漁獲したサンマを鮮度良く市場に運ぶ事は、
魚価にも水揚げ後の流通経路にも大きく影響します!
各秋刀魚漁船は漁獲したサンマを
鮮度良く流通させる為に日々努力しています!
今から22年前、秋刀魚漁船に乗船したての頃は
漁獲したサンマを氷と一緒に魚艙に入れ、
その後、氷が入ったカゴを積み重ね、
その上から海水を流し込んでいました。
当時は船の速力も遅く、漁場が遠いと鮮度が悪くなって
魚価が低迷する原因になっていたのですが。
この20年の間に各船、いろんな研究や対策を講じてきました。
現在ではほとんどの秋刀魚漁船が「冷水」を使用しています!
「冷水」を使用することで鮮度維持が飛躍的に進歩しました。
「冷水」とは清水と海水を混合して
(漁場の遠近により割合を6対4または半々、
7対3等若干変え、各船により異なる。)
循環しながら冷水クーラーを使い0℃以下まで冷却した
サンマの為の冷却水です。
漁獲したサンマを魚艙に入れる際、
2台のポンプを使って
1台は魚倉に入れる前、サンマに氷を掛 けながら流し、
もう1台は魚艙内に直接入れ、
サンマの魚体温度を一気に下げます!
魚艙内に直接入れる冷水の量を調整しサンマと氷とが、
いかにバランス良く混じり、
魚倉内温度を0℃以下に保つかが鮮度維持に繋がります。
氷や冷水の準備には遅れが許されません!
我が船の場合氷約33トン、冷水約35トンが用意されており、
約90トンの漁獲量に対し氷約30トン冷水約30トンを使用します。
サンマ漁獲時の海水温度や、漁模様に応じて使用する量が変わり、
それに応じて氷を準備しますが
大量にサンマが網に入ると短時間で氷艙から
揚げきらなければなりません!(これまでの最短が2時間!)
冷水を作るのには入港中に冷水艙へ清水を積み込んで、
出港後海水を入れて約6時間以上の循環と冷却が必要で
海水温が高いと当然、冷却時間も長くなります。
船上では、それぞれの持ち場で
スペシャリスト的な作業が要求されます!
漁の中でサンマの鮮度は絶対条件です!
「鮮度の良い美味いサンマ」を流通させる為、
漁師達は頑張 ってます。