月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

台湾っぽさを食す ある日の外食日記

2020-08-31 23:41:00 | 大阪ごはん

        



6月24日(水曜日)

 きょうから、パパさんは出張なので私とNとお留守番だ。

午前中は仕事にあてる。

 お昼はNが卵焼きとビシソワーズ(じゃがいもスープ)、わたしが空心菜の味噌炒めをつくる。

 午後4時を過ぎたあたりで痺れを切らしたNが「もう閉まっちゃうわよ。お目当てのものは食べられないよ」と部屋に乱入、急いで用意して出かけた。

 

 自宅からJRに乗り、東梅田から谷町線にさらに乗り継いで天神町筋六丁目まで。歩いて10分の「南所豆花」。台湾スイーツの専門店へいく。

 台湾や香港、あるいはベトナムでのアジアスイーツには目がないのである。

 


 わたしは、南所豆花を、Nはレモン愛玉ゼリーを注文した。


(南所豆花)




 お好みのトッピングを4種類からチョイス。どれもおいしそうで迷うがこの日は緑豆、仙草ゼリー、ピーナッツ、タロ芋を選んだ。

 素朴で素糖のシロップ、蜜がさわやか。後味すっきり。ピーナッツは柔らかく煮てあり、仙草ゼリーは漢方薬やハーブの香りがさりげなく、舌の上にシンとした特有の芳香、ひんやりする。緑豆はカルシウム、鉄、ミネラル分も豊富だとか。

 

 Nのレモン愛玉ゼリーも、夏らしいのんびりとした味。愛玉子というイチヂク属の身を砕いて固めたプルプルのゼリーでレモンがいい仕事をしている。

 

 カウンターに陣取っていたので、ガラス張りで外をながめながら食べた。台湾のスイーツ。

 自転車にのって、流れていく小太りのおばちゃんや日に焼けた60歳くらいのおじさんがゆらゆらと転けそうになりながらゆっくりペダルを漕ぐ(脚をがに股にして)ところや、南国風に全く手いれされていないのび放題の荒れ果てた巨大な観葉植物などをみながら食べた。ここは、都会じゃない。不思議な拠点であるのだった。大きな倉庫のような会社から人が1人、2人と出てくる。

 遠く台南に想いを馳せる。

 

 再び、電車で梅田まで戻り、阪急百貨店や、ハービス界隈などをみて歩く。ベルギーブリュッセルのブランド、レザーメッシュのドラゴンの鞄を、再びみていた。熟練された職人による手編みの鞄。いいなぁ。高し。(6万くらい)

 

 帰り際。再び、台湾っぽさを味わいたくて「台北餃子帳記」で軽くたべることにした。台北の西門近くにある人気店。熱気むんむんで大にぎわい。すごく3密な空間。大丈夫か! 出ようとしたが、「大丈夫どうぞ」の声につられ、ほぼマスクを外さないで、器用にささーと食べる。あとは通路側の下を向いていた。

 オーダーには、張さんの、棒焼き餃子。水餃子。蒸し鶏のネギ塩まみれ。魯肉飯(ルーローハン)






 ライチ酒のレモンスカッシュをぐびぐびと飲みながら、手軽につまむ感じが、店の雰囲気に合う。ああ、台北に、台南に行きたい。

 ソーシャルディスタンスはなく、猥雑な空間で、心からくつろぐことはできなかったが、味はまずまず。このライチ酒の心地よさにいやされて、どれもおいしくいただけた。

 


 夜。最寄り駅へ。わざと遠回りをして、梅雨の晴れま、ひやっとした森っぽい夜の風と月を楽しみながら家路につく。

 

 


手、足のケアが上等なオンナをつくる

2020-08-26 23:57:00 | コロナ禍日記 2020

 



 

6月22日(月曜日)

 

 朝7時に起きる。今朝はパパさんが仕事へでかけていったので、私とNだけ。

  ストレッチのようにヨガをして、肢体をやわらかくし、瞑想はベランダでした。お腹がすいたので、岩手県産の生乳を使用した湯田牛乳のプレミアムヨーグルトにオールブラン、抹茶グラノーラをまぜて台湾バナナをいれて食べる。



 

 紅茶は、ウーフさんのタルザム茶園ダージリンセカンドフラッシュ。口をつけると、マスカットフレーバーがふわっと香り、飲み口は甘い。余韻も長く、最近一番気にいっている。

 朝。今週火曜日の日記(京都へ散策した時のもの)を書く。久々に内容が濃いので2部に分けた。

 

 10時、Nが起きてきたので、同じ朝食を準備。一緒に、熟れたびわを食べた。

 11時から仕事を開始。

 

お昼は、盛岡冷麺に。ゆでたまご、トマト、みょうが、ネギ、豚肉のしゃぶしゃぶ用をカリカリにしたもの、甘酢などをいれて。

 

 2時から仕事再開。構想的なところをよいのか、まずいのかと何度も考え直す。煮詰まってくると紅茶をいれてNと少しおしゃべりをし、また原稿に戻るをくりかえしながら。Nがいるとどうも本調子が出ない。

