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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【サンマ漁23航海目】!

2010年10月13日 | モバイル

12日7時30分、八戸出港沖へ。

14時40分、八戸沖のポイント着、漂泊‥。

16時スタンバイ、日暮れから調査、

昨夜に引き続き韓国船団と共に、

約2哩圏内に船がひしめき合い、日没から操業激戦区の様相・‥

水温16.4℃ 17時過ぎから

3回の連続操業、サンマの割合はいい…。

しかし、サンマの入りが悪く、操業中の船団から離れ

沖よりに調査航走。

1時間程航走したのち、コース変更、南へ調査‥!

黒崎沖で21時から操業再開も、サンマの足が速い!

水温が17.6℃に変わり、

中層にサバの群れがあって追われているよう…

漁灯の下に表層のサンマが

慌ただしく跳ねて来て集まるのだが、

網を入れる為に左舷の漁灯を消灯し、

右舷の漁灯でのサンマを誘導している間に

散らばってしまう…

ワイヤーを調節したり、赤灯のみ点灯の前に、

足(網の錘)を巻き揚げたり と、

スピーディーな作業で回数操業を繰り返すも、

漁獲は伸びない…

13日 3時半、操業を止め帰途航走、久慈向け!

10時頃の入港予定。


【サンマ漁22航海目】!

2010年10月12日 | モバイル

10日11時釧路に入港し、

温泉で久々に広い風呂にのんびりと浸かり、

ゆっくりネットも出来ました。

11日7時20分、水揚げ後釧路港を出港、南下。

16時スタンバイ、更に南下‥

いつの間に集まったのか、

韓国のサンマ漁船が船団で操業していました‥

19時30分、操業ポイント到着、20時から操業開始!

韓国船は台湾のサンマ漁船と同じように

日本の大型鮪漁船を改造したような船で、 船名がハングル文字‥

台湾船と違い、赤灯のみのすずらんがない…

以前は暗かった集魚灯も随分と明るくなっています。

水温16.5℃ サンマが深く、

群れに乗せてLED漁灯を点灯させた時だけ

サンマが跳ねて来るのだが、

網を入れて網を揚げる前にはサンマがいなくなる…

回数操業で漁獲を重ねていましたが

日付けが変わって01時、操業中止。

都合により急遽八戸向けになりました‥

12日朝6時半、八戸入港予定。


【サンマ漁21航海目】!

2010年10月10日 | モバイル

操業時も暑かったが、

この日の久慈港は夏に逆戻りしたような暑さ…

7日12時15分、久慈出港、昨夜の操業ポイント向け!

17時スタンバイ‥

三陸沿岸各市場での水揚げ後に出港して来た各船が集まって、

日暮れから調査も昨夜とは打って変わって、

海面を跳ねるサンマが見えない…

水温は若干上がり18.8℃…

昨夜の操業時、魚探のモニターには水面にサンマの反応、

中層にサバの反応があり、

操業中の4隻の付近一帯の海面に、

薄くだが跳ねるサンマを目視出来たのですが…

風向は南東…

南下回遊南端のサンマは凪や風向・水温等、

いろんな条件が重ならないとなかなか漁獲が難しい…

ましてや、今期は同ポイントでの好漁が2晩続かない…

南東側に調査して行き、薄群れを数回操業‥

その後は操業出来るような群れには当たらず、

23時から沖よりに調査航走、

次第に北側にコースを変え、

「サンマが見えている」と云う流し網漁船からの電話連絡

(通信長の友達)を頼って襟裳岬の南側へ‥

夜明け前に到着し、点灯!

サンマは確認できましたが水温20℃台、

サバの反応が多く操業せず‥

僅かな漁獲に終わり、

傷んだままだった網の一部を交換しながら、 夜明けから北東へ、

襟裳の沖側に向けて微速で航走。

13時30分、ポイント着、漂泊‥!

サロンのホワイトボードに、

全さんまからの各船宛てFAXが掲示されました。

「10月15日~22日迄の水揚げ後、

乗組員休養の為の48時間休漁を各船1回実施して下さい」

との旨のFAX‥

9月の休漁は釧路港で破損箇所の補修作業の為

ゆっくり出来ずじまいでしたので、

今回はゆっくりしたいものですが… どうかな…?

8日、16時スタンバイ、日暮れから調査!

船団を離れて東側に調査、

14.3℃の水温で19時から操業開始も

サンマの割合が悪く北側に調査航走。

黒崎沖と違い、襟裳沖は寒く、

ここ2~3日で暑さと寒さを交互に体感しながらの作業…

風邪などひかないように体調管理もしっかりしなければ‥。

北側の水温13.7℃の濁水系を操業するも

更に魚体組成が悪くなった…

南東側へ調査し、

水温12.8℃では魚体組成が良くなり、連続操業!

