goo blog サービス終了のお知らせ 

細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

第5ターム

2022-08-13 12:43:48 | 人生論

昨年、2021年4月のこのブログのエッセーで「年男」というものを書きました。12年サイクルで人生を振り返ると、そのときに4つ目のサイクルを終えようとしているタイミングでした。

そのエッセーの中では、4つ目のサイクル(36歳から48歳まで)を「プロとして研鑽を積んだ時期」と総括していました。

現在は、5つ目のサイクルがスタートして1年4ヵ月が経過したところです。自分の人生がこの先どうなるかは分かりませんが、おそらくこの第5タームが、自分がプロとして最も力を発揮する期間になるのだろうと予感はしています。もしくは、そうなるように努力したいと強く思っています。

その先の第6、第7タームはあるのかも分かりませんが、健康で、周囲に貢献できるように生きたいと思っています。

研究が自分の仕事の重要な部分ではもちろんありますが、自分自身に「いわゆる研究的な能力」が十分備わっていないというコンプレックスを抱えて研究者人生をスタートしました。私は正直な人間ですし、事実を素直に見るという性格でもあるので、机上の論よりは実現象を虚心坦懐に見つめるというやり方で研究に取り組んできました。愚直に誠実に続けることしかできませんが、様々な方々と連携させていただきながら、多くの研究プロジェクトに携わってきました。

私の力不足で大した成果が出なかった研究も少なくありませんが、すべての研究活動から、多くのことを学ばせていただき、それらをフィードバックして、少しでも良い研究ができるように努力はしてきました。

8月1日に、二人の指導留学生の博士論文の最終審査が行われ、無事に審査を終了しました。ベトナムのNgocさんと、エチオピアのAddisuさんです。この二人で、私が主査を務めた博士号は13人となります。博士論文の研究は、どの研究においても、指導学生との数えきれない打ち合わせを重ね、困難を少しずつ乗り越え、ともに悩み、ともに喜び、ともに笑い、時にはブレイクスルーがあり、掲げた目標を達成してきました。これからも数多くの方々と博士論文にチャレンジしていくと思いますが、どんな研究に取り組んでいくのか、楽しみと少しの不安とが入り混じった気持ちです。

研究にはいろんなやり方があるのでしょうが、いろんな方々と多角的に議論しながら進める研究が私は好きです。人間は知識にも限りがあるし、簡単に間違いも犯すので、多角的な議論で内容をブラッシュアップしていく過程を経験し、私は強い魅力を感じるようになりました。現在、そのような研究にいくつも関わることができることを幸せに思います。

また、私の研究室でテーマ設定をして実践していく研究以外にも、自然災害ミチゲーション研究拠点の拠点長として、様々な研究プロジェクトをマネジメントしていく立場に就いています。まだまだ模索している最中ですが、これも大変に魅力的な役割と感じています。私自身もでき得るアクションを取っているつもりですが、他のプレーヤーの方々も前向きに、知恵を絞ってくださるので、すでに様々な連鎖が生じてきており、今後の発展が大変に楽しみです。

研究は先が見えないこともあるので不安に感じることもありますが、やはりポジティブに、ワクワクしながら取り組む方が、予想もしない連鎖を生み出すように感じています。

第5タームの序盤、あと半年ちょっとで50歳となります。天命を知る、と言われる年です。そこから10年間、あっという間かと思いますが、第5タームが終わると還暦です。山あり谷ありの時間になると思いますが、自分のポテンシャルをしっかりと発揮できるよう、心技体の充実に努めます。


仕事の能力

2022-08-06 20:39:56 | 人生論

8月に入りました。本日も土木学会示方書施工編の改訂の幹事会で、岡山大学での会議のための日帰り出張です。
明日の日曜日は今度は四ツ谷で、これも施工編改訂の幹事会で終日会議。。。

2週連続で土日が休みでなく、平日も休みなど取れませんので、疲れが蓄積しているのが明らかです。。。
この間、7月26日夜には、西武新宿線東村山駅の高架化工事の夜間コンクリート打込み視察、7月30日には炎暑の中の暑中コンクリート実機打込み実験、も無事に終了し、何とか乗り切ってきております。

この先も9月中旬ごろまで、すでに仕事で埋まっている土日もかなりあり、上手に乗り切れますように。。。

所属組織の土木の主任教授の2年の任期が2022年3月で終わったので、少し楽になるかな、と思っていましたが、逆に明らかに忙しくなりました。いろいろと理由はあると思いますが、
・上記の示方書施工編の改訂作業が佳境に入ってきたので、対面・オンラインの会議が非常に増えたこと
・自然災害ミチゲーション研究拠点の拠点長としての仕事が相当に増えたこと

が主たる理由かと思います。4月から留学生プログラムのディレクターに着任したため、この仕事の負荷も軽くはないのですが、こちらはスタッフが充実しているので、しっかりと支えられて仕事させていただいております。

仕事の能力は、実際に仕事をすることで培われます。

結局は、それぞれの仕事をやり切らないと、仕事を遂行する能力が身に付かないのは当然なのですが、まずはそれぞれの仕事に着手できるように自分のレベルを向上させておく必要もあります。

昨年度までの主任教授の仕事もそう。終わってしまえば、やり方も身に付いていますが、着手する前は不安に思ったこともありました。30代の特に前半は、自分の仕事だけでも精一杯なのに、とても土木工学教室全体のマネジメントなどできないなー、といずれやってくるであろう業務に漠然と不安を感じていました。

留学生プログラムの仕事もそう。実は、30代の前半のときに、留学生プログラムの仕事に携わってほしい、とシニアの先生に緩めにお願いされましたが、結局、ほとんどお役に立てませんでした。具体的に仕事を任されなかったことも理由かとは思いますが、やはり私の力不足でした。今は、49歳となり、留学生プログラムのディレクターをそれなりにこなしています。

示方書の改訂の仕事もそう。学生のころ、育った研究室の先生方(岡村先生ら)から、示方書にまつわる話は幾度となく聞いてきました。学生の身で示方書の施工編も読んではみましたが、とにかく詰まらない。今は、改訂作業に相当にディープに関わっているので、肝の部分が分かってきているので、ようやく面白さが分かってきたかな、という状況。まあ、今回の改訂に限らず、今後もしばらくは関わるでしょうから、ようやくプロとして仕事ができるレベルに向上してきた、ということでしょうか。

いろいろな仕事をさせていただけることをありがたく思う気持ちは強くなっています。重たい仕事も誰かがやらなくてはならないし、重たい仕事ほど、誰でもできるものでもありません。未熟な人間なりに努力とともに日々を重ねてきて、それらの仕事を任せていただける状況に立っている、とありがたく捉えるようになっています。仕事を通じて直接貢献すること、仕事の能力を身に付けて後進にアドバイスすること、などなど、この年代の役割をしっかり果たせるよう、努力を重ねます。

