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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【サンマ漁27航海目】!

2010年10月23日 | モバイル

サンマ水揚げ主要港の中ではたぶん、

釧路魚市場が一番水揚げの開始時間が早いのでは…

前回入港時までは水揚げ開始が4時でしたが、

22日は早朝3時半から水揚げ開始…!

三陸も寒くなったが、さすがに道東は冬が近い…。

初冬の北海道を感じながら、水揚げ・氷の積み込み後、

7時、釧路出港凪良く沖へ!

前航海操業した宮古沖合いのポイントに向け、

23時頃の到着予定でしたが、

花咲・厚岸両港から出港し、

我々より沖側のコースを南下航走して来た船が群れに当たり、

日暮れから操業を始めたと云う情報で北北東へ‥

17時スタンバイ!

3隻がすでに操業中‥

気温が低く、ひんやりとした海上‥

N41°23'E146°16'付近、花咲の南沖約100哩。

水温12.6℃ 濁水系の水色。

濁水系と澄んだ青色系の水色では、

漁灯の下に集まったサンマの動き(泳ぎ)も違う…

漁灯の色が水色の違いで

サンマの目にはどのように映るのだろうか…?

濁水系ではサンマがおとなしく、

澄んだ水色ではサンマが忙しく泳ぐ…!

(…極端な表現ですが…)

大群操業ではないが、割と濃い群れを10回程操業。

23時終わり、北上帰途航走。

北上しながら後片付け中、漁灯の明かりに

サンマの群れが跳ねて来る…!

付近一帯にサンマが見える。

明日もここだな…!

操業後は汗だくの体が一気に冷えた‥

風邪には特に注意が必要な流れである

10時頃の花咲入港予定!


【サンマ漁26航海目】!

2010年10月21日 | モバイル

北西の風が朝方には更に強まった…。

三陸沖もついに季節風のシーズン到来である‥

18日8時50分、久慈入港水揚げ、

10時20分出港、沖へ!

例年の盛漁期とは様相が違い、

今期のサンマ漁は時間とのつき合いでもあります。

これから漁期終盤にかけては更に夜が長くなる…

道東沖はかなり漁模様が悪くなったらしい、

最近の主漁場、八戸沖~宮古沖も漁模様が低調気味に…

今後の南下回遊で三陸沿岸~金華山、

常磐沖~房総沖に形成されるであろう漁場での

漁の推移に期待である…。

16時スタンバイ、三陸各港から休漁明けの船も集まり、

日暮れと共に強い季節風の中、調査開始!

18時過ぎ、数隻の船が操業を始めたが、

我々は南西側に調査。

ほどなく各船が南西側に一斉に航走を始めた…

南西に2時間航走し、2回操業、

西に1時間航走し、数回操業するも漁獲は伸びず

N39°58'E142°53'付近、

水温15.7℃~16.1に変わった潮境に各船が集まった‥

その付近で数回操業…

漁模様は低調…

その後は調査航走が続き、

ほんの僅かな漁獲で夜明けを迎えた…。

今期のサンマ漁の解禁当時に戻ったような薄漁になった…

夜明けから北北東に30哩程航走して漂泊‥。

寒気の影響で海上も気温が一気に下がり、

季節風が強かった18日夜は、

波飛沫を浴びながらのライト当直時は、寒くて震えました…

19日、北西からの強い季節風は止み、良い凪となった

日没は16時42分‥

日没から調査開始!

17時過ぎに薄群れを2回操業…

サンマは見えなくなった…

19時、付近調査中の各船が一斉に沖よりに航走!

N39°54'E143°46'付近

そこでも数回操業し、南へ航走。

ライトの探照先に僅かに数十匹程のサンマが跳ねる…

漁灯の下に集まるサンマも少ない…

この周辺に形成されたサンマ主漁場もついに消滅かな…?

0時過ぎからは東へ航走‥

N39°53'E144°11'付近でようやくサンマが見え始めた。

操業・航走を続けるもイマイチ漁獲は伸びない…

夜明け近くになって

ライトの探照先に跳ねるサンマの群れが見えたが

灯付きが悪い…

またも僅かな漁獲で夜明けを迎え、

20日、夜明けより東へ‥

調査船の情報に各船が一斉に航走。

目指すポジションは宮古沖約200哩‥!

14時到着、漂泊。

N39°53'64.E146°40'47.

日暮れから南よりに調査、

水温13.5℃、濁水系の水色

17時半過ぎから操業開始!

1回目から、

18日・19日晩の操業が何だったのかと思うような群れ…

2晩分の漁獲量の倍以上が網に入った!

魚体組成も良い‥!

調査船様々である。

大群操業とまではいかないが、順調に漁獲を伸ばし、

21時終わり、帰途航走!

22日0時、釧路入港予定。


【サンマ漁25航海目】!

2010年10月18日 | モバイル

15日に女川港で水揚げして休漁した船は5隻。

友達が指揮している船が昼過ぎに入港して来た…

久々に顔を合わせたものの水揚げ作業中…

互いに手を振り意思疎通!

学生時代からの友で、唯二人、

沖乗り漁師に残った者同士

夜になって携帯電話で近況を語り合い、互いにエール‥!

17日朝6時、女川出港凪良く北上!

15時40分スタンバイ。

さすがに日没が早くなって、16時45分‥

休漁明けの17日朝6時、

共に出港して来た我々以外の4隻は速力が勝る船…

N40°11'E143°20'付近

他港から出港して来た船も含め、

前航海の操業ポイントより北西側に船が集まったよう…

我々が到着した17時半頃には

各船操業を始めていました…!