 

N「ねぇ。ツメを切ったあげるよ」

わたし「いいわ、自分でやれるから」

N「大丈夫、私きれいに切れるから」といいながら、もう洗面所に走っている。

 

 足のツメを1本1本きれいに、カットしてくれ、そのまま洗面所の水をながしっぱなしにして、ハンドソープのポンプを2度、ぎゅっぎゅっと押し、泡をたてて、わたしの足の膝から下をすっぽりくるむ。

 「もういいわ」「いいわ」と遠慮するも、足を引っ込ませることがないよう手で押さえつけられるのでやむなく観念。バリ島のスパのお姉さんの施術の仕方、冷たい手の感触などを思い出して目をつぶった。Nはエリザベスアーデンのeight hour creamを指先につけて丁寧にマッサージしながらオイルを塗っていく。足の指先から熱くなってきて、体の内まですべすべになるよう。8時間、保湿が保てる優れモノらしく、脚が手指になってしまったよう。心地よかった。

「普段、足って場所はそんな大事に扱われていないでしょ。だから、きれいにしてもらわれると足がうっとりするのよ」っとNはいう。(なるほど……!)

 

4時。Nは友達とごはんを食べると出かけてしまった。

 

 5時から8時まで原稿を書く。足がさらさらして上等な女になったようで気分がいい。風が小さな葉をゆらし、さらさらと音をたてる。6月のひんやりした風が、机を置いている掃き出し窓から入ってきて素敵だ。

 

夕食準備を。きょうは赤パプリカとタマネギをいれたゴーヤチャンプル、ピーナッツ豆腐。枝豆。パパさんはレモン缶チューハイをきょうも飲んでいる。

9時。まだNは帰らない。

 

 BSプレミアムで川端康成原作の「伊豆の踊り子」をみた。



 山口百恵ちゃんの映画デビュー作。私の思う薫を、完璧に演じる、友和さんの書生役もバツグン。ふたり初々しくて、せつなくて、踊り子との旅が、リアルで胸に迫るものがあった。百恵ちゃんは、不滅の女優だ。清い心を内に秘めた、魅力ある人。あの人の人間性が内から滲み出て、層の深い人間をちゃんと演じられるのだ。

 BSプレミアムのチャンネルを替えないでいると、今度は大林監督さんが伊豆の踊り子を片手に伊豆を旅する番組をしており、引き続きみた。

 

11時。NからLINE。

「駅から歩いてかえるから、もし散歩したかったら迎えにきてくれてもいいよ」という内容を、今日ばかりは眠いのでスルーして、お風呂で本をよみ、12時に就寝。

 


コロナ禍でのあじさい散策「神戸・森林植物園」

2020-08-24 23:44:10 | コロナ禍日記 2020

 

 

6月20日(土曜日)

 朝7時におきて、ベランダにヨガマットをしいてヨガと瞑想10分。

 シャワーをして、8時40分に家を出る。JRから神鉄電車に乗り換えて北鈴蘭台まで。待ち合わせ時間の10時に到着したらすでにYちゃんは来ていて、森林公園行きのバス停で順番待ち、私をみつけて手を振ってくれる。合流し、神戸市立森林植物園まで無料のバスで行く。

 

 入り口から、まるい葉っぱの広葉樹や杉、松などいろんな木々に迎えられる。入り口のところで、森のカフェ「ルピック」で、弓削牧場のソフトクリームとシフォンケーキを購入。

 午前10時30分。あじさい坂をくだり、あじさい園まで写真をとりながら歩く。Yちゃんとしゃべりながら笑いながら、森をいく。





 





 森のなかに、沸き立つように開くあじさい。緑を借景に、ぽっかりと紫、水色、赤、それらが幾重にもバリエーション豊かに。どちらをみても美しい。水色の花が多いせいだろうか、それとも6月にみることが多い花のせいか、しみじみと、水の似合う花よ。

 シチダンカ、ヒメアジサイ、コアジサイ、ガクアジサイ、蔓アジサイ……、ぽこぽこ浮かぶ。かわいい小花。

 

 






 あじさい園から長谷池方面へ。ここは、ピンクの睡蓮が、今、ひらいたという清純さで浮かんでいた。

 長谷池の周囲をぐるっと半周し、北へむいて睡蓮をみる。睡蓮の池を包む、揺れる木々と深緑のグラデーションに見惚れる。風と光と土、人々とが葉っぱの饗宴をすり抜ける。

 








 

 このあと、シアトルの森、ブリスベーンの森、香りの道へ行き、高低差のある山をのぼり、ふうふうと息を切らせて、リガの森、天津の森、あじさい園までもどってきた。約2時間半のコースだ。

 

 たくさん歩いているのに、森の散歩は空気がよくてちっとも辛くない、たのしくていくらでも歩けてしまう。ヨーロッパの小説や童話などでは、森を歩く場面がたくさん出てくるが、こんな遊歩道が整備された森を歩けるのは、幸せなことだ。 

 


