行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

再論 消費税は日本人に合わない

2016-02-20 17:40:00 | Weblog
 
消費税は日本人に合わない(昨年のブログ)

先日発表された10~12月期のGDP速報値、専門家の予想(3.5%)を下回る年率2.2%の結果だった。前回のマイナスサプライズに続く経済専門家の敗北であった。大きな原因は個人消費が...
 

内閣府が発表した2015年10〜12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.4%減、年率換算は1.4%減で2四半期ぶりのマイナス成長となった。今回のGDP成長率がマイナスに転じたのは、日本のGDPの約6割を占める個人消費が低迷していることが大きな要因としてあげられる。個人消費は0.8%減と、2四半期ぶりのマイナスであり、前期の0.4%増から大幅に減少に転じている。
暖冬という特殊要因も個人消費の押し下げ要因としてあげられるが、物価上昇分を差し引いた昨年の実質賃金は4年連続のマイナスというのも大きな要因だ。ガソリン価格が劇的に下がった時期だが、消費税増税後の円安物価高などで、消費者の節約志向がここへ来て鮮明になっている。価格上昇を背景に住宅投資も1.2%減で4四半期ぶりにマイナスとなった。良かったのは増益基調の企業設備投資で1.4%増と2期連続のプラスとなった。

ここへ来て、消費税10%への反対論が再燃してきた。この1年、軽減税率導入で何としても10%を実現しようとする政府の努力は判るが、学者や専門家の軽減税率導入反対論も強い。反対論の議論を見ていると、富裕層は食料品でも高いものを買うから、軽減税率で得するとか、中小企業の手間がかかるとか、益税が発生するといったことのようだ。欧州各国がきちんと軽減税率付き付加価値税を導入し、社会保障の財源としていることを考えると、この税制そのものが日本人にあってないのではと思わざるを得ない。今の富裕層以外の節約志向の強い消費者にとって、毎日の買い物で消費税が更に上がれば、ダメージは大きく個人消費は失速し、新3本の矢など吹っ飛んでしまうだろう。

アベノミクスが株安、円高で危うくなっている中、参議院選挙もあり来年消費税10%はかなり難しくなってきた。消費税に頼ることを断念し、本来の所得税に議論を戻すことだ。従来「クロヨン九六四」(注)と所得の捕捉に不公平があるとされ、給与所得者が不利とされて、消費税を導入を進めてきたわけだが、マイナンバーの導入で所得捕捉が正確にできるならば、累進課税が強かった元の所得税制に戻すべきだろう。
注、所得捕捉率、給与所得者は約9割、自営業者は約6割、農業、林業、水産業従事者は約4割であると言われる。このことを指して「クロヨン」と称する。

 

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