月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

ブルームーン

2012-08-31 22:24:13 | 春夏秋冬の風


今宵の満月は、
ブルームーンというのだそうです。



といっても青い月という意ではなく、
1カ月に2度「満月」が巡ってくること。

そして、非常に珍しい月もこう呼ぶのだとか。

月は、美しいと高揚感を誘いながら、一方で、とても気持ちを冷静にさせてくれる。

昨日駐車場で「月が落ちてくる」となっちゃんが叫んだので
見あげると、ものすごい勢いで、月が落下している光景に出くわした。

背中に冷や汗を感じながら、不吉な予感に。

それからしばらくして、もう一度よく目を凝らして見つめると、
月のそばには、入道雲がものすごい勢いで大移動していて、
それらが目の錯覚によって、
月の落下とみえたのだわ
と後でわかった。
あ~怖かった。


しかし、今宵のブルームーン。
秋の夜空に一段とすばらしい。

ブルームーンをみると幸せになれるという一説も。
御覧になっていない方はぜひ!

風の走る夕べに

2012-08-29 18:44:43 | 春夏秋冬の風

風が走る夕べに


リビングの2枚の窓を開放し、
出窓を少しあけ、
和室へ行って西と南にあけ、
寝室の窓を西と北へ開け放つと、
風が東西南北へ
自由にかけぬける
家に生まれ変わった。

風の丘。


ここは、見晴らしのよい六甲山脈が望める丘の上に建つ新興住宅地で、
稜線の山々の眼下には、
湖のようにキラキラと輝く
街の灯が迫ってくる。

風が鳴くと、それは海の潮騒のようだ。

ほんとうに海岸が近くにあるのかと、つい錯覚したくなるほどだ。

夕方、いつものように
外周道路をウォーキング!


ヘッドホンをはずして、

秋の虫や蝉しぐれを聞きながら
歩くと、
なんて、気持ちいいこと。

自然のシャワーのなか、歩いているみたい。


もうすぐ夏も終わり!
ことしのナツは、二度とない。

寂しい~!
そして、いい時間をありがとう。




ビッフェはお好き?

2012-08-27 23:46:11 | あぁ美味礼讃
週末は、毎日模試続きのなっちゃんのリクエストによって、夏期講習のお昼休みに、川西の「豆の畑」で、しばし、ほっこりランチタイム!(1480円~)。

健康美食、を掲げるこの店では、
自家製豆腐やコンニャク料理をはじめ、野菜の天ぷら、おから、鶏の唐揚げ、サラダ類、サツマイモのレモン煮、ゴーヤチャンプルなど、体にいいおばんざいが、約60種類も。



とりたて、期待しないで訪れたので、結構楽しめた。食欲のおちる夏には、ちょうどいいかも。

しかし、わたしは…。
実のところ、ビッフェが苦手だ。

仕事でも、食べ放題とか、ビッフェを取材する機会があって時々来店するが、どの料理もぬかりなく美味しい店なんて、いま考えても出会ったことがない。

おそらく、前菜、サラダ、メインと
少しづつお皿にとりわけているつもりでも、微妙に、たべる順序がバランスよく選択できていないのだろう。

後で何が美味しかった?と、自分の胸にあてて考えてみると、印象に残った料理を探すのは難しいのだ。

でも例外がひとつ。ホテルで頂く朝食バイキングは、楽しみである。

昨年冬に泊まった、東京新宿の京王プラザの朝食は、外国人の宿泊客も多く、頂く料理もアメリカンスタイルでどれも、二周、食べたいと思うほど、作り手の自信のメニュー。
とても丁寧に調理されていた。

インターナショナルな位置にある東京、という街の存在感が、朝のバイキングにも現れていて、
かっこいい!と思ったのを覚えている。

有馬温泉の、月光園 「遊月山荘」での月の座(つきのくら)というバイキングは、
有馬の湯浴みとセットで訪れると、なかなか満足感が高かった記憶がある。
ここも採れたての三田の野菜や豆腐料理をつかったレパートリーが多く、沢山食べても気持ちわるくならないヘルシーなお料理だった。