 Yちゃんも健脚。コロナ後の家族での生活ぶりや、職場での奮闘と気くばりについて、お孫さんの話題をたくさん聞かせてくれた。高校からのおつきあいだが、こうして歩いていると、当時のままの気のおけない関係である。

 正面入り口までもどり、西洋あじさい園、メタセコイア並木まで行って、Uターン。


 それから市内バスで三宮まで40分。満員バスの中、立ったままで、六甲山道の激しいカーブをぐるぐると目がまわりそうになりながら山を下っていった。

 

 さて。久しぶりの三宮・元町。トアロードからすぐの「良友酒家」でランチ。

 

 Yちゃん「なにをたべてもおいしい。たべやすくていくらでも入る」と上機嫌。わたしは、40分のバスがたたり、絶好調の胃袋ではないが、満足していただいた。

 

 その後は、北野ホテル、生田神社で御朱印を書いてもらい、元町商店街を少し歩き、リネンと香りの店「フランジュール」に立ち寄る。最後のおしゃべりは、マリアージュフレールでのティータイム。この日はインペリアルアッサムで。高貴な香りのたつお茶を飲みながら、2階のやや高い位置にあるガラス越しから、大勢の人々が往来する姿をながめる。

 コロナ禍からしばし解放され、だれもかれも、たくさんしゃべって楽しそうにみえた。満席だったので、少し感染が気になりながら、家路へ。

 







コロナ禍の中グランドフードホール芦屋店を初訪問

2020-08-19 22:31:50 | コロナ禍日記 2020

 

6月18日(木曜日)

 

 ここのところ、やることが増えてしまい夜が遅くなっている。

 7時に起きて、ヨガ、瞑想。

 この日は朝9時15分から健康診断の予定がはいっていた。旅館「若水」のロビーには誰ひとりおらず、掃除のおばさんが武庫川沿いにあるブラインドの紐をするすると上げているのがみえた。

 エレベーターホールで待っていると、窓際のところに大きな池があり、見事な錦鯉が10匹はいたと思う。大きいので、のったりと静かに泳ぐ。黒鯉は口のところに、なまずのような髭をたたえ、白地に朱色の模様がある鯉は優雅に黒鯉のうしろを、悠々と泳いでいた。

 

 

 検診のプログラムは、聴力、体重、身長、視力、肺のレントゲン、胃のバリウム、心電図、婦人科系の超音波、血液検査、問診・診察である。(肺のレントゲンと胃のバリウムは屋外のバスの中で)

 検診前は、落ち着かないが、1時間20分で開放されるのだから、たいしたことはない。再び、1階まで降りて、鯉を少しみて、武庫川の岸景を写真におさめる。今にも降り出しそうな雨、曇天が、濁った川面を宿している。



 

 阪急百貨店で、買い物。よこわのお造り、とようけ茶屋の揚げなどを買う。

 滋賀の和菓子処の叶匠壽庵で、「あも」と抹茶で一服。

 

「終わった?パパさんの会議もそろそろ終わると思うわ。私たちも合流してもいいよ」とNからメール。「じゃあランチでも?」と、インド料理のランチ。この店は、焼きたてナンが特においしい。

 以前、取材したことがあるが、浅黒い顔に、にこにこ笑顔をうかべて、ネパールから来たシェフが沢山いて、気さくに話しかけてきて楽しい。


 私とNはほうれん草のカレー、パパさんはキーマカレーをオーダー。ほか、プレーンナン、ネパール料理(煮込み)、タンドリーチキン、サラダ、スープ、ラッシーがついて1100円と安い。

 

 午後。芦屋のグランドフードホールまでドライブ。

雨がぽつぽつとふってきた。ケヤキの林道みたいな道、越木岩、越木岩神社の森もぬれている。

 

 先日、カンブリア宮殿でグランドフードホール岩城紀子社長が出演されていたシリーズを見て以来、食に対する考え方に激しく共感したのだった。家族には、こだわりすぎ、と連呼されるのだが、Nがお腹にいる時、添加物ゼロをめざして食養生をしていたので、体が加工食品や添加物をあまり受け付けなくなってしまったのだ。

 添加物を極力除いた安心安全で、職人が心をこめてつくるもの おいしさを追求することは、決して傲慢でなく、それは生き方でもある。人は食べるものでつくられている、という考え方は10年前から私が大事にしてきたものだ。

 さて。グランドフードホールは、いかりスーパー芦屋本店のすぐ近く。

(兵庫県芦屋市東山町6-6)

 





 

 そう広くはない店内だが、雨のせいか客足は少ない。手にとるものが珍しくて、テンションがあがる。以前、お取り寄せのコラムでとりあげた、「ハニーローストナッツ」は陳列棚の目立つところで、大きくコーナーがとってあった。




(1商品に付き1点をセレクトした店内)

 

(ピーナッツバターのマシン)

 Nが手にとっていたのは、シリカウォーターとheave brewer smooth と書かれた代謝を整えるハーブティー。

 コーヒーローストナッツ。パパさんは、アーモンドバタープレミアムシナモン。パンを焼く前に塗るタイプのピーナッツバターだ。



 

