月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

きれいな鳥が遊びにくる家

2015-06-30 23:49:37 | 今日もいい一日





神棚にお供えするお米を、雀さん用のお皿に入れてやるようになってから、いろんな鳥がわが家にやって来るようになった。

朝に、昼に、夕刻に。
お決まりの雀たちに混じって、瑠璃色の鳥やモノトーンの鳥やツグミやオレンジの胸毛がきれいな鳥も
やってくる。


ベランダの手すりを、チョンチョンチョン!両脚で飛び歩きする姿が、なんともカワイイ。
あ!来た来た。
手を止めて鳥の胸毛あたりや足の形などを見入ってしまう。
時々、しっぽの具合もじっとみる。

鳥はすぐ近くに来ると、くちばしが尖っていたり濡れた目が真っ黒だから「怖い!」と思うくせに、
ちょっと離れて見ている分には、心を安泰にしてくれる、幸せな生きものだ。

かつて、オーストラリアのリゾートホテルに泊まった時、
「ギャー、ギャー!!」と凄まじい声でなく鳥たちによって目覚めた事があるが、それは素敵な心地だった。

アマゾンの森なら、それはもっとドラマチックな鳥の合唱によって、目覚めることができるんだろう。
鳥の声は素敵だ。

風貌もすばらしい。
人が焦がれるものをちゃんと備えている。
羽が生えているのだもの、当然か。


さて、今日は雨。

明るい緑の山々や草の波に、空からの水が、ぎゅんぎゅんと吸い込まれていく。
梅雨になると、地球は水の惑星なんだな、としみじみ想う。

雨の音はいつだって、水の世界に閉じ込められたような安らぎのある余韻を残し、まっすぐに規則正しく降り続く。

こんな日は、落ち着いて原稿が書ける。

風と雨で木々がしなっている音。
しとしと。
ぴちゃ、ぴちゃ。

時々、虫の音色やカエルの鳴き声も混じる。そんな2015年、6月最後の日。

初夏の雨は、大好きです。

朝も、昼も、夜も、夜中も。
お風呂の中でも車の運転中でも。
初夏の雨は、淡い恋とも似て、とても
とてもミステリアスなのであります。