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細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

「困ったことがないから」

2016-01-02 13:03:45 | 教育のこと

年末の12月22日の土木史の授業のレポートの採点を終了しました。

すごいなと感心するレポートも少なくないですが、「はー」とため息をつきたくなるようなレポートも少なくないです。

典型的な例。

「授業の冒頭で読書の重要性を説明してもらった。知識などを得るのは読書だけとは思わない。自分はほとんど読書してこなかった。そのせいで、このように文章を書くのも下手かもしれない。でも、それで困ったことはない。だから、自分は読書のような苦しいものではなく、もっと楽しいことに時間を費やしたい。」

はー。

私の土木史の授業を11回受けてきて、このレベルの感想ですから、今後が心配ですね。私以外に心配してくれる人が現れることもないでしょうが。

あと数回で、私との縁も終わりですから、この方の楽しいことなど私には関係のないことなのですが、人間が育つ環境とは恐ろしいものだと思います。

一言、この方のレポートのこの部分(それで困ったことはない、の部分)には、以下のようにコメントしておきました。

「仕事をしていないからでしょうね。私が雇うのであれば、間違いなく、日本語を適切に使える人を選びます。」

困ってから焦っても何も身に付かない。想像する力、備える力、に尽きます。

今日の午後からは、奥さんの実家で過ごしますが、年末年始の休暇の仕上げの読書、勉強、仕事グッズも持参です。