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スパルタンX Wheels on Meals 快餐車・パラマウントジャパン

2014-01-27 21:36:29 | 映画・DVD・CD

 スパルタンX Wheels on Meals 快餐車は、1984年に公開された香港映画。


 ジャッキー人気が最高潮の時に公開され、ファミコンに移植されたゲームも売れたことから、プロジェクトA、ポリスストーリーと並んで日本では知名度のある人気の高い作品だと思います。プロレスラーの三沢光晴氏がテーマソングを入場曲として使用していたこともあり、映画は見たこと無くてもタイトルだけは知っているという人も多いのでは。


 香港三大スター揃い踏みのオールスター映画で、プロジェクトAに続くジャッキー映画という印象のある本作ですが、実際は原題が快餐車、英題Wheels on Mealsで、サモハンキンポー監督作品。これら、原題や英題は内容をよく現していますが、スパルタンとXという内容と関係ない単語を組み合わせて、ジャッキー映画だとわからせる邦題のセンスが光ります。


 映画は、この頃の香港映画には珍しくオールスペインロケ敢行。地中海のまぶしい日差しと穏やかな気候の下、とにかく明るい無国籍風な映画に仕上がっています。サモハン監督の出世作、燃えよデブゴンは、オールローマロケを行ない本物の外国人格闘家(チャック・ノリス)と死闘を繰り広げたドラゴンへの道のオマージュだそうで、この作品でもそれを意識した部分はあるのかもしれません。


 でも日本公開時には、思いっきりジャッキー主演作品。確かに同時期の五福星などと違って、主役級の活躍はしますが。前述のアイレムが製作して任天堂がファミコンに移植したスパルタンXも、海外版はKUNG-FU MASTER。スパルタンXでは、海外には通じないんですね。またMSX版は、当時版権を持っていたポニカより既にスパルタンXがゲーム化されていたため、聖拳アチョーという投げやりなタイトルになっていた。


 ストーリーは、ジャッキー扮するトーマスとユンピョウ扮するデヴィッドは、スペインのバルセロナで車を使ったファーストフードの路上販売により生計を立てている(この車がスパルタン号)。そこにサモハン扮する探偵のモビーと、謎の美女シルビア(ミス・スペインのローラ・フォルネル)が絡んできて、物語は意外な方向に展開してゆく・・・。


 まだ若くてジャッキー人気も最高潮、ユンピョウも売り出し中という時期なので、基本的にアイドル映画の乗り。ただしサモ・ハン監督作品ですから、精神病院を舞台にした今見ると微妙な展開も盛り込まれており、メジャーなわりには地上波での放送は難しい模様。それでも当時、ゴールデン洋画劇場で放送されました。ずい分カットされたみたいですが。


 日本からコーチを呼んで、当時流行していたスケートボードを使用したアクションシーンが盛り込まれていたり、香港映画としては珍しいカーチェイスが盛り込まれたりと、見せ場は多い。ただし、物語はサモ・ハンギャグ炸裂のかなり間延びした展開で、ラストバトルまでがなかなか長く感じます。


 ここだけ別の次元の完成度を誇るクライマックスシーン。三銃士揃い踏み。ゲームのスパルタンXは、ブルースリーの死亡遊戯を連想させる中華風の塔(?)を上っていきますが、原作ではスペインの古城を攻略。DVD解説で初めて知りましたが、ボス役の役者さんはフェンシングが全くの素人で、ユンピョウが吹き替えをしたのだとか。クライマックスのサモハンとラスボスの格闘シーンは、実はユンピョウと戦っています。


 ジャッキー本人がベストバウトに上げることも多い、本物のマーシャルアーツチャンピオン、ベニーユキーデとのラストバトル。迫力を増すために実際に当てているとか、いろんな話があります。とにかく動きが早く展開がスピーディで、本作最大の見せ場。というかこの映画、ここだけあればいいという気も。


 講談社のジャッキー映画解説本、ジャッキーチェン最強伝説。


 スペインロケによる痛快作と、プロジェクトA、ポリスストーリーと肩を並べる特別な映画としては取り上げてない。


 映画より有名かもしれない三沢光晴氏の入場テーマ曲であるスパルタンX。これも実は日本版のみの日本オリジナル曲。原作では、ジャッキーが歌謡曲みたいな歌を歌っています。作曲のキースモリソンとは、木森敏之氏のペンネーム。ハッ!ハッ!の掛け声を印象的なSEに使った、映画少林寺のテーマ曲もこの方。


 ファッションについても取り上げられてますが、80年代のアイドルっぽい格好をしています。この辺は、現代劇のため仕方ないですが、古くならない時代劇のプロジェクトAと比較して時代を感じさせます。


 当時の思い出としては、ジャッキー熱が最高潮の頃のため、劇場に見に行きました。ゴールデン洋画劇場でもしっかり見てます。ファミコンのスパルタンXも、三沢氏の入場テーマもなにもかも懐かしく、個人的にはジャッキー映画のベストの作品。ジャッキーの黒のタンクトップとドライバーズグローブが、かっこよく思えたものでした。


 ということで、数あるジャッキー映画の中でもジャッキーがひときわ輝く一作、スパルタンX Wheels on Meals 快餐車でした。



参考:Wiki スパルタンX(映画)、スパルタンX(ゲーム)、ドラゴンへの道、サモハンキンポー、チャックノリス、木森敏之の項、ジャッキーチェン最強伝説/講談社、ドナドナを聴きながら


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