 湯田ヨーグルトプレーン、島ざらめ、八朔かんづめ、玄米ミルクバゲット、

 バリアーニのエキストラバージンオリーブオイル !隣の陳列棚と値段を勘違いしていて籠に入れたが、レジで4000円(450ml)だと気づいて仰天。

 豊かな大地に実るミッション種。マンザニロ種。まろやかな味わいの中に新鮮さを保つポリフェノーの辛みがあり1本で料理がレストランの味になるのだとか。自家農園栽培の手摘み果実で植栽後、一貫して農薬不使用という。




(本日の購入品)

 買いすぎてしまい、車の中で猛反省。めずらしさもあって、試食してみたくいろいろ買ってしまった。

 

 本日の夕ご飯は、よこわのお造り、小松菜のピーナッツごま油炒め。揚げと人参のみそ汁、あと、グランドフードホールで購入したニンジンとキヌアのラベサラダ、やりいかとオクラのさっぱりパクチーサラダ。

 またグランドフードホールさんの総菜が秀逸で、デパ地下で総菜をもとめてもどれも、やや酸化しているか、濃い味付けが多いが、こちらはつくりたてのようなおいしさ。調味料がいいのだろう。とても感激した。

 おそるべし、グランドフードホールよ!! ぜひリピートしよう!

 

 

 


2019年4月 綾小路御幸町へ移転オープン京都「酒処てらやま」

2020-08-15 23:27:00 | 京都ごはん

どれもひとひねりした旬の酒肴「酒処てらやま」

 

6月16日(火曜日)曇り時々雨(2)

 細い雨が降る中、少し濡れながら歩く。界隈の文具店を3件まわる。文庫本カバーにするための、洋物のペーパーを買いたかった。

 「The writing shop」(ライティングショップ)、京都メイドのペーパーアイテムショップ「ROKKAKU」をまわったところで、予約していた夕ご飯処に。

 

 京都・藤井大丸の間をまっすぐ中へ姉小路御幸町、さらに細い路地へはいる。先斗町から移転してから始めて来訪する「てらやま」(2019年4月にオープン)

 



 

 カウンター席、大きめのテーブル席1つ。2階席。と以前より広くなった。

アルバイトの女性は2人、マスク姿。てらやまさんは、マスクなし。額に汗をかきながら、きびきびと料理づくりに奮闘されていた。

 私たちはカウンター席のコーナー位置に座る。まずは、スパークリングワイン。Nは、レモン酎ハイをオーダーする。背中から心地いい梅雨の風がはいってくる。久しぶりの外食だ。

  

「藁焼きかつおのお造り」

 


 

にんにくチップスとわけぎ、スライスしたオニオンをたっぷりのせて、ぱくっと口にいれた。次のひとくちは練り辛子ものせて。

 

 おーー!ひんやりとした赤身で、血合いの部分など深みのある味わい。なのに、さっぱり、清涼感があるように感じる。最高!といいながら、これまたスパークリングワインを一口やる。

 

次は「手羽先の唐揚げ」



 

 カラッ衣がしっかり揚がり、中はアツアツ。ジューシーな鶏肉。身が熱いので、ハフハフといいながら。塩やレモンをちょんちょんとつけて、またパクリとやる。持ち手が付いて食べやすい。

 

ここで、野菜を。「つる紫のぬた」。


 しっかりと香りのある酢味噌とこんがりとしたアーモンドの衣をかぶった、つる紫はこれまたうまい。たこも添えてある。

 

「はもの天ぷら」には、

 土佐のスダチをぎゅっぎゅっと搾って、こちらもさわやかに、肉厚のはもをいただく。身の締まりと甘みがいい。

 

ここで、同じスパークリングワインをお代わりした。





 

 

「かも茄子と、白えびの酢醤油」。



 

 ほくほくのかも茄子だ。舌の上で踊る味、食べごたえのあるかも茄子に和風だしが浸み、富山の白えびがさくさくと踊る。これまた最高の酒肴。

 

 もう私はこれで十分に満足をしているのだが、Nが締めにはやっぱり、ここの定番を、というので「和牛炭焼きサンドイッチに行きますか」というと、






「へしこチャーハン」

 というのである。




 滋賀県のへしこ。

 ほどよくピリッと辛味があって、お腹のどこに余裕があったのか、スルスルッっとはいる、軽い食べ心地のチャーハン。締めには至高。

 

 思っていたお会計より2割安かった。これは予約困難な人気店であるのは、仕方ない。


 お隣には京都在住の外国人の姿が。

 大学生っぽいお姉さまといらしていて、すごい大食漢である。横目でちらちらと偵察したところによると、だしまき、手羽先のからあげ、お造りの盛り合わせ、酒処カレー、和牛炭焼きサンドイッチなどを食していらした。

 

 ソーシャルディスタンス、もそこそこに。当然のごとく、席はほぼ埋まっている。いつもの食処、京都の姿がそこにあった。


 コロナ後、しみじみとそぞろ歩き、河原町ではおなじみのフランソワで。クラシックを聴きながらコーヒーで一息。満足のいく一日で、阪急電車へと急いだ。

 



