 これでは、自宅待機やテレワークしているほうが、リラックスできる。外出中、ずっとわたしは緊張状態に置かれていたのだから。

 スイーツでも購入したかったが、諦めて、小さな間口の店で、1分でトーストだけ買ってかえる。

 7時。駅のロータリーまで車で迎えにきてくれたパパさんに遠慮し、車の後部座席に、マスクをした格好のまま座る。帰宅後。リビングには入らないで、直ぐにお風呂場。シャワーをあびて、全身をくまなくオリーブの石鹸で洗浄。うがいは、40回くらいしたと、思う。

 

 夕食には、鮎の塩焼き、たで酢添え。小松菜と揚げのたいたん、長芋のすりながし、いかなごのくぎ煮(自家製)、いちごのデザート。

 

4月17日(金曜日)

 仕事が進まない。不毛な一日がすぎた。

 反省だらけの一日。


 最高の一日を過ごせた!と幸せに浸ったあとによくやる自分の悪い癖が、安心してすぐ気を抜くことだ。一昨日うまくいったからといって、よし、この調子でいけば大丈夫と思うと必ず、といってストンと穴に落ちる。

 落ちると。また一から立て直し。泥のついたパンツの裾を払い、土の上に顔を出して這い上がって、再び、新たに組み立て歩いていかねばならない。

 つくることは、「生もの」だ。書くという行為はできても、なにをどう書ける(書く)か、ごろんごろん変化する。安定などない。

 一度うまくいった! と思ったものでも、翌日になれば赤ペンをもつ手に力が入らないほど、ひどい原稿を書いてしまうことがあるのだ(大いに)。

 どうすればいいか。自分の手で新たに手術をし直せばいいのだ。過去のwriterは、原稿用紙に手書きのものが多かったので、推敲と訂正には気を遠くなるほどの時間を要したに違いない。(本当かな)

  パソコンでのタイピングなら、何度でも訂正できる。直せばいい(自分に言い聞かせる)


 調子のいい時は、思考のスピードに追いつかないくらいの早さで書けるのだし、そういった場合にはたいてい手直しも少ないけれど。

 

 今晩の夕食は、向田邦子流の豚のしゃぶしゃぶ鍋。

  伊賀焼きの大鍋に、にんにく大ひとかけ。日本酒をたっぷりいれて、水を半分くらいたし、火にかける。鹿児島の赤身豚、ほうれん草を順番に。

 だいこんをすりおろし、旭ぽんずにいれたタレ。薄口醤油に、レモン汁を絞り、鍋のスープをいれたタレの2種用意。

(アルコールは、パパさんレモン酎ハイを1杯と半分頂戴する)

 

 


久しぶりに来た喜びの一日

2020-05-10 15:12:00 | コロナ禍日記 2020

4月15日(水)晴

 きょうは二度寝した。予定した時間に目覚めたのにも関わらず、目をつむり、再び、目を開けたらトータルで9時間も寝ていた。罪悪感で苦しい。(11時就寝)

 朝食のあと、9時半からぶっ通しで原稿、8時まで集中して書く。

 なぜ、気が散らさずにマラソン選手のように、休憩もそこそこ書き通すことができたのか。Word(ワード)の書体を変えてみたのだ。試してみたのは、「遊明朝」。

 細い文字で鉛筆書体のようだし、文字と文字のスペースや行間にゆとりがあるので、言葉の音(オン)ひとつひとつが、脳にスムーズにインプットされたように思う。

 文字への新鮮味もあって、集中力がとぎれなかったのかもしれない。手直しも含めるとトータル1万文字近く書けた。

 私が、ことりとも音をさせず、部屋からもでてこないので、パパさんが気を利かして高菜ラーメン(ちなみにマルタイラーメン使用)をつくってくれたのも集中力が切れなくて良かったのだろう。

 こんな風に、時には何日も寝食を忘れて没頭してみたい。

  夕方の散歩のあと、気分も軽く、食事をつくる。(ちょこちょこ机に向かう)

 

 今晩の夕食は、ささみのレモン風味フライ、新きゃべつのサラダ(ニンジン、クレソン入り)、湯豆腐と刻みしょうが、お伊勢のり。(冷蔵庫の残りもので)野菜スープ、水戸の天狗納豆

 

