月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

六甲サイレンスリゾートでBBQ

2020-12-26 00:42:00 | 兵庫・神戸ごはん

 

  ある夏 8月23日(水曜日)晴

 

 神戸・六甲山のホテルといえば、「六甲山ホテル」だった。

 

 





  

 1929年宝塚ホテルの分館として開業。同じ古塚正治氏の設計で、阪神間モダニズムの薫りを色濃く映すクラシックホテル。控えめなアールデコ洋式に木を生かした風合いがなんともいえず、ロビーからレストランに行く道中には歩くたびにゴンゴンと靴底にやわらかな木の音がした。

 こぢんまりとした設計。山と山の間、いわゆる緑の谷間からは大阪湾から神戸までの夜の眺望が、まるで海のように臨めたのを覚えている。初夏にはアジサイも群になって咲いていた。


 兵庫・伊丹市在住の作家、田辺聖子さんはさまざまな作品の中で、何度でもここ六甲山ホテル(ある時には「あじさいホテル」と改名していた)を舞台装着に登場させていて、こちら読み手もそのたびに溜息をついてシーンを読んだ思い出がある。

 

 六甲山ホテルは、老朽化を理由に、2017年に惜しまれて閉鎖。2019年7月に「六甲サイレンスリゾート」として再生を遂げた。が、すでに阪急阪神グループの手を離れたと聞いている。

 

 さて訪れたのは、夕方6時だ。

 初めての訪問とあって胸が高鳴る。車で駐車場に乗り入れて、裏口から入った。面影は確かにあるが、お洒落なカフェやアートギャラリー、展望レストランとして新しい役目を与えられ、わたしたちにとっては、あぁ、あの六甲山ホテルはもう失われてしまったのだという事実を突きつけられたようでもあった。

 



 





 

 この日は、向かいのダイニンググリルでバーベキューを予約していた。

 

 薄水色の空。湖を下にみてぽっかりと浮いているような錯覚もある。

 つくつくぽうしが鳴いていて、神戸らしくジャズが流れていた。

 

 前菜には、とうもろこしの茶碗蒸し、ローストビーフ、いかとほたてのマリネの3種。Nはガーリックシュリンプのピラフを追加オーダー。わたしは赤ワインを飲む。Nはジンジャエール、パパさんは、ウーロン茶。

 









 

 黒毛和牛の赤身肉と神戸牛、ウインナー、野菜を自分たちの手で焼いていく。

 

 5時半から6時、7時、8時と。時間の移ろいのなかで眼前の景色が少しづつ変わる。

 つくつくぼうしから、ひぐらしに。軽快なジャズも、スローバラードに。うつろうのが素敵だ。

 ブルーモーメントの時刻は特に最高。

 ブルーパープルの海に、真珠やサファイア、ガーネット、ダイヤモンドなどがぼんやりとうつる夕景。それが、ものすごく近いのだ。

 香港のビクトリアピークでみた夜景を思い出したが、もっともっと、手が届きそうに迫る。刹那の情景。黒い山合いから臨むシチュエーションも、日本的でいいのかもしれない。

 



 わたしとNが眼前の景色に見惚れながらワインを飲み、野生的に甘い肉をがっつり食べていると、それを写生してくれていた。宮崎駿のような白い髪で。

   

 お料理は、一般的だが赤身肉をオーダーしたので噛み応えもあり、まあ満足した。

 

 9時。黒い空と黒い海に、オレンジや赤、白、黄……! 光のしずくは、人々の集うぬくもり。心のかよい合う美しさだと思いながら、いつまでも夜景をみていた。





 

マイ・バースデー!!

2020-11-19 00:42:00 | 兵庫・神戸ごはん




 

8月8日(土曜日)はれ

 

きょうは、わたしの誕生日。

朝6時に起きる。ヨガと瞑想。白湯を口にする。

 

はやい時間に、ライター友人からお誕生日のメールがきた。

1本、そして1本。12本、そしてfaceBOOK。ありがたい。

 

昨日までは1つ年齢を経て、その数字(年齢)になってしまうのに抵抗があり、いやだ、いやだと思っていたのに、その日がくれば不思議なことだが、自分に一番しっくりしていい数字(年齢)ではないかと、思えてくる。洗練された、大人の時間が再び動き出したように思う。不思議でたまらない。

残りの時間をかんがえてみて、もう好きなこと、好きな人、好きなモノに絞って、昇華させ、機嫌よく生きていこうと誓う。よりシンプルに生きたい。複雑なことに頭をあれこれ悩まされたくない。自分のしあわせに貪欲でいたい。周囲の人も明るく、個々それぞれ幸せに生きてほしい。

 

10時半まで原稿を書く。

 

11時 パパさんに車をだしてもらい、フレンチレストラン「ひわの蔵」へ。一昨年秋へ行き、驚きのあるフレンチを供してもらったことが忘れられなくて、このたびの予約である。







 

パプリカのムース




淡路島のはもと、コーンのアイスクリーム、ビーツのソース、パセリのソース、北海道のほたて、




 

淡路島のすずき、丸山でとれた米のリゾット、淡路島の魚介ソースで





夏鹿、ブラックオリーブソースで




コーヒーの香りをうつしたブランマンジェ

 

グレープフルーツのプリン


桃のジュレ、ヨーグルトとハーブを散らして。



 

焼菓子と紅茶。アールグレイティー。





 

どの料理も良かった。淡路島の葉も、コーンのアイスクリーム、篠山の野菜をふんだんに。近隣でとれた野菜が多いという。

メーンの夏鹿の焼き加減が絶妙。何度も料理長が炭火の火加減を調整していただけあって、舌に濃く、粘りと筋力のある強さのある肉がまとわりつく。ブラックオリーブソースも、成熟した大人の味。

 

おなかいっぱいで、そのまま同じ丹波篠山市のパン屋さんへいき、いつもの味土里館で野菜を買い、イカリスーパーで、そばやそうめん、果物などをたくさん購入して帰る。

 