 


京都寺町「スマートコーヒー」から一保堂の喫茶室「嘉木」

2020-08-09 23:17:00 | コロナ禍日記 2020

 

ある日。6月16日(火曜日)曇り時々雨 (1)

 

7時半に起きる。ベランダでヨガ、瞑想10分。Nも一緒に1セットを行った。

 

 紅茶にはウーフのダージリン タルザム茶園 2019年夏摘み。木次牛乳を入れて、オールブランのシリアルで朝食。デザートには石垣島の熟成パイナップル。

 

 この石垣島のパイナップルを食べながら、数十年前の時間に心を馳せる。

 広告の制作会社に入社してすぐ、2週間くらい石垣島に出張した。東京支社からの女の子もきていて南西観光ホテルに滞在。杏里のコンサートの動員を手伝い、昼休みにはプールで泳ぐ。滞在の間、果汁のしたたる黄色く甘い熱帯のフルーツをくる日もくる日も、ホテルのバイキングで食べた。昼にはきまって小麦の風味がする八重山そば。

 食べ物の記憶は褪せないと思い出す。

 

 さて。午前中は原稿を書いて、午後にはNと京都へ行く予定にしていた。

 京都行きの目的は、こんなヨーロッパのペーパーを買いにいく予定である。

 

 

 一目惚れして、ブックカバーにしてから、「積ん読」「持ち歩き本」数冊にもカバーをつくりたいと思っていたのだ。

 

 阪急電車にゆられて、約100分。阪急河原町から寺町方面にむかってあるく。おなじみの「スマート珈琲」へ。ソーシャルディスタンスで、1席ずつ空間をあけて座るので、とてもゆったりと過ごせた。椅子も照明も、レトロな珈琲喫茶店。京都にはこういう大人が珈琲をたのしめるいい店が多い。

 お決まりのフレンチトーストと珈琲。Nは、ホットケーキにカフェオレ。



 化粧っけがない品のあるおねえさんが運んできてくれた。胸まである黒のエプロンがかわいい。

 フォークを刺すと、つんと固く焼かれているのに中はふわりとなめらか。卵とはちみつの風味。黄金の卵をまとうことで食パンの味わいを完全に飛び越えたおいしさ。しつこさがない正統派の味。Nのホットケーキも、1口いただく。しっかりと固く厚みがあって、中はふわっとほどけた小麦の風味でこちらもよかった。ああ、この濃くすっきりした珈琲の味だ。

 

 珈琲の豆を購入して、寺町界隈をそぞろ歩く。なんだか新鮮、2ヶ月近く外出自粛していたから。


 見慣れた寺町商店街と京都市役所の通り。鳩居堂京都本店、器の大吉、西洋民芸の店グランピエをのぞいて、夏用の暑中見舞いのハガキやお香立てなどを買う。

 明治創業のお菓子の店「村上開新堂」へもたちより、ダックワーズ、ロシアケーキ、ガレットを購入。今度はNが一保堂さんの炒り番茶を東京の自宅用にほしいというので立ち寄り、喫茶の「嘉木」へ。

 

 こちらも、距離をしっかり確保し、スタッフの目前で消毒液をシュッとしてから入室。部屋に入ると広い空間はシーンとして、お茶室にいるような清々しさだ。

 さあ運ばれてきた新茶。

 

 とろみがあって若葉のしずくを啜っているよう。あまくて、奥行がありしぉっぱい宇治本場の新茶だ。お茶菓子にはアジサイ。葛がきらきらっとしてきれいだ。餡も、ほど甘く、粒がはんなりよい味。

 途中で、いかにも茶が大好きというような黒眼鏡のおじさんと若い女性が来た。おじさんは京都のよさを熱っぽく訴えかけていた。大学教授なのかな。

 Nといろんなことを話したようで、なにも話していないようで、ふくしい時間が流れていた。ふと、格子越しに表の通りをみる。ぱらぱらと雨がふりはじめ、湿気を感じる。あぁもう行かなくては。今朝、夢のなかでみた朝蜘蛛がつーっと部屋の角のすみを降りていったのを、みえないはずなのにみたような、いにしえの時間が隣にあった。

 


紅茶と映画とおいしいもの

2020-08-07 13:16:47 | コロナ禍日記 2020

ある日。

 

6月15日(月曜日)

朝7時半に起きる。ヨガ、瞑想10分。

 

 ハッとする瞬間がある。今朝の場合には紅茶だった。

 芦屋のウーフで買い求めたダージリン タルザム茶園2019年夏摘み(セカンドフラッシュ)。茶碗のはしにそっと口を付けて息をふーっと吸う。若々しい香りだ。水玉のワンピースをきた少女のようなきれいな味。深い余韻にはマスカットフレーバーの芳醇な味と香りが続いた。思わず文庫本を置いて目をとじた。朝の紅茶のひとときでその日一日がきまる。

 