明日の日曜日は、大学はオンラインのオープンキャンパスを開催するので、私も昼休みに模擬講義を30分ほど提供します。「土木と、国の発展・エネルギー・環境問題について考える」というタイトルにしました。示方書の会議ですが、12:30~13:00の間は、四ツ谷の主婦会館で別の会議室を借りて、オンラインで高校生たちに模擬講義を提供します。楽しみ。

これだけ忙しいと、心身の調子が崩れると破綻するので、暇があればスーパー銭湯でくつろぐ、睡眠は削らない、毎朝体操するなど、健康にはかなり配慮しています。

断酒も本日で123日目。4か月経過しました。。。


習慣

2022-07-10 19:44:19 | 人生論

新年度も3ヶ月が過ぎ、7月の初旬も終わろうとしています。6月下旬からとんでもない猛暑になり、一気に梅雨も明け、体調を崩している方も少なくないと思います。私も、暑さで体調を崩さないよう、休養も十分に取りつつ日常に全力投球している状況です。

今日は夕食後に、約8kmのジョギング。有栖川宮公園までの往復ジョギングで、日没の時間を挟んだ時間帯でしたが、それでも暑く、なかなかの負荷でした。

日曜日の夕食後にジョギングをする、など以前では考えられず、今日のようなスケジュールであれば、ほぼ間違いなく日中からお酒を飲んでいたことでしょう。。。

ジョギング自体は久しぶりで、約1か月ぶりでした。この間は、水泳が5回、通勤等を活用したウォーキングが主な運動でした。暑い中で、運動のやり方も自分なりに工夫しています。

飲酒をやめてから96日目となりました。もはや止めている状態が普通で、飲みたいと思うこともほぼ皆無。時々、「あー、以前だったらこういうタイミングで間違いなく飲んでいたなあ」と思うことはありますが、飲酒欲とは違うように思います。懇親会にもそれなりの数、出席しましたが、ノンアルコールで楽しく時間を過ごしています。

体重の減少も落ち着いたようで、6月の頭から、63kg辺りが中央値のようです。結構しっかり食べて、しっかり運動もしているので、健康的な適正体重のようです。腹筋が少しずつ割れてきました。。。



人間は習慣で形作られますが、習慣となるまで3ヶ月くらいかかる、と聞いたことがあります。

お酒を飲まない生活も3ヶ月以上となりました。お酒をやめてから、朝食も変化し、基本的に白米をたっぷり食べる朝食になりました。ほぼ毎朝、たっぷりの白米に、生卵、卵かけご飯専用のかつお節としょう油、その上に納豆です。毎日食べても飽きることなく、炊き立ての白米で食べるこの朝食で、朝からパワー全開、を感じます。

お酒を止めてからの毎朝、体操も行っています。朝の体操は38歳のときに始めたのでもう10年以上の習慣ですが、4月6日にお酒をやめてからは、出張の日も含めて一日も欠かさずに朝の体操を続けています。柔軟体操もほぼ毎日行っています。お酒をたくさん飲んだ翌朝は面倒くさくて体操をしなかったときもあったので、体操が毎日続いているのもお酒を止めた効果の一つ、ということでしょうか。

4月からの年度の前半のこの時期は、私の場合は繁忙期ではないのですが(10月からの後半が圧倒的に繁忙)、今年は忙しい感覚で、一緒に業務をする事務スタッフからも「忙しそう」とよく言われます。

自然災害ミチゲーション研究拠点長としての役割がかなり増えたこと、留学生業務のディレクターの仕事、土木学会コンクリート標準示方書の施工編の改訂作業が佳境に入ってきたこと、などが忙しさが増した主な理由と思っています。

上記の理由以外にも、仕事に対するアクティブさが増したため、仕事量全体が増えていることも理由かと思います。

平日は、4時半ごろの起床、子供たちのお弁当箱洗い+お弁当作り、自身の食事+体操+柔軟体操+入浴+身支度、でスタートして、詰まった日中のスケジュールをこなして終わり。休日にも仕事が入る頻度が例年よりかなり多く、少なくとも今年、来年はこのような生活が続くと覚悟しています。

定常的な仕事を安定してこなすことは当然のことで、クリエイティブな成果を増やしていけるよう、指導学生や周囲の方々とも上手に連携して、チャレンジしていきたいと思います。そのためにも、安定した基礎が大事だと思っています。

9月初旬には久しぶりの海外出張(ベトナム)も入りました。7月後半には、2泊3日の山口+熊本+鞆の浦の出張を組みましたが、対面で私の好きな方々とお仕事できるのを心から楽しみにしています。

特別なことをする、のではなく、あくまで日常。習慣の積み重ねでしか何事も成し遂げられないと思ってますので、改めて、日々を誠実に生きたいと思います。

【追記】
電車の吊り広告で目に入り、買ってしまった本なのですが、「1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書」という本があり、寝る前に時々読んでいます。誰もがよく知る有名な方や、初めて知るけれどその考え方に共鳴する人など、いろんな生き方があり、楽しく読んでいます。

このエッセーを書いた夜に、この本を読んでいて、イチローの話や、新体操で活躍した山崎さんの話も出てきました。イチローが「ルーティン」を大切にする人であることは有名ですが、「普段の自分であること」が大舞台であるほど重要だし、大舞台において調子が良くないと感じるときに普段の食事などのせいにしたくない、という気持ちからだそうです。

特別なことをしようと思ったって、自分にできることというのは普段の自分ができること。得心して寝ました。




無目的の志向

2022-06-23 17:32:27 | 人生論

普段はどうしても、目的をきちんと持つことが大切、というような考え方をしがちです。

男性の方が目的志向が強いようにも感じます。いわゆるウィンドウショッピングを好きな女性は多いようですが、男性は買うものを決めて出発し、時間をかけずに買う方が好きな人が多いのではとも思います。

研究を指導する場合においても、目的をしっかり持つことは重要であると私は思いますし、研究プロジェクト自体の目的を明確に意識することや、月単位、週単位などの小さい目標をしっかり設定することも重要である、と指導もしています。

一方で、人生に目的などあるのでしょうか。

生まれてきた意味もきっとあるのでしょうし、人類という種や、私の場合は日本人、が続いていくことに貢献すること、が目的なのだろうとは思います。

先週の金曜日、6月17日(金)は、土木学会の「ことばの講座」に生徒として参加しました。普段から親しくしている有馬 優さんが先生です。私も日常から言語や言葉にはそれなりに関心を持って生きてはいますが、話しことばのプロから基礎を教えてもらう時間は、非常に心地よい時間でした。私なりにこの講座に対する目的もあるのでしょうが、純粋に心地よい時間でした。

ことばの講座の後、先生の有馬さんや受講生たちで少しお茶をした後、ジムで1500m泳ぎました。ここのところ週末もほとんど仕事が入っており、疲れも溜まっているように感じ、泳ぎ始めはややぎこちなかったのですが、だんだんと体もほぐれてきて、中盤から終盤は快適に泳げました。目的も何も無く、無心でただ泳いでいる状態が気持ちよい、という私の好きな状態でした。

