二回にわたりオリンピック狂想曲の様を書いたが、まさか私の住んでいる東京都昭島市(東京湾岸より40Kmも離れている)にまで波及してくるとは予想だにしなかった。
その発端は東京都議会定例会が18日開会し、猪瀬直樹知事は所信表明演説で2020年夏季五輪の開催決定を報告した中にある。「日増しに喜びよりも責任感が大きくなってきた。輝かしい旗を高く掲げながら(東日本大震災の)被災地の復興を加速させ、全国に自信と希望を行き渡らせる」まではどうといったことはないが、「20年五輪に向けた交通インフラ整備の一環として、米軍横田基地に民間機を乗り入れる軍民共用化を政府に強く求める」と表明した。
横田基地は昭島市の西北に隣接し、米極東空軍の司令部がある。かつては戦闘機の騒音がひどかったが、最近は輸送機と米要人を運んでくる民間ジャンボ機が時々飛ぶぐらいになっている。知事の発言で昭島市にゴルフ場や昭和の森を有する昭和飛行機の株が何と4割以上も急騰している。
ツイッターやブログでは米軍の旧幹部は賛成しており、日本政府の決断次第とか、横風用の1500m滑走路の建設やターミナルビルの建設が机上に載せられ、昭和飛行機の資産を利用すればすぐできるとか、東村山の日産の工場跡地が活用できるとか実に賑やかである。中には調布飛行場の機能を移して跡地を利用したらといった提案まである。
横田基地の周囲には、ターミナルビルを建てるぐらいの空き地は散見されるが1500mの滑走路建設などはどだい無理だ。最も大きな問題は伊丹空港と同様の騒音に住民が耐えられるかということだ。かつては武蔵野の雑木林が至る処にあった昭島だが、現在は昭和の森と昭和記念公園が貴重な緑だ。そのおかげで庭に時々渡り鳥や野鳥も飛んでくる。今以上の自然破壊はノーだ。