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ゲームブック・スーパーブラックオニキス・東京創元社

2007-02-11 13:50:34 | ゲームブック

 『スーパーブラックオニキス』は、1987年に東京創元社より発行されたゲームブックです。作者は、ドルアーガ3部作の鈴木直人氏。PCで人気だったCRPG『The Black Onyx』の世界をゲームブックで再現したものです。また同時期に、FC版でもスーパーブラックオニキスが発表されていました。


 オリジナルの『The Black Onyx』は、CRPG出始めの作品ということもあって、純粋に戦闘を繰り返してキャラの成長を楽しむ、ほとんどイベントらしいイベントも無いWIZタイプのゲームでした。このゲームブック版では、物語性をもたせるためにオリジナルキャラの追加など、幾つかのオリジナル要素を加えてあります。その上でパーティを組んで街と迷路を行き来することができるなど、ゲームブックでは不可能だと思われるようなCRPGの再現も試みられています。写真は、MSX版『The Black Onyx』


 物語は、呪われた町ウツロに赤毛の若者がたどり着いたところから始まります。ここには富と永遠の若さをもたらす秘宝Black Onyxが隠されており、町は司法官マサイヤによって管理されています。主人公は秘宝を求める探索を続けるうちに、町を覆う事件に巻き込まれてゆくことになります。オリジナル版のウツロの町には、領主や管理者らしき者は存在しませんでしたので、司法官マサイヤはゲームブック版の独自キャラになります。表紙にでかでかと登場する坊主頭の人物がそうなのですが、独自キャラのクセになかなか強烈な人物です。この人物がゲームの鍵を握り、ラスボス的な役割を果たす事となります。

 またオリジナル版では職業の概念がなく、全員が戦士のパーティで冒険をするようになっていました。今作では、盗賊、魔術師、僧侶からなるパーティを組むことになります。驚くべきことに、それぞれの職業ごとに性格の異なる3種類ずつのキャラが準備され、選んだキャラによってイベントが変化するなど、非常に凝っています。またダンジョンには何度でも入ることが可能で、前作ドルアーガ3部作でも使われた双方向の移動ができるようになっています。町と迷宮を往復して装備を強化したり、アイテム収集をするなどの、CRPGの要素をゲームブック上でできるだけ再現しようとしているわけです。


 この凝ったシステムをどのようにして再現しているかというと、キャラクターシートにチェック表が備えられており(実に70箇所にも及ぶ)、どこかで何かを行ってフラグがたった場合に、チェックするようになっています。また同時に時間制限もあり、ウツロの町に入って20日間が経過してしまうと、マサイヤの野望が完了してしまうためゲームオーバーになってしまいます。そのためチェックシートにも、日にちを管理するカレンダーが付いています。前作ドルアーガでみせたゲームブックの限界に挑戦する試みが、さらに突き詰められた形で行われているわけです。そのため作者本人も、上級者むけだとわざわざことわっているほどです。日本製ゲームブックとしては、最も良く出来たもののうちの1つだと言えるでしょう。


 作中の雰囲気も、オリジナル版とは異なった独特な世界観になっていますが、神秘性は失われておらず、なかなかいい感じです。これはオリジナルキャラ、司法官マサイヤが成功している事もあるのでしょう。現在遊ぶ場合ですが、当時ものをブックオフなどで手に入れることはなかなか難しいと思います。創土社より復刻が予定されていますので、そちらを待って入手されるほうが確実だと思います。


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
クソでした (ジョージ・ケツメル)
2013-04-12 12:02:28
ドルアーガのヒットで調子に乗った鈴木直人のクソ作品ですね。
リンクにミス、チェックリストにミス、そのくせ長文テキストだけはやけに多いという、
完全に作者の自己満足ゲーでした。
システムに拘った挙げ句バグだらけ、小学生でも笑えないオヤジギャグ、とにかくストレス満載でしたね。
ゲームブックは複雑なシステムよりも、サクサク感が大事だと思います。
手軽さこそ、ゲームブック最大の魅力なのです。
こんな『山羊の餌』にもならないような紙屑で印税を取った作者の罪は重い!
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