明確な目的を設定していなくても、ただ楽しい、ただ心地よい、という時間はとても幸せな時間です。

研究の打ち合わせやら、ジョギングしているとき、通勤でたくさんの階段を上っているとき、防災研究拠点の業務の打ち合わせをしているとき、読みたくて本を読んでいるとき、あまり追い立てられずに早朝にお弁当を作っているとき、どんな時間であっても、「ただ楽しい、ただ心地よい」と感じることは可能で、そうであるとストレスもあまり感じず、その時間が終わったときの充実感も高いと感じます。

全く無目的に日々を生きる、ということは難しいと私は感じますが、自分で勝手に設定した目的に縛られることなくリラックスした状態で過ごす、ということには魅力を感じます。

50歳を目前にした49歳の、生活習慣を大幅に改善して3か月近く経過した段階での心境です。


区切る

2022-06-05 14:59:29 | 人生論

6月に入りました。若いころは梅雨のジメジメした雰囲気が好きではなく、あまり好きな月ではありませんでしたが、今は気温も高く、かつ暑過ぎず、植物も生い茂る生命力を感じる時期で、比較的好きな月になってきています。アジサイが好きなので、通勤、散歩でたくさんのアジサイを愛でるのを楽しみにしていますし、時間を見つけて素敵なところに遠出もしたいな、と思っています。

5月は自分でも発奮していたのでしょう、一日の平均歩数も13,000歩を超え、少し肩に力も入っていたように感じます。アクティブに活動するのはよいのですが、会議などで「少し強く言い過ぎたかな」などと後で少し反省したことも数回あったように記憶しています。

その5月も当然終わります。1か月という区切りがあるのはありがたいです。肩に力の入った5月も終わり、一区切りです。何事も、終わりがあるから、その時間を大事にできるのでしょうね。

5月は途中からひと月の平均歩数が13,000を超えられそうだったので、とにかくよく歩くようにしました。自然に13,000歩くらいを超える日もありますが、多少無理をして歩数を稼ぐような日ももちろんありました。自分の目標に縛られてしまっているわけです。

一区切りしたので、その目標からも解放され、6月は歩数の目標は特に設けず、あるがままで行こうと思っています。

本日の日曜日は、6月で初めてのジムの日で、往復のロードバイク10km、Runは6.11km、水泳は1200mでした。2か月前に久しぶりにジム通いを再開したことろ比べると、体力は相当に向上しており、Runの時速もかなり異なります。今日は、走り始めて1分後に11.5km/hに設定し、そのまま20分まで走りました。11.5km/hは今の自分には心地よいスピードです。20分後から12km/hにし、25分からは徐々にスピードを上げ、今日の最終盤は15.0km/hまで上げました。

11.5km/hで20分まで走る、というのは今日の私には少し楽な設定で、5月21日(土)の同じ時間(30分Run+2分クールダウン)でのRun 6.32kmに比べると、少しだけ緩めの設定でした。少しの差ですが、この差が私には結構大きく、設定を少し上げるだけで体への負荷はかなり大きくなり、運動後の疲労感も大きくなります。

5月で区切ったので、6月はスポーツも少し負荷を落とし、心地よいレベルを楽しむ、という方針にしました。というわけで、水泳も1200mで終了。

運動終了後に13時ごろという時刻だったので、ロードバイクで帰る途中に、「麵屋武蔵」があり、そこで味噌ラーメンを食しました。自家製の「レモンスカッシュ」なるものもあり、大変おいしく昼食をいただきました。

5月はスポーツも仕事も、全体的に肩に力が入っていたように感じていますが、6月は仕事も少し肩の力を抜いて、リラックスしたモードで、その代わり視野を広く、バランスよく取り組んでみようかな、と思っています。

5月に、研究の様々な種まきをしたつもりですが、まいた種が発芽し始めるものもあるので、それらをしっかり育てていくことも6月の大事な活動になります。

今年度は、昨年度までに比べて、論文、原稿などの執筆活動も活性化したいと強く思っていますが、6月もそのことを強く意識して、積極的にそのための時間を創り出したいと思っています。ブログもその一環です。


2022年のGW

2022-05-02 10:45:08 | 人生論

2022年のGW真っ只中、です。本日は平日なので、午後に少し大学に出勤して、3件ほど対面で打ち合わせをします。

新年度の4月があっという間に終わりました。まさにあっという間、という感覚でした。

4月6日から断酒を開始し、予想・期待はしていましたが、徐々に体調や精神状態が上向き、体重も減り、運動の量も3月までと比べると飛躍的に増えました。断酒前と比べると活動量が大幅に増えました。

これまでに無いほど、GWが来るのが待ち遠しく、充実した期間を過ごそうとワクワクして迎えましたが、最初の3連休が終了し、本日は中休み的な平日の月曜日です。

休みの日も朝早く目覚めるので、早朝から活動しています。
4/29(金)と5/1(日)は、どちらも朝8:30からのスポーツジムの開館時間前に到着するようにロードバイクで片道5km強、往復10.5km。マシンでのRunも断酒後5回目のジム(5/1)で、近年の全盛期のパフォーマンスに近い、30分で6km程度、走れるようになってきました。両日とも水泳1200mで全身運動も行って、ロードバイクで帰宅。特にRunにおいては結構な負荷をかけていますので、負荷そのものや負荷を乗り越えた状態を心地よいと思えるのがRunの魅力。また、4/9に久しぶりにジムに行ったときは、自転車の手入れなどの準備も含め、「面倒くさい」と思う気持ちがあったのですが、もはやそのような気持ちも全く無くなり、様々なアクションを取るときに必要な「活性化エネルギー」が小さくなった印象です。結果、スポーツに限らず、様々なアクションを身軽に取れるようになりました。

この両日は、博士論文の予備審査を5/9(月)に控えたAddisu君の論文原稿の添削も行いました。また、4月末が締め切りであった共同研究の報告書のブラッシュアップも行い、初版を提出しました。

5/1(日)の午後はリラックスするため、スーパー銭湯であかすり・リンパドレナージュ。昼食に今年初の冷やし中華、夕食は特製お好み焼きを家族に振舞いました。

3連休中日の4/30(土)はコンクリート標準示方書の改訂小委員会の運営部会。市ヶ谷で9:00~18:00の会議でした。以前だと集中力も切れていたかもしれませんが、体調も気力もバッチリなので、最後の方まで集中して議論に参加し、私が発言すべきと思う箇所ではしっかり発言もいたしました。示方書改訂という重要な業務に中核的に関わることができ、勉強もさせていただいているので、ありがたく思える気持ちも、断酒前よりはるかに大きくなりました。。。

というわけで、三連休は早朝から活発に活動し、仕事もたっぷりこなした感じなのですが、これがちょうど心地よい感じです。岡村甫先生にご紹介いただいた直木賞受賞作の「黒牢城」も大変面白く読み進めており、本日あと少しで読了。4/27に高知に岡村先生をご訪問した際にさらにご紹介いただいた、北方謙三のチンギス紀、三国志のそれぞれ1巻も手元に届いており、歴史小説にはしばらく不自由しないと思われます。。。