ところで、食後のコーヒータイム。
涼しいし、ここらでちょっとペースをおとし、ゆっくりしよう!
冷しぜんざい、豆乳プリンに、コーヒーゼリー、わらび餅などなど豊富で、
思わず、二周、三週と、お代わり。





なっちゃんはといえば、もう、とっくに講習に入っている。
ガンバレ受験生よ。

1人で文庫本片手に、90分のランチ&デザート。
まったりと、夏の午後を愉しんだ!

明日からは仕事だ!


突然の雨は清涼剤

2012-08-24 17:10:04 | 執筆のおしごと(主な執筆原稿、最近の公開できるもの記録)

突然の大雨。
外気のほこりっぽさが部屋の中まで流れてゆっくりと押し寄せる。

激しくなるにつれて、雨の自然と自分が今いる空間が一体になってくる。

雨は、熱くなったアタマをほっとさせる清涼剤だ。今年になって雨の時間がどんどん好きになる。


今朝、夏期講習へ行こうとするなっちゃんをなじった。


「夏までにやろう、と決めていて出来ていないこと。いっぱいあるでしょう。洗い出して、あと残された時間に仕上げたほうがいいよ。センター試験対策、いっぱい科目数があって出来ていないことばかりで、もう手におえないとぐちゃぐちゃになっていない?もしそうなら早めにいって私立専願に代えたほうがいいからね。それとも英語とか数学は予定どおりこなせたのかしらね」

「家にいるとテンションさがるなぁ。私はキット自分で決められないから冬までこのままでいくと思うけど」

そう言葉をにごして、

行ってきます、ともいわないで彼女は下をむいたまま玄関を出ていった。

あと味悪い~。

夏にやろうと決めた宿題のうち、出来ていないとこだらけなのはほんとうは自分のほうだ。

考えたことをすぐに行動へ結びつけるコツって、いうか。習慣ってどうすればいいのだろうか。
子宮をなくしてまで私がやりたかったこと、着実に一歩一歩実現していっているのだろうか。

9月まで一週間。

いい夏だった、と自分をねぎらえる夏にしたい?

雨があがったら、さっそくセミが、激しく、活気いっぱいに鳴いてくれてほっとする。まだ季節は夏。という安心感。


しかし、夕食の準備をするころには、秋の虫がすでに鳴き始めているのを、もちろん、気づいていないわけはないのだ。

そうだ。

昨日、人物取材の打ち合わせで幸福の六段論法というものをおそわった。

夢、志あるものに目的あり
目的あるものに目標あり
目標あるところに計画あり
計画あるところに実行あり
実行あるところに成果あり
成果あるところに幸福あり!


感謝は相手の感激をよび、さらに多くの感謝へとつながるエネルギーだそうだ。

人にほんとうの意味で感謝しつつ、一歩一歩だね。

ヾ(@⌒ー⌒@)ノ

ストレートに食材の風味を生かす、ピュアな味!「Osteria Giulia (オステリア ジュリア)」

2012-08-21 18:18:28 | 兵庫・神戸ごはん

8月19日、日曜日のこと。

晴れわたる夏の空。
深いブルーの地に、
入道雲がふわふわに湧き出ていて、
車で走っている最中にシャッターを切る。
子どもが描く絵日記のようだ。

週末は、おいしいイタリアンを久しぶりに食べた。

子宮全摘出手術後、初めてのコースランチ!

以前は仕事柄、あれほど頻繁にうまいものを食べる機会があったのだが…、
術後2カ月で、まあ仕方ないね。

「Osteria Giulia (オステリア ジュリア)」。

ここは、デパートの3階とは思えないほど、
開放感にあふれていて優雅な気分になれる空間。

四角い木のテーブルと椅子、清潔なテーブルクロス。

働いているスタッフも若い人が多いが、
皆キビキビとよく働き、サービスも届いている。


今回は「2,625円」のランチコースに、白ワインを添えて。

最初に胚芽パンとフォカッチャ。焼きたてで本当にうまい!

