山代温泉の旅。最終章へとサッーとつっぱしります。
朝は、6時半に目をさます。お風呂へ入って朝ごはん。
昨日と同じく部屋までちゃんと仲居さんが届けてくださった。
メニューは地元の野菜と同じく地元でとれた魚介類が中心だ。お漬け物は3種。
ノリの佃煮と、湯豆腐がおいしかった。
デザートは自家製のケフィアヨーグルト。
とてもヘルシーなメニュー構成である。
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食事のあと、喫茶室までコーヒーを飲みに行かなくても、ちゃんとデザートとコーヒーを用意してくれるあたり流石だ!
陽のあたる縁に座って、談笑しながらコーヒーを飲めるし、サービスの届いた旅館というのはいいものだ、とつくづく想った。
宿を出て向かったのは、宿併設の「うつわ蔵」へ。
ここで、昨日の夕食の折に登場した
椿のお醤油差しを買う。
ほか、山中塗や九谷焼、魯山人の写しなども揃っていて愉しい。
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それから、「魯山人の寓居跡いろは草庵」へ。
ここは吉野家旅館の元別荘で、木造瓦葺2階建ての母屋は、明治初期に建てられている。
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入ったところに囲炉裏があり、とても素朴な佇まい。
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魯山人が刻字看板を彫った仕事部屋、書や絵を描いた書斎、
山代の旦那衆達と語り合った囲炉裏の間、茶室・展示室(土蔵)。
茫々と雑木林のような庭があって、緑を囲むように縁側と創作の部屋が設けられている。
えび色の座布団と文机。そこから見渡せる春の苔や木々。
この、一番気持ちいい部屋が、やはり書画や看板彫刻をする「仕事の間」としてしつらえているというのが
ああ、やっぱりと納得。そこがよかった。
「暮らしが仕事、仕事が暮らし。」
という言葉を残した京都の河井寛次郎を想う。彼も陶芸、書画、彫刻、文筆業を兼業するいわゆるアーティストだ。
魯山人の「いろは草庵」は小規模で、殺風景であるけれど、
「河井寛次郎記念館」に共通するものがある。感慨の想い。
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ひととおり見終わったので
庭の見渡せるコーナーに座って、お茶のサービスと御菓子をいただいた。
茶菓工房「たろう」(金沢)の「地の香」という、
きな粉を水あめで練り上げ、和三盆糖をまぶしたお干菓子である。
砕いたマカダミアナッツが入っていて、あまりに美味しいのでお土産に5つも買った。
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このあと、母と娘のNがお土産を買いたいというので、
「総湯・湯の曲輪(ゆのがわ)」から
九谷広場(旧山代東口)へ続く市道に位置する、小さな温泉通りをぷらりぷらりと散策。
昼食は、地元の野菜カレーを。
温泉パンや卵のまんじゅうも食べる。
そして、魯山人の彫った濡額(看板)が軒先に掛かる「須田菁華窯」へ。
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家屋は、靴をぬいで座敷にあがり、玄関から続く二間いっぱいに陶芸の数々が。
さすがに写真は控えたわけだが、緑、藍、青、黄、紅を中心に花が咲いたよう。
展示しているというよりは、生活と一体になって多くの器がしつらえられている、といった風情である。
値段はおよそ、9千円~数万円(数十万のものは奥にあるのだろう)。
最初は華美すぎて目が慣れないのだが、それでも町のそれとはあきらかに違うものというのが、だんだんわかるようになってくる。
端正でいて、品のあるものが多かった。九谷の器はハレの日にふさわしい。慶びの器である。
私は梅を描いた茶器を2つ購入する。
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このあと、
本来は金沢の市場をめぐり、片町の料亭「銭屋」で夕食を食べて帰る都合だったのだが、
母が疲れた様子だったので、それに窯元で長く滞在しすぎて、待ちあぐねたとあって
もう帰る、といってきかない。それで、おみやげものをいくつか買い求め、中心街で一服したら、山代温泉を後にする。
送迎はなし、バスで帰る。そして、
4時頃のサンダーバードにのって、琵琶湖を対岸に眺めつつ帰路へ。
ああ、温泉。街の温泉にせめて浸かりたかった。
また、来る機会あるかしら。
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さぁ、明日から台北です。