行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

悲喜こもごも、3月期決算雑感 ああ老害!

2012-02-10 22:17:13 | Weblog

主要企業の2011年4~12月期決算発表がほぼ一巡し、日経の9日までの集計(金融など除く3月期決算会社)では19.5%の経常減益になった。今回の決算では円高、東日本大震災、タイの洪水という3大原因で決算が左右されたことは否定できない。しかし、企業経営者の判断ミスによる人災の要因もある。

大まかには、円高は商社に1兆円の利益をもたらし、電機、自動車に1兆円の損失をもたらした。商社は資源関係企業をかねてより買収したり、自社開発により、我が国に資源・エネルギーを輸入し、円高メリットだけでなく、配当収入で潤った。東日本大震災は供給制約による損害が大きかったが、タイの洪水は直接的に工場を襲いこの被害だけでも1兆円に近い。いずれにしてもサプライチェーンという近年の経営システムそのものを再検討しなければならない。一方厳しかった環境にも拘わらず、マックを代表とする内需関連は好調な決算、トップの手腕が称えられる。

経営者による人災の要因は昨年11月にこのブログで指摘したソニーとパナソニックの巨大投資判断ミスであり、シャープもその例に入るだろう。パナソニックは兵庫県から尼崎プラズマ工場への補助金の返還まで要求されている。数年先も読めなかった老害と言えるが、驚いたことにキャノンでは御手洗会長の社長復帰、老害の極みだ。エレクトロニクスの業界では通信との融合で、グーグルやフェイスブックのような若い経営者でなければやっていけない。

第2次大戦敗戦後、日本企業でトップが総退陣(GHQによるパージ)して、若手経営者でよみがえった歴史を思い出す。電機産業ではそのぐらいの覚悟が必要だ。タイで痛い目に遭ったことで、ある国に集中するリスクも感じてほしいのだが、反省の色もなく中国への投資を増やすと日立が発表した。中国リスクはタイ以上で、一蓮托生の状態、何か起きたらこれまた想定外ということになるのだろうか

コメント
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