夜明けが近くなってきた頃から

魚探の反応が良くなって纏まった漁獲。

最後の揚網で「マンボウ」が網に入りました‥

「マンボウ」と云えば、初めてサンマ漁船に乗ったシーズン、

網に「マンボウ」が入ると片側の胸鰭を切り取り、

それを船首にある「立ち」と呼ばれる場所

(もやい綱を止める太い鉄芯棒)に乗せて、

その上に米と水と御神酒を添えて拝み、

大漁祈願する事が若かった私の役目だったのを思い出します。

今は各船、その習慣が無くなったのかな…

夜明けから微速で南下、16時スタンバイ。

以前、南下第一陣の漁獲があった八戸沖‥

日暮れ前から魚探に反応があり、大群操業に備え準備!

日没と共に操業開始、大群操業!!

18時40分終わり、南下帰途航走。

八戸沖から宮古沖にかけて漁模様が一気に好転!

操業各船の水揚げが

月曜日の三陸各市場に集中するのを避ける為、

21時、予定変更北上、釧路向け!

沖からのうねりが高く、微速で航走‥

10日昼頃の入港予定。


【サンマ漁20航海目】!

2010年10月07日 | モバイル

6日14時45分、久慈港に入港し、

即水揚げ、氷を積み込み19時40分出港!

沖よりに調査して行き、大船渡港での水揚げ後、

北上して来た数隻が操業を始めたN39°55'E143°07'付近、

黒崎沖約50哩に向けて南東側へ‥

00時15分スタンバイ。

レーダーには7隻の船が確認できましたが、

3哩圏内で操業していたのは我々を含め4隻…!

水面だけですが、群れていないサンマが跳ねている。

中層にはサバの群れがおり、

例によって網を下げるワイヤーを加減して(昨夜は1/4)

混獲を防ぎながらの操業…

水温は17.8℃ とても透明度の高い水色、魚体組成が良く、

襟裳沖の操業ポイントとはまるで異なる割合…!

1時~5時まで、ほぼ連続操業し、5時半から帰途航走久慈向け!

7日、10時入港予定。


【サンマ漁19航海目】!

2010年10月06日 | モバイル

女川港での水揚げ・氷の積み込みを終え

4日、10時30分、網のメンテナンスをしながら出港!

故障だと思われたFoサービスポンプだが、

予想外の配管箇所が詰まっていた…

ストレーナー(濾し器)以降の吐出側字フランジ部に

Foの船底タンク内にある筈の無い物が詰まっていた…。

その後無事に作動し、一安心…。

女川湾を出ると右舷側に金華山が見える…

金華山は宮城の漁師達にとってのパワースポット。

今期初の女川 出・入港、

金華山に向かって

大漁・航海安全・機関安全・身体安全を祈った‥!

雨の三陸沿岸沿いを北上し、20時30分スタンバイ。

雨の中、黒崎~八戸沖を各船と共に調査も

操業出来るような群れには当たらず、北上‥!

9月30日の晩に

八戸沖で福島船団の数隻が大群操業したと云う南下第一陣…

例年、サンマの南下第一陣は数隻での纏まった漁獲後、

水温が変わらなくてもしばらくはその付近にサンマが浮かなくなり、

次に浮いた時、そこに主漁場が形成されるという傾向があります。

今年に関しては例年より全般に群れが薄いので

その傾向に沿うかはわかりませんが…

5日朝9時、襟裳岬沿岸で漂泊。

昨夜点灯しなかったLED漁灯の一部の安定器を交換‥

安定器に表示されるエラー番号によって不具合箇所が特定出来、

その後の設定はデジタル機器特有…

無事に点灯し、これも一安心!

襟裳岬沿岸沿い15哩付近を17時から調査開始!

水温16.4℃ 近海トロール漁船数隻が操業している…

十勝港の街灯りが見えるポジションまで北上すると

山影によって風がだいぶ遮られた。

更に北上するも、水温が上がり東側へ調査‥

20時過ぎから1回操業するも、

魚体組成が悪く「1-3-6・大-中-小」

(小サンマの占める割合が多い)僚船数隻と共に南下!

23時、強かった西風が弱まり襟裳岬の東南東沖で操業再開。

水温16.0℃ 魚体組成も凪も良くなった‥。

付近に船がひしめき合っていて、隣で操業中の船の

スピーカーから漁労長の指示する声が聞こえてくる…!

海面で跳ねるサンマはあまり見えず、サンマが深い、

中層では群れがつながっているよう…

23時~4時までの間、壷サンマを連続操業‥

大群操業ではないが、サンマがある程度纏まって網に入る。

付近各船も船足が重くなっている…

夜明け前の4時過ぎ、操業終わり南下帰途航走!

後片付けを終えて竿(LED漁灯)を仕舞う頃には夜が明けて、

東に水平線から昇る朝陽、

西に襟裳岬に連なる十勝の山並みが見える…。

レーダーに映る襟裳までの距離は西に約30哩‥

津軽海峡沖を経て次に見える山並みは内地‥!

久々に凪良く海峡越えである‥。