本日の平日を挟んで、明日からまた連休が始まりますが、

明日の5/3からは、私からの誘いにより、一泊で、私の両親と妹と私の4人で(私には弟もいるのですが、今回は4人で)、嬬恋村に旅行に行くことにしました。長野原草津口からレンタカーで移動しますが、混雑状況にもよりますが八ッ場ダムにも行ってみようかと思います。実は草津温泉に泊まろうと思っていたのですが、予約の手配をするのがギリギリになり、草津温泉は宿が取れず。特急列車とレンタカーの手配は済ませてしまっていたので、行先を嬬恋村に変更しました。検索してみると、宿泊先の近くに石樋の滝などの散策コースもいろいろとあるようなので、ゆったりとした時間を過ごしたいと思います。

2022年のGW期間は自分の中でこれまでに無いくらい充実させたいと本日時点でも変わらず思っており、スポーツ、仕事、勉強、研究指導、家族とのレクリエーション、家族サービス、趣味、快眠、と自分にとってバランスよい時間を過ごしたいと思います。


見直すこと

2022-04-27 05:59:41 | 人生論

あまり他人のことは批判、非難しないように、特に個人のことはそうしないように、と思っていますので、あくまで一般論として。

人間はもちろん自分自身の考えというのを持って生きているわけですが、その考えや、考え方も、生まれてからの教育や周囲からの影響を受けて出来上がってきているわけです。そして、もちろん自分自身ではそれらが正しい、と思っている人がほとんどかと思います。

私自身も、家庭や教育、周囲からの様々な影響で自分自身の考え、考え方を構築してきました。私は自分自身を比較的柔軟なタイプと思っており、一つの考え方に固執することもありませんし、間違っていたら間違っていたと認めます。考え方を改めたことも何度もあります。

書物、動画、ラジオ、直接の教えなどを通じていろんな方の影響を受けてきましたが、近年では、武田邦彦先生の考え方からも多くを学ばせていただいています。書物、ネットの番組、音声でのブログなど、様々な媒体で情報発信しておられるので、ご興味のある方はぜひどうぞ。武田邦彦の「ホントの話」というネットの番組がお薦めです。

コロナ、ワクチン、あまりにも長引くデフレ、エネルギー問題、ウクライナのこと、などなど、世の中には「正しい」情報を入手するのが必ずしも容易でない重要な問題が山ほどあります。

いつまで毎年数兆円以上(毎年、ですよ!)も、温暖化対策なるものに注ぎ続けるのか。もっと大切な投資すべき事項が山ほどある課題先進国なのに。過去もずっと数兆円以上(毎年)注ぎ続けてきましたが、何か変化があったのでしょうか?様々な国に追い越されて行っていますが、その状況を反省しないのでしょうか?

現実を直視し、おかしいな、と思ったら見直すことが大事です。考えや考え方に間違いがあるかもしれない、と思うことが大事かと思います。

ある土木分野の大先生は、「芸者と学者はお呼びがかからなくなったらおしまい」と冗談めかしておっしゃいました。

学生に人気があるから良い、などとは言いませんが、教員が学生から人気がない、ということは何らかの問題がある、ということです。大学や大学院の研究活動は、理系の場合は教員(研究者)、学生が連携して(外部の共同研究者も参画することも多々ある)行うことが多いですが、教員がひとりよがりになっていないか。学生は教員の小間使い、ではありません。教員がそう思っていないつもりでも、学生や子どもたち、というのは敏感です。学生にとっては、大事なのは自分です。教員がどれだけ力を入れている研究であろうと、学生にとっては教員の研究などどうでもよいのです。所詮、他人ですからね。自分が成長できる環境を求めて大学や大学院で学んでいるのです。

子どもたちも残酷です。つまらない授業であれば誰も聞きません。私も何度も小中学校で防災授業などをやっていますが、特に小学校では最大級のエネルギーで臨むようにしてきました。

とにかくどんな事象についても、現実をよく観察することが重要かと思います。おかしければ、見直す勇気や、柔軟性を持つこと。

頑なであること、頑固であることもよい場合もあるとは思いますが、これだけ変化の激しい時代においては、害になることも多々あるように思います。

自戒もこめて、書いておきました。


中距離走

2022-04-24 17:32:33 | 人生論

私が悩んだときに助けを求める先の一つである、大愚和尚さんの説話に、「人生は中距離走」というテーマでのものがありました。

人生は短距離走でも長距離走でもなく、中距離走と考えるのがよい、という教えでした。

大愚和尚のことを知ったのは、コロナ禍が始まってからだと思いますが、動画だけでなく、本も数冊購入して愛読しました。

実際に走る中距離走が心地よいのは、大愚和尚を知る前から、ジムで30分間のRunをしているときに感じていました。マシンでのRunなので、速度も調節できます。30分を最初から全力ではとても持ちません。私の場合は、時速10.5kmとか11kmくらいでスタートし、途中で少し苦しい時もありますが、そのうち慣れ、後半に少しずつスピードを上げ、最後の5分くらいはどんどんスピードを上げ、時速13kmとか13.5kmくらいでゴールにたどり着く、という走り方をします。音楽を聴きながら走ると、高揚感とともにゴールします。

人生においても、中距離走を重ねていくのが、高いパフォーマンスを発揮し続けるコツである、と大愚和尚さんは言います。

断酒前は、このような中距離走的な生活を送ることが十分にできておらず、パフォーマンスの質が落ちてきていることを自分自身感じていました。

毎年10月から始まって2月末まで5か月間くらい続く、私の毎年の繁忙期ですが、ただでさえ忙しいので、4~5回くらいは放っておいても仕事のピークがやってきます。毎日お酒を飲んでいたので、仕事のストレスをお酒でごまかして乗り切ってきた、というのが正直なところかと思います。

断酒してもうすぐ3週間になりますが、有効に使える時間が明らかに増えています。頭を使いたくて使う時間が明らかに増え、通勤中や家事などをしているときにも、仕事をクリエイティブに進めていくための思考などをするようになっています(本来は当たり前ですよね!)。

読書の意欲も高まり、いろいろと並行して読んでいます。今日読み始めたのは、師匠の岡村甫先生に薦められた「黒牢城」(米澤穂信 著、直木賞受賞作)です。「信長に叛逆した荒木村重と 囚われの黒田官兵衛 二人の推理が歴史を動かす」と帯に紹介されています。大変読みやすく引き込まれており、私自身あまり詳しくない黒田官兵衛についても学べそうで楽しみです。 

断酒前の生活について、「時間がもったいなかったなあ」という気持ちもありますが、すべて含めて私の時間であり、私の人生です。

お酒に飲まれていたような時間を過ごしたからこそ?、今の有意義な時間の価値も分かると言えるかもしれません。

お酒のことに限らず、世の中にはいろんな人がいるのであって、いろんな人の考え方や気持ちを理解することも必要だったり、大切だったりするようにも思います。

お酒に飲まれていた時間を過ごしてしまったことは仕方ないので、それからすらも何かを学べばよい、と今は心から思っています。

来週は、27日に高知へ出張し、岡村甫先生、大内雅博先生とお会いします。高知へは、長岡技術科学大学の下村匠先生と一緒に訪れます。たくさんの情報交換ができそうで、大変に楽しみにしています。

