月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

台北・麗水街の「泌園」。そしてMRTで「淡水」へ。(4)

2013-10-29 21:54:05 | 海外の旅 台湾編

9月からずっーと仕事が切れ目なく続き、ありがたいのだが
ここ最近は、どうもうまく進まない案件が連続して、ストレスがはんぱない。石の上をゴテゴテに走っている。

忙しいからこうなるのか、というと「絶対に違う」と、いおう!
最近自分の小ささを改めて痛感する。キャパにしてもそう。
考え方も誰かのようにワールドワイドでないから、小ぶりな案しか浮かばない。
大プロジェクトの依頼がくれば、それも多額が動き、間に2・3社、コンサルタントまで入る案件となると、たちまち怖じけづく。
あーと嘆くまえに。


せめてグジグジと反省したり思い返して妄想を広げたりするよりも、
前へ進もう。前へ!…。前へ。ということで、
ずっーと途中下車したままの、旅行記をおしまいまで書いてみることにいたします。

再び真夏の台北へ旅します。



途中下車したのは、点心で有名な「點水樓」から。
再び台北市内を走るMRTで「東門」までやってきた。

「西門町」(ティーンの活気あふれる町)とは全く異なる落ち着いた大人の町だ。
台湾はいろいろな顔をもっているなぁ、と改めて実感。

野犬に吠えられたディープすぎる台北も夢のようである。
台北の「鼎泰豊本店」もこの街に。
麗水街や永康街を歩いているだけで、思わず入りたくなるようなセンスのいいショップが軒を連ねる。

まず、麗水街の入り口にあるブティックで、刺繍使いのドレスやブラウスに釘付け。
しかし台湾デザインをあなどるなかれ、値段も6000元という結構の値札(約2万円)。素晴らしい~。

ともかく、この街ではいいもの、珍しいものをたくさん観た。

特に「圓融坊」のシノワ雑貨はすごい。
最初にのぞいてから帰り際にも訪れて2回も入店した。



「成家家居」、「雲彩軒」、自然ジャムの「自然結果」、
銀製品の「玩銀工房」。
(Nはまたシューズショップで、靴を物色。洋服も購入していた)。

この街は中心部に大きな公園があって、
ガジュマルの木の下で語らうおじいさんたちの微笑ましい風景や、子供たちの元気な笑い声も響く、
とてもピースフルなところも気に入った。

小吃料理の店。いくつかの画廊、茶館、イタリアンレストラン、雑貨店、そして昭和町文物市集…。
豪華な豪邸と素朴な古いアパート。
さらに昔懐かしい木造家屋など、新旧が交わり合う、このミスマッチな感覚が愉しい。


西瓜ジュースを手に歩き、「マンゴースィーツ」の有名店へ。



マンゴーかき氷は、成熟した果実がものすごくフルーティーで練乳たっぷり。
大盛りでもぺろっと。胃袋にストンという感じだった。

そうして、2時間くらい街散策して訪れたのが、念願の「泌園」だ。
私は、ここを訪れたくて台湾行きを決めたくらい、茶葉と骨董の茶道具を扱うこの「泌園」という店に恋い焦がれていた。
その理由は、婦人公論新社で掲載されていた平松洋子さんのエッセー「台湾名香」、
そして、「旅で恋に落ちる瞬間」を何度も繰り返して読んでから。

平松さんは、2000年に「泌園」で、お香を求めて以来、在庫を補充しつつ、
「毎日忙しい東京での生活を潤わせてくれるのは、あなた(泌園の店主)が調合したこのお香。
台湾から帰って以来ずっと朝に夕に焚き続けてきました」というほど、
この店を、このお香を愛してこられたという。

「ゆらりひとすじ居間の片隅で香煙が立ち昇っている。
私のふだんの香炉はベトナムの蚊取り線香入れ。
その枯れた風情の銅色の上蓋からふくよかな、しかし奥底にきりりと1本芯の通った上品な香りがあたりを満たしていく。(中略)」

お香の名は「正黄奇楠沈香」だ!
黄奇楠と呼ばれるベトナムの沈香に
松香が調合されている。

沈香とは、永い歳月を積み重ねながら沈丁花科の樹木に樹脂が蓄積していったもの。

平松さんは、いよいよ残り少なくなった香りを求めて、この店を再び訪れ、店主と再会する。
そして、店主の廖さんは平松さんに言うのだ。

「よくいらっしゃいました。またお会いできてうれしいです。あなたのことはよく覚えています」

(中略)

「泌入心脾」。「心の奥までしみわたっていく香りを中国人はこう表現します。
おっしゃるように、この香りは雑念を取り払い、気持ちを沈めてくれる。沈香は神様と向かい合う時に焚くお香です。
立ち上る1本の煙を静かに愉しみ、しだいに無の状態に近づいていく。
空寂。つまり雑念のない世界に入っていくことができる、このお香はそんな香りなのです。
そのことを深く理解してくださったのですね」(店主の廖さん)。