昼がおもかったので夜はそうめん。そのあと、ワインに切り替えて、パパさんとブルゴーニュのワインで乾杯。カマンベールのパンやチーズ(各種)をたべながら、3杯飲む。

 

お昼から、夕食と。ワインをたくさん飲んだ良い一日だった。

 




 

 

 

 

 

 

 


神戸居留地「Dick Bruna TABLE」に行く

2020-10-20 21:52:13 | 兵庫・神戸ごはん
 
 


 

7月21日(火曜日)晴

神戸居留地。この街の夜が好きなのは灯りがつき始めると、いきなり大人の街になる。シャンソンを謳いはじめるから。洋館の建物やレリーフの深い中高層ビルの影と光の当たりぐあい、交錯の仕方がちょっとだけ巴里に似ていなくもない。

Nが東京の帰る前日には、「Dick Bruna TABLE」に行った。





 


 

 

丸い顔、しっぽのような長いお耳、不思議そうな瞳にバッテンのお口。

ディックブルーナの描くモチーフは、温かみのある手書きの線が美しい。子供が安心する黄金のバランスだ。


1階、2階、3階、4階まである積み木のような小さなビル。それぞれキャラクターグッズ、ディックブルーナのアトリエをイメージした教室風カフェ、ちょっと大人のワインバル、VIPな個室という構成(私たちは3階)。

    


 




 


 
私たちは3階に。

イタリア・マルケの人気ワイナリー「モンテカルロ社」の手掛ける白ワイン入りのビール「キッカ・ビオンタ」を飲んだ。ワインの華やかな香りと爽やかな酸、飲み口がフルーティでビールのような余韻。なかなか面白かった。2杯目は、店のお兄さんオススメのスパークリングワイン白。ほか。

前菜数種の盛り合わせに、手づくりウンナーや煮込み料理などをつまみながらワインを飲む。混んでなければ気軽なバルだ。


カウンターの端にいた眼鏡の中年女性が、一人できていて写真を撮りながら熱心にカウンターのお兄さんにメニューの作り方やワインについて質問していらした(同業者にはみえなかったけれど)。


 首を横にずらして窓外をみると三宮の街の動きや時間の進む流れがチラチラ垣間見える。

 

遊びつづきに、もう一件はしごをしたくなる。

ハーバーラインドのそばにある「メリケンパークオリエンタル」。最上階の「VIEW BAR」まで徒歩で。

Nは西瓜のカクテル。わたしは赤ワインとローズのカクテルをお願いした。

 



 

 神戸の海の夜景を久しぶりにみた。ふとNが中学に入る前の夏、「メリケンパークオリエンタル」の船型のプールに泳ぎに来て、夜からの塾をさぼらせ、そのまま一泊したことがあるのを思い出した。その日たまたま算数の授業だったらしく「おかげで鶴亀算がいまだにわからないの」といまでもNはいう。確か、彼女が大学3年生の時に付き合いはじめた頭のいい男の子に教えてもらえる機会があったとか、なかったとか。まあ、大人になれば絶対的に必要な記憶以外は、たいてい忘れてしまうことになるのだから。(と、いうことにして。でも申し訳なかった)。

それにしても、神戸の夜は色々な物語がつまっていて懐かしい。強烈すぎる白い蛍光灯の電車に揺られて夜11時半に家路につく。





 

 

 

王道の味を追求「良友酒家」

2018-04-05 16:11:17 | 兵庫・神戸ごはん



振り返ってみて、一進一退だなと半ばあきれながら思う。
さっきまでは、納得のいくものができた!と昨晩提出した原稿(机の上にあった)読み返して「歓喜」のようなものさえ覚えたというのに、今月号の刷り上がりの雑誌に目を通すやその編集レベルの高さに唖然と。いやまだまだ、あかん、とも。
今の自分はこんな諸々で形成されているのだなと思ってみたりする。



(3月25日(日)夕方からの続き)

最近は、机にかじりついているばかりで世間にふれていないので、原稿を離れてどこかへ出かけたくなり、車で神戸・三宮へ出かけたのだった。

「春に着替えた神戸を見たいのよ」というのがテーマだ。
(「いつまで少女じみているのだ。と馬鹿にされたが)

自宅から三宮へは車を飛ばして約30分。
明日のパンを買うために「フロイントリーブ」へ立ち寄り、
クッキーの詰め合わせや菓子パン、ハードトーストなどを買う。日曜日というのに路地裏には人は少なく、車もそう混み合ってはいない。
大阪や京都とは違う、とろんとした庶民的な空気が流れている春の神戸なのだった。
もう桜が咲き始めていた。



夕食には「良友酒家」へ。
ここは、一度「火鍋」を取材したことがある地元に愛されるアットホームな店。
おいしい中華が食べたくなったのでここに。



「空心菜の炒めもの」
さっぱりとした塩味の中にも隠し味が効いて、食欲そそる。
文句なしにおいしい。作り方を教わりたかったくらい。



「酢豚」
豚の揚げ加減もカリッと。ほんのり甘めのあんの合わせ方もよい。
王道の味にホッとする。



「醤油鶏」
この店の自慢の一品。地鶏を秘伝の醤油タレで煮込む。少し辛めだがご飯との相性はよいだろう。



「牛シチューの煮込み汁そば」
八角などの香辛料で何時間も煮込んだ牛バラ肉をオイスターソースで味付け。




「自家製カステラ」
ほわほわのホッとする味。庶民のおやつでアッという間にパクパク平らげる。
家庭的なおいしさだった。





久しぶりに神戸中華が食べられてうれしかった。
店を切り盛りするお母さんの存在感が際だつ店だ。客といい距離感をもちながら、
ここぞという所はしっかりとオススメメニューの太鼓判をおす。
そして、「どう?」「おいしい?」とご機嫌伺いも欠かさない、これぞ肝っ玉母さん。

お洒落に中華が食べられる店が多い中で、王道の味を追求。
奇をてらったものはなく、基本に忠実。庶民的な良い店だ。




人から得るパワーってはかりしれない。ベトナム料理と神戸散策を

2018-01-23 22:19:45 | 兵庫・神戸ごはん







ここのところ、自分の中に沸き上がるような何かが生まれ
感受性が刺激されているのがよくわかる。
その高ぶりのまま発散させてよいのか、
それとも沈静化するのを待って、それから何かを始めたほうがよいのかわからない。
けれど、ともかく前に進もう。今にちゃんと集中しようと努めている。


人から得るエネルギーもはかりしれない。

そう。先週末のベトナム料理(#コムコカ )でも久々にテンションが上がった。

真冬なのに暖房でムシムシした部屋でサイゴンスペシャルをぐいーっと飲むと、
気分は高揚して体の中を南国の風が体を吹き抜けた!