 夕飯のあとに、インド映画「あなたの名前を呼べたなら」を鑑賞(ムンバイ出身の女性監督ロヘナ・ゲラの長編デビュー作)。



 大都市ムーンバイを背景に、インドの格差社会の中で「優しさ」をテーマにしていた。人を信じること、夢を失わないこと。農村出身、夫を亡くしてメイドとして働くラトナと、建設会社の御曹司アシュヴィンとの関係は一体どうなる? というドキドキの作品。

 

 映画をみたので、お風呂はなし。11時に就寝。久しぶりに充実感のある喜びの一日に。

 

 


おうち筋トレ実践中なり

2020-05-09 12:45:00 | コロナ禍日記 2020

 

 



 

 

4月14日(火)晴

 

 昨晩、早朝3時台に起きる!と口で宣言したのがよかったのか。見事に3時50分に、目があく。20分くらい、布団の中で、つらつらと考えてよしなし事を浮かべたり、消したりしていて、思い切って布団を蹴散らしておきたのが4時10分だった。せっかく起きたので、瞑想を20分。リビングのテーブルの上で昨晩に書いたものを推敲する。

 8時。パパさんが起きてきたので、続きを風呂のなかで。

 

 昨日は、東京のNが帰省するか、しないのか。無症状でも感染しているかもしれないし、念のためにやめておこうか。一人東京にいてもつまらないし。なら、家でごはんづくりでも手伝う?などやりとり。

「自分で考えて自分で答えをだし、責任は自分でとって決めなさい。あなたの考えたことならどちらでも従う」「いやだ、自信ない。責任とれない。決めて」などなど。

 いろいろムシャクシャ、がっかりもして原稿がちっとも進まなかったので今朝は挽回するために気張って午前中は机に座っている。

  午後1時からパパさんのTV会議がはじまり、同時に昨日の件でNから電話。寝室へ移動した。

 電話はメールよりいい。考えているいろいろなことが編集されなくて、言葉となって飛び出してくるから。心の奥底にしまっていた真意……!について話し込んでいると、あっという間に2時間過ぎた。

 ここ最近、食べることが愉しみで、朝昼晩のごはんづくりにばかり精を出す。その甲斐あってか、下半身が、ますます野放し状態で育ってきた。

そこで実践しているのが、おうち筋トレだ。

  • 「足の膝を曲げて45度の姿勢をたもち、背筋をのばす。そのまま、横向きににょきにょきと歩く。かに歩きスクワット」。
  • 「台所や洗面所では、かかとをピンと持ち上げて、降ろす屈伸運動」(気づいた時にやる)
  • 「入浴中。足をがに股にして開き、膝をまげて臀部をだし、そのままチェアーにすわる姿勢を保って、ゆっくりと戻る。中心は子宮位置だ」(鏡をみながら、呼吸にあわせて)
  • 「リビングのドアのぶに、タオルをくくりつけて、自分の体を引き寄せたり、遠ざけたり。肩甲骨を動かす運動」

  また、仕事の句読点に、どうしてもカフェインを大量に摂取してしまうため、目覚めた時と寝る前、アーユールベーダ的にお白湯をつくり飲んでいる。お白湯はいい。葛湯をのんでいるみたいにやわらかく、甘い。体の中に水分がゆっくりと落ちて吸収されていく感じ、ゆるやかに。

 夕ご飯は、湯豆腐、ししゃもの干し物、トマトとポテトサラダ、ちぢみほうれん草と焼き豚、ニンニク入りソティー、沖縄のもづくキュウリ添え、納豆だいこんおろし。(スパークリングワイン ロゼ、相方はレモン酎ハイ)

 

 


ソーシャルディスタンスがもたらすもの

2020-05-07 01:01:00 | コロナ禍日記 2020

 

4月13日(月)晴


 6時半に起きる。朝食には、篠山のマグナムコーヒーと、宝塚の高級食パン。表面だけカリッと焼いてエシレバターの上に栃の木のはちみつ(ハチだけの仕事、抗生物質不使用。オーガニック)をぬると、とてもおいしい。デザートは甘夏。





 3月中旬から、テレワーク中のパパさんとともに仕事をしているのだけれど。文章というのは、ある程度、孤独でないと書けないものだと知る。

 25畳のリビングに隣接した和室が「仕事部屋」という構造も問題だが、ここが南東向きで2方向から光がとれるのだ。ほかの2室では、山がみえない。木々がしなっている姿、すずめが米をついばむ姿もみえない。ベランダの菜種は、黄色い花が開花した。こうした自然と隣接するのが、ここ、

 リビングと仕事部屋が襖1枚のパーテーションでは、どうしたってテレビの音や電話の声だって生々しく聞こえてくるというわけなのです。

 ついに朝3時おきか!   