GWも近いですが、今年はこれまでになく楽しみで、私の指導する博士課程の留学生の予備審査が5月に2件あるので、彼らの博士論文草稿の添削や、発表練習なども含め、仕事に、勉学に、家族とのレクリエーションに、スポーツや読書などの趣味に、充実した時間を過ごしたいと心底思っています。


新年度、新生

2022-04-23 13:23:09 | 人生論

2022年度が始まり、早3週間が経ちました。その間、毎年恒例の誕生日を迎え、49歳になりました。

4月6日から断酒しました。いろいろと思うところがあり、断酒に踏み切りましたが、これについてはこのエッセーの後半に少し書こうと思います。断酒を始めてから本日で18日目で、体調は極めてよく、スポーツも活発に行っており、体も引き締まってきました。仕事への意欲も高まり、趣味や日常の活動も活発になり、メリットばかりを感じています。

さて、昨年度まで2年間、土木工学教室(学部・大学院を含む土木系の教育組織)の主任教授を務めました。大きなトラブルもなく、無事に2年間を務めあげることが一応でき、ホッとしています。コロナ禍ともろ被りの2年間だったので、本来であればもっとアクティブにできたかもしれませんが、様々な制約条件が存在したため、とにかくつつがなく進行するように、と途中からは割り切りました。

この2年間は、土木工学教室では多くの人事が行われ、昇任人事や新規採用など、これまで私が在籍した18年半の中で、最も活発に人事が行われた2年間であったと思います。良い人材(人財)が組織を良くしますので、人事の仕事は書類仕事がかなり多いのですが、主任教授の重要な任務と思い、こなしてきました。

2021年度には、「自然災害ミチゲーション研究拠点」の拠点長を勝地先生から引き継ぎ、この研究拠点を機能強化して、防災・減災の観点で、大学内で縦横無尽の連携を生み出し、神奈川県や横浜市などの自治体や、鉄道、道路等の事業者と積極的に連携していく方針を打ち出しました。自然災害ミチゲーション研究拠点は、2022年度からかなり活発に活動していくことを期待されており、拠点長として私のやるべきことは相当多岐に渡る、と認識しています。

2年間の教室主任を終え、今年度からは、土木FSOのディレクターに就任しました。FSOとは、留学生のための事務組織です。YNUの土木は、相当に活発に留学生教育を展開してきておりますので、そのディレクターは責任も重大です。前川宏一先生からディレクターを引き継がせていただきました。まだまだ駆け出しですが、先輩方が紡いで発展させてきたYNUの留学生教育がさらに充実した内容で継続していくよう、私にできることを、FSOの優秀なスタッフたちと実践していきたいと思います。

というように、今年度から心機一転!という状況ではあるのですが、コロナ禍の影響も少なくないと思っていますが、お酒を飲む量が以前より相当に増えてしまい、自分で適切にコントロールできていないと認識するに至りました。

楽しく飲むときももちろんあるのですが、飲むことで自己嫌悪に陥ったり、足の筋肉が硬く張りを感じたり、様々なことに対する意欲が減退したり、と「これはまずい」という状況であると自分で認識しました。

というわけで、4月6日の0時から断酒しました(その直前まで飲んでました。。。)。

(ここからは、断酒に関する内容なので、お酒好きの方は読み飛ばしてください。。。)

まずは、断酒しよう、と思い立ち、Youtubeでいくつかの動画を見て、「やっぱり断酒しよう」と決意し、4月6日から開始しました。細かい経緯は別のエッセーで書くことにして、「断酒したことを周囲に知らせるのがよい」という情報があったので、家族、母等に早速知らせ、皆、応援してくれる、ということになりました。

自身ではアルコール依存症、と認識していたので、いろいろと勉強しました。断酒を開始してから数日は、「お酒を飲みたいなあ」という気持ちもあったり、精神的に少し不安定になったり、という時間もありましたが、数日が経過して以降は飲酒欲も低減しました。スポーツも活発に行い、ジムへ行くロードバイク・30分Run・水泳のトライアスロン3点セットも復活し、それ以外にもジョギングしたり、毎朝の体操・柔軟体操ももちろん継続し、体が明らかに引き締まってきました。

中学生になった次女が6時40分に家を出発するので、長女・次女と私のお弁当を作るために、平日は4時半起床になりました。もちろん早く寝ますが、断酒したこともあり、睡眠の質も向上し、早朝から活発に活動する生活リズムになり、仕事や生活全般への意欲がだんだんと高まってくるのを感じていました。

30代前半にも一度、断酒をしたことがあるのですが、そのときに読んだ、アレン・カーの「禁酒セラピー」をもう一度読み、今回の断酒の勉強が一応完成しました。この本を読むと、我慢して断酒する、ではなく、「断酒して良かった!」と日々思えるのが素晴らしいです。私もお酒の罠にはまった、と理解していますが、自分でコントロールしてお酒を飲んでいる(つもりの)人も、重度なアルコール依存症の人も、実は紙一重であって、お酒を飲んでいる誰もが実はお酒の罠にはまっている、というのがアレン・カーの主張です。この本の主張に従えば、私の程度のアルコール依存症の状態で自覚し、断酒すると決意し、今のところ断酒できている、というのは見方を変えればラッキーだったのかもしれません。

さて、アレン・カーの本によれば、断酒をしても、これまでと生活のスタイルを変える必要はない、とのこと。懇親会にもどんどん出なさい、とのことです。もちろんアルコールなしで。これまでアルコールとセットで考えていた様々な機会(懇親会、結婚式、お祝い会などさまざま)において、実はアルコールは必要ではなかった、と一つ一つ、アルコールとそれらの機会のつながりを切り離していくプロセスを楽しみなさい、と書いてあります。というわけで、これからも変わらず懇親会には出て、クリエイティブな会話を楽しみたいと思います。みんながぐでんぐでんになってくる2次会はパスするかもしれません。

(断酒に関する記述終わり)

というわけで、新年度は、新生した気分でスタートしています。この1年、自分のエネルギーや情熱をつぎ込むべきことが仕事にもいろいろとあります。これまでアルコールで逃げていた、とも言えるので、自分本来のエネルギーや情熱を燃やして、教育、研究、趣味、家事等に全力を注ぎたいと思っています。

研究室に新しく入ってきた卒論生も、たくさんの学生が私の研究テーマを希望してくれているので、面白い研究をぐいぐい推進できるよう、学生たちと頑張りたいと思います!