とてもとても久しぶりのライター友達(k嬢)と顔をあわせて、親交を深め合った。


互いが自然に気持ちよく話せたことが1番の収穫。
確実に細胞が活性化して感性がリフレッシュ。

言葉が言葉を呼んで、
どこまでも響き合い、そして自分の内なる心に返ってくる。



その人はとても素直で、可愛い人で、頑固でいて情熱的だ。
ふと「花子とアン」という朝ドラを見ていた時に、花子さんをみて
彼女と似ているところあるなぁなどと思ったりしたコトを思い出していた。


さて。



写真はベトナム春巻盛合せ(生、蒸、揚)。
食をそそる甘酸辛が複雑に絡み合い
どれも似てない、絶妙の旨さ。軽いベトナム産ビールと最高の相性である。



ほか有海老の甘辛煮、ハスの茎のサラダ、手羽先のヌクマム焼、鶏肉のフォーなどを。














全部おいしかったが、特筆すべきは、「ハスの茎のサラダ」
レンコンやゴボウ、ニンジン、キュウリ、ナッツ類など歯ごたえのいい野菜に、パクチーをたっぷり添えて
レモンをギュッっと絞り口に運ぶと、タレの甘酸っぱさと爽快感が加わって◎。ご機嫌なサラダだった。

ハスって、聞くところ葉、実、根のすべてが使える食材なんだそうだ。



この日は、ベトナム料理以外にも
昼の3時から神戸元町で待ち合わせしてムジカで紅茶2種を仕入れ、
フランジュール神戸店で OYUNA(オユーナ)のカシミアショールやバス用品をみて、
香港スイーツとお茶の「甜蜜蜜 元町店 (tim-ma-ma)」へも立ち寄って、と。
好きな店を巡る神戸散策も楽しんだ。











コムコカ
神戸市中央区山本通り3-3-1地下一階
078-222-8818






床瀬の緑を目前に、囲炉裏料理がおいしかった!

2015-05-14 00:29:39 | 兵庫・神戸ごはん


緑萌え、風香る5月!

ゴールデンウィークは1日だけ仕事場を離れて、実家に帰省。
母、私、娘、夫と久しぶりに全員集合で兵庫の北(豊岡市竹野町)まで「床瀬そば」を食べにいきました。

道中には、カエルのコーラスが聞こえる田や畑の畝、
山々をいくつも超えて、沢山曲がりくねって辿り着きます。







今年も訪れたのは、「三椒庵」。
清流三椒川のほとりで田舎風の囲炉裏料理が味わえます。



農家の一軒家風の玄関を入ると、4つの囲炉裏を囲んで黒く光る板間。
開け放した窓からは、雨あがりの緑滴る心地よい風と緑の宝庫。
それらが床緑となって反射して、素晴らしーーい。あーー天国。
田舎はいいなぁとしみじみと思います。












山間から、ちょろちょろと流れる滝。
小さな石コロを転がしながら流れるせせらぎは、清流・山椒川。

葉を裏表にヒラヒラとひるがえしながら、山菜や蓬やアザミ、小さな野花も。
カエルの声に、カジカの鳴き声。
5月の自然は、名も知らない小さな生物や虫の息吹が初夏の温められた空気の中には満ちあふれていて、それが良いものだなーーと。
心から嬉しくなるのです。




囲炉裏の炭火では、
地元の原木椎茸に、若鶏の松葉肉(鶏の鎖骨部分の肉)、
ヤマメや手作りコンニャクなどをいただきました。

松葉肉は、身がしっかりと締まって味が濃いんです。





逆さにした原木椎茸は、火で温められると天然の滴の汗をポツンとかき始めるので、
それを目で確認するとすかさず、お醤油を1滴!
風味は松茸以上にかぐわしいものです。








締めは、床瀬の湧き水のみで作るという十割そばと香住鶴の冷酒。
これが、喉ごし爽やかで、存在感のある和蕎麦の風味。





お料理もおいしかったけれど、
囲炉裏の床に座っているのは。母と娘。夫と家族水いらずの笑顔があったのが
何より貴重に思えた休日なのでした。











お昼は、揚げたての天ぷらを食べに。

2014-12-19 01:21:37 | 兵庫・神戸ごはん



今日も一日中寒かった。夕方から、ちらほらと雪。
ひときわ大きい雪の片が降りてきた時は、少し嬉しくなってしまう。
明日も極寒なのだろうか…。

寒い日、外に出ると身が引き締まるし、よし歩く!と覚悟を決めて表に飛び出していくタイプだったが、今年はどうしてだろう。
寒い、やめよ!と買物もついつい後回しにしてしまい、家の冷蔵庫にあるものでチャッチャッと同じような煮物を作る。
キャベツと人参やカブラ、サツマイモなどの野菜スープ。
大根と鶏肉あるいはスペアリブの煮物。
ネギたっぷりの豚汁、の出番が圧倒的に多い。


今日は、ご近所であり前会社の先輩であり、同業(コピーライターの先輩)という
稀少な縁で繋がっているFさんとお昼に天ぷらを食べに行った。
宝塚南口から徒歩5分の、天ぷら食心「悠」。

