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今回の展示は万葉文化館のコレクション品の展示ですが、ホームページの展覧会紹介では好きな作家の未見の作品が多く展示されているとのことで、出かけることにしました。
9時過ぎに出発。
数日前からまた冷え込みがきつくなってきていましたが、日差しはすでに春なので、暖房の効きの遅いプリウスでも天井のサンシェードを開けたらポカポカと暖かく快適でした。
途中、奈良県に入って安いスタンドを見つけ、前回給油から845km走行したプリウスに2か月ぶりで給油。車載燃費計は24.0km/lを示していましたが、満タン法で計算したら23.5km/l(笑)。まあ冬はこんなものですね。
(でも平坦な地形で車がよく流れている奈良では、その後奈良市内を経由して帰宅するまでの約70km走行での平均はなんと29km/l!台をキープ。奈良に住みたいです(笑))
文化館についたら、玄関前で何やらテレビの取材が。展覧会の取材かと思ったら、同時に開催されていた子供の書初め展の取材のようでした。
展覧会場に行くと、連休の初日なのにこの日も人影がなく、寂しい限りでした。ゆったり気分で車椅子で気兼ねなしに観られるのは有難いことですが、あまり観客が少ないと、館そのものの運営とか存続が心配になったりしますね。
展示されていた作家は以下の通りです(50音順)
浅野 均 新井 富美郎
井上 稔 烏頭尾 精
大矢 紀 岡橋 萬帆
加藤 美代三 木下 育應
佐藤 太清 城 登
田所 浩 田中 一村
野々内 宏 野々内 良樹
福本 達雄 三輪 晃久
三輪 晁勢 由里本 出
渡辺 洋子
今回一番印象に残ったのは井上稔の「ひまわり」でした。そういえば去年の最初の展覧会も「井上稔」展でしたね。
今回は他に「華」「花と塔」「夜の海」「月明」「塔の朝」の5作品が展示されていました。「ひまわり」は今回の展示で一番目立っていました。
今回楽しみにしていた田中一村の作品は、以前同館で開催された一村展でも紹介された「瓢箪」「滝」「蓮」「蘭」「菊」の5点。これらはその一村展開催直前に、千葉市内の一村の関係者宅で見つかったもので、作家の18~21歳の作品です。展覧会後館蔵品となっていたのですね。
ただもうすでに老成の兆しがある5点の作品を観て、複雑な感じがしました。
若くしてこれらの作品によってその才能を高く評価されながら、その後の作品群は全く評価されず、失意のまま奄美大島にわたり、貧窮の中で画壇とは一切無縁なまま奄美の自然を描き続けた作品群が、死後一躍脚光を浴びた一村。
彼にとって、今回のような、いわば初期の栄光を代表する作品の存在はどういう意味を持っていたのか、知りたいところです。私としてはやはり晩年の奄美での作品が好みです。
新井富美郎の「穂高岳」もよくある構図ですが目を引きました。福本達雄、野々内宏・野々内良樹、烏頭尾精らの作品はまとまった作品群として展示されていました。これらすべてが館蔵品ですが、今回展示されていないものを含めて考えたら、大したお宝コレクションになりますね。
野々内良樹「杜の朝」↓
展示の終りのほうにあった由里本出の「阿蘇岳」と「激つ瀬」も力強いタッチで印象に残りました。
その他三輪晁勢・三輪晃久、大矢 紀、木下育應らの作品などは以前も展示されてなじみのあるものですが、いずれも私たちの好みにぴったりで、満足でした。
三輪晃久「万緑」
ただ何としても展示作品の絶対数が少なく、何度も会場を往復して見直しましたが、物足りない感じは否めなかったですね。
会場を出て本館に向かう途中見たら、子供たちの書初め展は家族も大勢来ていて盛況のようでした。
文化館の庭園ではロウバイが咲き始めていました↓
ショップで絵葉書を買ってから奈良市内へ。奈良町で個人で絵画展を開いている友人を訪ねるためです。
奈良町センター前の駐車場に停めて、ギャラリーに向かいました。絵のほうは抽象画なので正直言ってよくわかりませんでした。(笑)
でも久しぶりに友人と会って楽しく会話でき、また彼女も私たちの来訪を喜んでくれたので行ってよかったですね。
ギャラリー前で↓
でも思ったより盛況で、友人も応対に忙しく、あまりゆっくりしていると迷惑になるので適当に切り上げて、駐車場近くのカフェで遅めの昼食にしました。
かわいらしいケーキの店でしたがランチもおいしく、オーナーの奥さん?が出入りに親切に気を使ってくれたのがうれしかったですね。
今回は明日香と奈良町のかけもちのお出かけで、特に奈良町は道幅が狭いので車で行けるか心配でしたが、まだ観光シーズンではないため人通りも少なかったのでラッキーでした。
今回の万葉文化館の展覧会の会期は3月31日まで開かれています。みなさんも明日香に来る予定がおありでしたらぜひご覧ください。
次年度の予定はまだ公表されていませんが、回数は少なくても今年度のように外部の作家による展覧会の開催が継続されることを祈っています。