土木スーパースター列伝 津田 永忠(つだ ながただ)

2021-12-30 10:36:20 | 人生論

土木学会Web情報誌のfromDOBOKUの連載、土木スーパースター列伝において、津田永忠の原稿を依頼されました。

編集により原型をとどめないものに変わると思われるので、初稿をブログに遺しておきます。。。

++++++++++

津田永忠(つだ ながただ)

皆さん,津田永忠(1640~1707)を知っていますか?岡山藩で池田光政公・綱政公に仕えて「豊かな岡山」の基盤をつくった,ぜひぜひ知ってほしい土木の英傑なのですが,かくいう私も2015年9月に土木学会の特別講演で初めて知りました。閑谷学校という有名な建築物や,日本三名園の後楽園も出てきますので,お楽しみに~。

まず,津田永忠に関する本を紹介させてください。

土木学会の第98代会長を務められた岡山大学名誉教授の阪田憲次先生が,読書好きな私に以下の2冊の本を贈呈してくださいました。阪田先生ご自身の蔵書です。

(1) 「閑谷の日日」(松本幸子 著,新人物往来社)

(2) 「岡山藩郡代 津田永忠」(柴田 一 著,山陽新聞社)

(1)は小説で,妻である市の目から見た忠像が描かれています。若いころに小説家を目指し,卓越した文章を書かれる阪田先生が私にお薦めしてくれました。刃物のように鋭利な頭脳と卓越した行動力を持つ永忠の人間味にも触れられており,とても味わい深い短編小説でした。(2)は上下巻の本格的な津田永忠伝です。

2018年の年明けに,阪田先生と私の仲間たちとで閑谷学校を訪れました。きりっと身が引き締まる寒さの中,荘厳なたたずまいの閑谷学校を散策し,1年をしっかり生きようという気持ちがみなぎったのを覚えています。


閑谷学校の講堂の前で。阪田憲次先生(左端)と筆者(右端)(2018年1月6日)


閑谷学校の講堂。塵一つない床が印象的。

阪田先生は2021年11月2日に,ご闘病の末,お亡くなりになりました。東日本大震災の発災時の土木学会会長であり,学会の調査団の一員として私も1週間,東北を同行させていただき,晩年とてもかわいがっていただきました。ご冥福をお祈りいたします。このタイミングで津田永忠についての執筆をさせていただくのもご縁と思い,図書紹介もかねて紹介させていただきました。

閑谷学校は,永忠が尊敬した池田光政公の教育への強い思いを祀り続けるため,技術の粋を尽くして建造された学問所でした。講堂は防水・排水に徹底的な配慮がなされました。屋根には備前焼の本瓦が乗せられ,一般的な瓦の葺き方とは異なり,壁土を使わないので,年月とともに風化する壁土が落ちることはなく,床の輝きが保たれるそうです。

学校を取り囲むかまぼこ形の石塀は,隙間なくきっちりと石が組み合わされていて,滑らかな表面をしていて,雑草も全く生えていません。石の目地から雑草が生えないよう中に詰められた割栗石は徹底的に水洗いして種などを落として使ったそうです。

閑谷学校が300年以上も美しさを保ち続ける理由は,永忠の徹底的な配慮と技術へのこだわりにあったのですね。


閑谷学校のかまぼこ形の石塀

さて,私が初めて津田永忠のことを知ったのは,2015年9月の土木学会全国大会(岡山大学)での特別講演で,両備ホールディングスの小嶋光信会長が永忠について話をされたからでした。小嶋さんは岡山藩郡代津田永忠顕彰会会長を務めておられ,永忠の考え方は,ご自身の経営方針にも大きな影響を与えているとのことでした。

小嶋さんの講演に感銘を受けた私は,2016年9月に10名程度の学生を引率して岡山を訪れ,両備ホールディングスにて小嶋さんから3時間のレクチャーと薫陶を受け,翌日に永忠の遺した数々の土木・建築の遺産を巡りました。


小嶋会長による熱血レクチャー(2016年9月12日)

数多くの永忠の業績の中で,倉安川・百間川かんがい排水施設群は,2019年に世界かんがい施設遺産に登録されています。倉安川は,降雨が少ない岡山平野にあって,東の吉井川,西の旭川を結ぶ「水を活かす」用水路(1679年完成)。百間川は,河口に遊水地と石樋(排水樋門)を組み合わせた「水を制する」用水路(1687年概成)。この2つの水路により,倉田新田・沖新田という2,200haを超える大規模干拓が実現し,大変な財政難に苦しんでいた藩は大きく潤うことになりました。

沖新田は,モンスーン地帯では世界最大の干拓事業だそうです。


学生たちと訪れた百間川河口水門


百間川の上流にあったパネル


永忠の偉業の一つに岡山の後楽園があります。日本三名園の一つです。

後楽園のつくられた場所は,城から近いという長所はあるものの,旭川の中州で苔の生えにくい砂地であって,苔の美しさを基調とする日本式庭園をつくるには決して適切な場所ではありませんでした。中洲なので,庭園に引く用水を得ることも容易ではありませんでした。永忠はそのような場所を敢えて選定し,城の防備と旭川の洪水対策を兼ねたと言われています。

後楽園は,藩主綱政の発意と趣好により,長瀬問誰が山水と石組の配置を考え,永忠がその普請と財源を担当して完成したものとされています。

永忠は,土木も建築もできる当時トップレベルのエンジニアだったのですね。


奴久谷の津田永忠の墓にもお参りしました


2016年9月の学生たちとの津田永忠を巡る旅の最後に訪れた後楽園

熊沢蕃山の陽明学の影響を受けた永忠は,「知行合一」の考えに基づき,民の苦しみを救うために実践を重ねました。大飢饉が発生し,全国的に百姓一揆が激発した時期にさえ,岡山藩では平穏無事を喜びあうことができました。

永忠の次のような言葉が残されています。「新田開発とは,五穀のできない所を人間の力で五穀が育つところに変え,日本の食物をふやす営みである。沖新田の普請をおこせばその普請によって民百姓の働き口をつくることができ,また新田の入植者には渡世のよりどころを与えることができる。天道と人道にかなったもので天下国家・社会への奉公の営みである。自分の売名のためならば,倉田新田・幸島新田の開発で充分である。必ず成功するという保障もない沖新田に挑戦し,名実ともに失う恐れのある事業をあえて始めるはずはないではないか。」

光政公を敬愛し,信念を貫いたために,ぶつかったり誤解を受けることも少なくなかった永忠ですが,その哲学や実践力は,現代の土木技術者が見習うべきお手本とも言えますね。


ポストコロナ、なるもの

2021-10-24 13:47:56 | 人生論

コロナ禍という言葉を聞くようになって下手すると2年近くになろうとしています。

何をもって「禍」というかは、人によって違うのでしょうが、我が国では仕事の仕方、教育のやり方から、レクリエーションまで様々なことが大きな変化を余儀なくされました。

土木史の講義のレポートでは、まさに社会の様々なことがテーマになり得るのですが、少なくない学生たちが「元の社会には戻らない」「オンラインでできるのだから、今さら長距離の交通への投資が必要とは思えない」などなど、オンラインでの社会交流がメインとなるような感覚を持っているのです。

