月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

2013ラストの紅葉を観に。「圓通寺」「岩倉実相院」~「詩仙堂」。

2013-12-07 00:28:36 | どこかへ行きたい(日本)


ここ数日は冬の太陽が温かくて、やはりうれしい。
それは紛れもなく、冬の日差しだ。
わが街を埋め尽くす街路樹は、昨日よりも今日、そして明日のほうが身軽になって、
きれいな葉っぱのドレスをパラパラと脱いでいく。

そうして、冬の間にはひとしお、枝や幹の美しさが際立つのだ。


再び京都の洛北に、今年最後の紅葉を見に行った話をまだ書いていなかった。
あっという間にもう12月だー。

ご近所のお友達とふたりで、洛北へ。大人の遠足。

JR京都駅に11時前に到着しようと思えば、結構朝は忙しい。

「この日は少し早めに忘年会と思ってぜひ奮発しましょう!たま~によ、たま~に」ということで、
京都駅三越伊勢丹の「京都和久傳」さんへ。
11時15分。すでにランチの予約者で、ほぼ満席とはやっぱりすごーい!

(店前には行列)

5000円(税別)のコースを予約したので、
眺めのいいカウンターで席を確保でき、本当によかった。目の前には東山。

11時過ぎから日本酒を飲みながら、おいしい割烹料理を堪能できるとは
ナンテ贅沢なことよ。

「和久傳」さんの御料理の醍醐味は、派手さはないが本当によい素材を(もちろん旬の)、
おいしいお出汁でごちそうにしていただけることに尽きると思う。
さりげない上品さかな。野菜の焚き物と椀物がすばらしかった。最後の黒鯛の押し寿司も。

またまた、長くなるので、この報告は次回のお楽しみに書くことにしましょう。


地下鉄「北山」駅から、車では約5分。叡山電車京都精華大下車 徒歩約25分の「圓通寺」へ。



1678年(延宝6)、霊元天皇の乳母、円光院文英尼公が「妙心寺第10世」の景川宗隆禅師(けいせんそうりゅう)を勧請し創建したという
臨済宗の寺だ。
(ここは京都でライターをしている小春さんに教えてもらった)。


入り口から古寺独得の、凜として張りつめたような澄んだ空気に心奪われる。


まだまだ青苔の残る枯山水の平庭は、
お堂に正座してちょうど目の高さのところで、サザンカなどの生垣をめぐらした深い緑が切れて、
杉・ヒノキの木立を通して「比叡山」が臨める借景式庭園である。




左右にはそれぞれに、染めあげた紅葉のしっとりとした赤。











光の当たり具合なのだろうか、同じ紅(朱)でも和&洋のような違いを感じた。
向かって右の紅葉は、西洋的な赤い彩。対して左は本当は紅色なのだった。



ここは静かで、ざわざわとし始める人が誰一人といなくて、
静かにお庭が拝観できて本当によかった。

苔も生垣も、杉、ヒノキ、そして紅葉も。比叡山の「頂き」の借景として存在しているような気すらした。
そして主役はやっぱり悠々とした比叡の山!!
それくらいスッキリしている。なかなか渋い寺だった。






崇高なものを見ると、普段の雑多が流されていくよう。
土と古木の匂いがした。





そして歩いて20分の「岩倉実相院」に行く。



ここは一昨年、青モミジの頃に拝観(瑠璃光院とセットで訪れた)。


都のそれとは違い、自然のままの大らかさの残る、山水庭園。



そして、思いっきり意匠を映した少しアートな佇まいの石庭。借景は比叡山脈。

性格の異なる2つの庭が拝観できて、面白い。




そして、この彩!!彩、彩!!







狩野派の襖絵なども、もう少しゆっくり見たかったけれど、さすが紅葉シーズン
喧噪のなかでみる美術品は今ひとつ情感が湧いてこない…。

そこで、滝の間の床板に外の木々が写り込む「床もみじ」(新緑の頃は「床みどり」)と呼ばれる、
黒光する床の神秘をメインで眺めた。




そして、再び。
一両だけの叡山電鉄に乗り込み、ゴトンゴトンと山の町を揺られて、約10分。一乗寺で下車。



ここはやはりいつ来ても、懐かしい。心親しい、小さな町。
テクテクと山のほうに歩いて、「詩仙堂」へ。
友達とお喋りしながらなので、アッという間に着いてしまう。

もう何回目だろうか(4度目くらい)。

詩仙堂は、門前までの石階段の小道がいつ訪れてもいいなーと思う。





覆い被さるような竹林と、竹で編んだ垣のアプローチ。
やっぱりワクワクする。

そして、名もない小さな草木が、ごく自然に浮かびあがるようにぼんやりと咲いている。

靴をぬいであがると、まるで知り合いのお寺にお邪魔したかのような親しみが。



江戸時代初期の風流人・石川丈山がつくり、実際に暮らした山荘なので、
どことなく生活感が残っているのが好きな理由かもしれない。
ここで隠居せずとも、一乗寺界隈で暮らしたら、朝もやの光に包まれた詩仙堂の庭が見られるんだなーと思う。






狩野探幽筆の中国の詩家36人の肖像を掲げる詩仙の間。
白砂の唐様庭園には、山に刈り込まれた美しい自然と、手があまり加えらていない野山の緑と。
その境界すらよくわからない。小川が流れる。水の音がする。かきつばたや椿もきれいだった。

草木も茫々として自由、のびやか。熟れた柿がたわわにあった。
瓦屋根や土壁の温かくて、まるみのある陰翳と
朽ちそうな瓦のデザインも。
都風情とはひと味違った錦秋の色がみつかる。








帰りには、一乗寺中谷でお土産(お豆のケーキ)を買って、



お友達が調べてくれた「ル・パティシエ オクムラ」にて、〆のお茶を。




ダージリンを飲んだら、さすがにおいしい。

ケーキもあまりにおいしそうなので、お友達と半分個して2ついただいた。



次回は、圓光寺や「曼殊院門跡」のコースの寺院を巡ったあとで、「パティスリー タンドレス」(金・土・日のみの営業)、
フレンチビストロの「アルザス」、そしてお決まりの、「一乗寺恵文社」をのんびりと訪ねたい。


















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