甲陽園の料亭「甲陽園つる家」の流れをくむ店とあって、
カウンターの雰囲気といい、店内のおもてなしといい、
ゆっくりとした気分で天ぷらが愉しめる感じのいい店だっだ。







次から次へと揚げたてを即、口へ運べるのは至福。
寿司屋と天ぷら屋さんは、やはり店主の手元がうかがえるカウンターがよいものである。

この日は、あられの餅米で来るんだ餅や、紅ショウガ、牛蒡の天ぷら、柿の天ぷらなどが印象深かった。








近くにいるのに、ご飯を共にするのは9月以来。

なぜかしら、仕事の話しはあまりしない。
それでも恋の話や、互いの健康談義、家族の話…。ネタは尽きない。
自宅からの20分ほどのドライブなのだが、帰りは家の前で車を止めてプラス20分…。
あれこれ話してもまだしゃべりたらない…(笑)。

そうしていつもの部屋へ帰ってきた時には、
なんだか自分の滞っていたものが、浄化された気分! ストーンと遠くまで景色が見通せるようになったかのよう、清々しい気分で家路に就いた。
ありがたい存在は、本当にこれからも、ありがたく大切に接していかなければ。

夜は、カーテンを解放して窓を開き、掃除機をぶんぶんとかけて。
シックなクリスマスソングを聴きながらのツリーの飾り付けをした。

食事のあとは、山形産のリンゴ(Fさんから毎年いただく)のラム&シナモンソテーのデザート。
ホットミルクをミルクパンで湧かして、おいしいカフェ・オ・レを飲んだ。
明日もがんばろう♪ 今年もあと13日。




20年来の同僚たちと女子会。芦屋「焼肉ジェット」

2014-10-22 00:01:51 | 兵庫・神戸ごはん


少し前のことだが、前会社の同僚たち4人で、顔を合わせた時の事を綴っておこうと思う。
全員がコピーライターという異色の女子会。
今ではすでに全員、会社を退職したが、メーカーの広告宣伝・販促を担当する以外の、3人ともフリーランスで
コピーライター・ライターとして仕事している。

1年に2~3回ほどしか顔を合わせないが、
毎回合うたびに、刺激し合える仲であり、
恋バナから健康談議まで、たわいのない話しをいつまでもできる関係性である。こう言えば、こう反応するというのがほぼ読める間柄。
よく20年も会ってこれたものだ。

ただ、おかしくて、笑って、食べて、叫んで、別れる。
仕事の話しはほとんどしないし、お互いの立ち位置や展望を確認しあうこともない。
昔どうりに、たわいのない話しを繰り替し、明日また職場で席を並べるかのような親しさで、冗談を言い合って、生きていることを確認しあって別れるだけだ。

みんなカッコイイし、センスがいい。
自立している大人女子。
自分の世界が確立している。その世界を素晴らしいと認めながら、
そこを踏み込みはしないのである。

おそらく、自分がコピー能力は一番劣るんだろうなと思う。
(もしかしたら、誰しもそう思っているのかもしれないが)。
決してマネはできない独自の創造世界を、ちゃんと持っている。


彼女らの中にいることで、自分の姿が後退していないかを確認しにいっているようなところがあるのかもしれない。

ふと何か要件があって2人で会えば、
深い話や互いの生活のなかに入り込んだ会話が出来るが。ごく普通に。
まあ、そんなのはどうだっていいのだ。緊急の時だけで。
生きていれば、みんなが機嫌よく、元気で生きていてさえいれば。

1つ不思議なのは、彼女らは総じて、SNSをやらない。そういえば、今、仕事で共にするメンバーも。総じてSNSを軽視し、プロフィールは公開していても、
更新をしたり、共感したりはしない。
大学時代の親友もそうだなぁ。

仕事の文は、底知れずうまいのに、それを公に公表するのをみな嫌う。
一度、年下のコピーライターにそれを聞いてみたことがある。
「私は求められたものをバチッと最高の状態で提供し、みなで作り上げることに
喜びを見出すタイプなんです。自分の人間性を人に伝えたいとは思わないんです。人のを見るのは好きなんですけどね」といっていた。

私の友人のなかでSNS(FB)を、ライフスタイルの中に取り入れているのは、3・4人くらいである。

だから、私も実は昨年まではFBをどんなに薦められてもやらなかった。自分もそういうタイプだと思っていた。
ただ、今はすこし変わった。
自分の領域をもう少し広げた世の中と、もう少し深く関わりをもつというのは、ある意味、刺激を受ける時があるのだ。
SNSという宇宙の中で生きる人達の日常がそこにある。
今のスタンスは、1日に1回くらいはのぞいて、ちょっぴり親しい人や、懐かしい旧友たちや、3・4人の大切な友人や
尊敬できて生き方のステキな人に会いに行っている。人恋しいのかな。

さて、「焼肉ジェット」の話しである。

ここは、芦屋といえば高級住宅地の印象だが、そのイメージで訪れると拍子抜けしてしまうほどに不思議な空間。
阪神大震災時に建てられたバラック小屋をそのまま使用する。
店内はL字カウンターのみの10席きり。
程よくくたびれた内装は
ちょっとしたバーのような不思議な雰囲気。
刺しものから焼き、〆の食事まで全て、マスター1人で仕込み、
備長炭の炭火の上で1人1人に肉を焼いて、調理もする。

入店は一番ノリだったが、すぐにざわざわと老若男女が集まってきてアッという間に満席。
2時間たてばスッと人は消えて、
しばらくして2回転目がスタートする。その規則正しさがなんだか面白い。


この日は、生玉子入のユッケと生肉4品盛りにはじまり、





肉の部位ごとにあの手この手で楽しませてくれる。
例えば、タンは厚切りと薄切りを粒山椒でゲタカルビはとろろで、
シマチョウは梅肉で…など、どれもカットや味付けに小技が効いて。












焼きはすべて店主が行うスタイルで、客の目の前の七輪で焼き上げ、それらを一番おいしく味わえるよう仕上げの味付けをして提供する。
私達は、リラックスしておしゃべりをし、お酒を飲みながら肉を味わう。
それでも、流儀はお客様中心ではなく、店主のしきりのもと。
テレビ番組でお馴染みの「深夜食堂」の焼肉バージョンのような感じ。

