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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【サンマ漁19航海目】!

2010年10月06日 | モバイル

女川港での水揚げ・氷の積み込みを終え

4日、10時30分、網のメンテナンスをしながら出港!

故障だと思われたFoサービスポンプだが、

予想外の配管箇所が詰まっていた…

ストレーナー(濾し器)以降の吐出側字フランジ部に

Foの船底タンク内にある筈の無い物が詰まっていた…。

その後無事に作動し、一安心…。

女川湾を出ると右舷側に金華山が見える…

金華山は宮城の漁師達にとってのパワースポット。

今期初の女川 出・入港、

金華山に向かって

大漁・航海安全・機関安全・身体安全を祈った‥!

雨の三陸沿岸沿いを北上し、20時30分スタンバイ。

雨の中、黒崎~八戸沖を各船と共に調査も

操業出来るような群れには当たらず、北上‥!

9月30日の晩に

八戸沖で福島船団の数隻が大群操業したと云う南下第一陣…

例年、サンマの南下第一陣は数隻での纏まった漁獲後、

水温が変わらなくてもしばらくはその付近にサンマが浮かなくなり、

次に浮いた時、そこに主漁場が形成されるという傾向があります。

今年に関しては例年より全般に群れが薄いので

その傾向に沿うかはわかりませんが…

5日朝9時、襟裳岬沿岸で漂泊。

昨夜点灯しなかったLED漁灯の一部の安定器を交換‥

安定器に表示されるエラー番号によって不具合箇所が特定出来、

その後の設定はデジタル機器特有…

無事に点灯し、これも一安心!

襟裳岬沿岸沿い15哩付近を17時から調査開始!

水温16.4℃ 近海トロール漁船数隻が操業している…

十勝港の街灯りが見えるポジションまで北上すると

山影によって風がだいぶ遮られた。

更に北上するも、水温が上がり東側へ調査‥

20時過ぎから1回操業するも、

魚体組成が悪く「1-3-6・大-中-小」

(小サンマの占める割合が多い)僚船数隻と共に南下!

23時、強かった西風が弱まり襟裳岬の東南東沖で操業再開。

水温16.0℃ 魚体組成も凪も良くなった‥。

付近に船がひしめき合っていて、隣で操業中の船の

スピーカーから漁労長の指示する声が聞こえてくる…!

海面で跳ねるサンマはあまり見えず、サンマが深い、

中層では群れがつながっているよう…

23時~4時までの間、壷サンマを連続操業‥

大群操業ではないが、サンマがある程度纏まって網に入る。

付近各船も船足が重くなっている…

夜明け前の4時過ぎ、操業終わり南下帰途航走!

後片付けを終えて竿(LED漁灯)を仕舞う頃には夜が明けて、

東に水平線から昇る朝陽、

西に襟裳岬に連なる十勝の山並みが見える…。

レーダーに映る襟裳までの距離は西に約30哩‥

津軽海峡沖を経て次に見える山並みは内地‥!

久々に凪良く海峡越えである‥。