さて、その「泌園」。

台湾のどことも違う、穏やかで高賀。温かい味のある店だった。
茶藝道具が飾られたカウンターと対面し、南投県の凍頂烏龍茶やプーアール茶などが陳列してあった。
お香は、入り口から一番遠くのプライベートスペースに近いガラスケースに、
ほんとうに目立たないようにひっそりと納められていた。

もともと骨董品屋だったというオーナーの廖さん。
日本に在住経験のあるご主人と20年ほど前にこの店を始めたとあって日本人かと思うほど、
日本語が素晴らしく、やわらかい自然な笑顔と言葉づかいが似合う人だった。


そして私の話を、すごくうれしそうに耳を傾けてくれたばかりか、さっそく、
なんの躊躇もなく、巻き線香を手にしたかと思うと
「正黄奇楠沈香」に点火。 なんと、その場で聞香させていただいたのである。





ほんとうは、来客と雑踏もあって、もっと静かに聞きたかったけれど…。
それでも、確かに日本の香とは違う、高尚なやわらかい息吹。
花のようでありながら、
不思議な静寂に包まれ、「異国の賀なるにほひ」というようなイメージを感じた。

平松さんとのエピソードもゆっくりと語ってくださった。

もちろん、購入しましたよ。
かの「正黄奇楠沈香」。平松さんが購入されているのは、3000元。
あまりに高価すぎて、わたしにはふさわしくないと思い、その半額1500元のものを購入した。

私たちは、メール交換をしあい店を後にしたが、感性がいつまでも研ぎ澄まされ、敏感であるような気がしてならなかった。

そのあと、「回留」や「豊盛食堂」にも行きたかったが、 なんだか自然をみたいなあーという気になる。
そして、再び「MRT」に乗って「淡水」へ(「東門」から30分)。

車窓に台北の街を見ながらゆっくりと電車に揺られた。




そこからがまたまた、場面変換。
ではないけれど新しい台北の顔に出会う。
これがまたインパクト大!
台湾のベニスといわれる「淡水」。




「MRT」を降りたら、すでに黄昏で。

海の台北を満喫しようと、あたりにレンタサイクルを探していたら、すごい活気にのまれそうだった。
独特の雰囲気!なにこれ!

この日は、土曜日。「淡水河邊夜市」に繰り出す人で溢れかえっていたのだ。

皆大急ぎで走っているのはなぜ?皆が、小走りなのである。

もうきゃーきゃーと歓声も。それほど?というほど、一様にうれしくてたまらないよう。
とにかく、おばちゃん、おじちゃんが颯爽と走っている。
お母さんは両手に子どもの手をひしっと握りしめ、ある人はさらに前後ろに子どもを連れて。
顔をにやつかせて、夜市へダッシュ!
皆が、誰もかれもが、大騒ぎ。

なんだか、遠い昔。自分が幼稚園児だった頃に、夏祭の夜店へ掛け出していた頃をふと思い出す。
それも地方の、田舎にある小さな夏祭りだ。


周囲を見渡すと、
私たちのように、台湾のベニスに浸る人は観光客ばかり。



それでも、せっかくレンタサイクルを借りたので淡水河側の整備された道を、
風を切って自転車をこいだ。


気持ちいいー!最高だ!


ビュンビュン走らせるわけにはいかなかったが、遠くの島はキラキラして、

船舶が浮かんで、波がゆらゆら。風がゆらゆら、とても心地いい夕暮れだった。








私たちは、自転車を波止場で止めて。

今度は、山側をテクテクと歩いて、階段を上る。上る。上る。

はぁはぁと肩で息をしながら今度はどんどん、どんどんと山のほうにむかって上がった。


そして目当ての「紅樓中餐チィン」(1399年築)へ。



美しい夕日のいビュースポットとしての絶景を目にして、ほっーとため息。

きれいだった。

予約をしていなかったので、1階の「中華料理」は満席だったが。
少し手前の部屋で点心だけいただけて。

さらに3階にある「レッドスリーカフェ」で、
台北一の海の夜景を堪能しながら、ビールを飲み、イタリアンメニューを愉しむことができた。

(つづく)


(台北旅行記)3はこちらへ。

台北旅行記)2

(台北旅行記)1





























台北2日目は「龍山寺」から「西門町」、小籠包の名店へ。(3)

2013-10-20 01:14:09 | 海外の旅 台湾編

台風が来て雨が降るたびに冬が近づく。
木枯らしも吹いていないのに、そんな冷たさを感じた秋の日だった。

あれから、忙しく働いているうちに秋も終盤か。
いやいや紅葉もまだなのだから、
これから秋本番がやってくるのだ(突然寒くなると、寂しさがこみあげるね)。

最近また日に何度もお風呂に入るようになった。
私の場合、気分を替えるにはお風呂か、おいしい紅茶か、お香か…。
無論、テレビという選択肢はほぼないのだけど、

昨晩11時頃にNHKを付けてみたら
吉田拓郎さんと小田和正さんのトーク番組を放映していて見入ってしまった。
小田さんはアスリートのようにして生き、唄い続けているのだという。
70歳を目前にしながら、少年のような感性と声を保つために、残された「今」の自分にできることを必死で、やり遂げているのだという。
あれほど繊細な唄が作れる人なのに、激情に流されたり、保守的だったりするのではなく、心身を鍛え、体育会系のように日々挑戦し、自分の役割を生きている。
ふと、村上春樹が書き続けるために走りこんでいる人生と重なった。高校の頃、同じ部屋の先輩がよく聴いていた小田和正の名曲を、改めて聴き入ってしまった。