恐ろしい。

オンラインでできるのだから、対面や直接の交流は必ずしもなくても成り立つ、というように思ってしまうことが恐ろしい。

対面や直接の交流の本当の意義を、我々おじさん世代でない、大学生や高校生以下の多くの方々が分からないのは仕方ないとしても、そう思い込んでしまうと、彼らが経験したことのない対面での交流を積極的に望もうともしないだろうし、そうなると本当に将来の社会が不安になります。

オンラインでの会議は、よほどでない限り、用が済めば、「はい、さようなら」です。

人間は五感で生きていますので、会議の直接の目的が達成されれば終わり、ではなく、参加者の顔色やたたずまい・息遣い、機嫌が良いのか悪いのか、色々と観察しながら、たまにはぶつかったり、会議の合間の雑談や、会議の後の懇親会などで、会議の間にはとても思いつかないクリエイティブなアイディアを思いついたり、追加の有用な情報交換をできたりするのです。

それから、人間は、「やるべきこと」をやっていればよい、という存在ではなく、無駄に思えることや、リラックスする時間、自然と自分自身を同期する時間、などなど、人間自体も自然の存在なので、とてもオンラインの社会で人間が活き活きと生きていけるとは思えません。

わざわざ海外に行かなくても、会議などはできますが、海外に行く過程、海外出張中などの様々な経験、失敗がどれだけ自分の肥やしになっているか。海外の国々まで足を運んで訪れた現場や、遺産的な構造物・建築物などに直接に触れた感動が、どれだけ今の自分の肥やしになっているか。そういう貴重な時間を失っていることをもっと深刻に捉えるべきと私は思います。

十分な大人に「なってしまった」人のことなどどうでもよく(申し訳ないですが)、これから社会を支えていく若者、子どもたちが大きく育つための環境を、今一度、守りに入ってしまった大人たちはよくよく考えてほしいのです。本当に子どもたちのことを考えていますか?何をそんなに守りたいのでしょう。

冒頭の「コロナ禍」に戻りますが、社会システムをそこまで変えてしまうほどの「禍」だったのでしょうか?情報、に踊らされる現代の人々の哀れな末路の「禍」であった、というのが私の認識です。

元に戻しましょう。

++++

追記

オンラインでの会合は極めて便利なので、今後も無くなることはないでしょう。私もオンラインでこそ可能な会合があり、その恩恵に預かっていることは事実です。何事もバランスが大事なのでしょうが、特に日本人は極端に振れる傾向があるので、気を付けておかないと本当に大事なことを簡単に失ってしまうと思います。私自身も、便利なオンライン会議に頼り過ぎないよう、本来、対面でやるべきことは対面で実施するようにチャレンジしたいと思っています。


日常、のような

2021-10-23 15:18:38 | 人生論

街に人がたくさん出るようになりました。

今日は、すごく良い天気で、午後4時から細田研究室の新歓パーティー(オンライン)があるので、午後1時過ぎからジョギングを開始し、先週に引き続いて10kmほどジョギングしてきました。

私のお気に入りの旧東海道の往復コースなのですが、人手が多く、この通りでの久しぶりの高い活気を感じました。人や車に当たりそうになることもあるので、ジョギングは少しやりにくくなりますが、それよりもうれしい気分の方が勝りました。

今日も先週に引き続いてちょうど1時間で10km強。今日は少し体がきつく、もっとトレーニングを重ねないと、年末のハーフマラソン(昭和記念公園)で納得いくRunができないと感じました。あと2ヶ月あるので、シューズもそのうち新調し、トレーニングを自分なりに積んで、よい年の瀬にしたいと思っています。

10月の現時点での平均歩数が12,000歩/日を超えていますが、7~9月は7000歩台でした。明らかに私の通常の平均よりは少ない3ヶ月でした。

10月に入って意識的に歩数を増やしていますが、対面での懇親会の数も少しずつ増えてきて、やはり対面で熱く語り合うと元気になりますね。

まだまだ元の状態には戻っていないですが、少しずつ、かつての日常、のような状況に戻ってきている部分もあります。

先週は、留学生数名を連れて、カレー料理屋で懇親会をしました。学生たちは研究活動をとても頑張っていますが、やはりいろいろとストレスもたまっているようで、バカ話、哲学の話、いろいろ交えた懇親会は大事です。

昨年度、中止になったコンクリートカヌー大会。今年は、何と、オンラインでのプレゼン大会となったようです。それでもYNUコンクリート研はM1の学生たちが中心になって参加を決意し、今週、コンクリートのカヌーを創り上げていました。昨日は、思った厚さに仕上がっていなかったようで、修正をみんなでやっていましたが、仲間たちと苦労しながらものづくりをする、というのは大変貴重な経験かと思います。大変微笑ましく思いました。

今日は16時から、細田研究室(私を入れて18名のようです。結構、大所帯ですね。)の10月の新加入メンバー(D1・チェコ、M1・ウズベキスタン)の歓迎会です。研究室全体で実施すると50名近くになってしまうので、現状では不可能、と判断し、細田研究室のみでやることにしました。

今年度新たに立ち上げた研究テーマも少しずつ走り出したり、さらにこれから新たに2つ程度の研究プロジェクトも立ち上げようとしています。研究は常にチャレンジングですが、研究をすることで皆が磨かれ、私も社会に総合的に貢献していくための原動力となります。

10/18は山口県の品質確保の講習会で講演しました。10/29は大豊建設に招かれて1時間の招待講演をします。コロナ禍の前は、数多くの講演を行っていましたが、その意味でも少しずつ、日常、に戻ってきているのかな、と感じます。

以前のようには戻らない、と言う人も多くいますが、少なくとも私は以前の方が楽しかった。

どのような将来は待ち受けているのか分かりませんが、人間らしい生活をできる社会であってほしいですね。



雑用

2021-10-17 12:44:53 | 人生論

10月に入り、秋学期が始まり、あっという間に時間が過ぎていきます。

秋は、学部の講義「土木史と文明」と「メインテナンス工学」がありますので、学生たちとのレポートでのやり取りや、質疑応答などでコミュニケーションする機会も多く、私自身も自然に元気になっていきます。講義の状況は、また別のブログにて。

9月に長女の毎日お弁当生活が始まり、次女も日曜日の塾のサンデー特訓のお弁当が必要になり、お弁当を作る機会が増えています。

お弁当は当然、早朝に作るので、早朝の「雑用」が増えるわけです。

現在、48歳の私は、これらの雑用に比較的楽しく取り組んでいます。

人間の1日の生活は、大小様々な仕事、できごと、などで成り立っています。私は今年度、大学の土木工学教室の主任を務めていますので、博士課程後期の専攻長も務めていますし、大学院の代議員も務めているので、会議も多く、様々な仕事が降ってきます。

研究者・技術者だからといって、研究や技術のことばかりやっているわけでは決してありません。

そして、それら様々なことをこなしていくためには、それらに必要な心身の機能にエンジンをかけておく必要があります。何事も、いきなりはできないし、助走のようなものが必要です。

だから、朝の家事、弁当づくりや、体操などは様々な一日のアクティビティに対してエンジンをかけておく、という意味があるのだな、というように最近は捉えるようになっています。

若いころは特に、雑用をやりたくない、という意識が強かったです。が、この年になると人事などの重要事項も含め、雑用もやらないと組織が回らないことがよく分かってきますし、雑用も研究のうち、ということも分かってくるようになります。

今日の日曜日は朝は天気が悪く、11月23日(火)に予定されている港区ハーフマラソン(3年ぶりに出場予定)のために本格的な走る練習(10km強)を開始する日にしようと思っていたのですが、午後に雨が止むようなのでそれまでデスクワークをすることにしました。。。
(→ 午後に、ちょうど1時間で10km少し、走り切ることができ、気にしていた左ひざ裏の筋肉も痛くなることもなく、無事に完走。気持ち良い!)