さあ、前菜盛り合わせ





トマトを添えたほどよい酸味が爽やかな
「いわしのマリネ、トマトソースを添えて」。

生地の外はサクサク、内は玉子の風味がしっとりと焼き上がった
おいしい「オムレツ」。

白ワインとの相性抜群の「生ハム」や、「パテとバゲット」。
「サーモンのサラダ」などがセットされていて、どれも夏向きのいい味付け。

次のリザーブまでの間、周囲に目を配ると
きれいな浴衣をきた6人の女性グループや
英国紳士の帽子をかぶった男性とその家族。
などなど。買い物の途中に立ち寄ったなどという来店客は少なく、
ここの料理をわざわざ食べに来たといった装いの人たちが多い。

グルメ記事を20年以上書いてきた私が思うに、
いい店にはたいていが
来店客の質(人柄も含めて)が優れている。


家庭画報の撮影ページでもないのに、
どこからこんな品のいい紳士・淑女が集ってきたのだ、
と関心するような方々が、
本当に幸せな表情で食事を召し上がっていらっしゃる。

最近では、梅田の「新太呂」という天ぷら屋とか、
新福島に移転した小さなビストロ「大西亭」、
京都先斗町の「ほっこりや」、
梅田食堂街の「御陵院 香雅」(そば)も、そうだった。
人に教えられる味がある。

2品目は、「ジャガイモのジェノベーゼ、ショートパスタ」で。



くるくるに曲がったパスタに、新鮮なバジルの風味をからませて食べる。
ズッキーニはシャキシャキ。ジャガイモもほくほくでおいしい。

メインは、「若鶏のグリル、グレープフルーツソースをかけて」




皮はパリパリ、内側はしっかりと引き締まった胸肉。
夏向きのグレープフルーツソースが、ほどよく肉と調和し、
食欲をそそり、どんどん食べられる。
最後はビスコッティとコーヒーで。

ここのバール姉妹店である
「ガストロミーア エ バール ジュリエッタ」同様、
ここの料理の特徴は、よけいなものが一切ないピュアな味。
食材の味を丁寧にいかし、味も盛りつけも、直球勝負。
決して肩肘はらず、飾らず、モリモリ食べられるのが
実に気持ちいい店である。


よるのお茶会

2012-08-20 22:16:00 | 今日もいい一日



南に置いた机から夏の雨の風景にみとれながら、パソコンを叩いていたが、
ガラガラドッカーン!と壮大な雷。

5時頃、ますます雨が激しくなる。

そんななか、同じマンションの友達から「マンションの自治会主催で素麺流しするわよ。素麺流しながらお喋りしましょう」と誘われた。

素麺流しって、この雨のなかで?
と驚くが、準備を手伝いながらお喋りに高じているうちに、小雨になって、ついには素麺流しが挙行できるほどに…。


子どもたちの歓声。

ショウガとネギとミョウガの薬味も入れたお椀をもって、いよいよ素麺流しに参加。竹の棒をつたって勢いよく流れてくる白い素麺束を、箸でせきとめて、お椀にほうりこみ、すぐさま口のなかへ。うん、おいしいね。夏だね~という気分になって、愉しい。

第2弾の、花火大会にも参加したかったが、

朝の8時から全統一マーク模試で学校へ行き、小講堂で10時間以上座っておしりが痛い、疲れたのでお茶したい!