さて、常夏の台湾の日々がまだ行ったままになっているので、旅を続けなくては。

台北2日目の朝。

シェラトン台北の朝は、早かった。
カーテンをレースだけにしていたので、5時頃には目が覚めた。
シャワーを浴びて、7時過ぎには1階のダイニングへ。



それは、素晴らしく近代的であり、かつエキサイティングな朝のバイキングだった。
100種類はゆうにあるメニューだ。焼きたてパンだけで30種、豆乳プリン、ヨーグルト、数種のサラダメニューに、6種類のフルーツ。



洋食系のメニューに加えて、奥にはお粥、麺類、点心、和食メニューまであった…(合計5ブースほどに分かれて食事が用意)
アメリカの3つ星ホテルで食べた朝食以上のゴージャスさに度肝を抜かれた。
そうだ、オーストラリアの「シェラトンミラージュ ポートダグラス」の朝食を彷彿させるような内容で
ほんとうに驚いたのだった。

(ただ残念なのはフルーツがまだ若かったのと、クランブルエッグはよろしくなかったが…)

特筆すべくは点心とラーメンの美味しさだ。なぜ、こんなスープの味が出る?さすがは本家だ。
しかも、シェフが出来たてをつくる。
私は朝から麺を2杯も(お粥を山盛り)お代わりして満腹で部屋に引き上げたのである。





さて、最初に訪問したのは、MRT(地下鉄)にのって善導寺から龍山寺へ。
台北最古の神様へご挨拶をしておかなくては…。



お線香を7本購入。三宝仏をお参りし、本殿、
文昌帝君、水仙尊王、媽祖娘娘、註生娘娘、関聖帝君、月下老人と、
8つの神様を参拝して、1本ずつ線香を奉納していく。




線香の持ち方は、左手を外側、右手を内側に。
そして「住所、名前、生年月日」を言い、三回頭を下げ、線香の一本を左手で香炉に入れる、というのを繰り返す。




さすがに台北のパワースポットといわれるだけあって、不思議な高揚感に包まれる。





建物のひとつひとつが日本の寺院とは違って極彩色で派手なんだけど、
エキゾチックというかエネルギーが満ちている。
ジリジリと照りつけるような太陽とマッチした南方の中国宮殿式であった。

最後に月下老人の前で、これまた不思議なおみくじを。
半月のものが、「表、裏」と互いに違う面が出たら、赤い糸を頂いてOK。

「表、表」「裏、裏」と、同じ面が両方とも出たらやり直し。やり直しは三回までで。
わたしは3回目でようやく違う面が出る。何事も苦労するタイプなのである。



このあとに、西門町まで近いなぁと思い、地図をみて歩いて行くことにする。昨日の晩にたっぷり歩いて自信がついたのだ。



しかし、ここからが本来の旅の始まりである!
排気ガスがすごいなぁと思いながら歩くうちに、

店先でしゃがみこんでいる人、外商と外商との口論、安い服屋の前であくびをして店番をするおばさん、
道ばたの露店で食事をする人達…。
観光地(外向け)の顔とは全く違う、
普段着の台北という街に遭遇する。

おそらく地図では、康定路沿いをテクテク歩いていたと思う。
安い店前の向こうには家具屋街や、下町工場のようなところを抜けねばならず、
何匹もの犬たちに合う(猫もいた。九官鳥にも)

もちろん日本のように、予防注射などは義務づけていないだろうし、鎖にも繋がれていないのだろう。
あまりに盛んに吠えるものだから飛びついてきたら、どうしょうと思うと足がすくんだ。
人通りはないかなと周囲を見渡すと、
安い作業服を売っている店で、丸椅子に座って新聞を見たまま顔を上げないおじさんがいたが、
犬には全く無関心だ。ムシ!
(あらぁ日本人とみるや親しげに声をかけてきてくれるやさしい台湾人はいずこに)

5匹一度に「ワンワン」「ワンワン」「ワン」と吠えられた時にはさすがに怖くなって、
結局は空車のタクシーに飛び乗ってしまった。



ああ。このオイルの匂いと排気ガスのスモッグが肌になれていくのがわかった。
本来は、中山あたりを散策し、
「春水堂」のタピオカミルクティーでも飲みたいと猛烈に思いながら、近くの「西門町」で一旦降りる。







西門町は、ティーンの街だ。若者達でごった返している。
台北のハレの顔にいつのまにか戻っていた。
西門町は、Nにオススメ!というのが昨晩ホテルで聞いた情報だ。


Nは安い靴や鞄を物色中。
私は、大型店舗のユニクロに入ったりしたが、あまり興味がもてず。
それでもNに付き添って、歩行者天国の街を30分もぶらぶらした。
Nもどうやらこの町には安かわいい、ものはあるけれど、さして珍しいデザインのものに出会わなかったようで、
「もうOK」が出たので(靴を買ったらしい)
再びタクシーにのり
今度は、点心で有名な「點水樓」を訪れる(本店は予約が必要である)。