前回も思ったが、コースの途中ではさまれるガスパチョがおいしい。
スッキリしたところで、レバーやタンなどを提供。











ロース肉は温泉玉子と一緒に登場。




ほか、エノキやエリンギと合わせたササミのような部位もあった。
シメは、私は稲庭うどん。友人たちは、かぼすソーメンやカレーライス、たまごかけご飯など。
デザートはなくて、これらを、お腹にかき込んで終了となる。





この店。同じメンバーでは2回目の参戦。その前も焼肉は「たじま屋」。


最初ほどの強烈なインパクトはなかったが、10品ほどの肉がいただけてコースで3800円とは、芦屋にしては高いほうではないと思う。
日本酒やビール、ウイスキーなどとともに味わう、「焼肉」というコンセプトもシャレオツなのか。土日曜日はそれでもファミリー客も多かった。

入店8時00分には誰もいなかったが、30分以内に満席御礼。
夜のみの営業で6時と8時の2部性。全て予約客のみで営業している。

このあとは、2軒目へ移動。来月は、四つ橋の中華料理、酒中花「空心」(4回目)の予定。

●「焼肉ジェット」
兵庫県芦屋市西山町2-4
TEL:0797-38-2939
1  8:00- & 20:15-(二回制)
/月休(最終週のみ月火連休)
予算:4000-6000円
予約可


「ピッツェリア エ トラットリア ダ マサニエッロ」で地域の懇親会。

2014-01-31 19:52:09 | 兵庫・神戸ごはん



一年越しで企画して、ご近所の8人グループで訪れたイタリアン。
それが、宝塚の逆瀬川にある、「ピッツェリア エ トラットリア ダ マサニエッロ」。幹事役は私でした。



なんとも舌を噛みそうな店名なのですが、地元ではちょっとした有名店です。
なんでも、2012年7月ナポリのチッタデッラシェンツァ会場で開催されたナポリピッツァオリンピックで、
この店の小松正和氏(オーナーピッツァイヨーロ)がArtistica部門で優勝、金メダルを獲得されたとか。


そういえば、一昨年、5月にここを訪れた時にも、
夜の小さな豆電球が灯るバル的雰囲気が好きで。
(平日の夜にも、関わらず来店時には満席でした)



この時は、カウンターに陣取り

前菜盛り合わせ、水牛のモッツァレラのマルゲリータ、デザートで。

ワインを2杯のんで。イタリアの「メッシーナ」というビールを2杯。













「メッシーナ」とピザ。これが最高によくあい、後味軽く、スイスイ飲めて、
ピザのチーズをほどよく流して、次なる一口のしずる感を高めてくれました。


それに、思い出こせば、
この時、
隣に居合わせた60歳くらいのサラリーマンが紳士的な方で。
一人で白ワインをキューッと飲んでは前菜、ピザ、パスタ2種をアッという間に平らげて、
そして赤ワインを3~4杯飲んで、爽やかに店を後にされたのが、とてもいい感じで。
本当に気持ちよいほど美味しそうに、いただかれていたのを思い起こします。

おそらく、地元の方が会社帰りにふらりと立ち寄られたといった風。
帰ったら、奥様のお茶漬けとおつまみを、それも簡単にスィーとお腹にいれられるといった感じで。
こんな大人ステキ男子(紳士?)が、さりげなく来訪される店なんていいな~と思ったものでした。



さて、今年のパーティです。
まずは、スパークリングを1本あけて乾杯。
それから、驚いたのは、全員にひと皿づつ用意された前菜が、ものすごくボリューミーで最高においしかった。大皿料理でなくて、これが正解。
なかでも、イカスミのリゾットと季節野菜のラタトゥイユがよいお味でした。 







次には、店自慢のマルゲリータ(この店には20種くらいのマルゲリータがスタンバイ)、
水牛のモッツアレラのピザ、ポルチーニ茸のピザ、
4種のチーズのピザと4種が次々と。












石窯ならではで外はパリッと、中は濃厚でしっとり。
これは当たり前なんだけど、
トマトやチーズ、そのほか素材の味とその鮮度がキープされている状態で焼かれているのが、おいしかったかも。
生地は塩加減がよくあっさりした味でした。

そして、モッチモチのパスタ(生麺)。
キノコのソースと相性がよく、
〆にふさわしくどっしりと重い味なのに、
麺がサッパリしているので、食欲がストップしないように仕上がっています。





そして、チーズのデザートと珈琲。
皆さん、お腹いっぱい。



この日は、8人でスパークリングのほかに、ワイン3杯をいただきました。

お値段は1人4500のコース料理。

気の置けない友人と、気軽にカウンターで、というのとも好きなパターンですが、グループもまたよし。
バルらしく賑やかに、盛り上がって。地域の交流会としては、まあ、まあ
成功ではなかったかな。

ピザといえば昨年食べた、篠山のドーノもオススメ。またそのネタは次の機会に。



(こちらは、ドーノです)






寒い日、「鮨まつ本」で大人ランチを。

2013-11-14 19:18:41 | 兵庫・神戸ごはん



月曜日から寒さが重なっていき、日ごとに秋が深まってくる。

風がキンとして冷たい。
12月を間近にしたこの季節は、けっこう好きなのかもしれない。
街が華やかだ。それに寒さのせいか頭が冴える。



さて、お友達の誕生に、阪急苦楽園口の鮨「まつ本」でランチ。

お昼から5千円のお寿司って、そりゃあ贅沢なんですが。
それだけに期待が高まる~!