となっちゃんからのメールがあったので、急遽変更して、お友達に「さよなら」を言って、後片付けを手伝わなかったことに後髪をひかれながら、
最寄りの駅まで迎えにいく。

宝塚の「Tea House SARAH (宝塚/紅茶専門店)」は夜10時までやっている英国式ティーハウスだ。

なっちゃんはお腹がすいたのでグラタンを。私は、アッサムティーとチョコレートケーキで、おしゃべりを弾ませてくつろいだ。



カーテンからテーブルクロス、調度品、アンティークテーブルなど全てが、英国調で統一された店内は、清潔で、ゆっくり落ち着ける空間だ。


なっちゃんの部屋のカーテン模様に似たテーブルクロスが馴染むのか
彼女も「自分の家にいるみたいに落ち着く」という。

チョコレートケーキは、濃厚でビターなものもおいしいが、
ふわふわでやわらかいスポンジ生地にほんのりカカオの風味がする、ここのケーキもおいしい。

イギリス風に、熱~いミルクティーがよく合う、やさしい味。
サンドしてある生クリームも、しつこさがなく、甘味控えめなので、大きめに切り分けたホールを全部いただいてもおいしい。

「全統マーク模試のできはどうだった?」

「国語の現代文が超むずかしかったかな。もう、おしりが痛くてね。でも、いまはどれくらいしんどかったか、
忘れちゃったな」

お疲れさん、受験生よ。チョコレートケーキもどうぞ。

夏の夜のお茶会。外は風が強いが、気温はそれほど下がりそうもない。



爽やかスイカジュースをつくる

2012-08-18 23:59:51 | あぁ美味礼讃
冷蔵庫の中にスイカがまだ沢山あるので、ジュースにしよう!と考えた。

数年前に、タイ バンコク灼熱の太陽の下で飲んだ、濃厚で甘みの強い真っ赤なジュースはあまりに美味しく忘れられないアジアの味だ。

当時、幼稚園だったなっちゃんは
アイスクリームより、かき氷より
「スイカジュース!」を連呼していたね。


さぁ、最初に試みたのは、サイコロ状にしたスイカを、クイジナートのフードプロセッサーで撹拌。予想どおりうまく液状にならない。厳しいね、
アメリカの調理器具、体力はあるんだけど、細やかさにはちょっとかける。

それで、今度は有次のおろし器で挑戦!

細かい歯を使えば、見事!
濃密で爽やかなジュースの完成だ。


食べるより、サッパリ。
夏の太陽と土の滋養が
身体の中にしみわたる。

リコピンやビタミンCが補給できる
スイカは夏バテにいいとか。

私の隠し味はこれ。

瀬戸内のみかんとレモンの島、大長町から取り寄せた「檸檬れもん)をほんの少し、たらすと、いっそう楽園!
スイカジュースに爽快な風がスーとわたる。

おうちで簡単にできるスイカジュース、ちょっぴりリゾート気分も添えて、お試しあれ!



お盆を送るだんごを作る

2012-08-17 00:04:38 | 今日もいい一日
早いものでお盆も終わりだ。

懐かしい人たちが、また旅立っていってしまうのか。

今年は京都の大文字も、
奈良の春日大社の萬燈籠にも
いけずじまい。

ただひとりで
暑いナツをたっぷり満喫した。

せめて、さようならと、
お盆を送る日に、
きなこのおだんごをこしらえた。



いつも大切に温かな眼差しで
見守ってくださって。

ありがとう。

そして、ことしもまた、
ちっとも成長してなくて
ホントに
ごめんなさい!

郷里のお盆は、線香とスイカの香り

2012-08-16 18:50:16 | ご機嫌な人たち

8月13日。

今年もお盆がやってきた。あっちの世界から懐かしい父や叔父さんやおじいちゃん、おばあちゃんが賑やかに大移動して、
私たちの元へ訪れ、たわいのない暮らしを見に来てくれる、サマー行事(お盆の里帰り)である。

お墓参りは、あいにくの曇り空だった。
灰色の空が湿気を含んで重く、周囲の山々もシンとしてきたので、
「はやくしないと、夕立がくるよ」と母にせかされ、「うん、ほんまやね」
といいながら、盆のお花の入れ替えや水をくむ作業、
新聞をまるめて線香をつける準備などをするうちに、
なんだが山里の郷里の気持ちいい澄んだ空気に包まれて、
ノンビリとした心地になったのがいけなかった。

