行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

見応えのある「ゴッホ展」

2019-12-16 23:34:41 | 環境

 

上野の森美術館でのゴッホ展、ハーグ美術館の作品展と勘違いした。ゴッホが画家として最初に修行したのがオランダのハーグ派で、その後パリ、南仏アルル、サン・レミ療養時代と時代を追って印象派へ変貌してゆく変転が見事に表現されている。場面場面に弟テオへの手紙も展示され、影響された画家のことも判り、豪勢に印象派の巨匠の作品も集め、今回の展覧会のコーディネートは見事だ。

オランダの美術館に足を何回か運んだがハーグ派という記憶はなかった。ハーグ美術館のハーグ派の作品も多く展示されていたが、ヤコブ・マリスの「町の眺望」など巨匠フェルメールの影響を受けていて、眼を見張る傑作が多く、ゴッホがここで修行したわけがわかった。アントン・マウフェの「雪の中の羊飼いと羊の群れ」の筆使いはゴッホに大いに影響したと推測できる。

ゴッホがハーグ派から印象派に入っていく過程で、ピサロ、シスレー、セザンヌ、モネ、ルノワールの影響で明るい画質へと変貌して行く、そのため印象派の傑作を世界中の美術館から持ち込んで展示している。ここの部屋はまるで印象派展といった趣がある。相当の努力がなされている。

ゴッホ独自の強い筆使いはパリ時代のアドルフ・モンティセリ「陶器壺の花」の影響を受けたことがことが判った。このパリ時代に日本の浮世絵にも影響受けたようだ。アルルに移ってからゴーギャンとの交友は有名で、島根県立美術館のゴーギャンの「水飼い場」が展示されている。

最大の見ものはアルルに移ってからの作品で、中でも「糸杉」の筆タッチの迫力にはゾクッとくる。サン・レミ時代の作品はゴッホの集大成といった凄さが出ている。見応えのある美術展で満足感一杯だが、贅沢言えばひまわりの絵が見たかった。

 

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