エントランスからすでに、この店はきっと美味しいゾと思わせるところがあって、背筋を正して店内へ。




よく磨かれた白木のカウンターは10席だけ。
調理台とカウンターがフルフラットで全オープン。
凜とした空気がみなぎるのは、白木のカウンターやまな板、
ネタ入れなどの木の醸す清々しい空気なんだろうか。それとも大将の雰囲気か。

市川猿之助似の若き大将は、礼儀ただしく誠実。キビキビと寡黙。
まるでネタに語りかけるように鮨をにぎってくれる。

本わさびを摩り下ろすのは、若きお弟子さんの作業だ。
見ればまあ、太い本わさび。

私たちは、西宮の純米酒、白鷹で乾杯!いい感じでスタートした。


まず登場したのがイカだ。といっても、ただのイカじゃない。
細く包丁をいれ、精緻な細工で。これ食べるの?と思いながら口にいれると、甘い~。とろける~。


続いて、ヒラメ、サヨリ、カツオのあぶり焼、
トロ、しめ鯖、七輪でサッと焼いた車海老、つぶ貝、コハダ、ウニ、甘鯛、いくら、
干瓢巻きと馬糞雲丹の巻物。奈良漬の細巻とたまご…。


















冬の魚が全12品。それから細巻2種。
赤だしが途中でサーブされる。


「途中で手のひらをこちらへください」といわれ

手を差し出した、そのうえにチョコンと乗った牡蠣。軽く空気を含むように握った鮨だと思う。
やさしい味。
ほ~うと感嘆しながらアッという間にパクリ。

鮨はすべて、女性が食べやすい一口サイズで。

むらさきも大将自らに浸けていただき、私たちはおいしい!と口に運ぶだけのこと。
それがなんとも、気持ちいい。

最高においしかった! 文句なしでした!

この大将、聞くところ鮨屋の修業経験はなく食べ歩きと独学で腕を磨いたというのが、素晴らしい。
安定感があって、食べる前から旨いと思わせる、いい意味、落ち着いた気迫のようなところもあって。
鮮度はもちろんのこと、
車海老や甘鯛は、絶妙のタイミングで七輪で焼いてから、握ってくれるから、素材の甘みが引き立つ~。

築地の鮪以外は、大阪の中央市場から朝仕入れたものを、白酢と塩をきかせたシャリ(一口大)で握ってくれる。
ホントすべての、バランスが整ったいい鮨でありました。



このあと、neu cafe(ノイカフェ)苦楽園店でコーヒーを飲み、




苦楽園「こはく」で和菓子を購入。
冬のファッションをのぞきに、ブティックに立ち寄って、夕方に家路。
女ふたり、贅沢なおとな時間は最高ですね~。



「鮨まつ本」
0798-74-5499
兵庫県西宮市樋之池町2-33 セルシェール苦楽園 1F
11:30~14:00(L.O.13:30) 
、17:00~22:00(L.O.21:30)
月曜休。








カレーつけ麺を初体験

2013-02-18 22:40:48 | 兵庫・神戸ごはん



わたしが一番落ち着く場所は、やはりデスクの前なのかもしれない。
ひとの役に立つことを考え、それを自分のことばに置き替え、
表現としてかたちになっていく過程。考えが整理されていくプロセス。
今のわたしには、この時間が一番落ち着く、自分らしい道のような気がする。

先日、西宮北口でイタリアンを食べようと思っていたら、
お昼時にものすごい行列ができていたので、並んでしまったのが
西宮駅北出口から徒歩3分の「番馬亭」だ。

店の暖簾には、手打ち蕎麦の看板があったので
すごい蕎麦打ち職人がいるのかと思ったら、
そうではなくて、カレーうどんや蕎麦をメインにする
若者に人気の店だったらしい。
TVで常連の店だ。

最近では珍しい相席でのスタートとなった。
隣のカップルは、蕎麦のつけ麺カレーをオーダーしていた。
男性のほうは、とんかつ付きである。
メニューも多彩だ。

私は、カレーうどんのつけ麺(\730)にした。辛さは普通。




しかし、これが想像していたよりもずいぶん辛くて驚いた。
辛すぎて、舌が麻痺し、味がよくわからないほど。
周囲の人は真っ赤な顔をして汗をかきながらカレーうどんを啜っている。
それでもせっかくの有名店なのだし、私も必至でうどんを1本ずつ啜る。

うどんの麺はシコシコと歯ざわりもよく、まあおいしい。
スープは、これがとろみたっぷりで和風ダシがマッチ。
そこまではわかるのだが、そこからは残念ながら進めなかった。

後半、そこで同席していた友達のカレーうどんに麺をつけさせてもらったのである。



彼女は辛いのが苦手で、辛さ控えめをオーダーしていたのだ。
おいしい!なにこれ、全然別の食べものみたい。
とろみ加減もまったり。カレー味なのだが、ものすごく腕利き和風職人の
カレースープを飲んでいるよう。
これがブログなどで評判になっている病みつきになる味、というやつなのだろう。
いくらでも食べたくなるし、スープ自体が複雑じゃなくてすごくシンプルな味だった。

ほ~う、と唸る。
隣のカップルは、カレー蕎麦を「おいしい、おいしい」といいながら食べていた。

午後からは図書館と本屋をはしごして、宝塚のイカリスーパーに立ち寄って帰った。

そして、私はなんと、翌日には家族で焼肉を食べに行った。

ほんとうはスーパー銭湯へいく都合だったのが
塾帰りの娘がお腹減った、と騒ぐので、なぜか焼肉店へ。
伊賀の黒毛和牛を一頭買いしている店で、炭火で焼く。



上カルビとレバー、それにホルモンがおいしかった。
時々、安い輸入肉を食べさせる焼き肉屋があるが、
噛んだ瞬間に、国産とわかる上品な甘さが見え隠れする和牛である。
まあ、久々にジャンクな食事が続いたわけで、
その翌朝は、いつもより遅く起きだして
種子島の安納芋をいれた「お粥」の朝食にしたのは、いつまでもないことかしら?