あっちの墓園、こっちの墓園からひそひそと人の声がささやかれ、
線香の煙が高くあがり、ぼんぼりが灯る。
大切で、貴重な一日。絶対に忘れてはいけない夏の墓参り。

「ああ、あんた、政市っちゃんの奥さんかいな。はよ亡くなってしもうてなあ~」
「そうですわ。ほんまにねえ、おじさんもお元気ですかえ」
と母がのんびりとした口調で応えるやいなや、
突然、ポツリポツリと天から雨水。
すると見上げる間もなく熱帯雨林のような激しく打ち付けるスコールだ!

傘もなく、仕方ないので母はビニールシートをかぶり、
私は夫に雨合羽を渡され、大急ぎで残りの線香に火をつけて、
大きな蓮の葉にお団子と米、キュウリとナスをさいころ状に刻んだお供えを置いて、
サッと10秒だけ手をあわせて、という実にせわしないスタイルで、
父と先祖代々のお墓を後にした。


そうして、次に八鹿から日高町へ。

今年も101歳のあばあちゃん(ひなさん)に会いにいくことができる幸せをかみしめた。

介護用ベッドに横たわり、そのまま寝返りすら打つことができず、
パンパンに腫れた足を痛くても動かすこともできないおばあちゃんが、
びつくりするくらい小さくなって(足は20センチ)、
くの字にきれいに腰をかがめて
目をほんの少しだけパチパチして、驚いた表情でこっちを見ていた。

昨年の7月、おばあちゃんは、熱中症にかかって心筋梗塞までおこし、
1週間も飲まず食わずで目をさまさない状態が続いたというのに、
よくぞ1年頑張って乗り越えてくれた。
「年齢は100歳でも内臓年齢は80歳よりまだ若いから、まだまだ大丈夫」と
心筋梗塞で弱った体に点滴をいれながら、地元の医者はいったという。
本当に心身ともに強く、並々ならぬ根性のある、明治のおばあちゃんだ。

99歳まで、おばあちゃんは日課として、
朝と夕には20分の道程を畑まで小さな車をおして歩いていって、
簡単な畑仕事や草むしり、害虫とりをこなして、
乳母車に収穫したジャガイモをどっさり積んで、家路まで一人ポツリポツリと
帰ってきていたという。

自分に甘くない分、人にも厳しく
はなから掃除嫌いで怠慢で人のいいお嫁さんをよくなじったとも聞く。

家では暇さえあれば雑巾をもって廊下をふいて、玄関先をはいて、
用事がなかったら、新聞を端から端まで虫眼鏡で2時間以上もかけて読む、
そんなおばあちゃん。

昨年、つまずいて頭を激打しなかったら、きっと私たちを見て微笑んで「よくきたなあ」といってくれたはずである。

昨年の夏は、それでもなっちゃんが筆談用の手紙を沢山書いて(耳が遠いため)渡すと、
それを毎日離さずに、出しては読み、また出しては読みとしていたそうである。
読むことが好きな人である。
こんな風に書くと、もうこの世にはいないように思えてくるが、
101歳になっても、たとえ寝たきりでも
おばあちゃんは、不自由な身をなげくこともなく、ちゃんと、生きてくれている。

赤ちゃん用のぼうろやスイカを小さくして口に入れようとしたら、
しっかり口をあけて、咀嚼していた。
おう盛な食欲だ。
よく眠り、くしゃみも大声。蛾が部屋に入ってきたら、なんだよ、という表情で
目をぐるぐるさせて追っていた。

私は「ありがとう。ありがとう。おばあちゃん、よく頑張ったね。
よく頑張るね。偉いね。ありがとう」といいながら、
肌がすけて見える白髪頭を何度もなでた。
それくらいしか、言葉がみつからなかった。

