月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

妄想の森でクマに出くわす

2020-05-20 20:23:00 | コロナ禍日記 2020

4月23日(木曜日)晴れ


 朝7時に起きる。お香を焚いて瞑想。

 今日も11時と13時半〜。パパさんのテレビ会議があった。

 あいかわらず声が大きく、エコーが効いたようによくとおる声だ。前月のようにいらつくことはなく、BOSEノイズキャンセリングをしながら、依頼原稿のための資料読みをした。テレワーク生活にいよいよ慣れてきた証拠!(^ν^)

 午後からは仕事。

 夕方7時。自宅を中心に家から20分くらいの距離を8の字に歩く。

 頬にあたる風が2月のように冷たい。キーンとした冷気、背筋がブルッとするほの寒さを、いま、思いっきり味わっておこうと思いながら歩く。

 途中、階段を5段おりて、さらに10段おりて、もう一度3段おりたところを少しいくと、シロヤマザクラ、栗、どんぐりの木がざくざく植わった雑木林が出現する。ずんずん歩くと、未開の沼とも森とも、渓谷ともいえる、原生林がひろがった人の手をいれない場所がある。


 鉄製の柵で囲まれ、誰も入れないようになっているのだが森の深さ・濃さは感じられる。密集した緑の中にいろいろな生物が潜んでいそうな雰囲気なのだ。

 (段々畑と山だった場所。一駅分はある距離まで続く)

 原稿に時間がかかり、陽も落ちて、あたりが暗くなり始めていたので、さらに怪しい感じだった。ふと、冬眠からめざめた小グマにでも出くわしたらどうしょうかという妄想がひろがる。一旦そう思ってしまえば、クマの丸まった背中と、心細そうな足取りでよだれを垂らした赤い舌が浮かんできた。


 4月末の珍しい寒さが、クマを想像させるとは……我ながらユニークな散歩になった。先日、漁師が野生のヒグマを追い払う密着ドキュメンタリーをパパさんと並んで見入っていたので、そんなことを思ったのだろうと気づいた。

 「ヒグマと老漁師 世界遺産 知床を生きる」というNHK番組である。極寒な知床で共生していきる老人とクマ。鯨が打ち上げられていたら食糧として流されないように手助けをしてやっていた老漁師の姿があった。

 

 晩ごはんは、骨付きラムチャップ、タマネギと椎茸、ジャガイモのソティ。トマトとラデッシュのサラダ。海苔とキノコの佃煮。コーンクリームスープ。イタリアの赤ワインを2杯飲む。




 あまりにもワインが軽く、おいしかったので、食事後に、ゴルゴンゾーラチーズをデザートにした。

  10時半になったのでお風呂の中で読書をする。

 有馬グランドホテルのエステサロン「CAAZE Organic SPA」のバスソルトをいれて浸かると、柑橘類とジャスミンの香りでリラックス。普段なら風呂蓋の上に本を置いて読むのに、この日は香りのよさにやられてしまい、アッとおもったら手から滑り落ちて思いっきりダイビングした。あぁ。髪を乾かすより先に文庫本を乾かす始末に。

 12時半に就寝。