ランニングおやじの野望!

50歳を目前に突然走り始めた鈍足おやじランナーのトレーニング雑記です。

昭和三十年代

2006-03-15 21:12:10 | その他の雑記
映画『ALWAYS 三丁目の夕日』が興行的にもヒットし、作品としての高い評価も得て、ますます関心高まる昭和三十年代。

その昭和三十年代研究の2大巨頭というべき町田忍氏と串間努氏が対談。
本屋さんに置いてあるPR誌『新刊展望』4月号で。

町田氏は1950年東京の生まれで、数万点に及ぶ商品パッケージ収集家として著名。
串間氏は1963年千葉県出身、ミニコミ誌『日曜研究家』を軸に文化史的研究で知られる。

お2人の本をほとんど読み漁っているワシとしては見逃せない対談である。

この世界にハマッたきっかけを町田氏は、こう語る。

「35年くらい前かな。学生の頃、徳用マッチを集め始めたんです。その記事が『anan』に出て、それを見た学生から電話があって、交換会に来ませんかと。行ってみたらアパートの6畳一間がいろんなコレクションで埋まってて、男が4、5人いて、持ってきたマッチをコタツの上に並べてるんです。
その雰囲気、すごいですよ。いい男が真剣になって。(笑) すごく感激した。
これって、茶道のワビサビの世界に通じることだと思うんです。一種の知的な大人の遊びですよね」

串間氏は深く共感しつつも、現在の「昭和三十年代ブーム」に疑問を投げかける。

「レトロを娯楽としておもしろがるのはいいと思うけど、僕がひとつ批判的なのは、『昭和三十年代はすばらしかった』というイメージをクローズアップし過ぎている点。もうちょっとバランスをとったほうがいいんじゃないの? という感じかな。
『あの時代はよかった』『あの頃に戻りたい』『貧しくても夢があふれていた』とか言うけど、それには懐疑的です。
今と比べて昔のほうがよかったと僕は思っていません」

ではなぜ、あの頃に惹かれるのか?

[串間] 町田さんがレトロなものを好きなのはなぜですか? 庶民の文化が好きだから?
[町田] そこにまつわるエピソードがおもしろいから。
[串間] 誰がなぜこんな物を考え出したのか、とかね。人間ドラマみたいなものがおもしろい。
[町田] そう、人間ドラマが一番おもしろい。たとえば検便の話なんか、串間さんが調べなかったら調べる人はいなかったよね。
[串間] 大学でも研究しませんよね。『検便事業の父』国井長次郎さんは、自分の事業がうまくいかないときに、腹のカイチュウで入院して、オレがカイチュウを持ってるということは日本中みんな持ってるんだなあ。この間もどこかの県に行って便所借りて、このカイチュウの卵を落としてきてしまったんだなあ……と思ったから。(笑) 駆虫事業こそ日本の国民保健のためだと考えた。
昔の人はそうやって国のため、社会のためを考えた人が多いですよね。
今は『金で買えないものはない』と言い切る事業家がいたり。昔は志ある人間がまだいました。
[町田] それが昭和三十年代だったということになるね。
[串間] そこに落としますか。(笑) たしかに、良識や見識、価値観が変わってしまいましたよね。経済成長や国土開発によって、かわりに失ってしまったものは大きいとは思います。

というわけで、共感しきりの昭和30年生まれのオヤジであった。


朝、ナンバ体操/ステップ運動2時間、心拍106。
夜、おんぶスクワット/ステップ運動1時間、心拍94。
コメント
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