ふと仏壇の前に備えられたおばけのように、でっかいスイカが目にはいった。



おばあちゃんの長男である75歳のおじさんが、畑で収穫してきたのだという。

「おばあさんが畑仕事に精を出しているときには、農業には目もくれない人だったのに、今年はこんな大きなスイカやウリや、夏の野菜を、いっぱい作るようになってなあ」とおばさん。

「さすがは血筋だね。おじいさんは村一番の作物を作るのが上手だった。おばあさんが作れなくなったら、畑や田んぼに足が向かうようになって。びっくりするなあ」と付け加える。
関心する母、安堵する表情。

照れくさそうにニコニコ笑ったおじさんは日焼けして、
頬もおでこも黒くテカテカに光っていた。
おじさんは、毎日土にふれ、大事に作物を育てながら、おばあさんがこれまでやってきた一つ一つの仕事に敬服し、おばあさんの今日までの日々を回想し、愛情をもって、
農作業に精を出されているに違いない。
そう思うと胸が熱くなった。

翌日、おばあちゃんの家から
でっかいおばけのようなスイカを頂いてきたので、思い切って包丁を入れた。

すごい赤、すごい水分、糖分もギッシリ入っているが、野菜独特のしゃり感もしっかり。
中ノ郷のおばあちゃんが作っていたスイカと、よく似た懐かしい味だった。

ありがとう、おばあちゃん。今年もお盆がきたね!
















大阪発の濃厚トマトキャンデー

2012-08-12 23:57:33 | あぁ美味礼讃
最近、イカリスーパーで見つけた、旬な飴がこれ。

ちょっとしたブレイクタイムに
もれなく濃厚トマト!




どんな味かと興味本位でかってみた。

実は、私は飴がとても苦手。

あま~い、砂糖でかためた着色料いっぱいの飴は、口に入れたとたんに顔が蒸気し、目が赤くなって、若干熱まで出るという不思議な体質だ。

塩飴。黄金糖。
かろうじて、養蜂場が出しているはちみつキャンデーくらいなら、なんとか食べられる。

だけど、この濃厚トマトは、口にいれている間じゅう、すごくフレッシュ!なトマト風味が広がるのがユニークだ。

果肉からこぼれんばかりの酸味ある甘いジュースが溢れ出す、とはさすがにいかないが、
甘くないし、ちゃんと野菜の味がする。なかなか売れそうな大人味だ。


開発したのは大阪の本町にある株式会社扇雀飴本舗(せんじゃくあめほんぽ)。
ほかに、緑茶のど飴や夏みかんキャンデー、はちみつ百パーセント、塩飴などもヒット商品。



そういえば、ベランダには今ミニトマトがたわわだね。




地元のローソンでは、近郊の農家の方が、ピーマンやオクラと一緒によく熟れた無農薬トマトを三個百円で提供してくれていて、ワゴンに乗っている。
なかなかお得だし、味も悪くない。

夏は太陽をいっぱい浴びた野菜やフルーツがいちばん美味しいね。

未来のために、タフになれ!

2012-08-11 22:28:41 | 今日もいい一日
いよいよ、夏休みも折り返しを過ぎた。全統マーク模試を来週に控え、受験勉強は順調に進んでいるのだろうか。

昨日は国立大学の、オープンキャンパスにまたまた同行!


