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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

回顧記 20話 「旅の衆」!

2006年04月11日 | 船上回顧記

北海道、根室市落石港で

出港前の数日間を過ごしている間、

船主や漁労長、地元の乗組員は

まだはっきりと名前を憶えていないようで

根室以外から集まったメンバーを総じて

「旅の衆」と呼んでいました!

出港前の準備作業が終盤になった頃

漁で使う網を船に積み込み、その晩

「網おろし」と呼ばれる出漁前の宴会が催されました、

その席で各自の自己紹介をして正式な顔合せとなりました。

宮城からは4人、函館から2人、秋田から1人

根室から9人(函館出身で根室在住を含む)

船主と乗組員16人が杯を交わし、大漁と安航を

祈願し、夜の街へ・・・

次の日からは「旅の衆」と呼ばれるのは総称となり、

函館の方には「函館衆の○○」

宮城の人には「気仙沼衆の○○」と

呼ばれるようになっていきました。

そして出漁し何度か操業しているうちに

船内では、名前で呼び合うようになっていました。

連日、濃霧の中で操業が続き、魚艙に入った

鮭の量では一旦、帰航してもいい頃になって、

濃霧が晴れ、青空が見え始めた時、

飛行機が飛んできて何度かフラッシュの光が!!!

翼には星条旗のマークが入っていました。

アメリカのコーストガードの航空機でした。