 昨晩。

夕食時にみたDVD「マチネの終わりに」の中の一つ一つのセリフが重たくて、真夜中3時、4時と1時間おきに目がさめて、クラシックギタリスト槇野聡史の腑に落ちない衝撃的な性格の役柄について、考えていた。意味のない台詞がひとつもなく、うつくしい詩みたいな作品でもあった。 

 

 婚約者がいることを知りながら想いを抑えられずに、あれだけ過激に洋子さん(石田ゆり子)に想いをぶつけ、いかにも人間的というか、ツメが甘い。自己中心的なアーティスティックなタイプだ。映画好きのNの友人は「主要な登場人物が揃いも揃ってサイコパスなので、それがノイズになってきれいな画に浸りきれなかった」といっていたらしい。

 

 しかし、焦がれるほどの人と成就する人なんて一体どのくらいいるんだろう。初恋が実る確率なんて、ほとんど奇跡に近いのかもしれないのに。誰かの、何らかに阻害されて諦める。理由なんて何千通りもあるのだ。たとえ気持ちを伝えあったとしても、よほどの運(タイミング)と両者の強い想いがないとむずかしい。再びそんなことを思い出す。

 午後から、打ちあわせにでるので、借りていた(今日が返却日)「存在のない子供たち」を観る。

7/20(土)公開『存在のない子供たち』予告

 

こちらは言葉にならないほど、至高のシネマ。高い視点から、空や屋根、人々の暮らしを映すカメラワークがたとえようもなく美しい。

 12歳のゼンイの生き方は、健気で、プライドがちゃんとある。「自分を生んだことが罪。育てられないなら産むな」というメッセージ……が痛い。やはり観てよかったと思った。

 

 急いで、電車を乗り継ぎ、うちあわせ場所へ。持参した企画のプレゼン。まずまずの好感触だった。ZOOMのスタジオもみせてもらい、コロナ後の新たな会社の体制を目の当たりにした。

 

4時。ひとり「たねや」のあんみつ。

 



  固く歯触りのよいきらきらした寒天、小豆もほの甘く上手に焚けていて、おいしい。もう何度となくここで一服して食べた味だが、なんだか初めて食べたみたいに新鮮だった。

 阪急梅田の地下で、芦屋「竹園」のミンチカツとコロッケを買い、沢口醤油のさしみ醤油と淡口醤油、京都の嵯峨豆腐森嘉のとうふ、揚げを買う。ついでに「盛岡冷麺」も買った。さすが関西一のデパートだ。

 

 帰ろうとするところへ。Nからメール。「5時の便で帰阪する」のだという。予定変更をして、大阪空港へいく。ディーン&デルーカで待ち合わせ。一緒に家へかえってきた。

 

にぎやかで騒がしく、楽しくて笑いっぱなしの日々が、また始まるのか。

 

 夜ごはんは、コロッケとミンチカツ。野菜の付け合わせ、ブロッコリーとトマトのサラダ、生春巻き、お味噌汁。夜にお茶とケーキ。

 

 

 

 


日記 数カ月ぶりの打ち合わせで大阪へ

2020-08-05 23:10:00 | コロナ禍日記 2020

 

 

6月12日(金曜日)

 

朝7時に起きる。

 朝フランのシリアルに干し柿やレーズンをいれ、牛乳をかける。野菜サラダ。朝ドラをみながら朝食を食べ、パパさんを駅まで送迎する。

 

帰宅後にヨガ、瞑想10分。

 

 カフェオレをいれて、原稿をもう一度チェック、校正、推敲、、、。ちょっと違うのではないかという箇所がみつかる。インタビューの言葉をもとに想像でかいているが、真実はもっと奥にあるのではないかという気がして、テープおこしをした原稿に戻って読み、訂正した。ほか数カ所、小さな発見もあって、1時半後に2本だす。

 コロナ禍の中、社会のニーズを感じて立ち上がった老舗企業。社長の気概など原稿にできたことで、わたしもほんの1ミリでも役に立てたかと、感じた。企業の広報部やクリエーターを志す方が主要読者の専門誌なので、書くテーマが面白くいつも刺激をもらう。

 

昨日のスープの中に中華麺をいれて、味を調整し、5分でお腹のなかにいれて、シャワーを浴び、大急ぎで外出準備。坂道を走って駆け下りる。

 

 4時から、梅田で打ち合わせ。ちょうど2ヶ月ぶりに電車にのるが、コロナ前とさほど変わらない。

 ヒルトン大阪の喫茶室。人は多い。最初、マスクをしたまま話していたが、周囲をみわたすと、ほぼ誰もしていない。ディレクターもマスクなし。途中でマスクを外すが、少し距離のある話し方になってしまう。40分もすると、離れていた時間が徐々に薄まってきて2時間を過ぎたあたりから、普段の関係性に戻っての打ち合わせとなった。

 

 外にでると、街が新しくみえた。ヒルトンイーストから西梅田あたり。阪急梅田の改装後のビルなど。夕方の光の紗による魔法だろうか。美しく完成された彫刻みたいなビルに夜の照明が灯りはじめたばかり。数メートル先では、恐竜みたいな工事現場の中の機器が、ゆっくり、恐る恐る動いていた。