暮れのおいしいもの、オンパレード

2012-12-31 23:54:09 | 兵庫・神戸ごはん



今年も締めくくりは、やはりおいしいもの総まとめで〆ましょう!
まずは、北野の「シェローズ」から。

昨日の続きだが、「神戸北野異人館キャサリンハウス」を出て、トアロードをまっすぐ海側へ降りていくと、北野ホテルが見えてくる。
ちょうど斜め向かいあたりに位置する小さなフレンチレストランが、「chez rose(シェ・ローズ)」だ。

扉をあけると、マダムが笑顔で出迎えてくれた。

クリスマス時期ということもあって、はじまりはシャンパンで乾杯!
昼のコースは、3,200円と4,500円の2種。今回は気軽な前者をオーダーした。

ここは、神戸の名店「ジャンムーラン」出身のシェフが厨房に控えているだけあって、一時は予約のとれないフレンチの代表格ともいわれた店だ。

それから賛否両論が噴出し、話題の的にはなったが今は思いのほか、落ち着いているという話である。

周囲を見渡せば、週末なのに観光客は少なく、普段着スタイルの夫婦連れやファミリー層が多い。ホッとした。

一皿めの前菜は、「ホタテのソテーのサラダ仕立て魚介添え」。


絶妙な火入れで調理する、北海道産ホタテ特有のぷりぷり感と香ばしさ。
葉野菜も新鮮そのもの。地場野菜と、同じく近郊の海からとれた魚介類とのコラボレーションは
さすがにバランスがとれており、久々においしいサラダを頂けて、うれしい。

続いて、「ポルチーニ茸のスープ」。



口元にスプーンを運ぶだけで、キノコ独特の香りが鼻孔に届く。
ふんわりとしてクリーミー、
なによりも舌が火傷しそうなほど熱いのが素晴らしかった。

これはテンションも上がっていくゾ!
メインは、私は「青森産子羊のローストと焼き野菜」。



臭みが微塵もない子羊は、噛むほどに甘く、肉質がよいのだなと思わず頷く。

ジューシーだ。スープと同様、熱い皿に、アツアツのロースト!
粒マスタードをちょんと付けて、モリモリとほおばり、アッという間の完食であった。
ズッキーニやパプリカの火入れ加減も、ちょうどよかった。

友人は、うずらのローストをオーダーしていた。
野生味あふれる冬のジビエ料理だ。



デザートのチョコレートケーキは、これまたとろりと熱く、
クーベルチュールのほろ苦さが効いている。
これは久々に★★★★のランチだね。

熱いものは熱く、そして上質の素材を提供してくれているところが、一番好感がもてる。
時季を替えて、また訪ねたい一軒である。

●「シェローズ」
兵庫県神戸市中央区本通3-7-25メゾントーア1F
078-242-1014
11.30~14/17.30~21
月休


もうひとつおまけに、芦屋の「あめ婦」もメモしておこう。
JR芦屋駅から徒歩5分くらいのところにあるカフェ空間のような外観であった。

この日はご近所の友達と3人で来店。

坪庭に面した場所に席をとれば、季節の緑を目にしながらゆっくり会食できる。
しかし、席の配置が悪いのか、店自体の構造の問題なのか
日本料理店であるのに、おしゃべりの声や笑い声が部屋の中に反響して、少し騒々しいのが難である。

オススメは坪庭に面した位置の、カウンター席を予約するといいだろう。
ここなら背後にパーティションがあって、多少の雑音は緩和される。

さて、この日いただいたのは「あめ婦御膳」(3,675円)だ。


素材の味を生かした王道の調理。
特筆すべき点は少ないが、まあまあ普通。味付けは悪くなかった。

縦に積み上げた箱膳から器を出していく演出で、女性受けをねらったアイデアである。

先付け、椀物、造り、揚げ物、酢の物、焼き物、炊き合わせ、ごはん、香物の構成。

一番、おいしかったのは「海老芋のかわり揚げ」で

サクッと揚がった衣からこぼれる、京都産の海老芋のねばりが、すごい。
ピリッと唐辛子の効いた和風のだしと相性抜群。



大根なますも、酢の味に負けない
冬野菜のイキイキした旬が味わえた。

お刺身は、少し水っぽかったので冷凍ものの魚なのかな、と…。
欲をいえば、淡路か明石から水揚げされたばかりの
新鮮な魚介ものを頂きたかったね。

私は基本的に、しずる感たっぷりの
素材本位のお料理を新鮮なうちに頂くのが好き。
あめ婦は、クリスマス前で忙しかったのだろうか、大型ホテルの懐石料理を連想させる感がある。
小さなテーブルの上に、店の都合で仕上がった料理を置けないほどに、どんどん広げていかれるのがどうも苦手であった。



最後の香物は「抹茶もなか」。
ミシュランの2つ星という同店、だからというわけでもないが、もう一度だけ、来店してみようかな。うん。
次に期待しましょう!

「あめ婦」
芦屋市大原町7-9
0797-23-3600
11:30~14、
17:00~21:30
水曜休

さてさて、
今年の、わが家のクリスマスディナーは、
子雛のロースト、ホット野菜サラダ、パンプキンスープ、じゃがいもとほうれん草のチーズ焼き、十勝ワイン…。



今年は、年末年始、ゆっくり出来なかったのでまあこれくらいで上等なのかな。

昨年は4時間煮込んだビーフシチューと鶏のローストがメインで奮闘したが、
どうやら今年は、新作に挑戦する、という心意気がたりなかったね。
反省である。

しかしながら、今年もおいしいものいっぱい食べて、
それらが皆の笑顔と囲めて、
いい一年でした。
来年も、食欲旺盛なわたしに、ぜひお付き合いください。
どうぞよろしくお願いいたします。
ゴーンゴーンと除夜の鐘、そろそろ行く年、来る年をみる時間です…。






ふた葉での、和みのランチ

2012-10-18 09:18:30 | 兵庫・神戸ごはん

手術から今日で4カ月。どうにも下腹が固い。重い。
新しい異物感をお腹に感じる。

夏が終わり秋になった頃からだろうか、
急激なストレスを全身で受けとめるようになった。

女子はよく「子宮」で物事を考える、というが。私の場合はどうやら些細なことから、
大きな問題までくよくよと悩みすぎる、という根っからのクセのようなものがあるようで、
これまでの人生においては、見事「子宮」で、これらのストレスを受けとめていたようである。(だから、すごい筋腫の数と大きさ、というありさまだった)