昨日のガイドさんが「ここが今年の賞をとった名店よ」と、ものすごく自慢していただけあって、
キレイな店構え。昼近くなると続々人が入ってすぐに満席。

暗い薄暗い台北の裏通りとはうってかわって、
ここはハイソなサラリーマンが通う名店らしく、上品な背広姿のおじさん達が多い。

メニューを見ようとするとこれまたガイドさんが、コースで予約してくれたらしく、点心の蒸籠が5つも並び、
小籠包ほか、カニ小籠包、胡麻小籠包、水餃子、シュウマイなど点心だけで8種も。
それに加えてスープやエビチャーハン、青菜炒め、干し大根の卵焼、蒸しケーキ、とお昼からものすごい豪華バージョンに。






結果的に味はよかった。特に小籠包。あっさりとした鶏とホタテ貝柱ベースのスープが
薄皮で包まれていて、あっという間に完食。

カニ味噌の小籠包もおいしかった。カニ炒飯も。さすが台湾。
調味料が旨いのか、味付けに奥行きがある。
少し濃い口なのだけど、すぐに慣れてくる。
ジャスミンティーがおいしくて、ポット2杯も飲んでしまった。




さて次はどこへ行こうか。そうね、点心のあとはスイーツ!

勿論、永康街のショップをハシゴしま~す。

(つづきはこちら)


台北旅行記)2

(台北旅行記)1


いいコピーとは、言葉のアイデア。

2013-10-15 19:21:44 | 執筆のおしごと(主な執筆原稿、最近の公開できるもの記録)

三連休はほとんど仕事をしていた。
休日の仕事は、なぜか大好き。
どこからも追っかけられなくて済むし、誰にも否定されない、安全で平和な環境で仕事できるから。

今回の連休は教育事業WEBでの全コンテンツのコピーと
流通業界のPR誌、それに全国150店舗くらいで展開されているエンタメのコピーワーク。

でも頭の中にはずっーとあるキャッチコピーが渦まいていた。
(「キャッチコピーを考えてください」という案件があった)。

キャッチコピーというのは正解があってないようで、ある。

いいキャッチってナンだろう。

私がいいなと思える広告媒体のキャッチコピーには、
いってほしいことが、ズバッと直球で飛んでくるような明快さがあるものだ。
そして言葉がやっぱり動いている、生きている。
呼吸しているようなフレーズだ。

一生懸命考えに考えて考え抜かれたものは、その一生懸命さがにじみすぎていて、読んでいて苦しい。つまらない。正統すぎて面白くない。
こなしのアイデアはよくない。
いいコピーは絶対に性格が良いのだ(言葉自体の)。それが、共感へとつながるのだ。
ウィットに富んでいる。

コピーワークは、編集ものとは違って、アイデア=コトバ化。
アイデアというものが、降ってくるわけじゃないのでしんどいけれど、終わってみればすごく愉しい作業。
(うまくいかないと、いつまでもいつまでも、モヤモヤしているけれど)

私の方策は1冊のノートに、自分の反応を、書き加えていって、熟考させて1本のコピーをつくる。
1本のコピーまでに百本(?)の思いつきや駄作や、ちょっといい考えやヒントも。
やっぱ、何がいいか選ぶ目が大事だなぁ。

クライアントの課題というか、問題意識を解消できるものが
うれしいコピー(ありがたい広告)なんだろうなぁ。

時間がたてばあせてくるコピーは、ダメだ。

そのタイミングを間違えて、途中段階の考察を出さないように、気をつけないとなぁといい聞かせる。
じぶんが関わったからこそ、 できたコピー。言葉というアイデアを、キチンと商品として納品できればいいなと思う。

今日は台風で、雨のなかに閉じ込められているが
昨日までは秋晴れの3連休だった。

最終日にはあまりに空がきれいなので、ちょっと近くの河原(野外)でごはんでも食べましょうと、
ある思いつきでお弁当をこしらえた。

気分が出るように花見のお重まで出して。
そうすると、キレイな景色で食べたいなぁと欲が出てしまい、
ほんの1時間半ほどの外出のつもりが有馬温泉まで(大丈夫?仕事)
渓谷沿いでお弁当を広げて、六甲の緑と水しぶきをみながら食べた。






せっかくここまで足を伸ばしたのだから…と結局、
銀の湯に浸かってかえる。気持いいラジウム泉。
温泉は生きているなぁ。海の中のお風呂に浸かっているみたい…。




写真は、温泉寺に浮かぶ月さま。




紅葉まであと1カ月だねー。

時間差でやりくりできて、よい仕事を上げられるといいのだけど…。
コピーとして発する言葉が。社会の役にたてばいいのだけど。






















台北1日目は「丸林魯肉飯」のローカルメニュー。そして京劇へ。(2)