 

 ヒルトンハービスエントの「アンジェ」で文具をみて、食器をみて、ホームウエアをみる。購入欲を押しとどめて、書棚のコーナーへ。5冊ほど本を手にしていて、結局、ジュンパ・ラヒリ「べつの言葉で」、雑誌「トランジェスタ」を購入。

 神戸の好きな店「フランジュール」で、水牛の皮を用いたレザーバッグが気に入って、もう少しで5万円もの大金をはたくところだったが、「少しだけ考えてみます」といって、きょうのところは諦めた。久しぶりのひとり外出に、最寄りの駅についた頃はすでに8時近くになっていた。

 

 薄曇りで鬱蒼とした緑が連なる湿気の中を歩き、あぁリゾートっぽいこの街にかえってきたと思いきや、どしゃぶりの洗礼を浴びる。こんなの久し振り! 頭から肩から、重たい水をどんどん浴びせられ、周囲は高い木々に溢れているのに、わたしの通り道にはなくて、ちっともかばってもらえず、真っ暗な大雨の中をずぶぬれの犬の気分で駆け出すみたいにして帰る。

 

 帰宅後、シャワー。着ている洋服をすべて洗面台のボールにいれて、液体洗剤をいれた。きょうはパパさん出張である。

 サラダと、トマトのスープだけつくって、デパートで買ったささやかな和風弁当。しかし……、楽しみにしていたのに、なんて味気ない。かぼちゃをたべても、海老フライもきんぴら……、どれも似たような味。口がへの字に曲がってしまいそうだ。

 

 そこでジントニックを1杯だけつくり、映画をみながら、ごまかして食べることにした。

 

「男と女 人生最良の日々」 男戸女の53年ぶりの再会。

 



 クロード・ルルーシュ監督が1966年に手がけた「男と女」のスタッフ&キャストが再結集した続編。前作主演のアヌーク・エーメとジャン=ルイ・トランティニャンが同じ役柄を演じ、53年後の2人の物語を過去の映像を散りばめつつ描いた作品だ。

 クロード・ルルーシュ監督の衰えない台詞のうまさに、あっという間に世界観に連れ戻される。女優、アヌーク・エーメは最高。コロナ禍からよみがえるパリの美しさ。道路から霧がたちのぼる夜明け前。凱旋門からコンコルド広場と、朝のパリの街を走りまわる車のシーンが特にすばらしかった。彷彿とする。

 

 満点の星空の中、洗濯物を干し、11時に就寝。

 

 


休むより働いているほうが気分が明るい

2020-08-04 00:55:00 | コロナ禍日記 2020




 

6月11日(木曜日)


 朝8時に起きる。ブランのシリアルに干し柿やレーズンをいれて、牛乳をかける。サラダ。パパさんを駅まで送迎。帰宅後にヨガ、瞑想10分。

 

 きょうはおもしろい発見があった。仕事がはかどらず、いつまで経っても文章がおちつかないので、「仕事場」の位置を転換してみる。陰陽の法則ではないが、山の尾根が望め太陽も存分に入りやすい南の仕事部屋から、いやし効果の高い北側、(寝室)の鏡台をライティングデスクにしてみた。

 すると、半日かかってもまとらない原稿が1日でおしりまですーっと迷いなく書けた。なにもない空間がいかに自分の頭も整理される、というのが実感として理解できる。

 

 夕方。もっとクリーンにしたいと、おもいきり全部屋に掃除機をかけ、拭きまくる。どの部屋にも。いつもより念入りに。そのままお風呂に入りたい心境を我慢して、ふたたび原稿を校正、推敲に。

 

 7時、家の周囲を散歩。白のあじさいが梅雨空に咲いている。たくさん集まると、薄いグリーンにみえて美しかった。いつも、角のところにみえる三角屋根の大きくて赤いレンガの家。人が出入りするのをみたことはないけれど、ヨーロッパの絵本に出てくるような家なのでどんな人が暮らしているのだろうといつも関心を寄せながら、窓辺にうつる洋棚とカーテンの影をみているのである。いいな、かきたてられる家は。わたしが勝手にエミリー(詩人エミリーディキンソンと少女の出会いを描いた作品)の家と、名付けている家。。。







 帰宅して、明日提出原稿を再度、見直して書き上げる。

 

 9時。食事の準備。きょうは豚肉ときゃべつ、万願寺唐辛子などをいれた蒸ししゃぶしゃぶ。めかぶの酢の物。にんじんとタマネギ、トマトのスープ。夕食の支度をしながら水素吸入をして本を読んだ。最近にないゆっくりとした時間だ。

 一人で夕食を食べ、さらに本を読む。

 

10時。パパさんを駅まで迎えに行く。

 痛風で足の甲と膝が相当に痛い様子だ。ロータリーのところへ止めて待っていると、後から邪魔だとばかりにクラクションを鳴らされ、少し移動。足をひきずるように歩いてきたパパさんが、「なんて奴だ」と猛烈に怒っているのだが、誰のことだろうかと思えば、クラクションをブッブッと鳴らしていた後ろにいたおばさんのことであの人はいつもおばさんに対してはふつう以上に厳しすぎるのだ。(誰だって女性はおばさんになるのに)


