『
ゼビウス』(XEVIOUS)は、
ナムコより1983年に発表されたシューティングゲームです。作者は
遠藤雅伸氏。80年代黄金期ナムコ作品の中でも特に有名な作品で、縦スクロール型のシューティングの
金字塔とも言われます。
自機『
ソルバルゥ』を操り、
ゼビウス軍の空中兵器や地上部隊を叩きながらエリアを進んでゆきます。空中と地上物の2種類のショットを使い分けることが、大きな特徴の1つです。
巨大浮遊要塞アンドアジェネシスや
ナスカの地上絵、モノリスのような
バキュラなど、登場してくるキャラも神秘的なのものでした。隠れキャラの
ソルや
スペシャルフラッグなど隠し要素も多く含まれていて、そこも人気を呼んだ一因だと思います。それ以外に
ファントム戦闘機が登場する、
犬が画面を横切る、
バキュラは256発弾を当てれば破壊できる等のデマ情報も流れるなど、当時としてはとても奥の深いゲームだという印象でした。
当時は注目の作品となり、製作者の遠藤氏は一躍スターゲームデザイナーになりました。
細野晴臣氏がゲーム音楽のみのアルバムを発表したり、新進気鋭の学者だった
中沢新一氏がゼビウスに関する一文を発表するなど、
サブカルチャー的な受けとられ方もしています。遠藤氏は、ゲームに奥行きを持たせるため『
ファードラウトサーガ』と呼ばれる物語や、
ゼビ語と呼ばれる人工言語(のようなもの)まで作っていました。そのような細かな設定が、よりゲーム世界に奥行きや深みを与えていたようです。写真、
雲片曲線論/中沢新一・中公文庫
『ゼビウス』には数多くの続編があり、様々な機種に移植されています。ナムコのファミコン参入第一弾は
ギャラクシアン(84)ですが、ゼビウスが移植された時(84)には、一層注目を集めました。FCが国民機になる過程には、『
スーパーマリオ』や『
ドラクエ』等の大ヒットがありますが、ゼビウスが遊べるということも大きかったように思います。当時の8ビットPCはまだ非力で、完全な移植が難しかったため、FC版ゼビウスは
地上絵が省略されている、
アンドアジェネシスが浮遊しない等、細かい差異はあったものの、よくできた移植として受け入れられました。個人的にも、FCを凄いと思ったのはゼビウス登場がきっかけでした。
写真はFC版『
スーパーゼビウス・ガンプの謎』
続編としては、難易度を上げた『
スーパーゼビウス』(83)、FC版『
スーパーゼビウス・ガンプの謎』(86)、ポリゴンを使用した3Dの『
ソルバルウ』(91)、アレンジを施した『
ゼビウス・アレンジメント』(95)、ポリゴンで立体的になった『
ゼビウス3D/G』(96)などがあります。どれもオリジナルを超えるものは無いと思うのですが、個人的には、あまり話題にのぼることの少ない『ソルバルウ』が、良かったと思います。大きな筐体でプレイ料金も高かったため、わりと直ぐ消えてしまいましたが、
オリジナルの神秘性は受け継がれていたような気がします。移植例がないため、気軽に遊べないのが残念ですが。
写真は
Let'sTVプレイCLASSIC版ゼビウス(左)と、
ファミコン版ゼビウス(右)
ゼビウスは大ヒットしたためか、かなりのロングセラーにもなりました。当時ほとんどのゲームセンターや駄菓子屋に置かれていたように思います。あまりにも長く稼動していたため、
ゼビウスのタイトルロゴが画面に焼きついてしまった筐体も良く見かけました。ゼビウスは様々な機種に移植されていますので、(当時の衝撃を感じる事は難しいですが)今でも気軽に遊ぶことができます。
参考:Wiki ゼビウスの項、雲片曲線論/中沢新一・中公文庫