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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【サンマ漁21航海目】!

2010年10月10日 | モバイル

操業時も暑かったが、

この日の久慈港は夏に逆戻りしたような暑さ…

7日12時15分、久慈出港、昨夜の操業ポイント向け!

17時スタンバイ‥

三陸沿岸各市場での水揚げ後に出港して来た各船が集まって、

日暮れから調査も昨夜とは打って変わって、

海面を跳ねるサンマが見えない…

水温は若干上がり18.8℃…

昨夜の操業時、魚探のモニターには水面にサンマの反応、

中層にサバの反応があり、

操業中の4隻の付近一帯の海面に、

薄くだが跳ねるサンマを目視出来たのですが…

風向は南東…

南下回遊南端のサンマは凪や風向・水温等、

いろんな条件が重ならないとなかなか漁獲が難しい…

ましてや、今期は同ポイントでの好漁が2晩続かない…

南東側に調査して行き、薄群れを数回操業‥

その後は操業出来るような群れには当たらず、

23時から沖よりに調査航走、

次第に北側にコースを変え、

「サンマが見えている」と云う流し網漁船からの電話連絡

(通信長の友達)を頼って襟裳岬の南側へ‥

夜明け前に到着し、点灯!

サンマは確認できましたが水温20℃台、

サバの反応が多く操業せず‥

僅かな漁獲に終わり、

傷んだままだった網の一部を交換しながら、 夜明けから北東へ、

襟裳の沖側に向けて微速で航走。

13時30分、ポイント着、漂泊‥!

サロンのホワイトボードに、

全さんまからの各船宛てFAXが掲示されました。

「10月15日~22日迄の水揚げ後、

乗組員休養の為の48時間休漁を各船1回実施して下さい」

との旨のFAX‥

9月の休漁は釧路港で破損箇所の補修作業の為

ゆっくり出来ずじまいでしたので、

今回はゆっくりしたいものですが… どうかな…?

8日、16時スタンバイ、日暮れから調査!

船団を離れて東側に調査、

14.3℃の水温で19時から操業開始も

サンマの割合が悪く北側に調査航走。

黒崎沖と違い、襟裳沖は寒く、

ここ2~3日で暑さと寒さを交互に体感しながらの作業…

風邪などひかないように体調管理もしっかりしなければ‥。

北側の水温13.7℃の濁水系を操業するも

更に魚体組成が悪くなった…

南東側へ調査し、

水温12.8℃では魚体組成が良くなり、連続操業!

夜明けが近くなってきた頃から

魚探の反応が良くなって纏まった漁獲。

最後の揚網で「マンボウ」が網に入りました‥

「マンボウ」と云えば、初めてサンマ漁船に乗ったシーズン、

網に「マンボウ」が入ると片側の胸鰭を切り取り、

それを船首にある「立ち」と呼ばれる場所

(もやい綱を止める太い鉄芯棒)に乗せて、

その上に米と水と御神酒を添えて拝み、

大漁祈願する事が若かった私の役目だったのを思い出します。

今は各船、その習慣が無くなったのかな…

夜明けから微速で南下、16時スタンバイ。

以前、南下第一陣の漁獲があった八戸沖‥

日暮れ前から魚探に反応があり、大群操業に備え準備!

日没と共に操業開始、大群操業!!

18時40分終わり、南下帰途航走。

八戸沖から宮古沖にかけて漁模様が一気に好転!

操業各船の水揚げが

月曜日の三陸各市場に集中するのを避ける為、

21時、予定変更北上、釧路向け!

沖からのうねりが高く、微速で航走‥

10日昼頃の入港予定。