南の海から六甲山脈に向かって
潮風が吹き上がる。
胸をすくような眺望!
志も高いゾ。



よく考える。
大学の資料もとことん読み込む。
塾の資料や学校の提供する手紙も、
何度も、何度も目を通す。
時にじぶんの、仕事が進まなくなる時もあるほどだ。

それは、ブランドのある大学にいれるためじゃない。

彼女にとってどの方向性が
一番、彼女を輝かせるのか、
元気になれるのか、

夢中に、無心になれる学科の専攻は
何だろう。

将来のために一生懸命に
ゴハンを食べるのをわすれるほどの、
何かを見つけてほしいから。

私は、決して自分の子供を安全で快適な道に導きたいとは思わない。
時に苦労して
泣いたっていい、
強い意志と勇気を
社会に出る前に養ってほしい、と思う。



帰りに、バスを乗り継ぎ、
2つの学科のパンフをもらってきた。
彼女は、7時半からの塾の講義に向かって、友達と笑いながら
南の坂道を駆け降りていった。

ガンバレ受験生!
未来のために、タフになれ。


お弁当と初秋の風、そして6月の記録へ

2012-08-10 11:15:05 | 春夏秋冬の風



体がよく覚えている初秋の風だ。

ガラス越しに見えるのは、照りつける光に輝く六甲山系の尾根、入道雲、薄いブルーの空。
それでも肌に当たる風が涼しいと感じる。


朝、なっちゃんのお弁当を作ると頭がゆっくりと回転しはじめる快感!
20分とスピーディーに作らないといけないので、それもいいのかもしれない。

 
おかずは手前から、パプリカ&スクランブルエッグ
         ゆで枝豆
         焼き紅鮭
         かぼちゃのミルク煮
         ブロッコリーの胡麻炒め
         一口ステーキ
しそわかめご飯(真ん中に梅干しを埋め込む)
おやつには、ガトーハラダのラスクと扇雀飴本舗の濃厚トマトキャンデー


誕生日を迎えて、ようやく6月18日の子宮筋腫&子宮摘出のための、腹腔鏡手術のことを
このブログで記録しておこうと、自然のなりゆきで思う。

私の記録の道筋どおり、6月に遡って重くそして信じられないほど幸福だった、
あの日あの時間へ戻ることにする。
8月9日の昨日から、6月18日(月曜日)のブログ更新。
一日、一日、大切な日々に戻っていく。



あと一分でバースデーは終わる

2012-08-08 23:59:06 | 今日もいい一日
アップするころには、ひとつだけ年齢を重ねているだろうか。


今日は、マイバースデーだった。

以前のエキサイトのブログを消去し、こちらに、いくつかをお引越し。

四年前の、二年前の時に改めて対面し、思いの、整理整頓ができたようで嬉しい。

じぶんを必要以上によく見せたいとか、こうあるべき!などと、肩肘はらずに、これがわたしなのだと、
ひとまず受け入れて、
いまをどれだけひたむきに生きるかに、挑戦していこうと思う。


夏も、もう確実にすぎようとしている。暦の、上では初秋なのだ。

自分用に最近購入した
河井一喜のティーカップでお茶を入れて、ささやかにチョコレートケーキと、コーヒーゼリーを受験生のなっちゃんとたべる。


奥には、彼女の勉強道具。
未来の可能性や自由を手に入れるために、日々講習漬けになっている彼女と、オリンピック選手の夏が重なるね~。


今年はいつもより地味、
ひとりでいる時間がいつもより長い。

先週土曜(5日)の宝塚花火大会も
実はおひとりさまで。ちょっとだけ孤独なでもキレイな花火だった。





宝塚の花火は、さすがは歌劇の街。
音楽と打ち上げショーの、スペクタルがいつ見ても感動する。

夏の一夜の夢物語!というメッセージがショーの中でいくつも、毎年、語られる。

PROFILE 

2012-08-08 11:36:19 | プロフィール


プロフィール

PROFILE(みつながかずみ) 



「k_anderu@bca.bai.ne.jp」(メールアドレスはこちら)

writer、copywriterです。(兵庫・西宮出身)大阪の広告会社を3つ経て、(広告代理店や流通・百貨店のコピーライターとして)

フリーランスとして歩き始めて18年。

月刊誌の特集記事、インタビュー、広告コピーなどを通じて得たささやかな情報ソースや日常の中での気付づきを

ストーリー仕立てのショートショートメモで!