2013-10-13 23:42:30 | 海外の旅 台湾編

台北の「丸林魯肉飯」を教えてくれたのは、九フンまで連れていってくれたガイドさんだ。
看板の下でカメラ、カメラ。



店先には、台湾人の予約客で1階はあふれかえっている(セルフ食堂)。
2階にあがると円形テーブルが沢山並び、名物メニューがアラカルトやセットメニューで注文できる。

見渡すと、会社帰りに訪れたサラリーマン客のグループやら、親戚一同の祝い事で集まったグループ、家族連れなどで賑わっていた。
日本人のように、一人もそもそとラーメンなどをかきこむ姿はない。
ともかく台湾の人達は沢山オーダーして、ワイワイと騒いで1時間ほどで平らげ(ものすごい食欲)、
サッと帰ってしまう面白い国民性。
ビールも飲まないのに
よくあれほど盛り上がれるなぁ。
それにしても愉しそう。日本人が少ない店で、よかった。





まず台湾の地ビールをキューッと一杯!

そして、700元くらいのセットメニューをお願いしたのだが、
からすみが出たら、究極といわれる魯肉飯(名物)が。
これ、砂糖と醤油で煮込んだバラ肉のそぼろかけ御飯だが、美味しいのなんのって!
もう倍返しでお代わりしたかったほど。
ほかに、干し大根を入れた卵焼きに、海鮮の炒めもの
豚の角煮、青菜炒め、炒飯、小籠包…と盛り沢山だ。
不思議なにおいはナンだろう。わからない、
独特の調味料である。
やはりここは飯物が絶品だ。大衆っぽい、いい感じの店だった。







窓は開かれていて、台湾のねっとりとした空気と、排気ガスと食べ物と動物のフンのような怪しいにおいが、
流れ込んでくる…。
こうやって娘のNと向かい合っていると、ここが台湾というのが不思議。
ひっきりなしに流れるバイクや車、トラックや、人の騒ぐ気配。
帰宅途中のサラリーマンたちや繰り出してはしゃぐ大勢のファミリー。
台湾の夜はビックリするほど活気に満ちていて、そのエネルギーが食堂にいても伝わってきて、ますます愉快な気持ちに!
ああ面白いなぁ旅。



1時間半ほどで食事を済ませて勘定を払い、
目指すのは京劇の「タイペイシーブン」である。

店の人に聞くと20分ほどで歩けるというので
テクテク、テクテクと徒歩で中山北路周辺まで
台湾の夜街を愉しみながら歩く。
途中、セブンイレブンへ立ち寄ったり、写真館での変身写真を見たり、ブランドショップをひやかしてりして歩くので
ちっとも飽きずに、アッという間である。

さあ、ついたここ。
さすがに日本人は垢抜けたファッションに身を包んだ上品な観光客が多いこと。
京劇が始まるまでは、役者さんのメイク風景や衣装などを観ることができ、
これもサービス精神旺盛である。







舞台の内容は西遊記だった。
唐の三蔵法師が天竺へ行き底に仏殿をもたらす道中のストーリーだ。
大切な娘を、妖怪に召し捕られたので、孫悟空や豚の八戒、
河童の沙悟浄が闘い抜いて助けるという内容だった。
パフォーマンスは迫力満点。やっぱり京劇は唄にやられる…。








中国映画の『さらば、わが愛/ 覇王別姫』(93年)、
『活きる』(03年)等で、京劇とはどういうものかということは分かっていたのだが、
内容はシネマほどではなく完璧に観光用だったのが少し残念。

だが、観客席では、韓国人、米国人が多くて様々な言語が飛び交い、
とても国際色豊かというのも愉しめた。
舞台が終わればスターたちと記念撮影まで出来た。

再び、シェラトン台北まで今度はタクシーで戻る。

18階まで吹き抜けになった高級ロビーはやはり圧巻である。ホッとする。



部屋に戻れば、すでに10時半。ホテル内を探索したあとでティーを一杯。
そして全面鏡に被われた広い広い浴室へ。

シャワーブースで汗を流したら、
ゆっくりバラの入浴剤をいれてバスタブに。
寝転がってもまだ広くて落ち着けるのが最高だ。
本も読まずに、ゆっくりと30分くらい浸かってあがり、バスローブを羽織って部屋に。
夜のとばりが美しい。 テレビをつけると台湾語のニュース。ドラマが多い。
まだ街は活気ムンムン。ウエルカムドリンクの赤ワインを飲もうかと思ったが疲れているのでそれも諦めてベッドへ。
隣をみるとNはもう夢のなかだった。


(台北旅行記 1はこちら)


(台北旅行記 3はこちら)


日本とフランスの贅と美、極まる世界に震えた夜。

2013-10-12 19:47:58 | 大阪ごはん


台湾旅行記をアップしようと思いながら、忙しさMAXで全く余地なしである。


しかし、週半ばにはまだ余裕があって、インターコンチネンタルホテル大阪の20階フレンチ「ピエール」にてリッチに女子会。




WEB上で知り合ってブログを交換し、
以来はじめての顔合わせである。

ドレスコートがいる高級レストランなんて久々なので超緊張するが、
想像以上にリラックスした雰囲気のなか、Smileを交わし合う。
ここは高層階とあって眺めは最高。
淀川の流れとラグジュアリー度満点の大阪駅周辺を壮観でき、いい気分。
黒服のサービスはクオリティ高く、ほか若いスタッフも感じよかった。