操業中の各船を縫うように調査。

水温は15.4℃

魚探(魚群探知機)のモニターには

イワシらしき反応が中層に続いている…

サンマの反応は薄い…

水面には灯付きの良いサンマが漁灯に集まって来る。

19時過ぎから操業開始!

例によって網の足(錘)に続くワイヤーを1/4にし、

出来る限りの混獲防止対策‥!

それでもサンマに混じり、イワシ・サバが若干網に入った…

人手で選別しながらサバは放流し、イワシはおかず…

イワシ(真鰯)は型が良かった。

操業・調査航走を繰り返しながら西側へサンマを追った‥

一時的に雨が降り、その後次第に北西の風が強まって、

日付けが変わってからはうねりも高くなった…

3時過ぎに操業を止め、竿をたたみ(漁灯を仕舞い)

帰途航走、久慈港向け!

9時頃の入港予定。


【48時間休漁in女川港】!

2010年10月16日 | ブログ

10月15日の水揚げから、

各船水揚げ後の48時間休漁を1回実施・・

我々は昨15日の水揚げ後、休漁入り!

水揚げ後、漁撈機器のメンテナンス。

網を巻き揚げる機械のすり減ったローラー(ゴム製)の

交換作業を行い帰宅!

自宅着は17時、一時的に緊張感が解けて

夕食後は眠くて眠くて・・・・・

16日朝は、涼しさで目がさめました。

10月も中旬、すっかり秋である…

所用で隣の登米市に行って来たのですが、

ほとんどの田んぼは稲刈りが終わり、

たわわに実った柿も色付いて、

芒も萩の花も、秋本番を感じさせる…

自宅近くの公園にも行ってみました…

昨年の今頃はそこで必至に歩行訓練…

昨年の事があるので、今年は漁の最中以外の刻が、

まるで早送りのように感じられる!

撮りためた画像をupしようとしていましたが

SDカードを持ち帰るのを忘れてしまいました…

また、サンマ関連の記事を拾い読みすると、

釧路新聞web  10月16日付け記事 には

「今季20トンを輸出/根室サンマ、ベトナムへ

根室産冷凍サンマのベトナム輸出の可能性を探っていた

根室市アジア圏輸出促進協議会(会長・長谷川俊輔根室市長)と

来根中のベトナムバイヤーとの商談が15日、正式にまとまった。

テストケースとして年内をめどに、

サンマやサケの頭など約20トンを輸出する。

来季は同サンマ1200トンを輸出する方向で再交渉する。

ベトナム側の希望は魚体が80―100グラムの加工用サイズ。

根室では``ジャミサンマ、、と呼ぶ、製品にならないサイズが

新たな付加価値を生むことになるだけに、

地元業界は「希望に添いたい」と意欲を見せている。

北海道新聞 農林水産 10月15日付け記事 には

「サンマ不漁でも… 水揚げ額前年並み 単価上昇で」

サンマの生産者団体、

全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま、東京)は、

9月末現在の全国の水揚げ状況をまとめた。

道東沖での不漁の影響を受け、

水揚げ量は前年同期比53%減の5万5378トンだったが、

単価が平均2倍以上で推移したため、

水揚げ高は前年並みの123億1106万円を確保した。

みなと新聞 10月14日付け記事 には

「サンマ 漁場南下し、三陸水揚げ本格化

道東中心に水揚げしてきたサンマがここにきて漁場が南下し、

三陸各港への水揚げが本格化、

1日2000トンを超える日も増えてきた。

主漁場は襟裳岬南沖だが、先端は久慈沖まで来遊、

水温の低下とともに徐々に南下してきている。

「海況がガラリと変わらない限り、

しばらく三陸沖主体の水揚げが続こう」と

(社)漁業情報サービスセンター道東出張所。

ただ、来遊資源量は例年に比べて少なく、

1隻当たりの漁獲が20~40トンと振るわないことから、

大きくまとまった水揚げは厳しい状況だ。

などの記事を読みながら物思いに耽る………

ともあれ、そんな中 今回の休漁は船から離れ、

一時的に作業も忘れ、幾分のんびり過ごせました。

また明日から漁は再開、気持ちを切り替えて!


【サンマ漁24航海目】!

2010年10月15日 | モバイル

13日12時20分、久慈出港凪良く沖へ!

16時30分スタンバイ。

17時半過ぎ、十数隻程が操業中のポイント着。

小型船の船団でした‥

ついに内地の小型船団も海峡を越えて来たようです!

18時から数回操業‥

沖側の漁模様が悪いようで僚船と共に

韓国船団も集まって来た…

韓国船の情報収集も意外と早い‥!

が、この操業ポイントも

すぐにサンマが見えなくなり、各船が散らばった。

我々は南東側に調査!

鏡のような海面、最高の凪だが漁模様はイマイチ…

突然、大粒の雨が降り出し、

その雨が止むと今度は霧…

久々の濃霧の中、沖よりに調査。

日付けが変わって01時過ぎ、

比較的大きな群れに当たり、3回の連続操業‥

この群れの漁獲で、一旦ほっとしたほど、

この夜は漁獲が伸びずにいました。

夜明けまで付近を調査・操業し、夜明けから漂泊‥。

網の補修、傷んできたワイヤーの交換作業をして、

久しぶりの洋上ホテル(沖泊まり)…

この漂泊によって

次の入港・水揚げ後の休漁が決まった…。

14日、16時スタンバイ!

日没後、薄群れを2回操業後南東側へ…。

20時、N39°56'E143°58'付近で

昨夜と同じような比較的大きな群れに当たり、

3回の連続操業後、帰途航走、女川向け!