ツインファミコン(twin famicom)は、シャープ株式会社が発売したファミリーコンピュータの互換機。ファミコン本体とディスクシステムを一体型にした機種で、1986年に定価32,000円で登場しました。
ファミコンとディスクシステムがひとつになった!
ROMカセット挿入口。開閉式になり高級感を漂わせます。
電源とリセット、真ん中がカセット取り出し用イジェクトスイッチ。
ディスク挿入口。
イジェクト上のスイッチで、ROMとディスクを切り替えます。
背面に窪みが。コントローラーの収納は、左右からここに移動。
誇らしげなFAMICOMのロゴ。
シャープより互換機が発売された経緯としては、諸説あるようですが“ファミコン”の商標をシャープが先に取得しており(オーブンレンジのものだったとか)、この後玩具の区分でも取得、その商標を譲ってもらう代わりに任天堂が許可をしたということのようです。※商標関係の詳しいいきさつはこちらに解説があります。またG&Wの液晶もシャープが担当しており、以前から任天堂との結びつきが強かったこともあるのでしょう。
表面には凹凸がなくシンプルなデザインですが、端子が沢山あります。
側面の拡張端子B、端子Aとは形が異なります。
背面のRFコンバータ拡張端子と、AV出力端子、ACアダプター用端子。
下部にも、拡張端子Cと拡張端子Dが。これは何に使うのかわかりません。
この機種の最大の特徴としては、任天堂のファミコン本体とディスクシステム両方の機能を兼ね備えており、これ1台でロムカセットとディスクカードのゲームを遊べるという事です。またもう一つの特徴として、ファミコンが映像出力がRF方式のみであるのに対して、RFコンバータ拡張端子と、AV出力端子を備えているという事。そのため高性能な映像と音声出力が可能になっています。その後、任天堂からもニューファミコン(AV仕様ファミコン)が発売されましたが、この当時としてはちょっと嬉しい装備でした。また後期型には、連射機能も装備されていたようです。この当時高橋名人の全盛期で(ツインファミコンの広告チラシにもTVのCMにも登場してます)、連射機能を持ったパッドが発売されたりしていました。ということでこの機種は、様々な機能を追加した高性能型ファミコンという位置づけでよいかと思います。実際にファミコン本体とディスクシステムを別々に買うより、本体価格が高くなっています。色は赤と黒の2色があり、前期型と後期型があります。写真のものは前期型。
当時、デパートの家電売り場には、ツインファミコンの箱が積んでありました。
ほとんどの家庭では、ファミコン本体をまず買ってもらい、ディスクシステムが登場すると追加で買ってもらうという経緯をたどっているでしょうから、この本体を持っていた人が身近にいた記憶がある方は少ないのでは。個人的にも、この機種にはほとんど縁がなく、当時はデパートの試遊機でデモっているのを眺めていたくらいでした。20年ぶりに今更手にしてみて思うことは、意外と高級感がある(玩具っぽさが少なく、しっかりした作りになってる)ということでしょうか。実際これは玩具扱いではなく、家電扱いになるのだそうです。そのため現在でもシャープで修理を受けることが可能だそうですが、修理費も(家電のため)高いのだとか。大きさ、重さ的にはセガ・サターンに近い感じです(セガサターンにも、日立やビクターより互換機が出ていました)。また後継機であるスーパーファミコンの互換機(CD-ROMと一体型になったもの)は、ソニーより発売される予定になっていましたが、その契約が破棄されたことからPSが誕生したというのも有名な話ですね。
お金持ちの証?自宅にはピアノとか置いてありそう。
ということでこの機種、個人的にはお金持ち(御坊ちゃん)の持ち物という印象があります。この当時は、友達のうちでPC-88で遊んでおり、MSXとセガマークⅢを所有していましたので、これが欲しかった記憶というのはありません。4096色発色のFM-77AVやMZ-2500などが登場していた頃で、そちらに目がいっていましたね。87年にPC-ENGINE、88年にメガドライブが登場してきますので、発売時期としても(遅くはないが)微妙な時期だったのではないでしょうか。その割には、強い印象の残っていたりする不思議な機種でもあります。
※86年発売ですが、FCと同時期として分類しています。
Wiki ファミコン、ツインファミコンの項、CVS オデッセイ、Runner's High!、Lost Legend 失われた伝説のゲーム
そのきっかけとなったのが、後に任天堂に入社された上村雅之氏です。
http://www.nintendo.co.jp/nom/0408/interv/
また、シャープはツインファミコン以前に、テレビ一体型のFC互換機「ファミコンテレビC1」を発売しています。
「ファミコン」の商標はこのときに登録されたものですね。
「ファミコン」の商標については、仰る通り元々電子レンジの商品名でした。私も誤解していました。
詳細な情報をありがとうございます。
何かネタを取り上げるときに、Wikiなど
2~3ヵ所調べてから書くようにはしてるの
ですが、詳細に調べ上げるまでには程遠い
状態ですね。ということで情報の補足や
間違いの指摘はありがたいです。
またswimieさんの記事経由で、loderunさん
のプログも知り、定期的に拝見させていただ
いております。古いゲームやメーカーなどの
詳細な情報が多くてとても参考になります。
今後とも、よろしくお願いいたします。
「ファミコン」の登録商標の件ですが、上の私の説明はわかりにくいので(苦笑)、補足させてもらいます。
ええと、シャープはまず「ファミコン」という名の電子レンジを発売しています。その際に、家電製品の区分で「ファミコン」の登録商標を取得しました。
そしてC1を発売する83年に、電子玩具の区分で再び「ファミコン」商標を申請したのです。
そういうわけで、「元々ファミコンとは電子レンジの名前であった」というのも事実ですが、法的には83年に申請された分が該当します。後に任天堂に譲渡されたのが、この83年の登録商標です。
尚、家電製品における「ファミコン」の登録商標は今でもシャープのものです。
“ファミコン”商標が、玩具用として譲られる
というのは変な話ですね。ここまでいきさつが
詳細に解説されたサイトはなかったような気も
します。目から鱗が落ちるような話です。
それにしても任天堂は、なぜ玩具用にファミコン
商標を登録しなかったのでしょうね。類似の名前
も抑えるというのは常識の筈ですが。83年といえ
ば、まだ権利関係が大らかな時代だったのかもしれ
ませんね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%AF
20年くらいそう思い込んでました。
その後、1993年にはNEC-HEからはヘッドフォン端子やポータブル機能を排除し、丸みを帯びた形状となり本体の色をホワイトにした「PCエンジンDuo-R(39.800円)」が発売、ビクターからはMIDI機能を排除した「ワンダーメガM2」を発売させるが、59.800円という価格では廉価版にしてもまだまだ高価だった。1994年には本体の一部のカラーリングの変更と同梱しているコントロールパッドを6ボタン仕様に変更され、CD-ROMドライブの読み込み性能が早くなった「Duo-R」のマイナーチェンジ版「PCエンジン Duo-RX(29.800円(PCエンジン最終形態))」が発売された。
NECはPCでも次々とモデルチェンジを繰り返す型の商売をしてましたので、ゲーム機でもその戦略をとったのでしょうね。PCエンジンは、シャトルが一番好きでした。