  見知らぬ他人に、ぷんぷんしている人をみるとおかしくて笑ってしまう。いちいち出会いがしらの人に腹をたてていたのでは、エキサイティングする必要がある時に、立腹できないのではないかしら(なんて笑)

 

 夕食の準備をして、「世界はほしいものにあふれている」をみてからお風呂へ。本の続きを読み、あがってから、12時まで原稿。

12時40分に就寝。

 


おうち日和 仕事三昧

2020-08-02 23:28:00 | コロナ禍日記 2020



 

6月10日(水曜日)晴れ

 

 昨晩は、2時までテープおこしをしていたので眠くて8時半に起きる。

すでにパパさんが起き出していたので、北と西にある寝室の窓をすべて開け放ち、ヨガマットを敷いてここでヨガをし、瞑想10分。

 マンションはヴィラのように独立しており、とりどりの植栽が植わっている。例えば、玄関側には椿の大きな木が3本、ケヤキに囲まれている。ポプラ、サツキなどもある。

 外階段をしゃーーしゃーという掃除のおじさんが掃く音。人のあるくときの咳払い、鳥の鳴き声、車が通過していく音。さっきまで、隣の棟の1階から女の子と男の子の声がきゃーきゃーといいながらドンドンと足を踏みならし、走ったり、すべったりしている音が聞こえて来ており、とても騒がしいのに、静かなのだ。

 こいうのを気に入って、パパさんがテレワーク中の間はこの部屋で私も私の作業をする。あの人は持病の痛風のため、ほとんど動かない。どかっと腰をすえたらそこが定位置。足の甲あたり、膝が痛くてたまらないようだ。トイレに行くのも大儀そう。一言も愚痴や文句はいわないけれど。

 

 

午前11時までは、長いものを編みながら書く。

 午後からは1本テープおこし、原稿作業。久しぶりの月刊ブレーンでコロナ時代にブレイクした商品開発について書く。





(刷り上がり)



 

 6時半。夕食のことが気になり始め、近くのスーパーで買い物。はも、いさぎ、地物のトマト、冷しゃぶ用の肉、台湾産のマンゴーなどいろいろ買う。和歌山産のレモンをみつけ、帰宅後、レモンサワーをつくって飲む。 

 夕食は、はもの梅肉、いさぎの焼き物、キャベツをたくさん入れた旬の野菜スープ、野菜サラダ。山の芋のとろろ。

 

夕食後、12時半まで仕事をして就寝。本はほとんど読めなかった。

 

 

 

 


AIよ、やる気になって音声データーをテキストにしてくれ

2020-08-01 22:40:50 | コロナ禍日記 2020

 

 

6月9日(火曜日)晴れ

 

 朝6時に起きる。

 ベランダにヨガマットを敷いてヨガを15分ほど。瞑想を20分する。室内でするよりやっぱり快い。空から、近くの植栽から、心地よい気を享受している、と感じる。瞑想しながら音に耳を澄ます。ふぅ。喉が乾いたので、鉄瓶でお白湯をつくって飲んだ。

 

 このところパパさんが痛風で調子が悪い。昨日も、朝と夜に駅まで車で送迎をしたほど。きょうから2日間は在宅テレワークとのこと。部屋はコロナ自粛中と同じく、テレビが鳴りひびき、会議の声が聞こえるので、北向きの寝室に移動。こちらで、わたしは作業をすることにしよう。

 

 午後。原稿を書く。視点ということを考えていて、誰が誰をみて語っているのか。原点のところに立ち返って考え直していた。

 

3時。

 携帯が鳴る、と思ったら得意先から原稿の依頼。そろそろ……と思っているところに一気にきた。

 膨大なテープおこしが壁だ。Noteの記事やいろいろなネットの記事をみて、Googleドキュメントを使ってAIに音声入力で「テキストデーター」にしてもらい、そこから自分の手で整えられたら随分とラクだとたくらみ、あれやこれや苦心して初期設定を試みる。電気製品にもメカにも弱いので書いてあることがさっぱりわからない。

 

 3時間かけてどーにか準備し、いざ音声データーを読み込むところまで、3度の失敗をくりかえし、ようやく辿り着く。

 ドキドキしてスタート!はしてみたがAIは漢字変換にたいそう時間を要し、聞き取りも、鳥あたま。すぐ忘れる。取材のスピードに百歩追いつけない。テキストを10文字書いたら止まって、書けない。手動で動かすも、すぐにフリーズ。先に進まない。その都度ストップ。小学1・2年レベルの出来だ。それも、やる気のない子ーー。

 

 すでに9時。夕ご飯といえば、湯豆腐にネギと針ショウガをのせたもの。青菜炒め。納豆。以上。

 

 結局、夜10時から自力でテープおこしに切り替える。アナログの弾丸スピードでとりあえず1本はできた(まだテープおこしが、である)。

 就寝は2時。(しかし眠れず!)