ここ数日は冬の太陽が温かくて、やはりうれしい。
それは紛れもなく、冬の日差しだ。
わが街を埋め尽くす街路樹は、昨日よりも今日、そして明日のほうが身軽になって、
きれいな葉っぱのドレスをパラパラと脱いでいく。
そうして、冬の間にはひとしお、枝や幹の美しさが際立つのだ。
再び京都の洛北に、今年最後の紅葉を見に行った話をまだ書いていなかった。
あっという間にもう12月だー。
ご近所のお友達とふたりで、洛北へ。大人の遠足。
JR京都駅に11時前に到着しようと思えば、結構朝は忙しい。
「この日は少し早めに忘年会と思ってぜひ奮発しましょう!たま~によ、たま~に」ということで、
京都駅三越伊勢丹の「京都和久傳」さんへ。
11時15分。すでにランチの予約者で、ほぼ満席とはやっぱりすごーい!
(店前には行列)
5000円(税別)のコースを予約したので、
眺めのいいカウンターで席を確保でき、本当によかった。目の前には東山。
11時過ぎから日本酒を飲みながら、おいしい割烹料理を堪能できるとは
ナンテ贅沢なことよ。
「和久傳」さんの御料理の醍醐味は、派手さはないが本当によい素材を(もちろん旬の)、
おいしいお出汁でごちそうにしていただけることに尽きると思う。
さりげない上品さかな。野菜の焚き物と椀物がすばらしかった。最後の黒鯛の押し寿司も。
またまた、長くなるので、この報告は次回のお楽しみに書くことにしましょう。
地下鉄「北山」駅から、車では約5分。叡山電車京都精華大下車 徒歩約25分の「圓通寺」へ。
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1678年(延宝6)、霊元天皇の乳母、円光院文英尼公が「妙心寺第10世」の景川宗隆禅師(けいせんそうりゅう)を勧請し創建したという
臨済宗の寺だ。
(ここは京都でライターをしている小春さんに教えてもらった)。
入り口から古寺独得の、凜として張りつめたような澄んだ空気に心奪われる。
まだまだ青苔の残る枯山水の平庭は、
お堂に正座してちょうど目の高さのところで、サザンカなどの生垣をめぐらした深い緑が切れて、
杉・ヒノキの木立を通して「比叡山」が臨める借景式庭園である。
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左右にはそれぞれに、染めあげた紅葉のしっとりとした赤。
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光の当たり具合なのだろうか、同じ紅(朱)でも和&洋のような違いを感じた。
向かって右の紅葉は、西洋的な赤い彩。対して左は本当は紅色なのだった。
ここは静かで、ざわざわとし始める人が誰一人といなくて、
静かにお庭が拝観できて本当によかった。
苔も生垣も、杉、ヒノキ、そして紅葉も。比叡山の「頂き」の借景として存在しているような気すらした。
そして主役はやっぱり悠々とした比叡の山!!
それくらいスッキリしている。なかなか渋い寺だった。
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崇高なものを見ると、普段の雑多が流されていくよう。
土と古木の匂いがした。
そして歩いて20分の「岩倉実相院」に行く。
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ここは一昨年、青モミジの頃に拝観(瑠璃光院とセットで訪れた)。
都のそれとは違い、自然のままの大らかさの残る、山水庭園。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/47/e3a853b169071a11574779a18f2ddccc.jpg)
そして、思いっきり意匠を映した少しアートな佇まいの石庭。借景は比叡山脈。
性格の異なる2つの庭が拝観できて、面白い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/65/1982709705b1cd38b549d4ae7dda9751.jpg)
そして、この彩!!彩、彩!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/c5/e9515c2b72800711d9e6a6bba570b831.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/b9/fa3bcca7554315fb11f0c12aee4c15bd.jpg)
狩野派の襖絵なども、もう少しゆっくり見たかったけれど、さすが紅葉シーズン
喧噪のなかでみる美術品は今ひとつ情感が湧いてこない…。
そこで、滝の間の床板に外の木々が写り込む「床もみじ」(新緑の頃は「床みどり」)と呼ばれる、
黒光する床の神秘をメインで眺めた。
そして、再び。
一両だけの叡山電鉄に乗り込み、ゴトンゴトンと山の町を揺られて、約10分。一乗寺で下車。
ここはやはりいつ来ても、懐かしい。心親しい、小さな町。
テクテクと山のほうに歩いて、「詩仙堂」へ。
友達とお喋りしながらなので、アッという間に着いてしまう。
もう何回目だろうか(4度目くらい)。
詩仙堂は、門前までの石階段の小道がいつ訪れてもいいなーと思う。
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覆い被さるような竹林と、竹で編んだ垣のアプローチ。
やっぱりワクワクする。
そして、名もない小さな草木が、ごく自然に浮かびあがるようにぼんやりと咲いている。
靴をぬいであがると、まるで知り合いのお寺にお邪魔したかのような親しみが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/4d/815cacc88fe3872bb62fcf41621e7e14.jpg)
江戸時代初期の風流人・石川丈山がつくり、実際に暮らした山荘なので、
どことなく生活感が残っているのが好きな理由かもしれない。
ここで隠居せずとも、一乗寺界隈で暮らしたら、朝もやの光に包まれた詩仙堂の庭が見られるんだなーと思う。
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狩野探幽筆の中国の詩家36人の肖像を掲げる詩仙の間。
白砂の唐様庭園には、山に刈り込まれた美しい自然と、手があまり加えらていない野山の緑と。
その境界すらよくわからない。小川が流れる。水の音がする。かきつばたや椿もきれいだった。
草木も茫々として自由、のびやか。熟れた柿がたわわにあった。
瓦屋根や土壁の温かくて、まるみのある陰翳と
朽ちそうな瓦のデザインも。
都風情とはひと味違った錦秋の色がみつかる。
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帰りには、一乗寺中谷でお土産(お豆のケーキ)を買って、
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お友達が調べてくれた「ル・パティシエ オクムラ」にて、〆のお茶を。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/ea/a56d2c264d563445068185f4990cef3c.jpg)
ダージリンを飲んだら、さすがにおいしい。
ケーキもあまりにおいしそうなので、お友達と半分個して2ついただいた。
次回は、圓光寺や「曼殊院門跡」のコースの寺院を巡ったあとで、「パティスリー タンドレス」(金・土・日のみの営業)、
フレンチビストロの「アルザス」、そしてお決まりの、「一乗寺恵文社」をのんびりと訪ねたい。
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