好物は、ワイン/茶全般(特に紅茶、武夷山の岩茶)/レトロ建築/温泉/器をみる買う

    各国の家庭料理/シネマ/知らない街(国)を巡ること

    本で読んだ街や古い町を歩くことで「脳」に幸せ補給。



(略歴)

 大学ではテレビ・広告を専攻。
 宣伝会議コピーライター養成講座・一般コース・専門コース卒業
 大阪編集教室 ライターコース第49期卒業


・あまから手帖 ムック本 制作
・日刊げんだい紙「食べて健康」グルメ記事連載 (取材・写真・ライティング)
・企業PR誌 神戸製鋼グループ「神鋼不動産(Smile)巻頭特集担当、ほか特集記事、企画・取材、ライティング、取材コーディネート等。
・財団法人 日本綿業振興会「COTTON U.S.A」キャンペーン企画・コピー、雑誌「セサミ」取材記事。
(アメリカ・コットンフィールドを8日間取材執筆いたしました)
・「宣伝会議」「ブレーン」 取材・ライティング を皮切りに


現在の主な執筆媒体は

・企業PR誌の企画編集、取材、ライティング
・月刊誌「宣伝会議」「ブレーン」「販促会議」「100万社のマーケティング」
・「月刊事業構想」
・「環境ビジネス」ほか

広告代理店様からのご依頼

・インタビュー取材・執筆(人物インタビュー等)
・特集テーマ記事の取材・執筆、
・旅や暮らしまわりのルポルタージュ的な執筆、コラム記事の執筆
・WEB商品コピー、企業パンフ、商業向け広告コピー、

 など、クライアントの要望に応じて執筆のお仕事をさせていただいています。


本ブログの「アンデルの日々手帖」は、
2012年6月18日、「腹腔鏡下子宮全摘術」大阪中央病院にての体験を
情報として知っていただき、社会に役立てれば、という気持ちからはじめました。


月の晩にひらく「アンデル手帖」が
あなたにとって何か少しでも面白く思ってもらえ、よい発見をもたらせたら幸いに存じます。

お仕事のご用命・ご相談・お便りなどは、こちらのメールアドレスまでお寄せください。
 

「k_anderu@bca.bai.ne.jp」(←ご用命があればこちらまで)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。









真夏のオープンキャンパスは、ハジける青春の色!

2012-08-07 21:52:08 | 今日もいい一日

5日の日曜日は、朝から大学のオープンキャンパスに同行した。



学生、学生、学生の長蛇の列!
未来を勝ち取るために、頑張る学生はオーラが出ている。

京都のとある大学。
昨年は、熱風と強烈な陽射しに息も絶え絶えといった感じだったが、今年はそれに比べるとずいぶん過ごしやすく、日陰のベンチで休憩できるほど。



歴史ある大学にいくと、心惹かれるものの一つには、敷地内にある木々のたくましさや、高さに圧倒される。

奈良女も明治建築のウグイス色の講堂と、豊かな樹木のトンネルが印象的。




その、大学の図書館がどんなふうか、というのも気になるポイントだ!

あまり建物ばかりが立派でもいけない。ようは書物の量と席のバランス。

ここの大学も、堅実で地味な居心地のいい図書館だった。



古い蔵書独特の、湿ったカビのにおい。本というよりも書物というほうがふさわしい。
肺の奥まで吸い込むと、とても落ち着いた。

机の上に腕時計を置いて、タイムを計りながら勉強している男子、素晴らしい!
頑張れ!




ランチは、正門を出て寒梅館一階のカフェレストランで『ハヤシライス』(\650)を。


デミグラスソースが濃く、タマネギもよく炒められたいい味!
なっちゃんはハンバーグランチをオーダー!


京都から帰りは、日焼け対策にビタミン補給をしよう!と、
アローツリーにて『季節のフルーツ盛り合わせ』をオーダーした。



宮崎産のマンゴーのサッパリした甘さ。あんなに、ねっとりした熱帯フルーツ的バナナを
久しぶりに食べた。



こうやって、元気の出るものいただき、オシャレな服を見たり、
キラキラの日差しのなか、いっぱい笑って夏が過ぎていくのかしら、と思うと
ちっとだけ、せつないね。ガンバレ受験生よ。