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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【15航海目】!

2016年10月21日 | モバイル
10月16日、19時30分女川入港。

「第68福神丸」新規造船時の引き渡しから4シーズンの秋刀魚漁で、
主機の運転時間が10000時間超となった…!

…16歳で船員手帳を手にし、船に乗って35年…

その35年の間に乗船した船の中で、初めての事…!
この主機とは10000時間向き合った…

思い入れと愛着感は半端ではない…!

機関室内では毎日が勉強のようだが、
自分の中では、自身の船員生活の集大成と思って従事している…。

運転時間が、10000時間と云うのは一つのバロメーターとなる!

これまで以上に注視して行かなければ…。

17日・10時30分、水揚げ・氷の積み込みを終えて女川出港!

今期3度目の公海向けである…。

18日、15時30分 S/B。

日没から濃霧となった…

次第に霧がはれると、外国船団の赤い漁り火が広く点り、
まだうねりの残る公海で共に秋刀魚を追った…。

しかし期待に反して秋刀魚の群れは薄く、広範囲に調査も
薄群れを2回程操業し、おかず程度の漁獲で、南西側に大移動…

夜明け前にやや纏まった群れを操業し、夜明けより西へ…
今期の公海は、3回来て2度目の外れとなった…

沖合いでの秋刀魚漁は難しく、なかなか条件が揃わないと漁獲出来ない…!

19日・15時30分 S/B。



うねりもおさまり、良い凪となった。





僚船を含め、多数の日本秋刀魚漁船が同海区に集まった。

日没から調査、17時頃より操業開始…!

1回操業しては調査航走のパターンで漁獲を纏め、
氷艙も空けて準備は整うも夜明けをむかえ、最後の艙が残った…

時化が予想される為、荒天準備し南下帰途航走銚子向け!

南西の風が強まり右舷船首に当たる波の圧力が強く、
ピッチング・ローリングが伴に激しくなり、15時 S/B。

残った艙に海水を取水、バラストとし、更に荒天準備を強化
時化海航行に備えた…!

夜になって船に対して横風となった事で、更にローリングは激しさを増した…

船首側の一部の漁灯を点灯し、波を視ながら
時折来る大きなうねりには船を支え…

それでも船のピッチのコントロールが遅れると、
機関室内に警報が鳴り響く…

船の急激な傾斜によって減速機の圧力が下がる…

機関室にいる方も、操舵室にいる方も、荒天時の航海は大変である…!

それでも、大時化ではない…
特別無理な航行ではないだけに、余計気が抜けない…

今期の秋刀魚漁大型船解禁から2ヶ月…

船は21日朝7時頃、銚子入港予定。

…ルーキー便り…

使用済みのワイヤーで甲板長からワイヤーのさつまを教わって、
調査航走中の時間を使って頑張っています。



ロープワーク、網の繋ぎなどを教わり、今はワイヤー…

いろんな事を教わり、何度も繰り返しやる事で体で覚えていく…!

ルーキーイヤーだからこそのチャンスは、確実にものにした方がいい…
頑張れ秀斗…!