 毎晩、全力で寝ることを心がける、おかしなサイクルに。。。


 午後3時の憂鬱なとき。ひと月のうち5日くらいしか業務のないNが一人っきりの東京暮らしが退屈で「実家にかえっていい?」とメール。東京勤務で、海外や国内にも毎月、渡航歴のあるNの帰省に対して、「おお、たのしみ!」とは手放しで、喜べない自分が悲しい。

 実家の母(88歳)に相談するも

「お願いだから、ママのところには帰ってやらないでほしいの。あなた一人くらいなら、おばあちゃんが養ってあげられるから」

 そういって、N宛に食料品を宅配で送って、ジャガイモの下に福澤諭吉がしのばせてあったらしい。すまない母よ。

 

 コロナウイルスがもたらす恐怖は、これまでの常識、良識を歪めてしまう。自らの身を守ることが、多くの人を助けることになる、それ以上でも以下でもないのだ。

 本来、人間というのは「移動することに幸福をみいだす生き物である」。

国と国、人と人、を遠ざけねばならない。生活の上でのsocial distancing=ソーシャルディスタンス。その代償は、心を浸食し、自由を奪うものだ。

 リモート飲み会、テレワーク。Zoom! それはすばらしいアイデアとは思うけれど。5Gのもたらす時代の序奏だと考えれば、巨大化していくIT社会にも、ちょっとした恐怖を覚えるのは、あまりに悲観的すぎるのだろうか。

 今晩のごはんは、すずきのフライ、ほうれん草と空心菜のソティー、トマト冷製サラダ、淡路産のもずく、じゃがいもとわかめのみそ汁(スパークリングワインロゼ、相方はレモン酎ハイ)で。

 

 

 


古典文学にすこぉし触れる

2020-05-04 00:23:26 | コロナ禍日記 2020

 

4月12日(日)晴

 

 朝。台湾の沁園で買い求めた紅茶(日月潭紅茶)を飲みながら、本を読んだ。金井美恵子のデビュー作「愛の生活」。こうして自由な心持ちになれるのは、目覚めて原稿にかかるまでの時間だ。

 お茶は、舌がしびれるような魅惑の味だ。アッサム種のコクの中に、蘭に近い花の香、お茶酔いしそうな神秘的な蜜を思わせる。朝にぴったり優雅になれるお茶。



 お昼は、菜の花と小エビのにんにくパスタをつくる。

 「はやい時間に買い出しにいこう」といわれ、午後から買い物。この日は、イカリスーパーとTSUTAYA、宝塚の食パン「KONA TKZ」へ (粉がおいしい。軽くトーストして、クリームチーズの上に文旦のジャムをつけて食べる。「月」を購入)。郵便局に請求書も出しに。

 

 食料品の調達なら、と思っていたが、結構な人出。「3密」「密集」とまではいかないが、人波にちょっとした恐怖を覚える。自分の隣や前後に、誰、かれかがやってきて、

「おーい、おまえらもういくぞ」と子供たちにむかって叫ぶおとうさん。

 叫ばないで!といって逃げ出したくなった。周りの人に対してこれほど神経質になる、なんて。外出が気分転換にならず、心労につながるのは、よくない傾向だ。今週は宅配便(コープ)を大いに利用し、外出は散歩、ウォーキングに徹したほうがいいのかな。

 夜は、卓上コンロですき焼き(純米吟醸日本酒、パパさんはレモン酎ハイ)

 9時からテレビ放映の映画「シンデレラ」をみて、お風呂の中で、新潮日本古典集成「徒然草」を読むが、原文を注釈にそって読み砕いていくので、のろのろ運転だ。ま、こんな読み方もよいと思おう。ゆだってきて、すぐに眠くなってしまった。根気がいるが、言葉の音(オン)、リズムが楽しい。現代にはない階級のこと、古の空気感が新鮮だ。(1段、2段でも十分に満足)ゆっくりとした朝に読もう。