最初のアミューズは手でつまんで頂く。こんなかわいらしいお皿。



アンティチョークのスティック。
イカスミのカナッペ。エビの包み揚げ。キウイの下には濃厚チーズがサンド。こんな想像以上に楽しい前菜からスタートする。



パンもかたちはユニークだし、種類違いの小麦で3種類。
噛むごとに小麦の不思議な香りと豊かさが味わえる。
チーズも岩塩をいれたものが登場。





次いで鴨肉のジュレ、水茄子添え。(写真なし)

島根県産のカキとアワビにマスカット(果物)をちりばめて、
クリームとシェリーのソースで味付けた一皿。
海の幸が、シュリー酒とよくあい、こちらも驚きの味。愉しかった。





一口のソルベ。お口直し。





次いでニュージーランド産の子羊を香草と甘酸っぱい茄子で包んだメーン。
臭みも全くなく、不思議な口当たりとソース使い。あっという間に胃袋に
ストンと落ちる。





(下の一皿は、友人の子牛のソテー)


次いでコンテンポラリーなレモンタルト。




タルトといってもロール状のお菓子がヨーグルトのソースで包まれていて、
これまた洋酒使いがおもしろい。
エディブルフラワーなどがあしらわれてキレイ。



最後はコーヒーに、ミニャルディーズ。



見た目だけでなく味もキュートで。
マンゴーソース入りのチョコやマカロン、キャラメルなどが一皿に盛られて。楽しかった。
帰りには桐の小箱にはいった、おみやげも渡された。すごく居心地のいいサービス。娘のNもよい環境で働かせてもらってよかった、よかった。

リッツカールトンのフレンチ「ラベ」のようなもてなし方だと想像したが、こちらのほうがずっとカジュアル。
ゲストも若い人が多くモード感がある。



お友達とは、初めてあったとは想像できないほど、話ははずみ愉しい時間はアッという間。
彼女は英語が堪能でそのほかに中国語も習いはじめたとか。
娘さんは西大和の高校に通うエリートさんで、私が台湾の話をいろいろ紹介するとものすごく喜んでくれ、ノリで西天満の中国茶の店へも案内(笑)。
再会を約束して分かれた。




普通はコレで自宅へ帰り仕事するでしょう…。
しかし私ったら
そのあと、なぜか宮崎駿監督の「風立ちぬ」、を観たくなって、一人でステーションシネマへ。
なぜなのかな、あまりに優雅で豊かな心地に包まれすぎて、感性が敏感になっていたのかもしれない。
それか、堅実で人の手のぬくもりのする、
温かい世界に居たかったのかもしれない。

「風立ちぬ」。いきねば。


田園風景や、軽井沢も昭和レトロなところも、
そして大切な愛するを思う純情というか、
こころとこころの、純粋な結びつき方があまりに美しくて、いい世界だった。

ずっーといつまでも観ていたかった。

宮崎監督がホントに描き残しておきたかった世界観。
飛行機は夢だ、映画も美しい夢だ、とあるように、
日本の(戦争の悲劇はもちろんあるけれど)輝くドリームがそこには描かれていた。

「風立ちぬ」は、ジブリ作品のなかでは、「トトロ」や「ポニョ」「千と千尋の神隠し」に並ぶ、好きな作品となるかもしれない…。
元々、堀辰雄は好きなんだけど。
あれほど、日本の美しさ(田園、軽井沢、汽車等)が描けるアニメーターは
やはり宮崎監督の他にいないと思う。昭和レトロな大好きな時の日本。
大人のアニメでもあった。

それは紛れもない真実、空想なんかでは決してない。あの日の日本の姿。
日本人は規律正しく、勤勉で、そして誠実。あんな風にクリエーターは仕事して、高度経済成長を勝ち取ったのだ。日本の技術力はそうやって伸びたのだ。
宮崎監督は、本当に素敵だった日本のありし姿を残しておきたかったのかもしれないと思った。

そして宮崎監督自身が「死」というものを視野にいないではいられない年齢。心はまだ夢を追う少年のようでありながら、
あの日。戦争時代にいつでも死が隣り合わせであったように、監督自身もいま死が親しいものとして、存在するのだろう。
人生は、まだあんなに美しく、生気にみちて輝いているというのに…。



本当にこの晩は、日本とフランスの贅と美、極まりない世界に震えた夜だ。


そして。

この晩の、1本の電話からはじまって、翌朝には電話で打ち合わせ。

昼からは3本の電話と2本のメールなどによって、一気に仕事が動き始めた。

これまで聞いていた案件や、止まったままになっていた案件も含めると、お断りすることもできず、あー、こんなに沢山のものをクオリティを落とさずに出来るかしらと、
ちょっとしたプレッシャーに打ちひしがれそうになりながら、仕事をしている。

