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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

鮮度維持!

2006年09月23日 | ブログ

漁獲したサンマを鮮度良く市場に運ぶ事は、

魚価にも水揚げ後の流通経路にも大きく影響します!

各秋刀魚漁船は漁獲したサンマを

鮮度良く流通させる為に日々努力しています!

今から22年前、秋刀魚漁船に乗船したての頃は

漁獲したサンマを氷と一緒に魚艙に入れ、

その後、氷が入ったカゴを積み重ね、

その上から海水を流し込んでいました。

当時は船の速力も遅く、漁場が遠いと鮮度が悪くなって

魚価が低迷する原因になっていたのですが。

この20年の間に各船、いろんな研究や対策を講じてきました。

現在ではほとんどの秋刀魚漁船が「冷水」を使用しています!

「冷水」を使用することで鮮度維持が飛躍的に進歩しました。

「冷水」とは清水と海水を混合して

(漁場の遠近により割合を6対4または半々、

7対3等若干変え、各船により異なる。)

循環しながら冷水クーラーを使い0℃以下まで冷却した

サンマの為の冷却水です。

漁獲したサンマを魚艙に入れる際、

2台のポンプを使って

1台は魚倉に入れる前、サンマに氷を掛 けながら流し、

もう1台は魚艙内に直接入れ、

サンマの魚体温度を一気に下げます!

魚艙内に直接入れる冷水の量を調整しサンマと氷とが、

いかにバランス良く混じり、

魚倉内温度を0℃以下に保つかが鮮度維持に繋がります。

氷や冷水の準備には遅れが許されません!

我が船の場合氷約33トン、冷水約35トンが用意されており、

約90トンの漁獲量に対し氷約30トン冷水約30トンを使用します。

サンマ漁獲時の海水温度や、漁模様に応じて使用する量が変わり、

それに応じて氷を準備しますが

大量にサンマが網に入ると短時間で氷艙から

揚げきらなければなりません!(これまでの最短が2時間!)

冷水を作るのには入港中に冷水艙へ清水を積み込んで、

出港後海水を入れて約6時間以上の循環と冷却が必要で

海水温が高いと当然、冷却時間も長くなります。

船上では、それぞれの持ち場で

スペシャリスト的な作業が要求されます!

漁の中でサンマの鮮度は絶対条件です!

「鮮度の良い美味いサンマ」を流通させる為、

漁師達は頑張 ってます。