だが、私はもう今となっては「子宮」という機能がないので、
全身全霊でやって来るストレスと対峙しなければならない。

困ったことになっている。

ストレスを感じると、あるはずのない子宮あたりが
キリキリひきつって痛む、そのうえ同時に乳腺もキリキリする。
「性格を変えていかないと、この疾患は治りませんよ」
と、いつだったか、そう2年前の秋にも高須道世さんという冷え取りの先生にも
御指摘いただいたのを思い出した。

加えて、高校3年生の受験生をもっているから大変だ。
秋を過ぎるとラストスパートとばかり、
毎月10万を超える塾の出費!(来年2月まで)。
夏には給湯器が壊れて、
バスまわりの工事をし、手術代に、今回の10月の車検もそれに匹敵するほどのもの。
首が回らないとは、こういうことをさすのだろうか。

さて、ガラリと話題を転換し、
次はごはんのお話を書きましょう!

週の前半、同じ街の友達3人で予約がとれないカフェ「ふた葉」へ、ランチに行った。


神戸電鉄三田線  道場南口駅より徒歩8分。

今回は車での来店となったが、特徴的なものなど何ひとつない、
郊外の一角にポツンと店はある。
周りは畑や空き地、住宅ばかりだ。

ごく普通の一軒家でカフェ営業をされている、ふた葉。

メニューは、

豆腐と根菜の和風ハンバーグ、
こんにゃくとひら天のピリ辛煮、
茄子と厚揚げの焼き浸し、
春雨サラダ、
チキンとかぼちゃのクリームシチュー、雑穀ご飯。

すごいボリュームでしょ。
これで1200円とは、お値打ちすぎ。

主婦が家庭で作る料理ばかりだが、これが丁寧に調理されていて、やさしい味。
とてもおいしく頂けた。

こちらが店のホームページ。
http://www.cafefutaba.net/


こうやって、仕事の合間を縫って友達とごはんを食べたり、談笑するのは貴重なこと。
言うまでもなく、すごく愉快だ!平日遊ぶというのは今だにウキウキする。
ずっと、弾丸で話していても、まだしゃべりたりないのは、なぜ?

帰宅後すぐ所用にて神戸北区と西宮市内のほうに出掛けなくてはならず、
またいつもの、慌ただしい日常へ。

しかし、友達とのごはんは、
しばしの、開放感!
人を大事にしなきゃあね。

ストレートに食材の風味を生かす、ピュアな味!「Osteria Giulia (オステリア ジュリア)」

2012-08-21 18:18:28 | 兵庫・神戸ごはん

8月19日、日曜日のこと。

晴れわたる夏の空。
深いブルーの地に、
入道雲がふわふわに湧き出ていて、
車で走っている最中にシャッターを切る。
子どもが描く絵日記のようだ。

週末は、おいしいイタリアンを久しぶりに食べた。

子宮全摘出手術後、初めてのコースランチ!

以前は仕事柄、あれほど頻繁にうまいものを食べる機会があったのだが…、
術後2カ月で、まあ仕方ないね。

「Osteria Giulia (オステリア ジュリア)」。

ここは、デパートの3階とは思えないほど、
開放感にあふれていて優雅な気分になれる空間。

四角い木のテーブルと椅子、清潔なテーブルクロス。

働いているスタッフも若い人が多いが、
皆キビキビとよく働き、サービスも届いている。


今回は「2,625円」のランチコースに、白ワインを添えて。

最初に胚芽パンとフォカッチャ。焼きたてで本当にうまい!

さあ、前菜盛り合わせ





トマトを添えたほどよい酸味が爽やかな
「いわしのマリネ、トマトソースを添えて」。

生地の外はサクサク、内は玉子の風味がしっとりと焼き上がった
おいしい「オムレツ」。

白ワインとの相性抜群の「生ハム」や、「パテとバゲット」。
「サーモンのサラダ」などがセットされていて、どれも夏向きのいい味付け。

次のリザーブまでの間、周囲に目を配ると
きれいな浴衣をきた6人の女性グループや
英国紳士の帽子をかぶった男性とその家族。
などなど。買い物の途中に立ち寄ったなどという来店客は少なく、
ここの料理をわざわざ食べに来たといった装いの人たちが多い。

グルメ記事を20年以上書いてきた私が思うに、
いい店にはたいていが
来店客の質(人柄も含めて)が優れている。


家庭画報の撮影ページでもないのに、
どこからこんな品のいい紳士・淑女が集ってきたのだ、
と関心するような方々が、
本当に幸せな表情で食事を召し上がっていらっしゃる。

最近では、梅田の「新太呂」という天ぷら屋とか、
新福島に移転した小さなビストロ「大西亭」、
京都先斗町の「ほっこりや」、
梅田食堂街の「御陵院 香雅」(そば)も、そうだった。
人に教えられる味がある。

2品目は、「ジャガイモのジェノベーゼ、ショートパスタ」で。



くるくるに曲がったパスタに、新鮮なバジルの風味をからませて食べる。
ズッキーニはシャキシャキ。ジャガイモもほくほくでおいしい。

メインは、「若鶏のグリル、グレープフルーツソースをかけて」




皮はパリパリ、内側はしっかりと引き締まった胸肉。
夏向きのグレープフルーツソースが、ほどよく肉と調和し、
食欲をそそり、どんどん食べられる。
最後はビスコッティとコーヒーで。

ここのバール姉妹店である
「ガストロミーア エ バール ジュリエッタ」同様、
ここの料理の特徴は、よけいなものが一切ないピュアな味。
食材の味を丁寧にいかし、味も盛りつけも、直球勝負。
決して肩肘はらず、飾らず、モリモリ食べられるのが
実に気持ちいい店である。