行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

ドラマ「平清盛」は汚いか

2012-02-04 22:02:59 | Weblog

大河ドラマともなると、登場する地方にとっては願ってもない観光資源、平家の拠点福原は現在の神戸付近、従って兵庫県知事が期待することはよく判る。1回からの場面は当時の庶民や今で言うどや街が舞台となり、ほこりにまみれたもので、知事が言うように確かに汚かった。しかし、私の感じでは名画「羅生門」を思い興させ平安時代末期の下級武士の有様として当たり前だと思えた。

黒沢作品の時代劇では、「7人の侍」にしても「用心棒」でも主人公の着物は汗と垢で汚れていた。それを当時は別に違和感はなく、当然と受け取っていた。時が経ちテレビドラマの時代劇は「水戸黄門」にしても昨年の大河ドラマ「江」も折り目の入った着物で登場するようになった。ましてかつての大河ドラマ「義経」(原作名は宮尾登美子の平家物語)では滝沢秀明が義経となり、絢爛豪華な衣装が記憶にあり、兵庫県知事はさぞ今回の平清盛を期待していたのだろう。

歴史ドラマの面白いところは、綺麗とか汚いとかにあるのではなく、作者なり、演出家が歴史、特に平清盛をどう解釈するかという点ではないか。かつて日経に連載された池宮彰一の平清盛では、改革者清盛に対するアンシャンレジーム藤原摂関家を抵抗勢力として対峙させ、当時の小泉改革対抵抗勢力の図式を彷彿させ、興味津々の新解釈であった。

先週ぐらいからドラマでは、北面の武士佐藤義清(さとうのりきよ、後の西行法師)と清盛の交流もあり、清盛像はこれからどうなるのか楽しみだ。

 
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