9月前半に「副作用」の影響もあって体調が悪く、走るのは控え、9月中旬から歩く歩数を大幅に増やし、今のところ10月の平均歩数は12500歩強/日。急に歩く歩数を増やしたからか、左ひざ裏の筋肉が少し痛く、マッサージ等でケアをしている状況です。

さてさて、無事にハーフマラソンを完走できるでしょうか。今年は、タイムはあまり気にせず、怪我無く気持ちよく完走することを今のところ目標にしております。

-->> ああ、悲しい。。。

本日午後、10kmのRunをしている途中に、「あれ、ハーフマラソンの抽選には通ったけど、参加費を申し込んだっけな?」と気になり、帰宅してリラックスした後に調べてみたところ、やはり参加費を期限までに申し込んでいなかったようで「無効」になってました。。。悲しい。。。

せっかく練習を開始したので、別のハーフマラソンなどの大会を探して登録しようと思います。。。

--> そして、翌日。年末の12/29に、昭和記念公園でハーフマラソンがあるので、それに登録しました。。。寒そうだけど、頑張ろう。




見られている

2021-06-11 08:11:53 | 人生論

当たり前のことですが、自分の行動や考え方などは、他の人から見られています。

直接、他の人から見られていることを認識できる場面も少なくありませんが、自分の意識していないところで見られていることも無数にあるでしょう。

講義のやり方・発言の仕方、学生実験での教員の振舞い、共同研究の打ち合わせでの仕切り方・発言内容や発言の仕方、学会の委員会での言動、職場の幹部会議での言動、などなど、ほとんどすべての行動、言動、立ち居振る舞い等で人に見られ、それぞれの人にそれぞれの人の価値観で評価され、うわさされ、ということが日常的に起こっているわけです。

他人の評価をコントロールすることなどできないし、よくないうわさが立ったり、炎上したり、ということもあろうと思いますが、基本的には自分自身の哲学に基づいた言動を貫くこと、に尽きるであろうと改めて感じます。

大きく見直すことはまずないと思いますが、現時点で少しブラッシュアップしてみようかなとも思っている私のミッションステートメントはこちらです。基本的には、私の日常はこのミッションステートメントに沿っています。

他の人がどう感じるかはその人次第なので私にはコントロールできませんが、私の哲学に沿って生きている中で、しっかりと見てくれている方は必ずいると思います。そして、その見てくれている方々とのご縁、相互作用の連鎖で、人生がクリエイティブに展開されていく、という感覚をここ最近も何度も感じています。

いきなり大きな突然のブレイクスルーが生じることもたまにはあるかもしれませんが、小さなアクションの連鎖や、それぞれの小さな独立していたように見える出来事が結果的には必然的に結び付き合っていくようなことによって、ダイナミックでクリエイティブな展開がなされていくと感じます。

6月も研究活動に多くの時間を割いています。今日は栃木県に出張で、ここ数年力を入れている重要な共同研究の大型実証実験(PC鋼棒の破断突出実験)です。首都高速道路やカイロ大学等と共同研究を続けており、アスファルト、ポリウレア、繊維補強ポリマーセメントモルタル、等も絡んできており、たくさんの勉強をさせていただいており、何とか実務の問題解決に貢献したいと思っています。

この研究一つをとっても、全体が良い方向に向くように、これまでにどれだけ小さなアクションを積み重ねてきたか。そして、これからもアクションを取るべき機会においては、当然にそれぞれのタイミングでベストのアクションを積み重ねていきます。

今日の実験もとても楽しみです。


左手のしびれ、のその後

2021-05-18 10:49:21 | 人生論

ブログを読んでいただいた方から、左手のしびれについてのご心配や、助言等をいただくこともあり、その後について報告しておかないとと思い、短い文章を書いておきます。

私の周囲にも、こういうしびれや腰痛など、経験したり抱え込んでいる方も少なくないのだな、と改めて認識しました。それぞれが、それぞれの人生の中で改善を試み、上手く行ったり失敗したりしているのでしょうが、健康は豊かな人生を支える根幹だと思うので、健康を維持するための適切な方法を身に付けたい、ですよね。

私の左手のしびれは、4月9日に発症して、今日は5月18日ですが、ほぼ治りました。最もひどいときを100とすると、現在は5~10、といったイメージです。このまま完治することを期待しておりますが、この過程でも様々なことを学びました。

今回のしびれの出来事により、結果的に今後の人生のために一番の気付きだったかもしれないのは、たまたま歩き方を改善する気付きを得られたことでした。二つ前のエッセーに関連動画をリンクしておきました。その方(森部さん)の解説によると、大人のほとんどは、歩き方が良くないそうで、足の裏・指の使い方が良くないそうです。土台がおかしいので、すべてがおかしくなる、とのこと。この方の推奨するように、家の中で裸足(もしくは5本指の靴下でもよい?)で足の指をしっかり使うように歩くと、途端に血流が良くなる実感がありました。これは、巡り巡って、左手のしびれの緩和にも効くのだろう、と感じました。

30代の前半のころ、健康のために習慣を大幅に改善したことがありましたが、そのときはとにかく歩数を増やそう、と12000歩/日くらいを目標にしていました。

今回の気付きでは、歩数そのものが大事なのではなく、足裏の使い方を意識して、筋力をしっかり使って歩くようにしているので、歩数は9000~10000歩/日くらいでも、十分に運動をした感覚になります。普通に大学に出勤して工夫すると、これくらいの歩数になるので、日常を普通に生活しながら、適切に歩くことを続けていきたいと思います。自分にとってのベストの歩き方は、今後も研究を重ねます。

5月に入ってから、自分のモードが変化しました。

毎日の運動などの記録や、体重などをエクセルシートに記録する習慣が過去ずっとあったのですが、2020年12月初旬で途絶えていました。これも復活し、歩数も含めて記録する習慣が復活しました。

また、読書習慣が復活したのも自分にとっては大きく、研究に対する意欲も連動して復活してきたように感じます。

今年度に入って、研究面でもいろいろな動きが自分の周りで生じていますので、上手くマネジメントできるよう、感性も研ぎ澄ませて、少しの兆候やチャンス、幸運も逃さないようにしたいと思います。