台湾紀行、続きを書きたいけれど、いつになるかなぁ。
もし、続きをはやく読みたいと思ってくださっている方があれば申し訳ないです。ヒマを見つけては更新します。



フレンチレストラン「ピエール」
06-6374-5700
大阪市北区大深町3-60 インターコンチネンタルホテル大阪20階
11:30~15;00、18;00~23;00









台湾は晴れのち雨。ランタンの灯が灯る九フン散策の後、梨山茶のおいしい茶藝館へ。(1)

2013-10-08 22:09:05 | 海外の旅 台湾編

飛行機は、キャセイパシフィック航空(CX)565便。
関西国際空港を11時15分にフライト。

キャセイは初めての経験だ。日本航空のように機内でシネマをみている人は誰もいない。
皆、新聞や雑誌を読んでいるか眠っているか。小声で話しても目立ってしまう。
前シートの背がモニターになっているようだが、どうやっていじっても香港のニュース番組にしか映らない。
それでずっと陽気なポップスを聴いていた。(クラシックはなんとなくこの飛行機に合わなかった)。





途中で1時間くらい空を飛んだら食事が運ばれてきた。
豚肉の薄切りをのせた丼のようなランチ。小さな器には蕎麦。
サラダとお菓子付き。これに赤ワインを注文する。

機内食はなし、とパンフに書いていたので、クッキーくらいサービスされるかなと思っていたが、
これが予想に反して、ちゃんとした軽食。とても美味しかった。味がいい。特に丼が最高。
どんな調味料で煮込んでいるのだろう。おそらく干し貝柱などが入っているのだろうか。
さすがは香港の航空会社。
サービスは日本の航空会社の接客乗務員にはおよばないが(笑顔も少なく、何かお願いすると少し面倒な感じの対応)、
機内食はキャセイのほうが上だと思った。インスタントっぽさが全くなかった。

さて、台湾へ到着して、



市内を一望しながらリムジンで向かうのは「九フン」という街。

今回の旅は全てフリープランなのだが、「九フン」だけはオプショナルを日本から予約した。
現地のガイドさんも人のよさそうな親切なおばさんで、
店の宣伝や買い物のことなどをしゃべりすぎないのがいい。

他に同乗者もなく、自分たちのペースで車を走らせて台湾市内の高速を一直線に山の方へ向かう。
台湾の住居らしきアパートメントも見る。超高層で窓が小さい、ベランダがないので洗濯物が窓枠にロープを吊り、
ヒラヒラとはためいている。
排気ガスや埃をかぶっているのだろうという色…。

あ、あれはグランドホテル(圓山大飯店)!
さすがに目をひく中国宮殿風の建物で威厳高い。
台北101の高層塔も見つけた。
さっきまでピッカーンの青空であったのに、霧雨が降ってきたのかしら。
空がみるみる曇って灰色の雲が重たく、あたり一面を覆いはじめる。

九フンの市街地にさしかかると、原色の看板や蛍光灯が増えてきて、観光客もちらほらと。
おじさんがタバコをくゆらしている光景などが見える。
茶商やモーターバイクの店、コンビニなどが車窓の横を流れていく。
もしかして突然の雨は幸運かも。
雨で曇った台湾の街に、この原色極まりない電光看板や提灯の灯りが映えてカッコイイではないか。

小さな漁港のむこうには
ゴツゴツした山々、温泉街のような町が山の岸壁に貼り付いている。
今は観光地っぽいが、ここらは昔は炭鉱の町だったという。


九フンに到着したのは4時半頃だ。

傘をさして、チャイニーズ街のような細くまがりくねった商店街(基山街)を歩いた。





細くて、舗装されてなくて、狭い道に地元の名物やピーナッツや臭豆腐や甘味物、革製品、
刺繍物、靴屋、雑貨の店がギッシリ。
鮮やかな傘、傘、傘が商店街を行き交う。



「ノスタルジック、九フン」。ガイドブックなどにはそう紹介されているが、確かに夕方の街の光景は、
赤や青や黄色の灯がたくさん出て、日本の地方に見られるお祭りのような賑わい。

テントの店も多く沖縄の夜市とも少し似ていたりする。
私たちは、土産物の店をいつくかひやかした後で、茶藝館「九フン茶坊」へ行った。







ここは、洪志勝氏さんというアーティストが石造りの建築物をリノベーションさせた店だ。 
茶壺に茶器、絵画そして木のテーブル、椅子も全て中国のアンティーク風で素敵。台湾のレトロ。
テンションが一気にあがる。これは期待できそう。

頂いたお茶は梨山の高冷茶だった。

茶藝の作法のとおり、シュンシュンと湧く鉄瓶から、茶海へ移し、可愛い茶器へと注いでくれた。




中国茶や台湾茶、岩茶など飲む機会があればこれらのお茶が好きで口にしてきたが、
それでもやはり本場で高揚しているのか、清涼感と青々しさが澄みわり、
すばらしいと思わず声が出た。
コクもありながら甘味もあって、苦みが少ない。 1煎ごとに味は深まるが、清々しさというかお茶の透明度は変わらない。

8煎ほどいただいたが全くお茶酔いせず、おいしい。
聞くところ、梨山とは台湾で最も海抜が高く2500mもあるとか。最高のクオリティのお茶だったらしい(日本に帰って調べたら、80gで1万円ほど)
お茶請けには、烏龍茶の葉を浸したシロップに浸けた梅の実や
凍頂梅茶とピーナッツ菓子、草餅などがセットになっていた。

ゆっくりと1時間くらい居た。 お喋りも弾む。
トイレへ行こうと地階に降りると、館のなかを鯉が泳ぐ池がありヨーロッパ茶器や家具などが並ぶギャラリーになっている。




裏のテラスからは、「阿妹茶酒館」の灯りまで見わたせ、
景観もよかった。


店を出て再び、基山街を歩くうちに夕刻になる。
それで基隆湾が見下ろせる石畳の階段で写真撮影。千と千尋の神隠しの舞台にもなった「阿妹茶酒館」も風情があっていい。



非情城市という映画の舞台になった街。思い出そうとするが、ストーリーを思い出せなくて残念。
台湾へ旅立つ前にもう一度見ておけばよかったと思う。

前の店で梨山烏龍茶を購入しようとすると150gで1万円と少し。高~い!
それで20%ほど値を下げ「阿里山烏龍茶」を購入。それでも高いなぁ、と思いながらも美味しかったので満足。
ユアンの石けんなども数種買った。皮製品のブレスレットも買った。




曇った夕景は寂しげで、やはりノスタルジックだ。
海が見えた。




九フンを後にして、台湾市街へ再び車を走らせて今回の旅で宿泊する「シェラトングランデ」ヘ。
最上階まで吹き抜けになっているアナトリウムや広々としたレストランなどが素晴らしい。
ヨーロッパとモダンチャイナをミックスさせた近代様式な良いホテルである。

部屋からは街の灯が見渡せる11階。シャワーブースとバスタブが別々で、お風呂がきれいで広いのが気に入った。



荷物を置いてすぐに向かったのが
圓山駅から徒歩15分の「丸林魯肉飯」である。
玄関口は予約しないとはいれないようで並んでいる人も。車の中で予約しておいてよかった。




翡翠の置物や美術品がある踊り場をぬけて、
円卓が整然と並ぶ2階へ。

地元で人気店のようで、台湾人たちのグループ客や家族連れですごく賑わっている。
今日は平日の金曜日。それでも親戚一同集合といった光景。そこがすごい。

やはり台湾ときたらローカルフードを食べなくっちゃね。
九フンの街と同じような不思議なにおいがあたりを包んでいた。
まずは台湾産ビール!

そのお話はまたこの次に。

(台北旅行記 2はこちらへ)




台湾から帰国後、仕事漬けの毎日です。

2013-10-06 23:59:13 | 執筆のおしごと(主な執筆原稿、最近の公開できるもの記録)


台湾から帰国してちょうど1週間。

翌日の10時から家具の取材にて、西宮の倉庫へ。水曜・木曜日と新規オリエンがあり、それからずーと仕事漬けだった。
新クライアントもあって気を使う。
私がどれくらいの力量があって、どんなコピーを書き、どんなスタイルで仕事する人なのか先方は全く未知。なので信頼関係を一から構築しなくてはならない。
まだまだ相性を探り合っている状態。格好をつけても仕方ない。
「自分はこれだけの仕事人です」とありのままで、自然体で誠実にしていくほかないと思いながら。それでも少し力入っているよなぁと時に傍観している。

1週間、家具のことばかりを考えて、コピーを書いていた。最初は150本という依頼だったが、予定よりは本数は少なくなった。
特徴は、用途は、魅力は何かを書きながら観察しつつ、言葉化していく作業である。
それほしいなぁ、いいなぁ。価値ある家具だな、と思ってもらえるように。
できるだけわかりやすく、流れるような文体で書きたいと心がける。
ゴツゴツした説明口調にならないように。

そうやっているうちに、旅の想い出がだんだん薄まっていくどころか、熟成されて
かえって深まっていくよう。美化されていくというほうが正しいかな。

10月中旬からは英才教育についての総合プログラムを紹介する案件もはじまる。対象が子どもと母というのがいいね。

私たちのような仕事は、毎回が新しい対象の案件だから、慣れすぎてしまうことがなくて、自分のような性格にはちょうどいい。
いつも挑戦者のような気持ちで仕事に向かえる。

週末。相方が出張先の種子島からドラゴンフルーツをどっさり抱えて帰宅した。




1年ぶりの亜熱帯の果実だ。ねっとりしたこの甘さ。
薔薇のような香りとごま粒のような種に包まれたショッキングピンクのフルーツ。台湾の夜市で食べたものより濃厚だった。



高く遠い空を見上げる。
流れる雲をみては旅の時を思う。



日本は秋だ。
外へ出ると、金木犀と実のはじける甘い香りが一帯を包んでいる。平和な日本の秋よ。日本は世界一いい国だ。
住んでいる人間が秩序ただしいのが、素敵だ。